【しごヤニ】仕事終わりにヤニ吸ってたらどこか残念な年上女性に執着されてた件   作:熊鏡

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第21話

 

 さて、蓮くんも帰ったし最近の私の成果をまとめようと思う。

 誰に話してんの?と言われたらわからないが、自分の思考をまとめるためなのだ。許してほしい。

 

 まず、付き合えた。

 これが強い。マジで強い。ブレーキかけなくて正解だった。

 

 次に、お泊まりデートができた。

 しかもまぁまぁな頻度で。なんならお着替えもある。勝ち。

 

「あとはもうちょい依存させて同棲まで行ったら勝ちよ」

 

 もう勝ち。カチカチ山。

 

「寝顔も可愛かったし」

 

 昼まで寝かせて二、三時間寝顔を眺めていた時なんて幸せすぎたね。私に気を許しまくってるのがわかっただけで幸せ。

 

「もっとダメになってくれると良いのにな」

 

 まだ足りない。まだまだ足りない。

 

「逃げ場になれば良いのに」

 

 逃げたくなって、最初で最後に駆け込む先が私なら良いのに。

 

「もっと弱いところも見たいな」

 

 泣きそうな顔も、落ち込んでいる顔も。

 

「全部見たい」

 

 怒った顔も。イラついた顔も。執着した顔も。

 

「余すところなく見たい」

 

 だから——————

 

「もっと見せてね。蓮くん」

 

 ずっとずっと、楽しみにしてる。

 

 

 

 —————————————

 

 さて、優奈さんちでゆっくりして。今は久々に自宅で風呂に浸かっている。

 

「平日も、なんて。危うくそのままずるずる行くところだった」

 

 いやまぁ、ぶっちゃけ優奈さんちがいっちゃん近いからそっちの方が助かるんだけど。

 

「そのうち優奈さんなしじゃ生きられなくなってしまう」

 

 ま、繁忙期過ぎてそのまま修羅場なんて——————

 

 

「ごめん。また修羅場」

「ピェ」

 

 その日の夜。

 

「優奈さんごめん。今から荷物まとめてそっち行っていい?」

『え???良いけど。何があったの』

「修羅場」

『繁忙期は過ぎたはずじゃ…』

「そう、思っていた」

『あっ』

 

 お世話になります。

 

「あああああああ…!!」

 

 家の換気扇にタバコの煙が吸い込まれた。

 

 それから少しして、優奈さんの家に着いた。

 

「お疲れ蓮くん」

「お疲れ様です」

「顔死んでるよ?」

「死にもする…」

 

 俺頑張ったのにぃ…

 

「ね」

 

 ぎゅうううううう…と抱きしめられた。

 

「お疲れ様。また忙しいみたいだけど頑張ってね」

「はぁい」

 

 ほんとにダメ人間になりそう。

 

「タバコ吸ったら今日は寝ようか。明日も早いんでしょ?」

「そうすね」

 

 換気扇下に移動する。オイルライターでタバコに火をつけて、大きく息を吸う。

 

「スゥウウウ…スゥ、ハァアアアアアア」

「スパー」

 

 吐き出した紫煙が混じり合って換気扇に吸い込まれる。

 

「ああ…泣きて」

「甘やかしてあげるからさ」

 

 この日は優奈さんの胸に埋もれて寝ました まる

 

 

 —————————

 

「…朝か」

 

 アラーム音に叩き起こされ、目が覚める。

 

「ご飯とお弁当できてるよ」

「あざっす。顔洗って歯磨いてきます」

 

 洗面所に向かい、朝の準備を済ませる。

 

 

 準備を済ませて、食卓についた。

 

「「いただきます」」

 

 朝ごはんはトーストにハムエッグ。サラダにお味噌汁だった。

 逆にポタージュとかスープじゃないのいいな。

 サクっ。とした食感のパンに半熟のハムエッグがうまい。

 

「おいし」

「でしょ〜?」

 

 美味しいご飯に舌鼓を打って、食後のタバコに赴いた。

 

「まぁ結局一服するよね」

「そりゃね」

 

 ヤニ決めてからじゃないと頑張れない。

 

「ハァアアアアア…」

「ふぅうう…」

 

 うっま!!!

 朝イチのタバコってなんでこんなうまいんだろ。

 

「朝イチのタバコだからだよ」

「それはそうかも」

 

 ああああああ。仕事行きたくな。

 

 玄関先まで行って、優奈さんに送り出される。

 

「じゃ。行ってらっしゃい」

「行ってきます」

 

 そうして、ハグでもされるのかと思えば。

 

「むっ?」

「んー」

 

 唇を奪われる。少しして、唇を離したかと思えば、唇を軽く舐められた。

 

「ちょ」

「あとは帰ってきたら。ね?」

「…はい」

 

 生殺しじゃねえか!!!

 

 ———————————

 

 職場について、デスクに腰を下ろすと。

 

「うわ」

「うわてなんですかうわて」

「表情筋やばいっすよ」

「そりゃそうでしょ。なんで真壁先輩は元気なんですか」

「彼女に元気もらいました」

「はぁ????」

 

 こっわ!!!

 

「へぇへぇ相手がいる方はようござんすねぇ」

「怖いって」

「修羅場に惚気られたらそりゃあね」

「それはそうかも。ごめんなさい」

「わかれば良いんですよ」

「はい」

 

 気合いで午前を乗り切って、昼。デスクで弁当を広げる。

 

「愛妻弁当ですか?」

「はい」

「許しません」

「なんで」

「幸せそうだから」

「怖いよ」

 

 お、中身すごいバランス取れてる。お肉に野菜に卵まで。

 

「うま」

 

 横の七瀬さんからはすごい顔で見られた。

 

 昼食後、俺は喫煙所に赴いた。

 

「スゥウウウウウ…スゥ、はぁあああ」

 

 うまい!!

 

「早速修羅場だなクソッタレ」

「ね」

 

 先輩の顔も死んでる。

 おいたわしや。

 

「お前は彼女のおかげで元気そうだがなぁ…!!」

 

 顔が般若になってるぅ!?

 

「怖いって」

「クソが」

 

 怖いってぇ!!!

 

「ま、ひとえに羨ましいだけなんだけど」

「素直」

「なんだ拳いるか???」

「いりません」

 

 ピィピィ。

 拝啓。優奈さん。別のメンタルが削れそうです。

 助けて。

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