さあ、今日も始まるぞ!見逃さない様に!
OP:モルタデロとフィレモンのテーマ
騎馬戦が始まりを告げられたが、Sクラスは波留加、愛里、麻耶、比瑪、ひよりの五人が出場。このメンバーで挑むみたいだが、いくら何でもハンデがあり過ぎるだろう。
「あれ? メンバーが少ないが、これじゃあ、勝負にならないんじゃないか?」
「いくら何でも可哀想としか思えないな……」
Sクラスのメンバーの少なさに、池と山内は疑問に感じてしまう。いくら何でも騎馬戦の人数が少な過ぎるし、これではただのイジメとなってしまうのだ。
「ご心配なく。皆、来てちょうだい!」
比瑪の合図と同時に、ユウブレン、ヒメブレン、ナンガブレン、ラッセブレン、カナンブレン、ヒギンズブレン、ネリーブレン、グランチャー、さらには美雨が開発した量産型戦闘ロボが姿を現す。恐らくこの時の為に用意していたに違いない。
「そこは考えているのか。まあ、人数が合わされば良いが」
須藤が納得した後、全員が騎馬を組んで戦闘態勢に。しかし、Sクラスが本格的なメンバーで挑む事になった以上、他クラスの敗北は必然かも知れない。
「まあ良い。相手が誰であろうとも、問題なしだ!」
龍園が叫んだその時、何処からか手榴弾が飛んできて、彼の頭に激突。そのまま爆発に巻き込まれて黒焦げになってしまったのだ。
「なんでだ……」
龍園が騎馬から落下したその時、試合がスタート。騎馬の一部が倒れている龍園を踏んでいるのも見えていた。
「――よし、全機起動! 我らSクラスの防衛陣形、突破できるものならやってみなさい!」
比瑪の威勢の良い掛け声とともに、ズラリと並んだ『ブレン』シリーズの機動兵器群と量産型戦闘ロボたちが、一斉に不気味な駆動音を唸らせながら突撃。前方の敵騎馬を次々と弾き飛ばしてしまい、最早敵無しといったところだ。
「なっ……なんだあの動きは!? 人間が操縦してるレベルを超えてるぞ!」
Aクラスの葛城や、Bクラスの神崎が冷や汗を流しながら後退しようとするが、時すでに遅し。
ひよりは騎馬の上で片手に文庫本を開きながら、余裕の表情をしている。更に麻耶と愛里が的確な指示で、量産型戦闘ロボを操って他クラスの退路を完全に塞いでいく。
おまけに先ほどの手榴弾で黒焦げにされ、騎馬から真っ逆様に墜落した龍園の背中を、容赦なくロボットの足が踏みつけていた。哀れとしか言えないのも無理はない。
「ぐはっ……こんなのありかよ……」
地面に這いつくばった龍園は、そのまま白目を剥いて完全に沈黙。Dクラスの他のメンバーも、あまりの圧倒的な光景に戦意を喪失し、次々と膝をついていく。
「ふふっ、順調すぎる滑り出しだね! この調子でいけば、完全勝利もあっという間だよ!」
「よし、この勢いで残りの敵陣も一網打尽にしちゃおう!」
愛里が嬉しそうに微笑むと、波留加も同様に気合を入れる。Sクラスの圧倒的な戦力に他のクラスは次々とやられ、観客席まで飛ばされる者もいる。まさに地獄絵図としか言えないだろう。
「こ、これはいくら何でも……がはっ!」
「須藤ーーーーーっ!!」
哀れ須藤は波留加に殴り飛ばされ、観客席に激突。ピクピクと痙攣しながら失神してしまった。
「おいおい。これは流石に……! ウゲッ!」
「池! ぐはっ!」
池と山内も愛里とひよりに殴り飛ばされ、こちらも観客席に激突。須藤と同様の結果になった。
「やり過ぎとしか言えないが、これではSクラスのオンパレードその物だな。どんなに訓練を積んだとしても、彼らには敵わないという事が明らかだな」
佐枝は真剣な表情をしながら、この戦いを冷静に見つめていた。いくら他クラスが鍛えていても、Sクラスには敵わない。特にモルタデロとフィレモンさえいなければ、こんな展開にまで至る事は無かった筈だ。
ここでピストルの音が鳴る。試合終了の合図だ。
「えー、圧倒的な差でSクラスの勝利です!」
結果報告に比瑪たちは喜んでいるが、対する他クラスはズタボロで倒れている。いくら何でも戦力差があり過ぎて、こうなるのも無理はない。
※
騎馬戦の後は長縄。この競技はSクラスは参加しないので、AからDクラスのみの参加となる。因みにこの勝負はクラスのランク上げに関わる事なので、Sクラスは観戦する事に。
「長縄か……これでクラスのランク上げが決まるとなると、皆の協力がどうなるかだな」
「どういうことですか? ただの長縄跳びなら、みんなでタイミングを合わせて跳ぶだけの競技に見えますが……」
恵が首をかしげながら尋ねると、佐枝は冷めた視線をグラウンドの片隅に向けた。そこにいるのは、先ほどの障害物競走や騎馬戦ですっかりボロボロになり、全身包帯だらけ、あるいは鳥の着ぐるみを着せられたままの他クラスの生徒たちだ。
「見ればわかるだろう。あいつらは先ほどまでの過酷な特訓や、お前たちの圧倒的な暴力――いや、圧倒的な実力行使によって肉体的にも精神的にもズタボロだ。そんな状態で全員が息を合わせて長縄を跳び続けることなど、今のあいつらにとってはエベレスト登頂よりも困難な苦行に等しい」
「なるほど、お互いの足並みが少しでも狂えば、怪我が悪化してさらなる悲劇が起きるわけですね……」
佐枝の冷静な解説に、ひよりはどこか小説のワンシーンを見るようなのんびりした口調で頷く。こうなると流石にまずいとしか言えず、悪い事をした気分だ。
すると、ここでモルタデロが観客席から移動し、メガホンを手に取って声かけした。
「えー、痛む身体が出てくると思いますので、ここは水を飲んでからスタートしましょう。そしたら傷も治りますので」
「本当なのか? まあ、一応やってみるが」
モルタデロの指示に他クラス全員が水を飲むと、傷や精神も完全に回復していた。まさかの展開に誰もが驚きを隠せずにいた。
「治りましたが、これは一体……」
「気にしたら負けですよ」
「いや、気になるのですが」
(恐らくこの空気がギャグマンガの展開になってきてるな。俺たちの傷が治ったのも、そうであるに違いない)
平田は苦笑いしながら質問するが、モルタデロは後を向きながら観客席に戻る。その様子を見た綾小路は冷静に分析をしていた。
「さて、怪我が治ったとなれば、言い訳はできないぞ! 各クラスとも、実力で真剣勝負を見せてくれ!」
体育教師の気合の入った掛け声とともに、再び長縄跳びの競技エリアに緊張感が走る。
先ほどまで全身ボロボロで這いつくばっていた他クラスの生徒たちだが、モルタデロ特製の「謎の万能水」を飲んだおかげで、嘘のように体が軽い。
「よし! ここからはクラス昇格を賭けた戦いだ! 必ずAクラスを目指そう!」
「そうだな! ここでやらなきゃ意味がないぜ!」
平田の掛け声に須藤たちも気合を入れながら応えていく。同時に長縄の競技も始まりを告げられたのだ。
ED:淋しい熱帯魚(恵&麻耶バージョン)
騎馬戦は圧倒的勝利。次はAからDクラスの長縄です!
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