モルタデロとフィレモン よう実スパイ大作戦   作:蒼牙王

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皆さん、佐倉愛里です。
生徒会長さんは堀北さんのお兄さんと判明。ハラハラドキドキでどうなるか心配だったけど、スパイ活動の成功で褒められました!
今回も精一杯頑張ります! では、今日もスタートです!

OP:モルタデロとフィレモンのテーマ


第9話 Dクラス調査

 中間テストが終わりを告げられ、モルタデロたちは高成績で上位に入る事に成功。因みにモルタデロは学年一位という高成績であり、鈴音たちが疑問に思うのも無理はない。

 

「ねえ、モルタデロさん。あなたの学力は実に見事としか言えないけど……なんで学年一位なの?」

 

 鈴音はジト目をしながら、モルタデロに対して質問する。スペインから来たばかりなのに、いきなり学力が一位なのは疑問に感じる。まあ、彼は大人なので当然と言えるが。

 

「私はこう見えても頭脳派ですので。変装も得意ですが」

「まあ、お前はそうだろうな。俺もだいたいは分かるぞ」

「大人は羨ましいけど……私たちも頑張らないとね……」

 

 モルタデロとフィレモンの話を聞いた桔梗は、苦笑いをせざるを得なかった。帆波たちも納得した様に同様に頷く。まあ、年齢の差もあるのだが、こればかりは仕方がないだろう。

 

「お前たちも高得点を叩き出し、見事としか言えない。ポイントも多く貰える事は確実だ」

「そうですね。私たちもまだまだここからですし、頑張りましょう!」

 

 佐枝からの説明を受けた帆波は、皆に対して笑顔で励ます。鈴音たちも頷きながら同意する中、美雨がある事を思い出す。その様子だと何か気になる事があるだろう。

 

「ねえ、Dクラスはどうなったのかな?」

「言われてみればそうだね。私たちが抜けた事で、戦力的にもダウンしたし……」

 

 美雨の発言を聞いた恵は、真剣な表情で考え始める。確かに自分たちがいなくなったDクラスは弱体化は確実。罪悪感を感じるのも無理はない。

 

「Dクラスは残念ながら中間テストの点数が悪かった。ポイントも0だ」

「となると、ここはDクラスの現状を調査するしかないわね。見つかったらどんな手を使っても気絶させないと」

「爆弾もありかもですね」

「それは止めろ!」

 

 佐枝の報告を聞いた波留加と愛里の考えに、フィレモンがツッコミを入れる。確かに見つからないのは大事だが、気絶させるのはやり過ぎだ。死ぬ事は無いが、包帯まみれの大怪我になる可能性はあり得るだろう。

 

「仕方がありません。ここは皆で調査に向かいましょう。スパイ衣装となって、見つからずに行動する様に」

「分かりました。私も変装して向かいます!」

「ひーちゃんも変装できるの!?」

 

 ひよりも変装する事を宣言し、美雨たちは驚いてしまう。まさか彼女がモルタデロと同じく変装ができるのは、予想外としか言えないのも無理はない。

 

「大丈夫です。モルタデロさんから色々教わりましたので」

(((不安しかない……)))

 

 ひよりの笑顔にモルタデロ、帆波、佐枝以外のメンバーは、冷や汗を流しながら不安な表情をしてしまう。彼の様に馬鹿な作戦を考えつき、同じ性格になってしまう事に危機感を抱かずにはいられなかった。

 

 ※

 

 Sクラスの全員はスパイ衣装となり、Dクラスの様子を確認し始める。因みに彼らは段ボール箱に身を隠しながら、Dクラスの教室をこっそり覗き見していた。

 今の時刻は放課後で、皆はそれぞれの日常を過ごしていた。

 

「ひーちゃん、それ本当に変装になってるの……?」

 

 美雨が引きつった笑顔でツッコミを入れると、ひよりは段ボールの隙間からパチパチと目を瞬かせながら微笑んだ。

 

「ふふっ、甘いですねみーちゃん。これはモルタデロさん直伝の『ただの机・不自然に廊下に佇むボックス型イリュージョン』です」

「全然なってないだろ!! 逆にめちゃくちゃ目立ってるわ!」

「やめなさいよ、あんな変な箱を被って歩いたら一発で不審者として連行されるわよ」

 

 フィレモンがすかさず激しいツッコミを入れ、鈴音も冷ややかな視線を送る。いくら何でも流石にこれはどうかと思うだろう。

 すると、帆波はガラス越しでこっそりとSクラスの様子を確認する。

 

「わあ……本当だ。男子の席のほう、ものすごい重苦しい空気になってる……」

 

 帆波が同情するような声を漏らす。

 教室の中では、中間テストの壊滅的な結果とポイントゼロという現実を突きつけられた池や山内といった男子たちが、机に突っ伏して絶望のどん底に浸っていた。辛うじて平田が必死に声をかけて励ましているものの、生徒たちの気力は完全にすり減っている。その一方で、高円寺は相変わらず我が道を行くマイペースさで鏡を眺めて自分の筋肉を称賛していた。

 

「私たちが抜けた穴は想像以上に大きかったみたいね……。特に戦力としても、精神的支柱としても」

 

 鈴音は腕を組みながら冷静に分析する。かつて自分が所属していたクラスの惨状を目の当たりにしつつも、どこか冷めた、しかし客観的な視点を持っていた。

 

「でも、女子たちは意外としっかり勉強を続けてるみたいだね」

「まあ、自業自得ってやつでしょ。あんな状態で私たちが戻ったところで、足を引っ張られるだけだしね」

 

 桔梗が完璧な笑顔の裏でクラスの動向を見据えると、波瑠加もとバッサリと言い放つ。

 その時、教室内で静かに座っていた綾小路とふと目が合ったような気がした。綾小路は相変わらず無表情のまま教科書をめくっており、特にSクラスの存在に騒ぎ立てる様子もない。

 

(……相変わらず、何を考えているのか分からない男ね)

 

 鈴音が心の中で小さく呟いた後、彼女たちは一斉に帰り始める。クラスの様子を見た以上、ここに用はないからだ。

 

「後は自分たちで頑張るしか無いみたいね」

「そうね。私たちは私たちなりで頑張るしかないし」

 

 波留加の意見に恵が同意したその時、教室から一人の女子生徒が出てきた。その生徒は恵たちに気づき、彼女たちの方向を向いてしまう。

 

「あれ? 恵じゃない。まさかここで出会えるなんて」

「ま、麻耶……バレちゃった……ひえっ!」

「あっ、待ってよ!」

 

 なんと恵の友人であった佐藤麻耶にバレてしまい、Sクラス全員は一斉に逃げ出してしまう。それを見た麻耶は、彼女たちの後を追いかけ始めた。

 すると、そのドタバタはDクラスにも聞こえ、須藤たちも教室の扉を開けて様子見する。そこに見えたのは麻耶だけでなく、恵たちの後ろ姿も見えた。

 

「おい……嘘だろ……? 俺たちのクラスから消えた恵ちゃんや愛里ちゃんが……あんな華やかなスパイ衣装を着て……しかも、あんなふざけた変態と一緒に楽しそうに……」

「しかも愛里ちゃん、眼鏡外してストレートヘアになって……めちゃくちゃ可愛くなってんじゃねぇか……!!」

「なんでだ……! なんで俺たちは毎日絶望してあえいでるのに、あいつらはあんなキラキラした青春を謳歌してやがるんだぁーーっ!!」

 

 須藤たちはまさかの展開に絶望しながら叫んだ後、彼らはある決心を固めた。どうせ禄でもない事に違いない。

 

「俺たちも行くぞ! こんな絶望はごめんだ!」

「ちょっと皆、落ち着いて!」

 

 平田の叫び声も聞かず、須藤たち男子勢も追いかけ始める。欲望がエスカレートしている以上、こうなると誰にも止められないのだ。

 

「まあ、こうなるのも無理はないか」

「これも青春のような物だな」

 

 綾小路と高円寺はこの光景を見つめながら、それぞれの意見を述べていた。果たしてSクラスはDクラスの猛追から逃げ切れる事ができるのか。




ED:Rock'n Rouge(一之瀬バージョン)

バレてしまいました……果たして逃げ切れるのか!?

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