「東方二次創作」レミフラのお姉ちゃんは幻想郷に帰って来たんだって   作:ゆっくり那由多豊苑

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家族との団欒を終え、翌朝、ルミノア・スカーレットは庭園で優雅な一時を過ごしていた。


3話:姉として

 翌朝──。

 

 紅魔館には珍しく穏やかな空気が流れていた。

 

 窓から差し込む朝日が廊下を照らし、小鳥のさえずりが聞こえてくる。

 

「ん~……」

 

 レミリアは大きく伸びをしながら目を覚ました。

 

「今日はお姉ちゃんがいるんだった!」

 

 一気に目が覚めたレミリアは、急いで部屋を飛び出す。

 

 一方、フランドールも同じように目を覚ましていた。

 

「あっ、お姉ちゃん!」

 

 二人はほぼ同時にルミノアの部屋へ向かい、勢いよく扉を開けた。

 

「お姉ちゃん、おはよう!」

 

「おはよう!」

 

 しかし、部屋の中には誰もいなかった。

 

「あれ?」

 

「どこ行ったの?」

 

 二人が首を傾げていると、美鈴が廊下を歩いてくる。

 

「ああ、ルミノア様なら庭園ですよ」

 

「庭園?」

 

 紅魔館の庭園。

 

 そこには一本の木の下で本を読んでいるルミノアの姿があった。

 

 朝日に照らされた薄青色の髪は、見る角度によって淡い緑色にも見える。

 

 静かな時間。

 

 風が髪を揺らす。

 

「お姉ちゃん!」

 

 レミリアとフランが同時に飛びつく。

 

 ルミノアは本を閉じると、自然な動きで二人を受け止めた。

 

「……おはよう」

 

「おはよう!」

 

「今日は何する?」

 

 フランが目を輝かせる。

 

 ルミノアは少し考えてから答えた。

 

「……遊ぶ」

 

「本当!?」

 

「……うん」

 

 レミリアは驚いた。

 

「お姉ちゃんが自分から遊ぼうなんて言うなんて!」

 

「珍しい……」

 

 ルミノアは少しだけ視線を逸らす。

 

「……たまには」

 

 三人は紅魔館の広場へ移動した。

 

「何して遊ぶ?」

 

 フランが聞く。

 

 ルミノアは空を見上げた。

 

「……鬼ごっこ」

 

「やるー!」

 

 レミリアも笑う。

 

「負けないわよ!」

 

 最初の鬼はルミノア。

 

「……十数える」

 

 そう言って木に手を当てる。

 

「一」

 

「二」

 

「三」

 

 その静かな数え方とは対照的に、レミリアとフランは大慌てで逃げ回る。

 

「フラン! あっち!」

 

「うん!」

 

「……十」

 

 ルミノアが振り向いた。

 

 次の瞬間。

 

 シュンッ。

 

 その姿が消えた。

 

「え?」

 

 レミリアが目を丸くする。

 

「どこ!?」

 

 空間がわずかに揺れる。

 

 ルミノアはレミリアのすぐ後ろに立っていた。

 

「……見つけた」

 

 ぽん、と肩を叩く。

 

「きゃっ!」

 

「早っ!」

 

 レミリアは思わず笑ってしまう。

 

「能力使うの反則よ!」

 

 ルミノアは首を傾げる。

 

「……鬼だから」

 

「確かにそうだけど!」

 

 今度はフランが木の上へ逃げる。

 

「ここなら見つからない!」

 

 ルミノアは木を見上げる。

 

「……甘い」

 

 指を軽く動かす。

 

 空間が繋がる。

 

 次の瞬間には木の上に立っていた。

 

「えぇぇ!?」

 

「タッチ」

 

「捕まったぁ!」

 

 フランも大笑いする。

 

「お姉ちゃんずるーい!」

 

 ルミノアは小さく笑った。

 

「……次」

 

「レミリア鬼」

 

「えぇぇ!?」

 

 遊び終えた頃には、お昼になっていた。

 

 レミリアとフランは芝生の上に寝転がる。

 

「疲れたぁ……」

 

「楽しかった!」

 

 ルミノアも二人の隣に腰を下ろす。

 

「……そう」

 

 その時だった。

 

 フランのお腹が鳴る。

 

 ぐぅ~。

 

 一瞬の沈黙。

 

「……」

 

 フランは真っ赤になる。

 

「き、聞かないで!」

 

 レミリアは笑い転げる。

 

「フランらしいわ!」

 

 ルミノアは少しだけ笑みを浮かべる。

 

「……食堂」

 

「行こう」

 

 昼食の時間。

 

 咲夜が料理を並べている。

 

「今日は皆さんのために腕を振るいました」

 

「わーい!」

 

 フランが席へ座る。

 

 ルミノアは自然と二人の皿へ料理を取り分ける。

 

「いっぱい食べて」

 

「……育つ」

 

 レミリアは苦笑する。

 

「お姉ちゃん、お母さんみたい」

 

「……違う」

 

「姉」

 

「でも面倒見が良すぎる!」

 

 フランも頷く。

 

「シスコンだもん!」

 

 ルミノアは一瞬固まる。

 

「……」

 

「否定は?」

 

 レミリアがニヤニヤする。

 

 ルミノアは小さく息を吐き、照れくさそうに目を逸らした。

 

「……好きだから」

 

 その一言に食堂が静まり返る。

 

 レミリアもフランも顔を赤くする。

 

「そ、そんな真っすぐ言われると照れるじゃない!」

 

「えへへ……私もお姉ちゃん大好き!」

 

 二人は勢いよくルミノアへ抱きついた。

 

 ルミノアは少し驚きながらも、優しく二人を抱きしめ返す。

 

「……私も」

 

「二人とも、大切」

 

 咲夜、美鈴、パチュリー、小悪魔は、その温かな光景を微笑ましく見守っていた。

 

 しかしその頃、紅魔館から遠く離れたスキマの中では、八雲紫が静かに目を閉じていた。

 

「……平和な時間は長く続かない」

 

 紫の視線の先には、幻想郷の結界に生じ始めた小さな亀裂が映っていた。

 

「その力を狙う者が、もう動き始めているわ」

 

 誰にも聞こえないその呟きは、静かに風の中へ消えていった。

 

 こうして、姉妹が再会した穏やかな日々の裏で、新たな異変の足音が少しずつ幻想郷へ近づいていた。




楽しい一時の裏に潜む者はルミノアの力を狙っている
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