さあ、物語の始まりだよ! 準備は良いかな?
OP:モルタデロとフィレモンのテーマ
報告を終えたモルタデロたちは、島全体の食料調達に向かい出した。Sクラスは事前に食料などの物資をログハウスに貯蓄しているが、自給自足を学ぶ為に食料調達を開始しているのだ。因みにメンバーはモルタデロ、フィレモン、帆波、鈴音、桔梗、美雨、ひより、恵、愛里、波留加、麻耶、比瑪となっている。佐枝とブレンたちはログハウスで待機だ。
「事前に島について調べたけど、ここでは山菜と綺麗な水、後は果物があるわ。けど、Dクラスも自給自足の作戦を使うわね」
「となると、私たちもサバイバル生活を学ぶ以上、敵に食料を取られずに行動しておかないと」
鈴音の説明を聞いた比瑪は、真剣な表情をしながら考えていく。確かに島にある食料は必須なので、争奪戦が激しくなる。まあ、Sクラスなら問題なくライバルを蹴散らして、余裕で取れるかも知れないが。
すると、桔梗が突然立ち止まり、ある物を発見する。
「ねえ、皆。あそこにあるの、果物が沢山あるよ」
「果物?」
桔梗が指差す方を見ると、そこには大量の果物が実っていた。バナナ、マンゴー、リンゴ、桃など沢山ある為、まさに天国と言うべきだろう。
「よく見つけたね」
「事前に調査したけどね。さっ、収穫しないと!」
帆波に褒められた桔梗は、籠を用意して収穫に向かい出す。鈴音たちも後に続き、果物の収穫に向かい出した。
「ひよりさん、ここは猿に変身してやっちゃいましょう」
「はい!」
モルタデロとひよりが鮮やかな手つきでサルへと変身し、ヒョイヒョイと軽快に木を登っていく。二人は熟したマンゴーやバナナを次々と枝からもぎ取り、下のメンバーに向けてポトポト落とし始めた。
「ほら、キャッチしてくださーい!」
「わっ、すごい! どんどん落ちてくるよ!」
「よっと!」
「これは問題なく終わるわね」
帆波が両手で大きなカゴを構え、落ちてくる果物を次々と見事にキャッチしていく。恵や麻耶も手際よくカゴに詰めていき、見事大量に手に入れる事に成功した。
「みーちゃん、見張りはどう?」
「こっちはバッチリ!」
波留加の質問に対し、美雨はグッドサインで答える。彼女は他のクラスの見張り番である為、冷静に目を光らせていた。今のところは問題ないが。
「にしても、こんなに都合よく南国フルーツからリンゴや桃まで揃ってるなんて、まるで誰かが用意した特設ステージみたいじゃない?」
「まあ、この無人島自体が学校側の用意したステージだからな。ただ、油断は禁物だ。さっき鈴音が言っていた通り、Dクラスあたりが同じように自給自足の食料を求めてやってくるかもしれないぞ」
比瑪が首をかしげながらリンゴを一つ放り投げてキャッチすると、フィレモンがやれやれといった顔で腕を組む。すると、彼のその言葉が的中したかのように、草むらがガサリと音を立てて揺れた。
「おい、見てみろよ! あそこに大量のフルーツが……!」
「マジか!? ここを抑えれば、俺たちの食料ポイントは一気に安泰だぜ!」
現れたのは、Dクラスの池、山内、そして腹を空かせた数名の男子生徒たちだった。彼らは目の前の豪華な果樹園に大喜びし、勢いよく飛び出してきたのだが――次の瞬間、木の上から降りてきた黒のスポブラとジャージ姿の鈴音たち、そしてサル姿のモルタデロと目が合った。
「……は?」
「え、Sクラス!?」
池と山内は、スタイリッシュかつ圧倒的な存在感を放つSクラスの女子生徒たちの姿に、文字通りフリーズした。さらに、目の前でサルが器用にバナナを食べているというシュールすぎる光景に、思考回路が完全に停止する。
「残念だったわね。ここはすでに私たちSクラスが先行して確保した場所よ。横取りしようなどと思わないことね」
「うおっ! 眩しすぎる……!」
「けしからん! 脳髄が……!」
鈴音が冷ややかな視線を送りながら腕を組むと、そのスポブラ姿の破壊力と相まって、殆どがひっくり返ってしまった。やはりこの姿を見ただけで、強烈としか言えないだろう。
「けど、お腹が空いているのなら、少しだけ分けても良いよ?」
「ぐはっ! これは強烈だ……」
「俺たちはこの天使に会えた事を……忘れない……」
帆波が優しい笑顔で声をかけると、Dクラスの男子たちはその神聖なまでの聖母の如き対応と美しさに、鼻血を噴き出しながら次々と地面に崩れ落ちていった。これもお約束としか言えないだろう。
「ふふっ、これじゃ戦うまでもないわね」
桔梗がクスクスと笑いながら収穫の作業を再開し、比瑪やひより、恵たちも楽しそうに笑い声を上げる。ある程度収穫した後、その一部を倒れているDクラスに分け与えた。
「さてと、帰ったら次は水ね」
恵の合図と同時に、彼女たちは一度ログハウスに。自給自足はまだまだこれからである。
※
ここからは二つのグループに分かれて行動し、自分たちのスキルで食料を調達していく。
水についてはひよりの魔術で問題なく汲み終える事に成功。しかし、汲みに来ていたCクラス男子が、彼女たちの姿に鼻血を出して倒れる事態に。
魚は海釣りを実行するが、モルタデロがサメとなって次々と魚を取りまくる事に成功。サメを見た他クラスが一斉に逃げ出す事態も起きてしまったが、帆波の説明に全員が納得。しかし、こちらも殆どの男子が鼻血を出して倒れてしまったのだ。
※
「食料については問題ないわね。けど、まさかこの衣装で多くの男子が倒れるなんてね……」
ログハウスに戻った鈴音は、スポブラの肩紐を引っ張りながら、ため息をついていた。いくら何でもやり過ぎであり、他クラスにも甚大なダメージを受けたのは確実だ。
「明日になるとみーちゃんの罠もあるし、他クラスの受難はまだまだ続きますね」
「そうだな。だが、サバイバルはこうでもないと面白くない。果たしてどのぐらい生き残るかだな」
愛里の推測に佐枝も同意するが、明日はどうなるのか楽しみで不敵な笑みを浮かべている。こうなると他クラスの受難は無人島サバイバル試験が終わるまで、永久に続くだろう。
※
その夜、南の海岸にあるDクラスでは夕食会が行われていた。山菜、果物、魚もだが、何故かコンテナに米やパンもあるとは予想外だ。
「何故米とパンがあるのか気になるが、恐らく学園側が用意したに違いないな」
「食料は困る事はないけど、あそこの普通サイズのコンテナは取っても次々と出るからね……」
綾小路の意見に平田は苦笑いしてしまう。食料としては助かるが、無人島にコンテナを設置するのはどうかと思うだろう。
「……なあ、これ本当に大丈夫なのかよ? いくらなんでも、このコンテナから無限にパンが出てくるなんて怪しすぎないか?」
「うん……学校側が用意した特別ルールの一環かもしれないけれど、ここまでトントン拍子に食料が手に入ると、かえって裏があるんじゃないかって警戒しちゃうよね」
山内が手渡されたばかりのピカピカのメロンパンをじっと見つめながら、不安そうな声を漏らす。平田も難しそうな顔で腕を組みながら頷いた。誰もが気になるのも無理はない。
そんな中、綾小路清隆は静かに持参した水を飲みつつ、冷静に分析を口にする。
「おそらく、完全に飢餓状態に陥るのを防ぐための最低限の救済措置だろう。だが、これに頼り過ぎると他のクラスとのポイント差で大きく後れを取ることになる。明日からは自力での探索範囲を広げる必要があるな」
「確かに……」
「明日から気合を入れ直さないとな」
綾小路の的確な指摘に、Dクラスの面々は少しずつ士気を高め合っていく。頼り過ぎずにどう生き抜くかがカギとなるだろう。
すると、須藤が誰かがいない事に気づく。
「おい、高円寺がいないぞ!」
「本当だ!? あいつ、一体何があった!?」
高円寺がいない事にクラス全体がざわつく中、平田が苦笑いをしてしまう。その様子だと、彼は事前にその本人から伝わっているのだろう。
「美しくないからリタイアするってさ」
「「「ええーっ!?」」」
平田の発言にこの場にいたクラス全員が驚いてしまう。同時に彼らのポイントも30ポイント減点になる結果になってしまったのだ。
しかし、不幸はこれだけでは終わらない。彼らが迎える「翌日」には、想像を絶する別の意味でのサバイバル(受難)が待ち受けようとしていたのだった。
ED:Rock'n Rouge(一之瀬バージョン)
高円寺は原作通りリタイア。唯我独尊ですね。
次回は罠が次々と作動しまくります!
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