「お、おお…」
「……これで、どうでしょう」
「吟、可愛い」
「綾羽//って茶化さないで」
翌日、部室でスリーズブーケの先輩方と吟は『Reflection in the mirror』の伝統衣装の衣装合わせをしていた。
僕が褒めると、吟は照れていた。
「そうね。とっても素敵だわ。吟子さんにアレンジをお願いして、よかったわ。せっかく『Reflection in the mirror』を披露するのなら、この衣装じゃなくっちゃ」
梢先輩はそう言った。
「昔の写真で、見たことがあります。これもどこか、おばあちゃんの着てた衣装の面影があります」
「きっと、衣装が古くなるたびに、新しいものを作り遺していったのよ。私も大好きな曲だもの」
「ですね」
50年の間にこの衣装も、梢先輩の言う通り、古くなって新しいものが数多く作られて残されていったものなんだろう。
「そう、なんですね…なんだか、嬉しいです」
吟はとっても嬉しそうだった。
先輩方は二人でこそこそと話していた。
「……吟子さん」
「はっ、はい!」
「ようこそ、スリーズブーケへ」
良かったね吟。
「それと綾羽君もスクールアイドルクラブにようこそ」
「はいっ!」
「先輩…………!あ、あの!私は、この蓮ノ空学院に入学することが、夢でした!この学校で、立派なスクールアイドルになりたいです! 若輩者ですが、目標はラブライブ!優勝、です!おばあちゃんの愛した蓮ノ空の伝統を、世界に伝えるために! 全身全霊でスクールアイドルをがんばります!」
「ふふ、そんなに固くならないで? まずは次のライブに向けて、これから一緒にがんばりましょう」
「はい、梢先輩!よろしくご指導お願いいたします!」
吟がそう言うと、花ちゃん先輩の様子がおかしくなった。
「…なんかあたし相手とちょっと態度が違くないかな?吟子ちゃん」
な~んだ、吟の対応にちょっと言いたかっただけか。
「そんなことないけど?」
「ぜんぜん違うよね!?」
「友達のノリでいいって言ったのは、花帆先輩でしょ?今さら変えられないし!」
確かにそう言ったわ花ちゃん先輩。
「たまには梢センパイみたいに敬われたいときもあるの!」
「花ちゃん先輩。可愛い」
「えへへ」
「綾羽!なんでもかんでも可愛いって言わないで!」
吟は怒ってきた。
「ごめん…吟」
なんて会話をしていると、梢先輩が話に入ってきた。
「…こういうの、まるで孫ができた気分って言うのかしら。そうね、だったら…吟子さんと綾羽君、好きなお茶の銘柄はある?」
「すみません、紅茶はあんまり知らなくて。梢先輩にお任せします!」
「吟と同じく」
「なら、最初は飲みやすいものをいれてあげる」
梢先輩がそう言うと、吟が名乗りに出た。
「あ、手伝います!食器具の位置とか、勉強させてください!」
「じゃあ、軽く説明するわね」
「あっ、大丈夫です、梢センパイ!それぐらいあたしが!」
「いいのよ。私がしてあげたいの」
「そうそう。花帆先輩は座って待ってて」
花ちゃん先輩はそう言われて、不機嫌になっていた。
「あら、吟子さんはコーヒーに詳しいのね」
「はい。おばあちゃんがコーヒー党なんです。私もその影響で。今度、私の好きな豆を持ってきますね!」
すると、花ちゃん先輩が話に割って入っていった。
「吟子ちゃん!だめだよ!?あんまりあたしの梢センパイを取らないでね!?」
「さっきから、なにいっとらん!?梢先輩は、スリーズブーケのものでしょ!」
「そうだけど!でもちゃんと手続きであたしを通してもらわないと!」
吟と花ちゃん先輩、言い合いは多くなりそうだけど、なんだかんだいい組み合わせになりそう。
「ふふっ。もう、ケンカしないの」
梢先輩はそう言って、吟と花ちゃん先輩に優しく言う。
「…これが、新しいスリーズブーケ。今年もずいぶん、楽しくなりそうだわ」
「っていうか!花帆先輩。なんで綾羽の連絡先知っとん!」
「それは綾羽君から教えて貰ったんだよ!」
「なんか違う方向に話が進んでる…」
良いユニットになりそうだと思ったけど、本当に大丈夫かな…と少しだけ不安になる僕なのであった。