仕事終わりにヤニ吸ってたらどこか残念な年上女性に執着されてた件 作:熊鏡
喫茶店を出て表通りに戻った。のだけど。
「何でまだそんなに不機嫌なんすか」
「若造が」
「若造が!?」
どこのラスボス!?
「何てこと言うねん」
「年上の余裕見させろよ」
ええ?
「奢りたかったから奢っただけっすよ」
「うざ」
「はぁ?????」
言いすぎだろ絶対に。
「まぁ今日は金出せないと思ってもろて」
「キモい」
「言い過ぎ」
なんて事言うねん。
「絶対次は私の奢りで」
「や」
「知りません」
「やです」
「知りませーん」
「最悪」
いいだろ別に見栄張ったって。
「もっと行きたいから分けっこすんの!」
「へいへい」
天使では??
「女神ですか」
「女神やめてね」
超えてたわ。
「全く」
顔を逸らしているが耳が赤い。
かわいいね。
「顔真っ赤ですよ」
「は??????」
こわ。
「全くもうさぁ」
と、優奈さんは軽く咳払いをして。
「ランチにいいカフェ行くよ」
「ウィッス」
顔赤いから怖くないね。
「生意気な後輩め」
「それで通っております」
ガハハ。
ゴッ…!!!
「ごえっ」
肘打ちはやばいって。
「軟弱」
「暴力いくない」
「ごめん」
「素直すぎません??」
「ごめんはごめんじゃん」
それはそうなんですけどね。
「まぁ連れてってくださいよ」
「まかせろり」
「任せた」
先導する優奈さんに続いて街道を進んでいく。
「今度は表通りなんすね」
「そ。ご飯美味しいけどドリンクメニューとかご飯のあとら辺に来る人が多くてね。ご飯が美味しいのはまだあんまりバレてないんだ」
「おおー」
そんなことあるんだ。
「この店ね」
「おおー」
さっきともまた違う街中のカフェって感じのところだ。
カラーン。と来店を知らせるベルが鳴る。
「いらっしゃいませ。二名様ですか?」
「はい」
「では空いているお席へどうぞ」
店員さんに促されて空いているテーブルに座る。
「メニューはこれね」
「ありがとうございます」
開いたメニューを二人で見る。
「コーヒーはやっぱり店のブレンド?」
「それで行きましょう」
「フードメニューがこんな感じだね」
なるほど。サンドイッチとかホットサンドとか結構軽いのからパスタとかまであるのか。すご。
「カツサンドにしようかなと」
「いいね。わたしはたまごサンドにしよっかな」
メニューも決まったので店員さんを呼ぶ。
「ではご注文伺います」
「カツサンドのコーヒーセットとたまごサンドのコーヒーセットひとつずつお願いします。どちらもコーヒーはブレンドで」
「承りました。カツサンドとたまごサンドどちらもブレンドコーヒーとのセットですね」
「はい。お願いします」
注文も済んだので軽く世間話でもしようと思う。
「そういえば優奈さんって休日何してます?」
「大概カフェ巡りかサブスク、動画サイトみてるね。ゲームもよくやる」
「なるほどなるほど俺も似たようなもんですね。ドラマとか見る感じですか?」
「いや全然アニメ。最近平成アニメリブート多くて嬉しい」
「わかります」
最近少年誌のやつとかリブートするしサブスクで復活してたりするし。
「俺たちに優しくて助かるよね」
「いやほんとにそう。マジで助かる」
あの漫画好きだったなーが多いのよ。
と、満足気に語る優奈さんに俺も嬉しくなる。
今期のアニメや昔の作品について語っていると、
「お待たせいたしました。こちら商品になります」
トレーからコーヒー、サンドイッチが提供される。
「「ありがとうございます」」
「じゃ、頂こっか」
「はい」
お手拭きで手を拭いて、カツサンドを手に取る。
ふわりとしたパンに、肉厚なカツがおいしい。シャキシャキとしたキャベツも食感にバリエーションを与えてくれる。
「おいしい」
「でしょ?良かったらたまごサンドの片方食べる?」
「いいんですか?ならカツサンドの片っぽどうぞ」
「え?悪いよそんなの」
「俺の気が済まないんです」
いいですか?と聞くと、不承不承ながらに優奈さんは頷いてくれた。
「ならもらうけどね⋯?ありがと」
「いえいえ」
そして、カツサンドを咀嚼し終わり、コーヒーを流す。
「お」
苦味と酸味のバランスがよく、スッキリとして飲みやすい。万人に受けそうな味だ。
カツサンドともよくあっている。
「おいしいですねこれ」
「でしょー?」
ニコニコとしながらコーヒーを飲む優奈さんは本当に嬉しそうだった。
「めっちゃ有意義な休日過ごせた気がします」
「いいじゃーん」
貴女のおかげですけどね??
ちなみにここも俺が払った。
へっ!!!!
「サイテー!」
なんでだよおかしいだろ絶対に。
―――――――――――――
俺は今大ピンチです。
ムッスーー
そんな擬音が聞こえてきそうなくらいむくれっ面な優奈さんを尻目に、俺は喫煙所でタバコを吸っていた。
「火」
「うっす」
オイルライターに火をつけて優奈さんの咥えているタバコに火をつける。
「すぅうううううう⋯」
ああえぐいスピードで減ってく。
「スゥ⋯ハァアアアアアアアアア⋯!」
ああすんごい不機嫌そう!
「⋯ごめんじゃんて」
「ゆるしません」
「ごめんて」
「ゆるさない」
「なんで」
「年上に奢らせなかった。マイナス
「えぐ」
俺にどうしろって。
「今度奢らせなかったら怒るから」
「うっす」
まぁ今度も俺が奢るけど。
「次奢ったら公で口にできないようなことするから」
「こっっっっっわ」
何されんの俺。
「善処します」
「確約して」
「検討します」
「結論を出せ」
「検討に検討を―――――」
「その口塞いでやろうか???」
「すみませんでした」
こっっっっっわ。
ビビり散らかしながらタバコを吸い終わって、喫煙所を出ると。
「⋯不満はあるけど、今日は楽しかった。また行こうね?」
と、太陽みたいな笑顔で言われてしまったので。
「はい」
俺としては肯定以外にしようがなかった。
恐ろしい
―――――――――――
「⋯まったく」
年上に奢らせなよあのナマイキなこーはいめ。
「まぁ⋯」
ちょーーーっとかっこよかったかもね?ちょっとはね?
「すぐに情けなく縋らせてやるから⋯!」
主に私がいないと生きられないくらい。
待ってろよ真壁蓮ッ!!!