「待て!」
工藤ヒロユキは現在Z次元の地球へと出張していた。しかし到着早々にエモルギア事案の事件に遭遇。犯人を追跡していた。
「風波流、旋風」
「うわっ」
突如吹いた強い風に足を止めた犯人。その隙にヒロユキは無事犯人を確保すると、ヒロユキの前に紫色のギャバンが現れた。
「あなたは確か、ギャバンライヤ。風波駆無さん!」
「久しいな。イージス」
ギャバンライヤは蒸着を解除すると少し遅れて1人の男性がやってきた。
「流石ギャバンライヤ。忍なだけあって速いな」
「風波さん。そちらの方は?」
「紹介する」
「始めましてだな。自分はギャバンアークマイザ。南雲健治だ」
「ギャバンアークマイザ。南雲さんですね。工藤ヒロユキ。ギャバンイージスです。よろしくお願いします!」
挨拶を終えたヒロユキ達はコスモギャバリオンに戻りつつも、どのように知り合ったのかという話題になる。
「僕と風波さんは半年前のデスギャバン艦隊事件の少し前に時に初めて顔合わせをしました。風波さんの妹さんの活躍で他の次元のギャバンも次元移動を可能になってんですから凄いですよね」
「感謝しろ。初音に」
「僕の次元にも何度か弩城玲慈さんがエモルギア事案の捜査協力をしてくれたことがあるんですけれど、南雲さんの方にも弩城さんが来たことが?」
「彼にはイルとガラを・・・仲間と共に命がけの特攻を仕掛けようとしたところを救われた大恩がある。彼の不在となった様々な次元を守ることこそが自分の使命。それがあくまで生きる道だと考えて今も宇宙刑事を続けている」
ギャバンアークマイザは自身の次元の悪の秘密結社ダウンワールドとの最終決戦の際、コスモギャバリオンでその基地に特攻を仕掛けようとした際にギャバンインフィニティこと弩城怜慈に助けられた過去がある。自身も次元移動の手段を手に入れてからは彼がいなくなった穴を埋めるべく、彼への大恩を返そうと様々な次元を駆け巡っているようだ。
「む。ギャバリオトリガーをお持ちということはオヌシもギャバンで御座るか?」
「は、はい。そうですけど」
南雲健治のコスモギャバリオンに入ると細身長身の男性と太目で大柄な男がヒロユキに声をかけてきた。
「拙者。射流弾と申す。仲間内にはイルと呼ばれている。ヌシもそう呼んでくれて構わん。よろしく頼む」
「オイラは雁田乱太郎なんだな。みんなにはガラって呼ばれてるんだな。オイラ達2人で健治のサポートをしているんだな」
「工藤ヒロユキです。イルさん。ガラさん。よろしくお願いします」
「挨拶は終わった?そんじゃ集まったし、敵組織の潜伏先の説明をするね」
挨拶を終えたタイミングで駆無の妹である初音が入室してくると、さっそくと言わんばかりに今回召集されたギャバン達に今回の作戦内容を説明してくる。
「今回の敵組織のワルノスはバイ・アクベの頭領であったルルギエと幾度となく売買を繰り返した同業の犯罪組織。そのボスのマイグラはこの辺りの地区を完全に自分の根城にして、まるで自分の国のように振る舞ってる。その城は物凄い城塞ってだけじゃなく、そこにはまるで怪獣みたいな決戦兵器もあって、何隻もコスモギャバリオンが沈められてる」
「私単独では敵わなかった。故の応援要請」
「状況は理解しました。城塞の詳細データと決戦兵器のデータを確認できますか?」
「ジャミングのせいで城塞の内部データは取得できなかったけど、決戦兵器はこんな感じ」
初音はモニター画面にワルノスにあるという決戦兵器を映し出す。そこには丸っぽい重火器を大量に搭載されたサイボーグのような外観の怪獣が映し出された。
『こいつは、デアボリックだな』
「デアボリック?」
『奇機械怪獣デアボリック。全身に色んな武装が施されているサイボーグ怪獣だ。エゴルギアにされない状態でこっちの次元まで売買されているとはな』
タイガは怪獣がデアボリックであると説明をすると、その名を呟いたヒロユキに駆無が反応する。
「イージス。知っているのか?」
「詳しくは分かりませんが、あれはデアボリックと呼ばれるサイボーグ怪獣なようです。全身武装だらけでそう簡単には近づけない相手です」
「現にコスモギャバリオンじゃまともに近づけなかったから身をもって知ってる。だから一度は遙か上空からレーザーユニットを換装したコスモギャバリオンでの遠距離攻撃もしたんだけど、それも迎撃された」
「遠距離も駄目か。ならどういった作戦でいくつもりだ?」
「コスモギャバリオンを使わず城へと侵入。敵首領を確保し、デアボリックとの戦闘を回避する」
「確かに。それが最も安全だな」
「城下にはマイグラの配下がわんさかいて、そう簡単にはいかない。だから3方向から同時に突入してデアボリックを動かされる前に迅速な解決をしなくちゃいけない」
「了解しました。作戦決行メンバーと突入時間は・・・」
ヒロユキが突入メンバーと決行時間の相談をしようとしていると、少し遅れてμ次元のヒロユキが乗ってきたコスモギャバリオンに待機していたはずのイチカがやってくる。
「その突入作戦。自分も参加するっス」
「あなたは確かイージスのサポーターの芦川イチカっていったっけ。確かにギャバン3人でも人手は足りないのは事実だけど、流石に危険だと思う」
初音はギャバンではないイチカの突入は危険だと忠告すると、イチカは深呼吸をして光輝き、次の瞬間にはアギトに変身していた。
「大丈夫です!戦えます!」
「え?何それ?どうなってんの?」
「μ次元には稀に超能力に覚醒した人がさらに稀にアギトと呼ばれる戦士に目覚めることがあって、イチカはそのアギトなんです」
「超能力!アギト!忍術に応用できるかな?後で調べさせて!」
アギトに興味が湧いた様子の初音は変身を解いたイチカに注射器を向けていると、駆無がコホンと咳払いをする。
「頂上作戦の日は近い。我々の任務は敵戦力を少しでも減らしておくこと。今回の任務はそれに繋がる任務。失敗はできない」
「潜入ルートの説明をするね。こっちの捜査員が掴んだ情報だと、この3か所の警備は比較的手薄で・・・」
突入作戦は2時間後に決まり、各々が突入に備えて準備を整えている頃、アクノスにて。女首領であるマイグラは既に銀河連邦警察が突入作戦を決行しようとしている情報を掴んでいた。
「情報は力。相手の人数。保有する武器。どんな相手かを知っておくことで対処ができる。そして相手にはニセの情報を掴ませることで、相手は力を存分に振るうことができなくなる」
「さすがマイグラ様でございます」
「とはいえ戦力自体には抜かりないわ。こちらには様々なルートを利用してかつてウルトラマンに敗れたというデアボリックの残骸をかき集め、修復再現した奇機械怪獣デアボリックリペアがある。さらにはエモルギアを2つに、怪獣の力を秘めた最近のトレンド。エゴルギアも手の内にある。さぁ、銀河連邦警察はどう動いてくるかしら?」
「そうだな。私なら・・・こうする」
壁をすり抜けてきた駆無はギャバリオンブレードからの斬撃で天井を破壊すると、そこからヒロユキと健治、イチカの3人が突入してくる。
「何ですって!?貴方達の突入はあと2時間後なはず」
「偽の情報は初音さんが掴んでいた。だけど銀河連邦警察職員に変装したものが聞き耳を立てていることに気づいた風波さんは会話以外に筆談で打ち合わせもしていたんだ」
「別々の場所で突入してくるというのも・・・」
「それも偽の情報だ」
「なるほど。偽の情報を掴まされたのはこちらの方だったというわけね。だけど戦力は情報通り貴方達4人だけ。多少突入時間やルートを変えてきたところで・・・その程度の人数は脅威ではないわね」
ネガエモルギアを起動したマイグラの側近2人はエモンズを召喚すると、マイグラ自身も玉座から立ち上がり、角醒器を手に取る。
「情報こそが力。力とは絶対的な法。私は情法のマイグラ!銀河連邦警察共!私の城に侵入してきた罪。私が裁く!」
名乗りを上げたマイグラはエゴルギアを角醒器にセットしてエゴを叫ぶ。
「角醒憑依なさい!氷結怪獣!ダランチュラス!」
紫色の巨大な蜘蛛怪獣であるダランチュラスを憑依させたマイグラは両手にチャクラムを握りしめる。
『ダランチュラス。かつてジョーニアスが別次元の地球で相手にしたという巨大な蜘蛛怪獣だ。冷凍光線含む氷結エネルギーを武器に攻めてくるぞ』
タイタスはかつてU40最強の勇者であるウルトラマンジョーニアスが戦ったというダランチュラスの説明をすると、マイグラは早速と言わんばかりにチャクラムに氷結エネルギーを込める。
【ジョーネッツ!】【キーグ!】【カワルンダー!】
【チャージ】
「「「蒸着!」」」
【ジョーネッツ!】【キーグ!】【カワルンダー!】
【アクティベート】
ヒロユキと駆無がそれぞれギャバンイージスとギャバンライヤに蒸着すると、健治も赤と黒の悪魔チックなギャバンに蒸着する。
「宇宙刑事ギャバンイージス」
「宇宙刑事ギャバンライヤ」
「宇宙刑事ギャバンアークマイザ。往く道一つ。ただ一つ。それがあくまで生きる道」
3人のギャバンがギャバリオンブレードを構えると、イチカも光に包まれてアギトへと変身する。それぞれ冷凍光線をギャバリオンブレードや光を纏ったチョップで打ち払うとマイグラは不敵な笑みを浮かべた。
「ギャバンが3人に、超能力戦士のアギト。情報は知っているわ。お前達、やっておしまいなさい」
マイグラの指示で側近の2人はデモンズをギャバンイージスとアギトに差し向けてきて、必然的にギャバンライヤとギャバンアークマイザがマイグラの相手となった。
「イージス!アギト!」
「大丈夫っス!」
「こっちは任せてください!」
自分達は問題ないと告げたギャバンイージスとアギトに頷いたギャバンライヤはギャバンアークマイザと共にマイグラと向かい立つ。
「風波流。火花」
ギャバリオンセイバーを手にしたギャバンライヤは火花を散らす剣戟でマイグラのチャクラムを狙うも、チャクラムから氷の壁を作り出したマイグラはそれをガードしてしまう。
「この壁は抜ける気にならんな」
「ならばアーク魔法。ウィンドスラッシュ」
風の斬撃を飛ばしたギャバンアークマイザは氷の壁を打ち破るとマイグラはチャクラムを指先で回転させて吹雪を巻き起こす。
「アーク魔法。魔法陣アタック!」
魔法陣を飛ばして吹雪を打ち消したギャバンアークマイザ。その隙を好機だと判断したギャバンライヤはギャバリオンブレードから斬撃を飛ばす。
「風波流。真空剣」
その斬撃でチャクラムを破壊されたマイグラに対してギャバンアークマイザは魔法陣による拘束で彼女の身動きを封じた。
「首領の制圧完了。あちらは?」
「イージス!ブルースラッシュ!」
「ハァっ!」
ギャバンイージスとアギトもそれぞれ必殺剣と必殺キックでエモンズを打ち破る瞬間を目撃したギャバンライヤ。しかしマイグラはそんなピンチの状況でも闘志を失ってはいなかった。
「かくなる上は・・・デアボリック!起動!」
最後の手段としてデアボリックを起動させたマイグラ。その動き出した衝撃で天井が崩れてしまい、ギャバンイージスだけが孤立するように瓦礫が彼らを分断してしまった。
「大丈夫っスか先輩!」
「こっちは大丈夫だ!」
『これはこれでチャンスだヒロユキ。このままデアボリックの対処に行こう』
「だけど相手は強力な遠距離攻撃手段があるんだろ?策はあるの?」
『お困りか兄ちゃん。そういう時は攻撃が当たらないほどのスピードで避けちまえばいいのさ』
背後から聞こえてきた声に蒸着を解除したヒロユキが振り返ると、そこにはフーマが封印されているエゴルギアがあった。
『フーマ!お前はこっちの世界にいたのか!』
タイガはもう最後のチームメンバーであるウルトラマンフーマとの再会に喜んだ。
「生まれた星は違っていても!」
「共に進む道は1つ!」
「我ら!」
「「「トライスクワッド!」」」
3人のウルトラマンチーム。トライスクワッドが再集結すると、ヒロユキはフーマのエゴルギアをつかみ取る。
『俺は風の覇者フーマだ!さぁ、俺のスピードでぶっちぎるぜ兄ちゃん!』
「あぁ!風の覇者!フーマ!」
【フーマ!】【チャージ】
フーマエゴルギアをギャバリオントリガーにセットしたヒロユキはそのトリガーを引く。
「バディ・ゴー!」
【フーマ!】【アクティベート】
青き忍者ウルトラマン。ウルトラマンフーマへと変身を遂げたヒロユキは風を纏いながら地面に着地する。
「あれがブシドー達から報告にあった巨人」
「また違うウルトラマンっスね」
ギャバンライヤはウルトラマンの事を報告では聞いていたようだが、アギトはまた違うウルトラマンが現れたという事に反応していた。すると各々の反応など気にしないデアボリックは無数の光線やミサイルをフーマへと放つ。
「あらよっと!」
フーマは弾幕のごとく放たれたデアボリックの攻撃を残像を残すほどの超高速で回避すると、デアボリックの背後を取って回し蹴りを叩きこんだ。
「遅い!遅い!そんなんじゃ当たらねぇよ!」
デアボリックの宝石化光線を光波手裏剣で切り裂くように相殺したフーマは続けて放たれる弾幕もすべて避けきる。
「俺のスピードについてこれるかよ!」
空を埋め尽くすほどの弾幕すらも避けきったフーマは右手に光波手裏剣を作り出しながら空中に飛び上がる。そして左手でVサインを作り、デアボリックに向けた。
「これは勝利のVじゃねぇぞ。お前をあと2秒で倒すって意味だ!極星!光波手裏剣!!」
強力な光エネルギーで構成した光波手裏剣を飛ばしたフーマはその一撃でデアボリックを真っ二つにすると、デアボリックは爆発して木っ端みじんとなり、それに伴いマイグラの戦力も失われた。
「そんな。デアボリックが・・・」
「抱いたな。恐れを。それ即ち、貴様の負けだ」
ギャバンライヤはギャバリオンブレードをマイグラに突き付けると、観念した様子のマイグラは両手を上げてお縄となった。
事案解決後。再びコスモギャバリオンに集まった一同は報告を終えてそれぞれの次元に帰還の準備を進めていた。
「しかし怪獣の力を扱えるエゴルギアとやらがこれほどまでの次元で売買されるとは。厄介で御座るな」
「それもなんだけどデアボリックっていう怪獣そのものまで扱ってくるのまでいるのは、流石に裏で誰か糸を引いてるやつがいるとしか思えないんだな」
「・・・裏で糸を引く人物」
ヒロユキは糸を引いている可能性がある相手に心当たりがあった。しかしその者の目的はあくまでヒロユキの次元の地球を掌握することであって、多次元の地球にまで干渉してくる理由は理解できなかった。
次回 未来『インフィニティ』