バイトをクビになった貧乏大学生の俺、ゴミ置場で口癖が(のじゃ)な巨乳金髪美少女龍を拾って育てられる 作:冰藍雷夏
その美少女は黄金の髪色をしていた。
絶世の美少女。顔立ちは幼さと儚さが交わる容姿端麗な顔立ち。
だが体は豊満だった。男ならどんな人物でも誘惑され、すぐに手篭めにされること間違いなしだろう。
地肌露出が多めの巫女服に尻から金色の九本の小尾がたなびいている。
それはまるで昔俺がお爺様の書庫で読み漁っていた古本の文献にあった傾国の美女。
「妲己―――いや、
「それは平安時代の話やろうでありんす。クソガキ!――――九狐・五月雨」
「これは!?」
九本の尻尾が俺に向かって伸びていく、先端が鋭利に尖っているのは俺の体を貫通させるためか?
「させぬは子狐――――
「私の
こいつら3人ともマジもんの戦闘民族か?
魔法発動になんの躊躇もない。それどころかなんで楽しそうに笑って戦い開始してんだ。
「なにをしておるかご主人様よ! そやつはおそらくご主人様が手に入れた「水晶虎」を奪う気なのじゃぞ。死守じゃ死守! それはわらわたちがオークションにでも出品して大金持ちに買わせるのじゃ! わらわたちが大金を掴むのじゃぞ!」
「そう! それで魔法少女シリーズのブランド品を買いあさるのダーリン。それは絶対に高く売れる、一夜にして私たちは大金持ち持ちだよ」
「させぬは馬鹿共、それはわっちの物。わっちは珍しい宝石に眼がないのじゃ、さっさと寄越すでありんす! わっち好みのイケメン野郎…でありんす!」
…………今このダンジョン内にまともな思考の女が居ねえのはよく分かった。
つうかシロンの奴、自分の正体を普通に明かしてよかったのか?
「どいつもこいつも欲望まみれじゃねえか。まぁ、欲にまみれているのは嫌いじゃねえけどな。喰らいな! 新技――――
龍魔法・
腕の一部を硬い龍燐に変え、対象物へとぶつける技だ。
ちなみに腕はしばらくの間は龍燐化するとかなんと、アルの奴はそこら辺が適当なので元通りになるかは分からないらしい。
「そんなら、あんな大量の
俺のかけ声とともに飛ばした龍燐はシロンの尻尾に着弾し、なぜか大爆発を起こした。
「これは!? お、おのれ、わっちの手入れが行き届いた綺麗な尻尾を丸焦げにするとは許さないでありんすよ」
「いや、それなら最初から攻撃してくるなでありんすよ」
「ま、真似《まね》するなでありんす」
「シロンの語尾が面白いからしょうがないでありんす」
「なんでありんすとぉ!?」
こいつの反応面白いぞ。
もっといじり倒してやりたいでありんす。
「お前、いいな。良い芸人になれるぞ。流石は関西に居ただけはあるな」
「その余裕ぷりむかつくでありんす。いいからわっちに「水晶虎」のリングを渡すでありんすよ――――金色神楽」
九本の尻尾が巨大な網状に変化した? それが岩壁に打ち上げられる津波のように押し寄せてくる。
「これは? 広範囲攻撃を焼きつくすしかないか?」
「そのような状況になると思って
「うん。うんこが付いた汚い尻尾でダーリンを汚させない――――氷結・塊」
「だ、誰が尻尾にうんちがくっ付いているでありんすか! 誹謗中傷にも限度があるでありんす! 呑み込んでやるでありんすうぅ!!」
黄金の尻尾がアルの口から吐かれる火炎で燃え広がり、それをフルーの氷の魔法で凍らせていく、とんでもない戦いしてるなこいつら。
それとお前ら3人とも可愛い美少女なんだからうんち、うんことか口に出すなよな。
しかし本当にすごい光景だ。
世紀末を舞台としたファンタジー作品にありそうな光景。
学そうこの世の終わりでも見ているような感じ、しかしアルとフルーってこんなに強かったんだな。
人は見かけによらないらしい。
いや、アルは龍人族でフルーは変態魔女なので人外そのものだから人ではないのか。
「いや、フルーは人か? 変態族?」
「ダーリン! 私のことを馬鹿にしているのは見てればよく分かるけど。今は戦いに集中して、金狐の衣や尻尾は高く売れるの。シロンを半殺しにして尻尾をむしり取ろう。そうすれば当面の私たちの生活は安泰するから」
「おう! 分かった! すぐにブっ殺すぞ!」
フルーの的確なアドバイスを聞いて気持ちの全てを切り替えた。
あのシロン。全身金のなる木ってことじゃねえか。なんでそれを早く言わなかったんだ魔女っ子め。
なるほど、なるほど。だからあの2人は、シロンを殺る気に満々だったんだな。全て納得した。
「貧乏脱出大作戦だ! シロンをゲットするぞ! お前たち!」
「了解なのじゃあああああ!!」
「全身脱毛させてオークションで全部売りさばく」
シロンに対する皆の殺る気のボルテージが最高潮に達した瞬間だった。
「な、なんでありんすが? ち、近寄るなでありんす!!――――九尾・欄脚」
俺たちの異常な殺気に焦りを見せたのか、シロンは防御に徹し始めた。
それは悪手ではないだろうか?
人というのは、意思統一ができていて一つの目標《金稼ぎ》に一心不乱に取り組むようになるととてつもないパワーを発揮《はっき》するものなんだ。それは世間では努力・勝利・金銭と呼ぶ。
「
「
「氷注・落下」
息が合った三位一体の広範囲高火力がシロンへと降り注ぐ。
勝った!
これで俺たちはシロンを飼い慣らし、シロンの毛皮を売って貧乏生活から脱却――――
「…………おのれ罰当たり共。わっちをなんだと思っているでありんすか。わっちは殷の時代より世界を守護する一角を任された大厄災『九尾の狐』なるぞ。それをこうも愚弄《ぐろう》するか、祟《たたれ》り祟り祟り祟り祟り祟り祟り祟り祟り祟り祟り祟り祟り祟り祟り祟り祟り祟り祟り祟り――――――甘く見るなよ。クソガキ共。
派手な大技放つ俺たちに対して、シロンはたった一つだった。
薬指からたった一つの炎を灯し、ダンジョン内全体を吹き飛ばした。
「なんだこれ? 白い光に包み込まれる?」
「これは!? 神性特効か?……」
「嘘? このレベルの九尾の狐にそんなのできるわけな……」
光は一瞬にして拡大し。
俺たちを丸のみにした。
◇
数分後。
周囲には焔の炎がダンジョン内全域を燃やし尽くしていた。
「ハァ……ハァ……ハァ…………なめ腐りおってクソガキ共。宝探しのつもりでやって来たつもりが、わっちを巻き込んで修行やら大規模魔法で消費させたのは許せんでありんす。ハァ……ハァ……体力の消耗が激し過ぎるでありんす。応急措置としてあの好み顔の精気を奪ってやるでありんす。それと「水晶虎」も奪ってやるありんすよ。クソガ…」
「……おい!」
「……この声は? まさかそんな? わっちの神性攻撃は確実に当たって、くぉん!?」
その場には息を切らしたシロンと……力尽きて地面へと倒れるアルとフルー。
そして俺は――――
「俺の仲間に何をした?……いや、それは倒してからいくらでも聞けばいいか。今は眠ってろ! 九尾の狐!! だから今はその金のなる黄金尻尾を寄越しやがれ!!
「このクソガキ!? 狙いはわっちの尻尾でありんすか? なんでわっちの尻尾に力の根元があることを見抜いて? くぅうぅ! こんな至近距離じゃあ防げないでありんすううぅぅ!!」
無傷で立っていた。
そして、むしり取ったは明日の生活費。
シロンの尻尾に向かって、龍燐纏いし身体を回転させて刈上げる。
全ては仲間の仇と金のため、螺旋回転で貫き通すは生きる渇望。
「爆裂《バースト》……
これが俺の龍螺旋。
皆で繋いだ友情なる螺旋の力。
螺旋願だ。
九尾の狐!
「きゅぅんこおおおおんんん!!!!!?」
ギュルルルル!!!……ドガアアァァンン!!
シロンの九尾の毛皮が禿げていき、彼女の身体は子狐化していく。
「むしり取ったは黄金尻尾! そしてこれからよろしくな大金製造機シロン」
「…………………」
「返事がない。返事がないということは了解ということだな。これからもよろしくな。シロン、俺たちの金の卵……いや金の狐様よ! ハハハハハハ!!」
これにて一件落着。
俺は修行の成果により、これから俺たちの火の車状態を助ける
これが世間で言う招き猫ならぬ招き狐というやつなのだろうか?
「きゅぅ……んこんぅ………(か、身体が動かせないでありんす……このままじゃ本当に捕まるでありんすぅ!!!)」
「あ? うんこだ? それよりも、その黄金毛皮もっと寄越せ! うちには明日を暮らすための金も無いんだからな。さっさと…あん? なんだこの金の玉は、売れるのか?……メルガラに出品してみるか?」
シロンの尻尾から出てきた金の玉を俺はポケットにしまった。
◎ここまで読んで頂きありがとうございます。
「くうぅ~! 身体の魔力を体外に強制排出とは、やってくれるのじゃ」
「……神性殺しなんて聞いてない。身体が動かせない、アル~!」
「うむ。わらわもじゃ~! 助けてくれなのじゃあ~! ご主人様よぉ」
「私もダーリン~!」