仕事終わりにヤニ吸ってたらどこか残念な年上女性に執着されてた件 作:熊鏡
うっかり別サイトに掲載されかけたあの日から数日経って、金曜になった。
火曜に優奈さんから金曜日飲みに誘われたのでノコノコついて行くこととした。
「⋯しっかし。月曜にはあんなこともあったしな」
大丈夫かな〜〜!?
大丈夫にしてえな。
「流石にあのままズルズル行くのはまずい」
「何が不味かったんだ?」
「うわ不審者おる」
先輩である。いつから居たんだろ。
「張り倒すぞボケ」
「くちわっる!」
「悪くもなるわ」
「それはそうっすね。ごめんなさい」
「すなおでよろしい」
当たり前である。
「で。何があった?」
「危うくホテルへGOするところだった」
「殺すわお前。今日付き合えよ。飲もうぜ。潰してやる」
「今日先約あるんでダメでーす」
「こいつら交b「やめろよ」ごめん言いたくなっただけなんだ」
あっぶねえなマジで!!!!
「でも今度飲もうぜ。久々に」
「そうすね。たまには飲みましょ」
「お前付き合い良いから好きだよ」
「男は趣味じゃなくて⋯」
「張り倒すぞ」
「冗談ですって」
酒は好きだからいいや。
「海鮮は―――――
「中通り住みなら割と何とかなりません? 」
「そいつら松島とか塩釜、いわきら辺でたらふく食うだろ」
「よく知ってるっすね」
「前カノと行ったんだよ」
「ああ⋯」
「同情の目でみんな!!」
いわきには有名なプールと蒸し風呂、温泉があるリゾート地があるのだ。
「まぁ東北はどこ行っても飯美味いっすよ」
「だろうな」
安くて美味いのである。
「まぁがんば。喰われたら笑ってやるよ」
「喰われませんよ。せめて今日は」
紫煙が立ち上る喫煙所で、俺は静かに覚悟を決めた。
せめてもうちょいブレーキを踏みたい。というか居心地いいから変に下半身に任せて動きたくない。
下半身に任せてもろくなことがないからね。
チキン?好きに言え。性欲に任せて動いてろくなことになるわけないのである。
「ま、ブレーキ踏みすぎて離れられないようにな」
「それはそうっすね。そこはがんばります」
ま。そん時はそん時である。
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金曜日、死に物狂いで仕事終わらせて喫煙所に向かった。
集合場所が喫煙所なのはどうなん?
まぁ助かるんですけど。
「まだいないな。ヨシ」
オイルライターに火をつけて。タバコに火を灯す。
「スーーーーーー⋯スゥ」
肺に煙が入る感覚が心地いい。
「ハァ⋯」
うますぎる。
「華金のタバコは美味いか?蓮くんよぉ」
「どちゃクソうまいです」
タバコを吸い始めた頃に優奈さんが来た。
「で、この後飲みに行くんすよね?」
「そ」
ボォォォォ⋯!とジェットライター特有の音を立てながら優奈さんはタバコに火をつけた。
「ま、華金だからなんなら朝まで飲んじゃう?」
「死にますよ」
「ジョーダンだよ。二割くらいは」
「八割本気やんけ」
だいぶ本気やんけ。
「チッ」
「舌打ちマジ???」
「チッ!!!」
「勢い強くなってんだけど」
とんでもねえなこの人やっぱり。
「大体、いつそういう感じになることがあったんすか?」
「⋯やっぱ覚えてないんだ」
私その時髪型も髪色も違ったしねー。と優奈さんは言った。
「え゛⋯?」
会ったことあんの???嘘でしょ?
「貴方の上司が酔ったついでに絡んだ女の子いなかったー? 」
「あーーー⋯去年の忘年会で特に酷い絡み方してた時あったような」
「その時助けられたのが私ね」
「え????」
あの黒髪ロングのド清楚そうなおねーさんが???
「うそだ」
「嘘ならなんで知ってんの??」
「それはそうかも」
あー、よく見たらパーツは同じなのか。
は?????
「女性怖」
「怖くない」
「怖いよ」
「怖くないよ」
「怖いって」
「怖くないよな???」
ひぃっ!?
「コワクナイデス」
「よろし」
それが怖えよ。
「そんなんで惚れる要素あります?」
「正味顔がどタイプだったのは認める」
「あ、ああ⋯そう」
照れる。
「あとは関わってるうちにズルズル惚れてきた」
「なるほどね⋯」
「顔真っ赤で草」
「うるさい⋯」
「こえちっちぇ!」
「うるさ!」
うるさすぎるぞこの人⋯!!
「あ゛ー⋯」
他でやれよ。嘘。無理です。個室とかで言われたら逃げ道ないので。
気づけばタバコはもうフィルター間際まで燃えていて。
ちゃっちゃと揉み消して二本目に口をつけた。
「もう一本行くんすか」
「行きますけど」
「ふーん」
「なんすか」
そのニヤニヤした顔はよぉ!!
「クソッタレめ」
肺に入れることすら忘れて、俺は煙を吐き出した。
口の中の煙はぬるくて、メンソール聞いてないのかと頭の中で勝手にキレて。
肺に入れてないだけだと気づいたのは二口目のことだった。
ちくしょう