吾輩は魔王である。名前はまだない。   作:逆ギレ伯爵

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魔王は悪い奴なんだ('ω')ノ


吾輩、童貞を捨てる

吾輩は魔王である。ここは何処だ。

 

全ての子ゴブを進化させる為、狩りを続行したは良いものの側近と探索した覚えのない場所に出てしまった。流石の魔王も見ず知らずの場所に放り出されれば帰り道はわからぬ。故、これは迷子ではない。断じて。

 

まぁ、全ての子ゴブを進化させるという目的はすでに達成済みである。流石吾輩。流石は魔王。

 

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名前:

種族: ホブゴブリン

LV: 9

HP: 59

MP: 18

STR: 27

DEF: 20

INT: 3

AGI: 28

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とはいえ、一番強い個体でもこれである。例え六匹掛かりでもティノールベア一匹にすら勝てぬ。故、洞穴を探しながらもう少しレベルを上げさせるべきであるな。む、あの木、見覚えが・・・。

 

「・・・ゴォアァ・・・!!」

「む?」

 

子ゴブにつつかれ、振り返る。

いつも間抜けな顔を晒している六匹が木々の向こうに歯を剥き出し唸っている。うむ、異常事態であるな。ブルーブラッドアイデクスの前でさえ垂れた鼻水の長さを競っている様な戯け共だ。

そんな戯けが警戒する相手など、このティノール連峰でも竜種くらいの物。或いは・・・。

 

「気付かれました!!先制します!【エレクトリカル・マインド】!」

 

子ゴブの前に躍り出る。例え進化しようと所詮はゴブリン。戦力としては心許ない。ここは吾輩一人でねじ伏せるとしよう。

()()の放った魔法を腕で振り払う。ホブゴブリンには致命傷かもしれぬが、この程度の魔法なら魔王たる吾輩には効かあばばばばばばばばばばばば

 

「奇襲は失敗!総員強化魔法を掛けろ!!敵は中級魔族一体にホブゴブリン六体!火属性は使うなよ!」

「【エレクトリカル・マインド】成功!当分はまともに動けません!今のうちに!」

「あいよぉ、『五月雨突き』ィ!」

「【マニュピレイト・アース】完全に封じたよ」

 

身体の痺れとは別に、思考に靄が掛かる様な感覚に陥る。恐らく、思考の阻害か精神の掌握を目的とした魔法なのだろう。

だが、吾輩は魔王ぞ。

 

「よくやった!『輝く(ルミナス・)「緩いわぁ!!!」な!?」

 

拘束を振り払い、突っ込んできたリーダー格の男を近くにいたレイピア持ちに投げつける。

 

「ぐおぉぉお!!」

「ガハッ!」

 

おのれ・・・、まさかこの吾輩を中級の魔族などと間違えるとは・・・!

 

「そんな!?【エレクトリカル・マインド】の思考阻害が効いてない!?」

「止まらないでクレア【ルミナス・マイ「【インビジョン・マジカル】」え、あ、れ?」

「ダメ!逃げて!!」

 

阻害魔法で相手の魔法を散らし、呆けている間に距離を詰める。

まずは一人。

 

「赦さんぞ人間共ォ、よくも吾輩を中級魔族などとほざいたなァ。楽に死ねると思うなよ・・・!」

 

捩じ切った女の首を握り潰す。

 

「冥土の土産に教えてやる、吾輩は魔「撤退!そいつは上級魔族だ!!前情報なしに戦って良いやつじゃない!!引くぞ!!!」

殺すぞ貴様ぁぁああ!!!!」

 

魔王の話は最後まで聞けぇ!!

嬲り殺しにしてやるぞ人間風情がぁぁあ!!

 

「ほい、隙あり『五月雨突き』ィ!」

「効かぬは戯けぇ!!」

 

死角からスキルを放ってきた男を、レイピア諸共叩き伏せようと腕を振るう。が躱される。どうやらスキルを打つふりをしただけの様だ。

いちいち癇に障る人間共だ・・・!

 

「ほらアスタ、クレアちゃん連れてさっさとお逃げ、殿は勤めてあげるからさ」

「・・・すまんッ」

「ダメッ!シェインさんを置いッ、・・・」

 

リーダー格の男が気絶した女を抱え駆け出す。逃げるつもりなのだろう。今気付いたが、ここは恐らくノーブルの森。

そこまで広くない上に、森を抜ければすぐ砦がある。そこまで行かれれば流石の吾輩も単独で乗り込むのは分が悪い、確実に竜種の妨害が入るだろう。だが、

 

「今更逃す訳なかろうがぁぁあ!!!」

「あんたの相手は俺だよ!『フォーカス』!」

 

視線がレイピア持ちに固定される。恐らく対象の敵意を自身に固定するスキルであろう。振り払おうと思えば振り払えるが、こやつを置いて逃げた二人を追えば、子ゴブ共が殺される可能性がある。

であれば。

 

「最強の魔法で貴様を殺し、直ぐに逃げた奴等を追いかける。うむ、吾輩の速度なら直ぐに追いつけよう」

「おいおい、随分と物騒だなぁ。話し合いで解決しようよ、言葉通じるんだしさ」

「最初に奇襲を仕掛けてきたのは貴様等であろうが!!!」

 

これだから人間は!

彼我の力量さも弁えず襲いかかり、勝てぬと見れば恥など知らぬと逃げ帰る。挙げ句の果てには話し合おうだと?

あぁ、ダシテム様よ、何故あなたはこんな愚かな生き物を生み出したのか。

 

「中級魔族にその巻角ってぇと、バフォメットの類かい?あんま気ぃ短いと上級に進化する前に死んじまうよ?」

 

・・・安い挑発だ。安い挑発だが、良いだろう。

 

「塵の一つも残ると思うなよ・・・!」

 

右手に魔力を灯す。

 

「おぉ、コワ。図星だったかね?悪い悪い、思った事は全部言っちゃうタチで・・・、黒い炎?」

「光栄に思えよ、人間。【ヘル・ファイア】」

「まさか・・・!」

 

魔法が直撃する。地獄の炎は物体だけで無く、スキルや魔法すら燃やし尽くす防御不能な魔王の固有魔法。人間共の操るそれとは格が違う、直ぐにこの人間も炭に・・・、

 

「グゥッ、・・・まさか、・・・まさかあんた魔王なのか!?」

「・・・・【ヘル・ファイア】」

「ぐぅぁぁああ!!!!!

 

結局、レイピア持ちは【ヘル・ファイア】五発で死んだ。人間共には全然逃げられた。




図星だったかね?('ω')ノ
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