「東方二次創作」レミフラのお姉ちゃんは幻想郷に帰って来たんだって   作:ゆっくり那由多豊苑

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幻想郷に帰って来た、ルミノア・スカーレットは
久し振りの家族との団欒を楽しむ事になった。


2話:紅魔館への帰還

 

 夕暮れに染まる幻想郷。

 

 博麗神社を後にしたルミノアは、両隣を歩くレミリアとフランドールに腕を引かれながら紅魔館へ向かっていた。

 

「お姉ちゃん! この五百年以上、どこで何してたの?」

 

 レミリアが待ちきれない様子で尋ねる。

 

 ルミノアは少しだけ考え、小さく口を開いた。

 

「……旅」

 

「それだけ?」

 

「……うん」

 

「短っ!」

 

 レミリアは頬を膨らませる。

 

 フランはクスクスと笑いながら言った。

 

「お姉ちゃんらしい!」

 

「でも帰ってきてくれて嬉しい!」

 

 ルミノアはフランの頭を優しく撫でる。

 

「……ただいま」

 

「おかえり!」

 

 フランは満面の笑みで抱きついた。

 

 その光景を見たレミリアも我慢できず、もう一度ルミノアの腕へ抱きつく。

 

「今日は離さないわ!」

 

「……好きにして」

 

「やった!」

 

 普段は威厳ある紅魔館の主も、この時だけは年相応の妹のような笑顔を浮かべていた。

 

 やがて三人は紅魔館へ到着する。

 

 重厚な門の前には、門番の紅美鈴が立っていた。

 

「あれ……?」

 

「レミリア様とフラン様の隣にいる方は……」

 

 美鈴は目を見開いた。

 

「えっ……ま、まさか!」

 

 レミリアは得意そうに笑う。

 

「そうよ!」

 

「私達のお姉ちゃん、ルミノアよ!」

 

 美鈴は慌てて姿勢を正した。

 

「お、お帰りなさいませ!」

 

 ルミノアは軽く頷くだけだった。

 

「……ただいま」

 

 その一言だけで、美鈴は少し涙ぐむ。

 

「本当に帰ってきたんですね……」

 

 館の中へ入ると、騒ぎを聞きつけた十六夜咲夜が姿を現した。

 

 銀色の髪を揺らしながら深々と頭を下げる。

 

「ルミノアお嬢様」

 

「お帰りなさいませ」

 

 ルミノアは静かに咲夜を見る。

 

「……咲夜」

 

「変わらない」

 

 咲夜は微笑む。

 

「ありがとうございます」

 

 その時だった。

 

 奥から小悪魔が飛んでくる。

 

「パチュリー様ー! 本当でした! 本当に帰ってきてます!」

 

 図書館から勢いよく現れたパチュリーは、本を抱えたまま立ち止まった。

 

「……久しぶりね」

 

「ルミノア」

 

 ルミノアも静かに頷く。

 

「……久しぶり」

 

 パチュリーは少しだけ笑った。

 

「あなたが帰ってくるなんて思わなかったわ」

 

「私も」

 

「……帰るつもりは」

 

「最初は無かった」

 

 その言葉に、館の空気が少し静かになる。

 

 レミリアがルミノアの服を掴んだ。

 

「……もう行かない?」

 

 ルミノアは妹を見る。

 

 少しだけ目を細める。

 

「……行かない」

 

「しばらくは」

 

「ほんと!?」

 

「……うん」

 

 レミリアは嬉しそうに笑った。

 

「約束よ!」

 

「……約束」

 

 夜。

 

 紅魔館の大食堂では珍しく全員が集まっていた。

 

 咲夜が腕によりをかけた料理が並び、美鈴は嬉しそうに食べ、小悪魔はせっせと運び、パチュリーは紅茶を飲んでいる。

 

 その中央にはルミノア。

 

 レミリアは隣から離れず、フランは反対側に座っている。

 

「今日はお姉ちゃんの歓迎会!」

 

 レミリアが高らかに宣言する。

 

「乾杯!」

 

「乾杯!」

 

 皆がグラスを掲げる。

 

 ルミノアも静かに持ち上げる。

 

「……乾杯」

 

 食事が始まると、レミリアとフランは代わる代わる話しかけてくる。

 

「お姉ちゃん、この料理美味しいでしょ!」

 

「フランね、この前こんなことがあったんだよ!」

 

「お姉ちゃん、お姉ちゃん!」

 

 ルミノアは一つ一つに短く答えながらも、二人の話を最後まで聞いていた。

 

 その姿を見た咲夜が小さく笑う。

 

「本当に妹想いですね」

 

 パチュリーも本を閉じる。

 

「相変わらずのシスコンね」

 

 ルミノアは少しだけ視線を逸らした。

 

「……否定しない」

 

 その瞬間、レミリアとフランが吹き出した。

 

「やっぱり!」

 

「お姉ちゃんかわいい!」

 

 ルミノアは無表情のまま、小さく咳払いをする。

 

「……笑いすぎ」

 

「だって、お姉ちゃん照れてる!」

 

「……照れてない」

 

 しかし耳だけがほんのり赤くなっていた。

 

 それを見た一同はさらに笑い声を上げる。

 

 賑やかな笑い声が紅魔館中に響く。

 

 そんな穏やかな時間を、ルミノアは静かに眺めていた。

 

(……帰ってきて、よかった)

 

 普段は感情を表に出さない彼女の口元に、誰にも気付かれないほど小さな笑みが浮かぶ。

 

 しかしその頃──。

 

 紅魔館から遠く離れた山の上。

 

 一人の人物が、空間の歪みを見つめながら静かに呟いた。

 

「……ついに帰ってきたか、ルミノア」

 

 その瞳には、ただならぬ決意が宿っていた。

 

 紅魔館での再会の裏で、新たな出来事が静かに動き始めようとしていた。




その影に潜む者は今の段階では知らない。
だが、後に明らかになるでしょう。
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