では、今日も張り切って行くとしよう!
OP:モルタデロとフィレモンのテーマ
AからDクラスの長縄が始まり、各クラス一斉にスタートする。モルタデロたちは観客席で観戦しているが、邪魔をせずに見守る事を専念しているのだ。
「長縄は団結力とスタミナが鍵となる。何処までやれるかね」
「ええ。特にCクラスとBクラスが有利だからね。後はスタミナだけど……」
鈴音の真剣な推測に、帆波も心配の表情で見つめている。
長縄は団結力とスタミナが鍵となるが、一つでも低ければ早く失敗に終わる可能性もあり得る。こうなるとどれだけ我慢できるかがカギとなるだろう。
「まずは五十回突破となるけど、まさかここで仕掛けは無いでしょうね?」
「今回は見守るだけだからな。私としてはつまらないと思うが」
「いや、これぐらいが丁度良いですから」
桔梗のジト目の質問に対し、バクテリオは頷きながら応える。それに恵がツッコミを入れ、麻耶たちが苦笑いするのも無理なかった。
すると、Dクラスの生徒の一人が苦しそうな表情をしている。恐らくスタミナが限界となっているだろう。
「はぁっ、はぁっ……! だ、ダメだ、足が鉛のように重い……っ!」
「おい、しっかりしろ!」
男子生徒の息苦しさに、龍園が声を掛ける。モルタデロの万能水によって怪我は完治したものの、これまでの過酷な特訓や激しい疲労の蓄積まで完全に消え去ったわけではなかったらしい。
すると、龍園の足が縄を引っ掛けてしまい、Dクラスはここでストップ。42回で最下位確定となった。
「ちっ……体が完全に温まる前に終わちまったか……!」
地面に転がった縄を見つめながら、龍園は痛恨の表情を浮かべて舌打ちする。
先ほどの障害物競走や騎馬戦でさんざん痛めつけられ、万能水で一命を取り留めたとはいえ、蓄積した疲労の底まではカバーしきれなかったらしい。あの絶対的なカリスマ性を誇る龍園が自らのミスで最下位を確定させてしまった光景に、Dクラスの面々は絶句するしかなかった。
「り、龍園さんが引っ掛けるなんて……」
「やっぱり、あの特訓のダメージは想像以上だったってことか……」
石崎たちが青ざめる中、龍園はふらりと立ち上がる。まだ疲労が残っていて、フラフラと歩いている状態だ。
「まぁいい、今回はここまでだ。次に仕返すチャンスはいくらでもある……!」
龍園は不敵な笑みを崩さず、すごすごと引き下がっていく。しかし、今後もモルタデロたちのやり方によって、酷い目に遭うのは確実だが。
「残るは三クラスのみか。皆、頑張れ!」
帆波の声援と同時に、A、B、Cクラスの長縄のスピードは早くなる。疲労の蓄積はあるが、ここで止まる理由にはいかない。限界突破できるかどうかがカギだ。
(一之瀬さんがいなくなってから、Bクラスはパニックになっていた。俺がリーダーになってから落ち着きを取り戻したが、その喪失は凄く大きい。だからこそ、俺がここで負ける理由にはいかない!)
神崎は心の中で思いながら、クラスメイトたちと共に跳んで行く。帆波の後を継いだ以上、必ずAクラスに上がる事を決意しているのだ。
「はぁっ、はぁっ……! みんな、足を上げるんだ! まだ行ける!」
神崎の気迫に満ちた叫びに応えるように、Bクラスの生徒たちは顔を真っ赤にしながらも必死に縄へと飛び込み続ける。
一之瀬が抜けた穴を自らの双肩で背負い、クラスを引っ張り続けてきた神崎の執念は、限界を迎えかけていたメンバーの足に再び力を宿させていた。
「まだいけるよ! ここが踏ん張りどころだ、呼吸を合わせて!」
Cクラスでは平田が優しく、しかし力強い声でクラスメイト一人ひとりを鼓舞する。ボロボロになった体を互いに支え合いながら、Cクラスは驚異的な集中力でリズミカルにジャンプを重ねていく。その傍らで、高円寺は相変わらず片手で前髪を整えながら、まるで優雅なワルツでも踊るかのように軽々と縄をくぐり抜けている。
「ふっ、汗をかくなど野暮の極みだが、これだけ周りが必死な姿を見せられては、少しだけ華を添えてやるとしようか!」
高円寺がふっと不敵な笑みを浮かべ、いつも以上に華麗な身のこなしで周囲を圧倒していく。それはまさに華麗で見事としか言いようがない。
そしてAクラスでは、葛城が汗を拭うこともなく前方を凝視し、確実なペース配分で陣形を維持していた。彼の統率力は実に見事としか言いようがない。
「――八十九、九十……!!」
放送委員のカウントが九十回を超えた瞬間、グラウンド全体が異様な熱気に包まれた。ここまでやれるというのは凄すぎるとしか言えず、誰が勝ってもおかしくはない。
「すごい……! どこのクラスも、執念だけで跳び続けてるわね……!」
「うん、ここまで来たら、どちらが勝ってもおかしくないね」
観覧席で見守る鈴音や恵、そしてモルタデロたちも、思わず息を呑んでその一挙手一投足を見つめている。帆波も祈るような気持ちで、必死に戦うBクラスの神崎たちの姿を見つめていた。
カウントは百回を超えてしまい、ラストスパートに突入。先に脱落するのは誰なのかと気になっていた。
「しまった……!」
すると、Aクラスの列で、一人の男子生徒が疲労のあまり足をもつらせ、回転する縄に足を引っかけた。
無情なブチッという音と共に、Aクラスの記録は「103回」でストップする。
「すまない……みんな、俺のペース配分が甘かった……!」
「気にするな。ここまでよく持たせた方だ」
葛城が悔しそうに歯を噛みしめる男子生徒の肩にそっと手を置き、労いの言葉をかける。Aクラスは惜しくも脱落となったが、その健闘に観覧席からは拍手が送られた。
残すはBクラスとCクラス。どちらも一歩も引かぬ激戦である事は間違いない。
「さあ、ついに一騎打ちになったわね……! どちらが勝つのか、全く読めないわ」
観覧席で鈴音が息を呑み、帆波は自らの胸の前でぎゅっと両手を組みながら、必死にBクラスの神崎たちを応援する。
グラウンドに残されたBクラスとCクラスの生徒たちは、すでに体力の限界をはるかに超えていた。汗水滴り、息を荒げながらも、お互いの執念が火花を散らすように激しくぶつかり合っている。
すると、Bクラスの生徒の一人が足を引っ掛けてしまい、ここでストップ。記録は128回で2位に。
そしてCクラスも山内が足を引っ掛けてストップ。記録は134回で1位という結果になった。
「終わったみたいだね。皆、お疲れ様」
帆波は長縄を終えた他クラスを見ながら、労りの言葉で笑顔を見せる。ハラハラした戦いであったが、最後まで頑張った彼らに敬意を表していた。
「さっ、次はSクラス女子のチアリーディングね。皆、行くわよ!」
「「「はい!」」」
比瑪の合図と同時に、Sクラスの女子生徒十人がチアリーディングを披露しに、入場ゲートへ向かい出す。果たして彼女たちのチアリーディングは、どんな動きを見せてくれるのか。
ED:淋しい熱帯魚(恵&麻耶バージョン)
長縄が終わり、いよいよチアリーディング! 上手く成功できるのか!?
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