超宇宙勇者BuddyGo   作:エルモライト

1 / 2
以前の大河を多重クロスオーバー版にしたものとなります。


光『エゴ』

小さな光は父親の大きな背中に憧れていた。数多に広がる宇宙を守護する宇宙警備隊、その筆頭教官でありウルトラ兄弟No.6の称号を持つウルトラマンタロウ。そんな大き過ぎる背中を追い続けた小さな光はやがて成長し、光の国を旅立ち、仲間を得た。光の勇者と名乗るようになった光の名はタイガ。ウルトラマンタイガ。ウルトラマンタロウの息子だ。

「父さん!俺、U-40とO-50で仲間になった戦士とチームを作ったんです。チーム名はトライスクワッドに決めました!」

 

「タイガ。仲間を、友を大切にしなさい」

 

 タイガはタロウに常日頃そう言われ続けてきた。だがタイガはその理由を今の今まで聞かされたことがなかった。きっと何かしらあったのだろうと察して聞くのを躊躇ってもいた。

「父さんはもしや・・・」

 

 だがその日は思い切ってタロウに理由を尋ねてみた。するとタロウは若かりし頃に失った親友を思い出した。

「あれは地球での任務を終えて光の国に帰還して少し経った頃だった。私の親友、トレギアは別時空から干渉してきた黄金の戦士の誘いに負けてしまい、別時空へと去ってしまった。今では別次元への移動も珍しくはなくなったが、今もなお時間軸も絡めた時空の移動は不可能。今トレギアが何処の世界でどの時間軸にいるのかも知る術はない。私はトレギアを守る事が出来なかった事を今なお悔いている」

 

 タロウの親友トレギアは別時空から干渉してきたアブソリューティアンの戦士、アブソリュートタルタロスの誘いに同調してしまい、この時空を去ってしまった。あれから長い月日が流れたがタロウは今も親友を守れなかった事を悔いていたのだ。

「おっと、しんみりとさせてしまったな。タイガ達トライスクワッドは今後どうするつもりなんだ?」

 

「まずは修業の一環として父さんたちが守った次元とは異なるマルチバースの地球に行ってみようと考えています。今その地球は不自然に怪獣がいなくなる謎の現象が多発しているので調査も兼ねてですけど」

 

「ふむ、くれぐれも無茶はするなよ」

 

 こうしてタイガはトライスクワッドの仲間と共に地球へと向かっていく。そしてタイガ達トライスクワッドは怪獣消失の犯人。そのアジトへと突入して犯人と対面した。

「ようやく見つけたぞ!Dr.アビス!」

 

「よもやウルトラマンがこの宇宙まで出向いてくるとは」

 

 Dr.アビスと呼ばれた緑のマントに鉄仮面で顔を隠す謎の男はトライスクワッドがアジトまで来たというのにそれ程驚いてはいなかった。

「せっかくだ。ウルトラマンでも装置が機能するか試してみるとしよう」

 

「光の勇者!タイガ!」

 

 M78ワールド光の国出身の銀のボディに父親譲りの2本角が特徴なウルトラマン、ウルトラマンタイガ。

「力の賢者!タイタス!」

 

 U-40出身のマッスルボディが特徴なウルトラマン、ウルトラマンタイタス。

「風の覇者!フーマ!」

 

 O-50出身の蒼く身軽さが特徴な忍者ウルトラマン、ウルトラマンフーマ。

「「「我ら!トライスクワッド!」」」

 

 名乗りを上げたトライスクワッドはアビスの計画を打ち破るため、目の前の装置を破壊しようとした矢先、Dr.アビスは装置を起動した。すると装置から放たれた光線がトライスクワッドに浴びせられる。

「なんだこれ?身体がッ・・・砕けそうだッ」

 

「これはかつて光の国にいたトレギアという科学者が開発したアストラル粒子転換システムを再現、応用したエゴルギア封印装置だ」

 

 トレギア。その名前にタイガは思考を巡らせてしまう。

 

「つまりこの光線は私達をエゴルギアとやらに封印しようとしている訳か」

 

「なら封印されちまう前に装置をぶっ壊すぞ!」

 

 タイタスとフーマは完全にエネルギーに変換される前に装置を破壊しようとすると、白いロボットが2人を襲った。

「何だこのロボットは!?」

 

「見た目は白いがこの独特のフォルムはまさか!」

 

「詮索はそこまでだ」

 

「「うわぁぁぁっ!?」」

 

 タイタスが白いロボットが何なのかを告げようとするや否や、Dr.アビスは装置の出力を上げてタイタスとフーマは粒子に変換され、人間の手に収まる電池型アイテム、エゴルギアにされてしまった。

「タイタス!?フーマ!?このッ!!」

 

 タイタスとフーマがエゴルギアにされた事に動揺したタイガは怒りに身を任せて白いロボットに光線を放つも、白いロボットは4つに分離してタイガの攻撃を回避する。

「ぐっ!?うわっ!?」

 

 4機は再度合体すると人型からドラゴンのようなフォルムの形態となり、それは口部から強力な火炎攻撃でタイガを襲う。その攻撃に耐えかねたタイガは膝をついてしまうと、とうとうタイガもアストラル粒子にされてしまいエゴルギアにされてしまったのだった。

「ウルトラマンのエゴルギア化に成功。これなら計画を次の段階に・・・む?」

 

『ウルトラ念力!』

 

 Dr.アビスが次の計画の算段を考えつつもタイガ達のエゴルギアを回収しようとすると、その姿でも意識のあったタイガ達はウルトラ念力で自分達を飛ばし敵のアジトから脱出した。

「あの状態でも意識がある事例は怪獣達で確認済みだったが、あの状態で簡易なものとはいえ技を使えるのは新たな発見だ。記録しておこう」

 

 エゴルギアに逃げられても、あの状態では大した事など出来ないと考えているのかDr.アビスは今起こされた事の記録をするのを優先し、タイガ達のエゴルギアを追跡しようとはしなかった。

 

 

 

 

 

 ところ変わって多元宇宙μ0060。つい先日α宇宙から救援要請を受けて様々な次元からギャバンが集結することとなってからこの宇宙では1週間を過ぎ去ろうとしていたこの日も、この宇宙の地球ではこの宇宙のギャバンが平和のために奮闘していた。

【ジョーネッツ!】【チャージ!】

 

「蒸着!」

【ジョーネッツ!】【アクティベート】

 

 蒸着。それはギャバンシステム装着のコマンドだ。蒸着コマンドを受けて臨界点を突破したエモルギーが変身アイテム兼武器である特殊宇宙銃ギャバリオントリガー内のギャバリオン粒子と融合。コンマ1秒でコンバットスーツが放射成形され、蒸着を完了するのだ。

「宇宙刑事ギャバンイージス!現場しました!」

 

 ブルーメタリックのコンバットスーツを身に纏ったギャバンは宇宙犯罪信仰組織グリムドの構成員を相手に片刀剣型デバイスであるギャバリオンブレードを構えると、構成員数人は持っていたネガエモルギアを取り出し、それを起動した。

 

 すると構成員達のネガティブな感情を糧としたエモルギアは増幅させたネガエモルギーで生み出されるモンスター、エモンズを出現させた。

 

 エモルギア。それは人間の感情に反応するエネルギー生命体『エモルギー』が詰め込まれているアイテムだ。感情によって様々なエモルギアが存在し、善意に反応すればポジティブなエネルギーを、悪意に反応すればネガティブなエネルギーを生み出す性質がある。

 

 本来であればエモルギアは銀河連邦警察が管理しているのだが、ネガティブな感情に反応するネガエモルギアは違法ルートで流通してしまっている。今回の事件もそれに該当する案件というわけだ。

「やれ!」

 

「ギャバンを倒せ!」

 

 エモンズは構成員達の命令で目からビームを連続で放ち、ギャバンイージスや現場の銀河連邦警察を攻撃してくる。

「ハァッ!」

 

 ギャバンイージスは足を強く踏み込んでエモンズとの距離を詰めると、ギャバリオンブレードで横一閃を決めてビームを中断させると構成員達はレーザーガンでギャバンイージスを狙ってきた。

「ギャバリオンクレーン!」

【ギャバリオンクレーン】

 

 釣竿型武器ギャバリオンクレーンを装備したギャバンイージスは先端のウインチを伸ばし、鞭のように振るう事で構成員達のレーザーガンをはたき落とすと、そのまま構成員達を巻き付け捕縛する。

「ギャバリオンブレード!」

 

 ギャバリオンブレードを再装備したギャバンイージスは残るはエモンズだけと突撃していく。

「イージス!ブルースラッシュ!!」

 

全身の各ラインを青く発光させたギャバンイージスは横に一回転しながら横一閃をエモンズに決め込むと、エモンズは爆散してその場で起きていた事件は鎮圧されたのだった。

「事案終了。これより署に帰還します」

 

 コンバットスーツを解除した青年の名は工藤ヒロユキ。本人の希望で生活安全課に所属している『宇宙刑事ギャバン』だ。先日のα宇宙で発生したデスギャバン艦隊事件にも次元超越者の力を得て参戦し、数多の次元のギャバンとも知り合ったヒロユキだが、今は自身のμ宇宙で連続的に事件を起こしている宇宙犯罪組織グリムドの案件に出ずっぱりとなっていた。

「α宇宙でのデスギャバン艦隊事件以降、様々な次元で犯罪組織の活動が活発化している。事件はエモルギア犯罪事件だけじゃないのに」

 

 μ地球では外星人差別意識が強く、それに反発するように外星人が犯罪を起こして、更に外星人が嫌われてしまっているという負の連鎖なのが現状だ。

 

 本来は生活安全課としてそれらに対処したいと考えるヒロユキだが、エモルギア犯罪の活発化でそうは言ってられないのも理解していた。

『たす・・け・・・て』

 

「これは、テレパシーか」

 

 地球支部に帰還しようとしていたヒロユキにテレパシーによる助けを求める声が聞こえてきた。

「声はどこから?こちら工藤、このテレパシー波長の解析、及び追跡をお願いします」

 

『りょーか〜い』

 

 自身の地球。μ地球からの助けを求めるテレパシーなのは理解したヒロユキは地球支部の仲間に特定を頼むと、数分もしないうちに最新鋭機器でその発信元を特定してもらい、現場へと向かう。

「きゃあぁぁッ!?」

 

「ぎ、ギルスだ!逃げろ!!」

 

 テレパシーの発信元に急行すると人々は緑色の1体の亜人から逃げる光景があった。

 

 ギルス。このμ地球では稀に超能力に覚醒する人類がいるのだが、更にもう一段階覚醒して異形の姿に変わってしまう者もいる。そのうちの1つがギルスである。ギルスとなってしまったものはその多くが理性を失い、暴走してしまう。

「がアァアァ!!」

 

『助け、て』

 

「助けを求めているのは君なんだね」

 

 助けを呼ぶ声の主がギルス、いや、ギルスになってしまった者だと分かったヒロユキはまず自分に敵意がない事を示すためにギャバリオントリガーを地面に置いた。

『エモっ!?』

 

「ゴメン、ジョーネッツ。僕はあの人の助けを求める声を聞いたんだ」

 

『エモッ』

 

 ヒロユキの気持ちをくんで頷くジョーネッツエモルギア。するとヒロユキは敵意はないと両手を広げながらギルスに歩み寄る。

「大丈夫。僕は君を攻撃しない」

 

 ギルスの触手が鞭のように振るわれ、ヒロユキはそれに何度も叩かれ傷つきながらも歩みは止めない。

「大丈夫。大丈夫だから」

 

『・・・アイツなら!』

 

 その様子を見ていたタイガエゴルギアはヒロユキの行動に、その自分を貫かんとするエゴに『光』を感じていた。

「目を、覚ますんだ!」

 

 ヒロユキはギュッと強くギルスを抱き締めると、ギルスは人間の姿に戻りその場にヘタレこんだ。

「君は・・警察官か」

 

「・・・はい」

 

 どうやらギルスになってしまっていたのは現職の女性警察官だったようで、ギルスとして暴走して暴れたことを悔いて酷く落ち込んでしまう。

「ご迷惑をお掛けしました。民間人を守る立場の警察官が逆に不安にさせてしまうだなんて」

 

「気にしないで。って言いたいけどやっぱり気にしちゃうよね」

 

 ヒロユキは彼女になんて言葉をかけてあげようか悩んでいると、そこにサーベル暴君の異名を持つ外星人、マグマ星人と宇宙商人のマーキンド星人がやってきた。

「よぉ兄ちゃん。そっちのギルスに覚醒した地球人の女は俺等が貰っていくぜ。超能力に覚醒した地球人は戦力としても実験動物としてもそれなりに金になるからな」

 

「早めの提供をオススメしますよ」

 

「僕は銀河連邦警察だ。人身売買に手を貸すわけがない」

 

「なら、しょうがねぇな」

 

 人身売買に協力しないと告げるヒロユキに対して、マグマ星人は拡声器型のデバイス、オメガホーン・レプリカを取り出す。

「なんだそれ?拡声器?」

 

「ワタクシが別次元から取り寄せたデバイス。オメガホーン・レプリカです」

 

 マーキンド星人は拡声器ではなくオメガホーン・レプリカだと訂正する。

「俺様は泣く子も黙らすサーベル暴君!マグマ星人ヨーガン!」

 

 名乗りを上げたマグマ星人ヨーガンはエモルギアによく似たアイテムであるエゴルギアを取り出すと、オメガホーン・レプリカにセットした。

「角醒しやがれ!溶鉄怪獣!デマーガ!」

 

 マグマ星人ヨーガンが叫ぶと、大地を割って黄色く発光する頭部の角が特徴な溶鉄怪獣デマーガが姿を現した。




次回 勇者『バディ』
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。