「東方二次創作」レミフラのお姉ちゃんは幻想郷に帰って来たんだって   作:ゆっくり那由多豊苑

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前書きは疲れた。


6話:姉の覚悟

 紅魔館の上空。

 

 黒い魔力が空を覆い、昼間だというのに辺りは夜のような暗さへ包まれていた。

 

 黒衣の人物は静かに浮かび、ルミノアを見下ろす。

 

「抵抗するか」

 

 ルミノアは一歩前へ出る。

 

 レミリアとフランドールを背中に庇いながら、小さく呟いた。

 

「……当然」

 

「私は」

 

「姉だから」

 

 その短い言葉には、揺るがない決意が込められていた。

 

「お姉ちゃん……」

 

 レミリアはそんな姉の背中を見つめる。

 

 今まで寡黙で、感情をあまり表に出さなかったルミノア。

 

 しかし今は、その小さな背中が誰よりも大きく見えた。

 

 黒衣の人物は右手をかざす。

 

「ならば試そう」

 

「空間を司る者が、どれほどの力を持つのか」

 

 次の瞬間、無数の黒い槍が空中に現れ、一斉に放たれた。

 

「……遅い」

 

 ルミノアが静かに指を鳴らす。

 

 パチン。

 

 空間が波紋のように揺らぐ。

 

 飛来した槍はルミノアたちへ届く寸前で空間の裂け目へ吸い込まれ、すべて別方向の空へ消えていった。

 

「なに……!」

 

 黒衣の人物が初めて驚きを見せる。

 

「攻撃を……転移させたのか」

 

 ルミノアは何も答えない。

 

 ただ静かに右手を前へ向ける。

 

「返す」

 

 吸い込まれた黒い槍が、今度は敵の背後から一斉に現れた。

 

「っ!」

 

 黒衣の人物は間一髪で回避する。

 

 轟音とともに地面が抉れ、庭園の一部が吹き飛ぶ。

 

「すごい……」

 

 フランドールが思わず呟く。

 

「これがお姉ちゃんの力……」

 

 しかしルミノアは表情を変えなかった。

 

(違う)

 

(まだ本気じゃない)

 

 その時、黒衣の人物が不気味に笑う。

 

「なるほど」

 

「ならば、これはどうだ」

 

 両手を広げると、空間そのものが歪み始める。

 

「えっ……」

 

 レミリアが息を呑む。

 

 紅魔館の周囲がねじれ、景色が歪んでいく。

 

「空間を……壊してる!?」

 

 ルミノアの瞳が鋭くなる。

 

「……その力」

 

「誰から手に入れた」

 

「教える義理はない」

 

「我らの王は、お前よりも空間を理解している」

 

 その言葉を聞いた瞬間。

 

 ルミノアは初めて眉をひそめた。

 

(私より……?)

 

 あり得ない。

 

 空間を司る能力は、自分だけのものだと思っていた。

 

「隙あり!」

 

 黒衣の人物が一瞬で距離を詰める。

 

 漆黒の剣がルミノアへ振り下ろされた。

 

 キィン! 

 

 銀色のナイフが飛び、剣を弾く。

 

「お嬢様に手を出すことは、この私が許しません」

 

 現れたのは十六夜咲夜だった。

 

「咲夜!」

 

 レミリアが叫ぶ。

 

「申し訳ありません」

 

「少々遅れました」

 

 美鈴も門の方から駆けつける。

 

「紅魔館は私が守ります!」

 

 さらに図書館の窓が開く。

 

「まったく……騒がしいわね」

 

 パチュリーが静かに魔導書を開いた。

 

 無数の魔法陣が空中へ展開される。

 

「紅魔館の者に手を出すなんて、いい度胸じゃない」

 

 ルミノアは仲間たちを見つめ、小さく目を細めた。

 

「……みんな」

 

 レミリアは笑って前へ出る。

 

「お姉ちゃん」

 

「一人で戦わせるわけないでしょ?」

 

 フランドールも翼を広げる。

 

「私も戦う!」

 

「妹だもん!」

 

 ルミノアは静かに首を横へ振った。

 

「……だめ」

 

「危ない」

 

 レミリアは少し怒ったように言う。

 

「お姉ちゃんだけ危ないのはもっと嫌よ!」

 

「家族なんだから、一緒に戦う!」

 

 その言葉にルミノアは黙り込む。

 

 やがて、小さく微笑んだ。

 

「……そうだね」

 

「ありがとう」

 

 それは、帰ってきてから一番自然な笑顔だった。

 

 しかし、その瞬間。

 

 黒衣の人物は静かに後退する。

 

「今日はここまでだ」

 

「目的は果たした」

 

「……?」

 

 ルミノアが警戒する。

 

「お前の力」

 

「確かに見届けた」

 

「次は王自らがお前の前へ現れる」

 

 そう言い残すと、黒衣の人物は空間の裂け目へ消えていった。

 

 空は元の青空へ戻る。

 

 静寂が訪れた。

 

 しかしルミノアの胸には、不安だけが残っていた。

 

(王……)

 

(あの者はいったい、何者なんだ)

 

 そして幻想郷の遥か外。

 

 巨大な玉座に腰掛ける謎の人物は、ゆっくりと目を開く。

 

「ルミノア・スカーレット」

 

「ようやく会えるな」

 

 その深紅の瞳は、静かに紅魔館の方角を見つめていた。

 

 新たな強敵との戦いが、すぐそこまで迫っていた。

 

 ──第七話へ続く。




ルミノア達は、協力して、退く事ができたがこれから先、さらなる強敵が来るのか、はたまた、友好的なのか、それは、まだ、わからない
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