【しごヤニ】仕事終わりにヤニ吸ってたらどこか残念な年上女性に執着されてた件 作:熊鏡
騒がしくクソッタレで楽しい楽しい平日がもうすぐ終わる。
そう、今日は金曜日。華金だ華金。
「ああ真壁、これやっといてくれないか?」
「え…??定時間際ですけど」
「頼むぞ」
「パワハラっすか」
「嫌なら他の人に頼むぞ。そうだな…篠谷あたり」
うげぇ…よりによって断れないやつに頼むのかよこいつ…
「わかりました。やっておきますよ。いつまでがいいですか」
「月曜の朝イチに頼む」
こいつまじ…!!
「承知しました」
部長に連絡しとくけどね。
せいぜい潰されろクソが。
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残業を終えて会社を出る。優奈さんからのメッセージに返信していると、優奈さんから通話が来た。
『や、蓮くんお疲れ』
「お疲れ様です優奈さん」
『残業だったんだって〜?』
「そうなんすよねぇ」
マジで疲れた。
『今から送る住所においでよ』
「え?」
『ご飯作ってあげるからお泊まりしよ??』
代わりにお酒買ってきて。
そんな甘美な誘いに、
「了解です」
俺はまんまと乗ってしまった。
『じゃ、また後で』
「了解っす」
少しして、メッセージに住所が送られてくる。
「喫煙所にまあまあ近いな⋯ッス-」
タバコ吸ってから行こ。
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さて、あれからタバコを吸って、コンビニで酒を買って指定の住所の近くまで来た。
とりあえず優奈さんに通話をかける。
『お疲れ蓮くん。近くに着いたの?』
「そうっすね。近場まで来ました」
『ん。じゃあ迎えいくね』
「あざます」
助かる〜。そうして通話を切って少しして。
「や」
「お疲れ様です優奈さん」
「お疲れは君でしょ」
「まぁそりゃそうですけどね」
カスの残業がよ。
「ま、これからしっかり癒してしんぜよう」
「アザース」
「お、照れてる?」
「いいえ?」
「またまた。ご冗談を」
「本音っす」
「なぁーんで」
当たり前やろがい。
「ま、いこーぜ蓮くん」
楽しい夜はこれからさ。
ふわり、と綻ぶような笑顔はとても綺麗で。やはり、どこか踏み間違えたような。食虫植物に捉えられた小蠅のような。
そんな、感覚。
「はいはい」
「にひっ」
耳元に覗くピアスが、夜の光できらりと輝いた。
今日も、ろくに眠れそうにない。
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「さぁて、さてさて。ほぉら缶を準備しな」
「ういーす」
俺はハイボール、優奈さんはビールをもち、その缶を開ける。
カシュッ…シュワァアアア…!!
おほ^〜〜〜〜
「最高」
「このために生きてる定期」
「じゃあ、」
「「カンパ〜イ!!」」
カァンッ!と、音をたて、打ち付けて一気に煽る。
グッ、ゴクッゴクッゴクッ…!!
「「ぷはぁあああ〜…!!」」
ウィスキーのほのかな香りと、炭酸の泡が喉と心を潤す。
ロックもいいが、ハイボールも悪くない。
「はい、料理も食べて食べて」
「あざっす」
食卓に並ぶのはご飯、味噌汁。そしてサラダに唐揚げ。揚げ物とハイボール…合わないわけがなくッ…!!!
「うまぁい!!」
「んふふ、よかったよかった」
酒で少し赤らんだ顔に緩む頬が可愛い。
「可愛い」
「ヘァ??」
「あ」
つい本音が。
「はぁ…!?」
実際可愛いから仕方ない。
「急に口説くじゃん」
「彼女を褒めても別にいいのでは」
「それはそうなんだけどぉ」
なんか違うじゃんそれはぁ…
と、ぐずぐずに溶けたような声の優奈さんがかわいい。
「まぁ、いいじゃないすか」
「なにがいいんだよぉ…全く」
グビグビと飲みながら唐揚げを頬張る彼女も可愛いものだ。
「ほらほら、酒が足りないんじゃないのお!?」
「声でか」
仕方ないにゃあ。
グビグビ、と酒を飲み、飯を食う。
「うっまぁ…」
「んふふふふ」
「めっちゃ嬉しそうすね」
「そりゃそう」
作ったご飯を美味しそうに食べてもらえるのは嬉しいもんだよ。
と、幸せそうに笑うものだから、こちらも居心地が悪くなる。
「ったくもう…」
「照れてんねぇ」
「うるせ〜〜〜〜」
そこから、たわいもない話をしながら酒をのみつづけた。
「ね」
「はいはい?」
「そろそろシャワー浴びなよ」
「つっても着替えが…」
「こんなこともあろうかと買ってあります」
「いつ????」
顔真っ赤で酔ってる人に言われても説得力ないんだけど。
「実はね〜、付き合えた次の日には買ってた」
「えぐ」
「黒いスウェットにボクサーパンツと下着もありまぁす」
「おおー」
ほな浴びるかぁ…
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そうして、俺も優奈さんもシャワーを浴び終え、そろそろ寝ようという話になった。
「じゃあこっち来てもろて」
「はぁ?」
「だって布団なんてないし。高いし」
「床でいいよ俺は」
「ゲストを床で寝かせるくらいなら私が床で寝る」
「なんでやねん」
「私の気がすまない」
俺だって嫌じゃ。
「じゃあ一緒にねよ????」
そうやって、布団を上げてこちらに手招きする。
「は??????」
「ほら。いやなの?」
嫌じゃないけど。
「じゃあおいでよ。ほら」
嫌がることなんてしないから。と、光の消えたような。粘ついたような笑みが向けられる。
「信用できねぇ〜〜〜…」
「いいから。ほら」
おいで。
「はぁ…お手柔らかに」
「確約は無理♡」
一緒の布団に入って、電気が消えて。
お手柔らかにしてもらったかって?
まぁ、朝には腰が終わりかけてたよ。
対あり。