バイトをクビになった貧乏大学生の俺、ゴミ置場で口癖が(のじゃ)な巨乳金髪美少女龍を拾って育てられる   作:冰藍雷夏

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第1話 貧乏大学生、ゴミ捨て場でドラゴンを拾う

 

 俺、竜籠《りゅうかご》真也《しんや》はコンビニのバイトをクビになった。

 

 日本人の俺を雇うよりも、「安く使えてよく動ける獣人を数人雇う」とかあのアホ店長は言っていたな。

 

(確認作業がトロいお前よりも、可愛くてお馬鹿な獣人を雇った方が目の保養になるんだよ)

 

(任せるニャ~!)

 

(……おい。なんで店内で煙草吸ってんだ?)

 

(任せるニャア)

 

(煙草吸うな。アホ! コンビニの酒を飲もうとするな!)

 

(((任せろニャア)))

 

 ……とのことだ。

 アホ店長は、在庫管理を緻密にやっていた俺よりも、煙草好きの可愛い獣人が良いらしかった。

 

 

「はぁ~、突然のバイトクビ、学費どうすっかな~! 久しぶりにダンジョン潜って金策するか? いや、ブランクあるし面倒いな」

 

 ダンジョンが出現して半世紀くらいか?

 その影響で今のこの世界には、獣人やらエルフやらの異種族と共存する……

 

「世界なんだよな……コンビニは人間しか雇ってなかったから楽だったけど。他のバイトだと人間以外とコミュニケーション取ることになるし……」

 

 グ~!とお腹の虫が鳴り始めた。

 コンビニバイトは廃棄用の弁当が貰えるだけ貰えたから重宝してたんだけどな。

 

 マジでどうするか。

 財布の中には小銭しか入ってないぞ。

こないだのコンパで大盤振る舞いしちまったからな。

 

「……どうしよう」

 

「! もし、そこのお主。わらわを拾って育ててみぬか?」

 

 声がした。

 朝、俺がいつもゴミを捨てているゴミ置場で―――段ボールの中にちょこんと座ったドラゴン美少女が俺のことを見つめていた。

 

「……………は?」

 

「わらわを拾うのじゃ! わらわはちょっと不良のドラゴンギャル。故郷のちょっと神聖な神殿を壊して追放された憐《あわれ》れな追放系ドラゴンギャルなのじゃ」

 

「……………は?」

 

 やべー、やべー奴に絡まれたぞ。

 無視してさっさとボロアパートに帰ろう。

そして寝よう。

 

「金髪巨乳ギャルじゃぞ。見た目は龍人じゃが、そこもチャームポイントじゃ。角と翼と尻尾もついてくるのじゃ」

 

「……さようなら」

 

「無視するでないわ、馬鹿者! わらわは龍人族の姫なんじゃ! 絶縁されて元じゃがな」

 

 まったく興味のない情報が更新されていくわ。

 いや、見た目はたしかに金髪美少女ドラゴンさんだが。

 

 龍人族?……どんな種族だ? 聞いたことないぞ。

 

「すみませんね、龍人さん。うちの親から『変な龍人族とは関わっちゃいけません』って教育されているんで、俺はここら辺で失礼します。良いご縁を願っております。それじゃあ」

 

「はわぁ? ちょっと待つのじゃ。わらわは無一文で宿もないのじゃぞ」

 

 それは可哀想だが。

 俺には龍人族の金髪美少女を養う余裕なんてどこにもない貧乏大学生だ。

 

 そりゃあ、金銭面で余裕があるならば。目の前の金髪巨乳美少女ドラゴンと関係を持ちたいとは思うが……

 

「うちには飯も無いんでね。さようなら、ドラゴンさん」

 

「ま、待ってなのじゃ~! それならば、わらわがお主に無限の食料をご提供するのじゃ! 極上の”ドラゴンテール”を食べさせてやるぞ」

「……何? 極上のドラゴンテール? なんだそりゃあ?」

 

 興味を惹かれた。

 これでも上京前は実家暮らしで、そこそこの良い暮らしをしていたから旨《うま》い物も食べていたんだ。

 

 珍味には目がない。

 

「仕方ねえ。その極上のドラゴンテールの味次第で部屋に住まわせてやらんこともない」

 

「本当か? 任せておけ。お主にはわらわの極上のドラゴンテール料理を振る舞ってしんぜよう」

金髪美少女ドラゴンさんはそう言うと、巨乳なお乳をプルンッ!と揺らして胸を叩いた。

 

 

 数時間後。

 俺のボロ部屋のテーブルには、ドラゴンの尻尾の丸焼きがこんがりと焼き上がり乗っかっていた。

 

「う、うめえ、なんだこりゃあ? あんた、こんな食材をどこから持って…」

 

「む? わらわの名前はアルビオンじゃ。お気兼ねなくアルちゃんと呼ぶとよいぞ、ご主人様よ」

 

 …………自己紹介したアルビオンの方を見た。

 

 修道女みたいな服に血のようなものが付いている。そして、さっきまでユラユラと揺れていたアルビオンのドラゴンの尻尾がなくなっていた。

 

 血も滴る良いドラゴン……じゃねえ。

 まさか俺がガツガツ食ってるこの肉って?

 

「お前……このドラゴンテールの丸焼き料理って、まさか?」

 

「む? 勿論、わらわのドラゴンテールじゃ。旨かろう?」

 

「ブーッ! お前、完食しちまったじゃねえか!! 誰が今日招いた客人の尻尾の料理を食わなくちゃいけな……がぁ? オエェェ!!」

 

 あ、熱い? 口から何か吐き出される?

 

「おおぉ! 口から火を吹き出すとは、まさか適合したのか? ご主人様よ」

 

「適…合だと?」

 

「うむ。わらわのドラゴンテールを食べて龍魔法でも使えるようになったんじゃろう。良かったのう、ご主人様よ」

 

 なに言ってるんだこいつ?

 大学生の俺が龍魔法? 口から火を吹いた?  意味わかんねえ。

 

 ドラゴン娘の尻尾なんて食った俺は……これからどうなるってんだ?

 

 腹を満たせたその日の夜、俺は人間をやめた。

 

 

 

 

◎現代ファンタジーものです。

 

「これからばりばり働いてもらうぞ。まずは在庫管理を覚えてくれ」

 

「算数できないニャア。在庫管理ってそもそも何ニャア?」

 

「なん…だと?」

 

 

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