仮面ライダーギーツ・ZERO 〜ACEを継ぐ者〜 作:名も無きホロウエージェント
〜クリティホロウ内 古い地下鉄分岐駅〜
時間は現在に戻り、クリティホロウ内の古い地下鉄分岐駅で休憩中のギーツ達は…
ビリー
「で、次に会った時にはサルベージャーを辞めて店長達の専属レイダーになってたとはなぁ。」
アンビー
「ニコ、それを聞いて凄く悔しがってた。あんなに強いレイダーがパエトーンの専属じゃ、アタシ達に仕事が入ってこなくなるって。」
ギーツ
「そうでも無いぞ?サルベージャーとレイダーは一見すると似た様な仕事だけど、サルベージャーはホロウ表層での宝探しやガラクタ拾いが主で、レイダーみたいな中層深部での探索や戦闘、エーテル関係の取引はやらない事になってるんだ。だから俺はレイダーとしては素人も同然。元から高エーテル適応体質だから深部探索とかはある程度問題無いが、戦闘面は大方仮面ライダーの力に助けられてる。一応戦闘の心得はあるが、素手で戦えばアンタらには及ばないだろうな。」
イアス/アキラ
「今のエースにとって、そのベルトはホロウ活動の生命線みたいな感じなんだね。」
ギーツ
「そういう事。だから当面は生身でも戦える様に、アンタらの戦い方を見て色々研究させて貰おうと思う。」
ビリー
「良いぜ?俺達に教えられる事があれば何でも教えてやるよ!」
アンビー
「ついでにニコ直伝の商売の心得はどう?」
ギーツ
「いや、それは遠慮しておこう…」
この時、何処かからクシャミをする女性の声が聞こえた気がするが…空耳だろうか?
ビリー
「エースの仮面ライダーの力にも驚いたけどよ、店長達の店の設備もスゲェよな?ボンプと感覚を同期出来るうえに、ホロウ内部とリアルタイムで通信出来ちまうんだろ?治安局や調査協会なんかよりよっぽどスゲェじゃんか!」
アンビー
「でも不思議だわ。そんな切り札があるのに、何故プロキシ先生は調査協会に加入せずにプロキシをしているの?調査協会に加入してれば、今よりもっと不自由無く生活出来た筈。私達ホロウレイダーなんかと一緒に働くのは、メリットよりもリスクの方が大きいのに。」
グギギギギギ…
話の最中、遠くからエーテリアスの声らしき音が聞こえてきた。
ギーツ
「今の、エーテリアスの声か?」
ビリー
「早くね…?もうちょっとくらい休ませてくれても良いだろ!?横になろうとしてたとこなのに!」
アンビー
「急いで撤退しましょう。でもビリーが望むなら、ここで永遠に眠るのも良いかもね?来年のスターライトナイトの新作ベルトを貴方の墓前に供えてあげる。」
ビリー
「そういうの真顔で言うなよ…本気か冗談か分かんなくなるだろ!?」
ギーツ
「ハハッ、相変わらず二人の漫才トークは見てて面白いな!」
イアス/アキラ
「呑気な事言ってる暇は無いよ!急ごう!」
一行はイアスを先頭に、道中のエーテリアスを蹴散らしながらホロウ内を駆け抜ける。そしてしばらく走った後、一行の正面に巨大な壁が現れた。
ビリー
「店長、次はどっちに行く?」
イアス/アキラ
「このまま直進してくれ!」
ビリー
「了解!…って、このまま直進!?この先は壁だぜ!?」
ギーツ
「壁がどうした?ココはホロウの中、外の常識が通用しない掟破りの破れた世界だぞ?」
ギーツはそう言うとデザイアドライバーからマグナムレイズバックルを引き抜き、今度はブーストレイズバックルをドライバーの右側にセットしグリップを捻った。
『BOOST!』
ウィーン!ガチャン!
グリップを捻って直ぐギーツの右側に「BOOST」のロゴが現れ、ロゴは左右の前腕にマフラーがある赤い上半身アーマーに姿を変えギーツと合体。ギーツはマグナムフォームからブーストフォームに姿を変えた。
ギーツ
「目の前に壁があるなら、文字通り突っ切って行けば良いだけだ!」
ギーツはイアスを肩車し、アンビー、ビリーと肩を組んだ。
『READY…FIGHT!』
ボオオオオオオオオオオッ!!
ビリー
「どわっ!?」
ドライバーの音声コールを合図にギーツは腕のマフラーパーツから炎を吹き出させ、ビリー・アンビー・イアスと共に猛スピードで正面の壁に向かって突き進む。
ビリー
「ぶつかるぶつかるぶつかるー!!??」
ブォン…
だが一行は壁にぶつかってペチャンコになる事は無く、そのまま壁の中に飲み込まれる様にして消えた。
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〜十四分街 某所〜
壁の中に消えた一行は、気が付くとホロウを出て十四分街の何処かに居た。
アンビー
「エーテルの圧迫感が消えたわ。」
ビリー
「ってことは俺達…外に出られたって事だな!?ヨッシャー!!」
ビリーはホロウから無事脱出できた事に大喜びし、ギーツは周囲の安全を確認するとドライバーからバックルを引き抜き変身を解いた。
プップー
エース
「おっ、丁度迎えも来たみたいだぞ?」
エースがクラクションの音が聞こえてきた方向を指差す。その先には1台の白い車と、運転席に座るニコの姿があった。
ニコ
「時間も場所も予定通り、流石プロキシね!みんな乗って!」
エース達3人とイアスは急いで車に乗り込み、エースと邪兎屋一行は急いで十四分街を後にした。
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〜六分街 Random Play専用駐車場〜
十四分街を離れて数十分後、エースと邪兎屋一行はRandom Play裏の専用駐車場に車を停めた。駐車場には既にアキラとリン、そしてイアスと同型のボンプ18号こと《トワ》と06号こと《レム》が待っていた。
アキラ
「お帰りみんな。ニコ、随分早かったじゃないか?また赤信号を無視してないだろうね?」
ニコ
「そんな事無いわよ!普通の青信号と、R値255の青を通過しただけだから!あと、来る途中に尾行とかはされてなかったわ。」
ビリー
「…なぁエース、R値255の青って何だ?」
エース
「お前が今着てるジャケットと同じ色だ…」
リン
「さてと、じゃあ約束通り今までのツケを払ってよね?ニコ。」
ニコ
「待ちなさい、アタシの依頼はヒトとモノをホロウから出す事だった筈よ?ビリーとアンビーは無事に帰ってきたけど、依頼品はまだホロウの中だわ。」
エース
「そう言えばホロウで二人を見つけた時、一緒に落ちたって依頼品は何処にも無かったな。依頼品は何処に行ったんだ?」
アンビー
「依頼品の金庫は、私とビリーがホロウに落ちて直ぐに遭遇した、危険度の高いエーテリアスの活動範囲内にあるわ。ホワイトスター学会のエーテリアス図鑑に登録されてる上級エーテリアス《デュラハン》。私達と一緒にホロウに落ちた赤牙組のリーダー、「シルバーヘッド」・《ミゲル》がエーテルに侵食されて変貌したエーテリアスよ。」
ビリー
「最初は俺とアンビーで金庫を奪おうとしたんだが、アイツ尋常じゃないくらい強くてさ。撤退するのがやっとで、回収まで手が回らなかったんだ。…ってかニコの親分、あの金庫には何が入ってんだ?ここまで身体を張る価値があるのかよ?」
ニコ
「もちろんよ、コレを見て。」
ニコはポケットから、何やら赤い牙の飾りが付いた金のペンダントを取り出し一同に見せた。
エース
「赤い牙のペンダント…ひょっとして赤牙組のモノか?」
アキラ
「コレ、ただの精巧なペンダントじゃないね。」
アキラはペンダントを手に取ると、飾りから牙を引き抜く。すると、中にはUSBの端子が隠されていた。
アキラ
「やっぱり、ペンダントに偽装した小型のメモリディスクだ。」
ニコ
「このペンダントは「シルバーヘッド」の所有物よ。アタシが十四分街から逃げ出す時に、ビルの中で拾ったの。事前に調査したところによると、あの嘘泣きクソオヤジはコレを肌身離さず持ってたらしいわ!」
エース
「嘘泣きのクソオヤジ?」
アンビー
「恐らく、「シルバーヘッド」の事だと思う。」
ニコ
「だからきっと、この中には重要な何かが隠されてる筈よ!金庫の暗証番号とかね!」
アキラ
「でもこれ、少し破損してるな…中のデータを取り出すくらいなら何とかなるとは思うけど。」
リン
「ならお兄ちゃん、復元は私にやらせて!インターノットの演算パワーを拝借してやってみる。」
リン
「よし!じゃあアタシは何とかして、ホロウにある金庫の場所を確認してみるわ!手掛かりがあったらまた連絡するから、それまで他の仕事をしてても構わないわよ?」
アキラ
「OK、待ってるよ。」
こうして金庫の回収作業は後日に持ち越しとなり、邪兎屋一行は駐車場を後にした。それからしばらく、ニコは金庫の現在地を特定するための情報収集。アンビーとビリーは依頼が成功した後の打ち上げの準備。リンはメモリディスクの復元作業。アキラとエースはパエトーンのサブアカウントを使い2人で御近所さんの小さな依頼を幾つかこなした。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
〜Random Play 2階 アキラ自室〜
そして数日が経ったある日の朝…
アキラ
「Z…z…z…」
エース
「Z…z…z…」
アキラは自分の部屋のベッドで、エースはベッドの隣にあるロングソファで其々横になりぐっすりと眠っていた。すると…
コンッコンッコンッ
アキラ、エース
「…ん?」
2人は部屋のドアをノックする音で目覚め、ドアが開くとリンが慌てた様子で部屋に入ってきた。
リン
「お兄ちゃん!エース!」
アキラ
「おはよう、リン…どうしたんだい朝早くから…?」
エース
「ふあぁぁぁ〜…」
アキラは目を擦りながらベッドから下り、エースも大欠伸をしながらソファから下りた。
リン
「2人とも一緒に来て!店のカウンターに変な箱が置いてあるの!」
アキラ、エース
「変な箱?」
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〜Random Play店内〜
2人はリンに連れられ1階にやって来た。すると、カウンターの上に見慣れない箱が5つ置かれていた。箱は全て黄色と黒のツートンカラーで、天辺中央には「!」のマークがあった。
アキラ
「何だい、この箱は?」
リン
「私にも分からない…朝起きて直ぐ下りたら、カウンターの上に置かれてたの。」
エース
「ちょっと待て、この箱何処かで…」
エースは箱を1つ手に取りマジマジと見る。
エース
「この箱、見たことがある。色や天辺のマークは違うが、俺の持ってるベルトやバックルも、最初に見つけた時はこんな箱に入ってたんだ。」
アキラ
「何だって!?それじゃあ、この箱には仮面ライダーに関係する何かが入ってるって事なのか?」
エース
「それは、開けてみないと何とも言えないな…」
エースは恐る恐る箱の蓋を開ける。箱の中には何やら小さなバックルらしきアイテムが2つ入っていた。2つは共にベースは同じ形で、1つはピンク色のハンマー、もう一つは水色の蛇口のハンドル型のスイッチが付いていた。
リン
「コレって、バックル?」
アキラ
「エースがいつも使ってるのより小さいけど…」
エース
「残りも開けてみよう。」
エースは残り4つの箱を空け中身を取り出した。中には其々緑色の弓型、青い盾型、黄色い3本爪型、オレンジのトゲトゲ鉄球型、茶色いドリル型、グレーのプロペラ型のスイッチを有する同型の小さいバックルが計6個と、何故かギーツのマークが印字された変わった形のスマホが1台入っていた。
アキラ
「どれもベースは同じ形だね。」
リン
「ピンクのハンマー、水色の蛇口、緑の弓、青の盾、黄色の爪、オレンジのトゲトゲ、茶色のドリル、グレーのプロペラ。で、何でスマホ…?」
エース
「何でと言われてもなぁ…」
エースは徐ろにスマホを手に取る。すると…
『SPIDER MODE』
カチャカチャ…
突然スマホが起動したかと思うと、スマホはクモ型のロボットに変形。エースの手を離れ、店内をカサカサと動き回る。
エース
「な、何だ!?」
『HONE MODE』
クモ型ロボットは一頻り動き回るとエースの手に戻り、再びスマホに戻る。
〜♪
すると今度は、スマホに何やら着信が入った。
エース
「電話?」
エースは画面の通話ボタンをタッチし、電話に出た。
エース
「もしもし?」
???
『仮面ライダーギーツ、稲荷 英介だね?』
電話の向こうにいる誰かはエースの本名を言い、エース、アキラ、リンは驚いた。
エース
「アンタは誰だ?何で俺の名前と仮面ライダーの事をしってる?」
???
『悪いけど、今は詳しく話せない。取り敢えず、俺の事は《G/ジー》とでも呼んでくれ。』
エース
「このスマホと妙なバックルはお前の仕業か?」
G
『そうさ、無事に届いてるみたいで良かったよ。そのバックル達は君が使ってるマグナムバックルやブーストバックル程じゃないけど、今後の仮面ライダーの戦いに役立つ筈だよ?』
エース
「アンタは俺の仮面ライダーの力について何か知ってるのか?」
G
『今は君の力について詳しくは話せない。でも、君ならその力を上手く使い熟せる筈だ。今回送ったバックルの他にも君の戦いに役立つバックルをちょくちょく送るから、どうかよしなに使ってくれ。それじゃ、また!』
プツッ…ツー…ツー…
エース
「あ、ちょ…もしもし?もしもし!?」
Gは一方的に電話を切った。エースは通話履歴からGにもう一度電話を掛けようとしたが、履歴には何も残っていなかった。
リン
「一方的に喋って切られちゃったね…」
アキラ
「まさか僕達以外に、仮面ライダーの事を知ってる人物が居るとはね…」
エース
「ああ…しかもあの口振り、仮面ライダーについて何か詳しく知ってるのは明らかだな。」
リン
「このアイテムはよしなに使ってくれて良いって言ってたけど、どうするの?」
エース
「使って構わないのなら、有り難く使わせて貰うさ。丁度近接用の武器が欲しかったからな。」
プルルルル…
今度はアキラのスマホから着信音が鳴った。アキラが画面を開くと、ニコからの電話が来ていた。
アキラ
「もしもし?」
ニコ
『良い知らせよプロキシ!遂に金庫の場所を突き止めたわ!』
リン
「こっちもメモリディスクの解析は終わってるよ。ニコの予想通り、金庫の暗証番号が入ってた。」
ニコ
『やっぱり!そうと決まれば善は急げね。金庫の回収に移るわよ!』
エース
「ニコ、俺はどうすれば良い?まだ無料サービス適応中だから、一緒に行ってやるぞ?」
ニコ
『大丈夫!怪我の方はもう完全に治ったから、今回はアタシ達だけで行くわ!プロキシ、今から全員でそっちに向かうから準備して待ってなさい!』
アキラ
「OK、待ってるよ。」
ニコは話し終えると電話を切り、アキラはスマホをポケットに仕舞った。
エース
「今日は出番無しか…なら、俺はちょっと出掛けるとするよ。コイツらがちゃんと使い物になるかどうか確かめないとな。」
アキラ
「分かった、何かあったら連絡するね。」
エース
「了解、じゃあちょっくら行ってくる。」
リン
「行ってらっしゃい!」
エースは送られてきたバックルとスマホ型アイテム《スパイダーフォン》を持って裏口から店の外に出ると、駐車場でブーストレイズバックルを取り出し専用バイク《ブーストライカー》を召喚。そしてヘルメットを被りブーストライカーに乗り込み、六分街を後にした。