仮面ライダーギーツ・ZERO 〜ACEを継ぐ者〜 作:名も無きホロウエージェント
~新エリー都 ヤヌス区 ルミナスクエア~
ここは《新エリー都》…謎の超自然災害《ホロウ》によって、多くの地が飲み込まれ文明が崩壊したこの世界において、ホロウの調査・対処技術や《エーテル》の資源利用などを確立した事で大きく繁栄を遂げた奇跡の都市。
???
「今日は良い買い物だったなぁ、まさか出来立ての油揚げと木綿豆腐が手に入るとは思わなかった。今日の夕飯は油揚げの網焼きと湯豆腐に決定だな。」
ある日、買い物籠を持った1人の青年がウキウキしながら《ルミナスクエア》を歩いていた。青年は赤い差し色が入った白い髪に、綺麗な黄色い瞳。首には狐の尻尾の様な赤と白のスカーフを巻き、白いジャケットを羽織っていた。
プルルルル…プルルルル…
突然、青年のポケットの中のスマホが鳴り出した。青年はポケットからスマホを取り出し電話に出る。
???
「もしもし?」
???
『やあ《エース》、今何処に居るんだい?』
エース
「ルミナスクエアで夕飯の買い物を済ませたところだ。…その感じだと、アポ無しの仕事でも入ったのか?」
???
『その通り、相変わらず察しが良いね。ついさっきニコが店に来て、また何やら面倒事を起こしたみたいで僕達に頼み込んで来たんだ。一生のお願いだって。』
エース
「一生のお願いって、それ前に来た時も言ってなかったか…?まぁいっか、今からなる早で《六分街》に戻る。」
???
『OK、詳しい話は君が戻ってからにするよ。』
エース
「了解した、じゃあ後で。」
白い髪の青年《エース》は、電話を切りスマホをポケットに仕舞うと近くの路地裏に駆け込んだ。誰も近くに居ない事を確認すると、今度はポケットから、バイクのハンドルの様な黒いグリップが付いた謎の赤いアイテムを取り出した。
『BOOSTRIKER』
エースが赤いアイテムのグリップを回すと、彼の目の前に一台の赤いオートバイが出現。
エース
「出発進行!」
ブオオオオオォォン!!
エースはヘルメットを被りバイクに乗り、猛スピードでルミナスクエアを後にした。
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~六分街 Random_Play前~
ルミナスクエアを後にして数十分、エースはヤヌス区の《六分街》にあるビデオ屋《Random_Play》の前に到着した。エースがバイクを下りると、バイクはその場から跡形も無く消えた。
カランカラ~ン
エースはドアを開け店内に入る。店内には様々なジャンルのビデオテープが陳列されていたが、エースはビデオテープには目もくれずカウンター奥の鉄製の扉へと向かう。
コンッコンッコンッ
???
「ポッター・ヒル」
ドアをノックすると、向こうから少女の声が聞こえてきた。
エース
「え~っと…ザ・ビッグ・ホロウ。」
カチャ、ギギギギギ…
エースが合言葉らしき言葉を告げると、誰かが向こう側からドアを開けた。ドアの向こうには小さな部屋があり、中には何十台ものブラウン管テレビとコンピューター端末が設置されて、中ではピンクツーサイドアップの少女とネイビーショートヘアーの少女、そしてグレーショートヘアーの青年がエースの到着を待っていた。
エース
「アキラ、リン、戻ったぞ?」
アキラ
「お帰り、エース。」
リン
「お帰り~!ルミナスクエアからの帰宅最短時間、またまた記録更新だね!」
エースはグレーショートヘアーの青年を《アキラ》、ネイビーショートヘアーの少女を《リン》と呼ぶ。二人はこの六分街でビデオ屋を経営する兄妹だ。
エース
「ニコがまた厄介事を持ってきたってアキラから聞いたが、今日は何処の債権者に追われてるんだ?」
エースはアキラ達と共にいるピンクツーサイドアップの少女に目を向ける。少女の名前は《ニコ・デマラ》。新エリー都で狡猾に、そして大胆不敵に仕事をこなす何でも屋《邪兎屋》の社長である。
ニコ
「ちょっとエース、笑えない冗談は止しなさい!別に追われてる訳じゃないわ。治安局とテレビの暴れん坊記者に、してやられただけよ。」
ニコは話し始めた。
数時間前、ニコは邪兎屋の従業員二人を引き連れて《十四分街》のとある高層ビルにて、違法暴力団《赤牙組》が数日前にとある研究所から盗んだある物を取り戻す依頼を遂行していた。だが依頼品を手に入れて直ぐ赤牙組のボスと数名の手下に追われ防弾ガラスで囲われた部屋に追い込まれるが、従業員の一人が閃光弾を使い近くを巡回中だった治安局航空隊の攻撃ヘリを誘導する事に成功。ニコは赤牙組のボスに自分達と殺り合って治安局に捕まるか撤退して共に安全に乗り切るかを迫ったが、その時丁度生中継されていたニュースで暴走したキャスターが治安局長官に代わってミサイル攻撃を勝手に指示。一同の居るフロアは吹き飛ばされ、従業員二人と依頼物はビルの下に広がる共生ホロウに落下してしまったという。
エース
「なるほど、六分街に戻る途中にラジオのニュースである程度聞いてはいたが、まさか邪兎屋が関わってたとはなぁ…」
ニコ
「えぇ…それで、何とか十四分街から抜け出す事が出来たのはアタシだけ。《ビリー》と《アンビー》と依頼品はビルの下のホロウの中に落ちちゃったの。だから二人を助けて、依頼品を取り戻さなきゃならなくて…とにかく緊急事態なの!アタシを助けてくれる人なんて、アンタ達しか居ないのよ!だからお願い、助けて!」
アキラ
「僕達なんかに助けを求めるより、ホロウ調査協会に救援申請した方が良いんじゃないか?」
ニコ
「それは無理、今はまだ協会に目を付けられる訳にはいかないわ。ホロウレイダーをやってる事がバレたら大変な事になるし、それにあの強欲な連中を満足させるには全財産の大半を投げ売っても足りないもの!ウチの従業員を放っておく訳にはいけないでしょ?」
リン
「従業員を放っておくね…その方がよっぽどニコらしいと思うけど?」
リンの指摘に、アキラとエースは同時に「うんうん」と頷いた。
ニコ
「ふざけないでよ!と・に・か・く、アタシの依頼は簡単!ウチの従業員と依頼された物をホロウから無事に出してくれれば良いわ!典型的な《プロキシ》の仕事。引き受けてくれるでしょ?《パエトーン》。」
アキラ
「簡単って…でも、僕達は仏様じゃないからね。頂く物はちゃんと頂くよ?」
ニコ
「もちろんよ!この依頼が終わったら、依頼料とは別で報酬の一部を分けてあげるわ!ついでに、今までのツケも利子と一緒に纏めて払ってあげる!」
アキラ
「OK、それで良いよ。」
ニコ
「よし!なら善は急げよ!」
交渉が成立し、ニコは動き出そうとしたが…
エース
「ちょっと待った。」
突然エースが待ったを掛けたと思うと、ニコの右腕を掴みアームカバーをめくり腕を露にした。
ニコ
「ちょ、エース!?」
エース
「…やっぱり、思った通りだ。」
アームカバーの下には、脱出時に負傷したのだろうか大きな痣が出来ていた。
リン
「ニコ、怪我してたの?」
エース
「この怪我じゃ動けても戦闘は無理だな…ニコ、お前は此処で少し休め。代わりに俺が二人と依頼品を回収しに行ってやる。」
ニコ
「だ、大丈夫よ!このくらい大した怪我じゃないし、それにアンタに頼んだら追加料金掛かるでしょ?だから結構よ。」
エース
「その怪我とツケを纏めて払おうとする誠意に免じて、今回は無料サービスだ。良いよな?アキラ、リン。」
ニコ
「っ!?」
無料サービスと聞いて、ニコの心は揺らいだ。
アキラ
「エース自身が良いなら、僕は構わないさ。」
リン
「私も、エースに任せるよ。」
アキラとリンも、エースの判断を了承した。
ニコ
「ま…まぁ…せっかくタダにするって言ってくれてるんだし、お願いしようかしら…?」
エース
「決まりだな。」
アキラ
「それじゃあ、早速仕事に取り掛かろう!」
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〜十四分街某所 共生ホロウ突入ポイント〜
数十分後、エースはアキラとリンが指定したホロウへの突入ポイントに居た。彼の足元には、首元に「01」という番号が刻まれたオレンジ色のスカーフを巻いた、白黒ベースの兎型の小型ロボット《ボンプ》の姿があった。
エース
「こちらエース、《イアス》と指定のポイントに到着したぞ?」
イアス
「ンナンナ?(いつでも大丈夫だよ?)」
リン
『ありがとうエース。こっちも直ぐに準備出来るから、少し待っててね?』
エースはボンプを《イアス》と呼び、イアスと共に到着した事を電話でリンに報告。それから数分後…
イアス
『…よし、接続完了!感度も問題無しだ。』
突然、イアスからアキラの声が聞こえてきた。
エース
「それじゃ、俺も準備するとしようか?」
そう言うとエースは、何やら黒いアイテムを取り出し腰に当てる。すると黒いアイテムから銀帯のベルトが出現し、腰に装着された。
『DESIRE DRIVER』
ベルトを装着すると、今度は赤い狐が刻印された白い丸型アイテムを取り出しベルトの中央にセット。
『ENTRY…』
更に今度は、リボルバーを正面から見た様な形状をした白黒のアイテムを取り出し、ベルトの右側にセット。
『SET…』
そして弾倉部分を勢い良く回転させ赤いトリガーを引いた。
エース
「変身!」
『MAGNUM!』
『Ready…Fite!』
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〜クリティホロウ内 古い地下鉄分岐駅〜
その頃、新エリー都に存在する六大原生ホロウの1つ《クリティホロウ》内の古い地下鉄分岐駅では、十四分街の事件で依頼品と共に共生ホロウに落ちた邪兎屋の従業員、赤いジャケットを羽織った白髪の男性ガンマン機械人《ビリー・キッド》と、黄緑色の重装戦闘服姿をした銀髪ショートボブの少女剣士《アンビー・デラマ》が居た。二人はホロウ内で出口を探しながら逃げ回っていたが…
ビリー
「はっ!?此処さっき来た場所じゃねえか!?」
アンビー
「どうやら戻って来てしまった様ね。」
どうやらホロウ内の無秩序に入り組んだ空間に翻弄されている様だ。すると…
グギギギギギ…!
二人の目の前にホロウに棲む怪物「エーテリアス」が二体現れた。
アンビー
「また敵が来たわ。」
ビリー
「チキショー、キリがねえ!これじゃ弾代だけで大赤字だぜ!?」
ビリーは両手に持つリボルバー拳銃に銃弾を装填し、アンビーは腰の鞘から電磁ナタを抜刀し右手に装備。エーテリアスと対峙し臨戦態勢に入る。すると…
カランコロン…
ビリー、アンビー
「ん?」
ボンッ!
突然、二人の後ろから球型の煙幕弾が数個転がってきたと思うと、煙幕弾は二人とエーテリアスの間で爆発。辺りに煙を充満させエーテリアスの視界を封じた。
『TACTICAL SHOOT!』
バキューン!バキューン!
更に何処かから機械的な音声がした矢先、上空から2発のエネルギー弾がエーテリアスのコアを貫通し破壊。コアを失ったエーテリアスはその場で倒れ消滅した。
アンビー
「今のは…?」
『危なかったね、二人とも。』
煙幕がおさまると、ビリーとアンビーの目の前にはイアスが居た。
アンビー
「…スカーフの、喋るボンプ。」
ビリー
「てことはもしや、パエトーンか!?」
イアス
『僕だけじゃないよ?』
そう言うと、イアスは近くのビルの天辺を指差した。指差す先には、白狐のマスクをした白と黒のバトルスーツ姿の人物がライフルを構えていた。
スタッ
アンビー
「あれは、もしや…!」
ビリー
「《ギーツ》!って事はエースか!?」
ビリーは白狐マスクの人物を《ギーツ》と呼ぶ。すると、ギーツはライフルを仕舞いビルから飛び降り、ビリーとアンビーの目の前に華麗に着地した。
ギーツ
「二人ともお待たせ!ニコに代わって助けに来たぜ?」