「只今帰還しました。天羽本部長」
Λ次元のギャバン。ギャバンブシドーこと哀哭院刹那。
「コト。ただいまです」
Ι次元のギャバン。ギャバンルミナスこと祝喜輝。
両名はそれぞれの相棒である天羽琉唯と高鳴寿に事件の報告を行なった。
「エモルギアに似てるけど違うみたいね。何なのかしら?」
「キキ、何かわかる?」
寿に尋ねられて喜輝はさっそく分析しようとしていたところにヒロユキとイチカがやってきた。
「そのアイテムはエゴルギア。別次元の地球にいた怪獣達が封印されているアイテムらしいです」
「其許は確か、工藤ヒロユキ殿」
「そちらの方は始めましてですね」
「新人の芦川イチカです。よろしくお願いします!」
一同にイチカが挨拶を終えるとヒロユキは続ける。
「エゴルギアは最近僕達の次元で流通し始めているらしいのですが、角醒器と呼ばれるメガホン型の道具で怪獣の力を解放するようです。エゴルギアに宿る怪獣を召喚したり、怪獣の力をその身に宿した相手と何度か戦いました」
「ただし解放には使用者のエゴの強さが必要みたいッスよ」
「これまでに数回ほどエゴルギア犯罪事案を対応しました。これが押収物です」
ヒロユキはこれまでに押収した角醒器とエゴルギアをテーブルの上に置く。
「この角醒器にエゴルギアをセットして、エゴを叫ぶことで力が使えるみたいです」
「怪獣の力を扱えるアイテム。かなり厄介ね」
「興味深いです!」
天羽は怪獣が宿るエゴルギアをまじまじと見ていると、喜輝はエゴルギアの1つを掴んで意気揚々と解析を始める。
「この拡声器のようなものにセットして怪獣を解放するんですね!」
「ちょっと喜輝。ここで怪獣を呼び出したりしたら危ないよ」
「呼んでみたい気持ちはありますけど、流石にやりませんよ。みたところ拡声器の方の仕組みはギャバリオントリガーを簡易的かつ量産性のあるものにしたような感じですかね?」
「工藤殿の話によれば怪獣を解き放つにはこの角醒器にエゴを叫ぶのだったな。さすれば人造人間である某には難しいか」
自分にエゴがないのではと考えていた刹那は自分では角醒器は扱えないと考えているが、ヒロユキはそうは思っていなかった。
「哀哭院さんにもエゴはあると思いますよ。でなければ感情に反応するエモルギアが応えてはくれないと思いますから」
「・・・以前似たような事を怜慈殿にも言われたことがあるな」
「あっ、玲慈さんを思い出させてすみません」
怜慈の話題になってしまい、ヒロユキは思わず謝ってしまう。
「いや、構わない。今、玲慈殿は未来にいるとのことで、未来に向かう手立てを皆で探している。大佐殿とアギ殿が本日不在なのも、某の次元で時を超える研究をしていたという人物の足取りを追ってのことだ」
「未来。怜慈さんはデスギャバンを追ってそこまで行ったんですか」
時間すら越えて未来までデスギャバンを追う怜慈に驚愕したヒロユキ。そこに緊急のコールが響く。
「日本の熊本で角醒器を持った異星人2人が暴れている通報。ギャバン急行の指令が」
ギャバン達3人は即座に現場に向かうとナックル星人とバロッサ星人が銀行や宝石店を襲う場面だった。
「銀河連邦警察か」
「バロバロバロ。腕試しには丁度いい!」
犯人達は3人と戦う気満々のようだ。
「随分とやる気がある方々ですね」
「工藤殿。協力感謝する」
「同じギャバンですからね」
【ヒソオ!】【カンキー!】【ジョーネッツ!】
【チャージ】
「「「蒸着」」」
【ヒソオ!】【カンキー!】【ジョーネッツ!】
【アクティベート】
3人のギャバンは現場に到着すると蒸着して犯人達と向かい立つ。
「俺ちゃんはナックル星人のボルツ!角醒憑依しろ!用心棒怪獣!ブラックキング!」
ナックル星人のボルツは黒いオーソドックスな怪獣のブラックキングを角醒憑依させてパワーを底上げしてくる。
「ミーは宇宙海賊!バロッサ星人のハーデス!角醒憑依しろ!宇宙ロボット、キングジョー!」
バロッサ星人のハーデスは金色の強固なロボットであるキングジョーを憑依させてきた。
「其許らには巨大化能力があるはず。何故巨大化しない?」
「残念ながらこの角醒器にはエゴを怪獣の強さに変えるかわりに、俺ちゃん達の巨大化を阻害しちまうデメリットがあるんだよ」
ナックル星人ボルツは自分達が巨大化しない理由を素直に話すとそんな事は些細な問題だと吐き捨てるようにバロッサ星人ハーデスと共にギャバン達に襲いかかる。
「ブラックキングのパワー!止めれるもんなら止めてみやがれ!」
ブラックキングのパワーでタックルをしてきたナックル星人ボルツを受け止めようとしたギャバンイージスだったが、パワー負けして突き飛ばされる。
「目からビーム!」
目からビームを放ったバロッサ星人ハーデス。そのビームを回避したギャバンルミナスは切り返しにギャバリオンレーザーを手にしてレーザー光線で反撃する。
「効かないなぁ!」
しかしキングジョーの装甲となっているバロッサ星人ハーデスは難なくそれを弾いてしまう。
「合体技、やってみるか!」
「バロバロバロ。イイね!」
ナックル星人ボルツとバロッサ星人ハーデスはエゴを高める。
「「合体王技!ブラックジョーク!」」
黒い城のようなエネルギーの塊が放たれ、ギャバンブシドーは二振りのギャバリオンブレードでそれを受け止めようとするが、力負けして吹き飛ばされてしまった。
「かはっ!?」
「哀克院さん!?」
「お仲間の心配してる場合か?」
ナックル星人ボルツはギャバンイージスに拳を振り下ろそうとした瞬間、金色の戦士がキックで横槍を入れてきた。
「何者だ!」
「手伝います。先輩」
アギトとなっているイチカだ。
「その声。其許は芦川イチカ殿か?」
「わぁ!何なんですその姿!」
「説明は後ッス。今はあの外星人達に集中しましょう」
自身の説明を後回しにしたアギトはギャバン達と並び立つ。
「へっ!数が1人増えたところで!」
ナックル星人ボルツとバロッサ星人ハーデスはギャバン達に再び攻撃を仕掛けてくる。
「オラァ!」
タックルをしてきたナックル星人ボルツをギャバンイージスとギャバンブシドーが二人がかりで受け止めると、ギャバンルミナスがギャバリオンレーザーでレーザー光線を浴びせた。
「なら!」
目からビームを放ってきたバロッサ星人ハーデス。そのビームをアギトは光輝く手刀で弾いた。
「イージス!ブルースラッシュ!」
「奥義。氷双月輪斬」
ギャバンイージスとギャバンブシドーの剣技が炸裂し、なお倒れないナックル星人ボルツとバロッサ星人ハーデス。
「たぁっ!」
ギャバンルミナスはギャバリオンクレーンで2人の身動きを封じると、アギトは中腰に構えて足に力を込める。するとアギトの2本角が展開し、6本となる。
「タァァっ!」
アギトの跳び蹴りが2人を蹴り飛ばすと、ダメージで立ち上がれなくなった2人は角醒器を手に取る。
「こうなったら。角醒しろ!宇宙ロボット!キングジョー!」
「こっちもだ!角醒しやがれ!用心棒怪獣!ブラックキング!」
バロッサ星人ハーデスとナックル星人ボルツはかくなる上はと憑依させていた怪獣を解除して、怪獣を召喚してくる。
バロッサ星人ハーデスが召喚したのは金色のボディに硬い装甲を誇る宇宙ロボットのキングジョー。
ナックル星人ボルツが召喚したのは黒い身体に一本角の用心棒怪獣、ブラックキングだ。
「ナックル星人らの相手は某が」
「私もお手伝いします」
ギャバンブシドーとアギトはナックル星人ボルツとバロッサ星人ハーデスの確保を優先する。
「工藤さんは私とあのロボットの相手をお願いします!」
「了解!」
それぞれコスモギャバリオンに乗り込んだギャバンイージスとギャバンルミナス。2人は強襲モードを認可してもらい、コスモギャバリオンを強襲モードに変形させた。
「ッ!」
2機のコスモギャバリオンの光線。それを前に出たキングジョーが受け止める。キングジョーは傷一つなくそれらを防ぎきるとブラックキングが頭から突進してきた。
「ぐっ!?」
「あぅ!?」
突進を受けて倒れ込む2機のコスモギャバリオン。ギャバンイージスとギャバンルミナスは起死回生にと必殺技の構えをする。
「「コスモエモーショナルバースト!」」
【エモーショナルバースト】
コスモギャバリオンから放たれた必殺光線。その攻撃はマズイと判断したキングジョーは四機に分離することで回避し、ブラックキングだけが直撃した。
大ダメージを受けているはずのブラックキングだが、最後の足掻きでコスモギャバリオンに突撃し、自身の爆発に2機を巻き添えにした。
「機体は、動けなさそうですね。工藤さんの方はどうですか?」
「す、すみません。通信機能に異常が」
2人は無事だったが戦闘不能となったコスモギャバリオン。通信障害を言い訳にして通信を切ったギャバンイージスにタイガエゴルギアが飛び出てくる。
『頃合いだな。ヒロユキ!変身だ!』
「あぁ!」
タイガエゴルギアを手に取り、蒸着を解除したヒロユキはギャバリオントリガーにそれをセットする。
「光の勇者!タイガ!」
【タイガ!】【チャージ】
「バディ、ゴー!!」
【タイガ!】【アクティベート】
ウルトラマンタイガへと変身したヒロユキはキングジョーの前に着地すると、その映像を見ていた天羽や寿、現場のギャバンブシドーやギャバンルミナスらも驚く。
「きょ、巨人!?」
「聞いたことがある。遥か遠くの星には光の巨人、ウルトラマンと呼ばれる戦士達がいると」
ウルトラマンの存在を耳にした事のあるギャバンブシドーはそれを他の者達に話した。
「シュア!!」
タイガはキングジョーに体当たりの先制攻撃をすると、連続パンチで追撃を仕掛ける。しかしキングジョーの硬い装甲により、逆にタイガの方が痛がる素振りをしてしまう。
「スワローバレット!」
ならばと切り替えたタイガは距離を取りスワローバレットによる中距離光弾で攻めるものの、大したダメージにはならなかった。
「硬いね」
「噂に名高いキングジョーなだけはあるな」
「だけど相手はロボット。関節部や接続部は防御が弱いはず」
「あぁ!そこを狙うぞ!」
両腕でT字に構えたタイガは接続部を狙う。
「ストリウム!ブラスター!!」
タイガの必殺光線であるストリウムブラスターがキングジョーに命中する。その一撃に怯んでいたキングジョーだったが、倒すまでには至らない。
「駄目だ。装甲が硬い」
「装甲を破壊するパワーが必要だ。こんな時、タイタスがいてくれたら」
『私を呼んだか?』
タイガがタイタスの名を口にした時、タイタスエゴルギアがタイガのカラータイマーからインナースペースへと入ってきた。
「タイタス!こっちの次元にいたのか!」
『あぁ。再び共に戦おう。タイガ』
タイタスエゴルギアはヒロユキの手に収まると、自己紹介をする。
『君は工藤ヒロユキと言ったな。私は力の賢者、ウルトラマンタイタスだ。私も君に力を貸そう』
「ありがとう。力の賢者、タイタス!」
【タイタス!】【チャージ】
ギャバリオントリガーからタイガエゴルギアを外したヒロユキはかわりにタイタスエゴルギアをセットする。
「バディ、ゴー!!」
【タイタス!】【アクティベート】
光に消えたタイガに代わり、キングジョーの前には黒光りするマッスルボディのウルトラマンが着地する。
彼こそが力の賢者、ウルトラマンタイタスだ。
「べ、別の巨人が現れました!」
「なんと」
ギャバンブシドーとギャバンルミナスも2人目のウルトラ戦士に驚きの声を洩らすと、タイタスはマッスルポーズを決める。
「来なさい」
キングジョーのチョップを受けてもびくともしないタイタスは必殺にも匹敵する拳、ワイズマンズパンチを叩き込む。
「賢者の拳はすべてを砕く!」
その拳がクリーンヒットしたキングジョーは胴体部分が激しく破損し、分離機構が不可能となる。
『流石タイタス!ペダン星の特殊合金といえどものともしないパワーだぜ』
「決めるぞ。ヒロユキ!」
「あぁ!」
「プラニウムバスター!!」
正面にプラニウムエネルギーで光球を作り出したタイタスは右拳でそれを撃ち出した。必殺技のプラニウムバスターだ。
既に胸部装甲が砕けているキングジョーはその一撃は耐えきれずに爆散する。
「やりました!ウルトラマンの勝利です!」
「此方も現場終了」
ギャバンブシドーもナックル星人ボルツとバロッサ星人ハーデスを逮捕し、それを見て頷いたタイタスは空へと飛び去っていく。それから数分、ヒロユキは刹那達と合流して気絶していたとウルトラマンの事を隠して言い訳をするのだった。
次回 集結『トライスクワッド』