-共同のロビー-
「うー、激しく不安だー!」
「まぁ…先輩達居ませんもんね」
ロビーに降りてきたら、偶然花ちゃん先輩達に会ってしまい、逃げれるはずもなく捕まってしまった訳ではあるが…
「梢センパイ達がいないなんてー!」
「いや、まあ、しょーじき気持ちは分からんでもないケド」
「花帆さん。そんな風に言っては、一年生の皆さんがもっと不安がりますよ?」
それはそうではある。
「花ちゃん先輩」
「は、はいっ!何かな」
「先輩らしく、ここは私に任せて!ってドーンと構えていてください」
「そうは言うけど…先輩が_」
だめだこりゃ…
と僕達の元に、吟と姫芽ちゃんがやってきた。
「あっ。や 、やっほーふたりとも!だいじょーぶ!あたしたち二年生が居ればめちゃくちゃ安心のイベントになるからね!」
さっきまで見ていた花ちゃん先輩はどこへ……
「すげー。こっから持ち直そうとしてる……。えーと、姫芽ちゃん、吟子ちゃん。どしたの? 遊びにきたの? カードゲームでもやる?」
瑠璃乃先輩、頑張ってこの場をなんとかしてくれようとしてくれてる。
「あ、いえ、実は…」
「敦賀ライブフェスタには、北陸代表として呼ばれてるんですよね? なのに三年生がいなくて、まだスクールアイドルを始めたばかりの私たちを連れて……で、本当に大丈夫なんでしょうか」
「なるほど……心配させてしまっていたんですね」
「心配というか、えっと。まあ心配、ですね〜、あはは。主にアタシたちが………」
「こないでのライブで知ってる人増えたんだし、楽しいイベントになるよ、ね、瑠璃乃先輩」
「うん!」
「なんで綾羽がそっち側に居るのかは気になるけど、瑠璃乃先輩にそう言ってもらえるのは嬉しいですけど…」
「ほんとに大丈夫だよー。ふたりとも、始めたての頃のあたしよりずっと練習も頑張れてるもん!むしろあたしの先輩としての威厳が……」
「うーん………。今回は敦賀まで、一年生と二年生の7人で新幹線で向かうことになります。ですから、そうですね。考え方を変えて、旅行という風に考えてみませんか?」
「えっ?」
「さやか先輩、グッドアイデア!」
「そうだよね!旅行だよ旅行!みんなで!言われて見たら、新幹線の駅に気になるとこ色々あったんだ!」
花ちゃん先輩は、スマホを操作して新幹線の駅の情報を見る。
「お、小松駅、飛行機で帰ってきたのがもはや懐かしいなあ」
「福井駅…そっか、敦賀って福井県か~」
「『越前かにめし』*1美味しいらしいし、寄って買うか」
「もう既に楽しむ気満々じゃん…!」
僕の言葉に吟からツッコまれた。
「綾羽君みたいに楽しむのもいいと思います。それに、加賀温泉は、〈ゆのくに天祥〉さんがあるところですね」
「うわー懐かし〜!」
「芦原温泉……温泉がついた駅がふたつもあるんですね」
「うん、やっぱり楽しまなきゃ!敦賀に行くまでのところでも、寄り道とか考えてみようよ!」
「それなら福井駅行きましょう花ちゃん先輩」
「うん、賛成!!」
「そうですね。ずっと緊張していても仕方がありませんから。みんなで楽しみましょう。ね?」
「うおー、さやかちゃん頼りになるー!」
「梢センパイに託されただけあるね、うん!」
「なんですかその流れ、やめてくださいよ!」
先輩達のやり取りで、空気が変わったのが分かる。
「……ありがとうございます、先輩方」
「おかげで、楽しめばいいんだ〜、という気持ちになれました〜。やっぱり、話しに来てよかったね〜」
「うん。姫芽さんも……一緒に来てくれて、ありがとう。それに綾羽も空気を和ませてくれて」
「そりゃあアタシたち、チーム違っても、仲間だしね〜」
「偶々通りかかった所を花ちゃん先輩に捕まっただけだよ」
「吟子ちゃん……。いい友達ができて、良い幼馴染が居てよかったね……」
「花帆先輩、なに目線なのそれ……」
「花ちゃん先輩、吟のお母さんみたい…」
「冗談でもそういう事言わないでー!」
「よーし、じゃあ行きたい場所をリストアップしていこー!」
『おーー!』
そして、リストアップしようとしたら、さやか先輩が気になっていたのか吟と姫芽ちゃんに聞いた。
「…そういえば、小鈴さんは一緒ではないのですか?」
「あ、小鈴さんでしたら――」
中の人は、余部鉄橋を見に行った際に寄った浜坂駅の駅弁が一番好きです。
どうでもいいですけど