私立鎮守府学校~プレイ体験創作記~   作:ニセイモっと

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私が寝てる間に起きた出来事としては、こんな朝を迎えてそうだな、と言うお話です。
ホーム画面で他鎮守府の演習相手をしてる様子の一部を描いてみました。
きっとこんな風に単艦放置してる子達は相手してるのかなあ、と。


私立鎮守府学校002限目

002、鎮守府学校の朝

 

まだ夜の色が濃く残る午前4時。

鎮守府の廊下は静まり返り、窓の外にも人の気配はない。

そんな時間に、提督はいつものように目を覚ました。

身支度を済ませて部屋を出ると、夜の演習番をしていた秋雲の姿が目に入る。

 

提督「おはよう、秋雲ちゃん」

秋雲「んー、おはよう」

 

秋雲は軽く伸びをしながら答えた。

その傍らには、待ち時間に使っていたらしい原稿用紙と画材が置かれている。

 

秋雲「演習で何十人か、他鎮守府から練度積ませたい子達の相手してたよ。待ってる間はちまちま原稿描いてた」

 

夜通し戦っていた――というほど慌ただしいわけではない。

相手が来れば演習に出て、終われば戻って原稿を描く。

そしてまた次の相手が来れば演習へ。

秋雲にとっては、もう慣れた夜番だった。

 

提督「いつもおつかれさま 」

 

提督はそう労ってから、ふと思い出したように続ける。

 

提督「これから私の朝食作るけど、何か食べたいのある?」

秋雲「んー……」

 

秋雲は少し考える。

けれど、特にこれといって思いつかなかったらしい。

 

秋雲「提督が作るのなら何でもいいよー」

提督「了解。じゃあちょっくら食堂行ってくるね」

秋雲「いってらっしゃーい」

 

ひらひらと手を振る秋雲に見送られ、提督は食堂へ向かう。

 

提督「さてと、今日は何が残ってるかな?」

 

誰もいない食堂で、提督は大型の冷蔵庫を開けた。

冷気とともに現れた棚を順番に確認していく。

その中で目についたのは、卵がぎっしり詰まったケースだった。

 

提督「……一ケース。まだ二百四十個くらいあるね」

これだけあれば問題ない。

提督「ふむふむ。なら、これにするか」

冷蔵庫から卵を取り出し、提督はクッキングストーブへ向かう。

薪をくべ、火を入れる。

ぱちぱちと薪の爆ぜる音が、静かな食堂に響き始めた。

しばらく待って天板が十分に熱くなったところで、卵を割る。

じゅうっ――。

白身が天板の上へ広がり、その中心で黄身がぷるんと丸い山を作った。

目玉焼きだ。

調味棚から塩を取り出し、ひとつまみ。

焼き上がったところで皿へ移す。

次に向かったのは、食堂の片隅に置かれた炊飯器だった。

普段、大勢の艦娘たちの食事を用意するときは大きな釜で一気に米を炊く。

しかし夜中に少しだけ必要になったときのために、三合だけ炊ける電気式の炊飯器も用意されている。

火を使わなくても米が炊ける。

しかも――炊き上がったあとも、そのまま温かい状態を保ってくれる。

なかなかの優れ物である。

蓋を開けると、まだ温かいご飯からふわりと湯気が立った。

 

提督「よしよし」

 

そこから一合分を取り出す。

手早く塩をなじませ、握る。

ひとつ。

もうひとつ。

二つの塩むすびが出来上がった。

先ほどの目玉焼きが乗った皿へ添えれば、午前四時の簡単な朝食の完成だ。

 

提督「こんなもんかな」

 

提督は皿を手に、食堂をあとにする。

廊下は相変わらず静かだった。

向かう先は、自分の部屋ではない。

夜の演習番を続けている秋雲のところだ。

 

――自分の朝食を作りに来たはずなのだが。

 

気がつけば、最初に出来上がった一皿は秋雲の分になっていた。

 

皿を持った提督が戻ってくると、秋雲は原稿から顔を上げた。

 

秋雲「あれ、提督? 自分の朝食作るんじゃなかったの?」

提督「秋雲ちゃん、お腹空かせてるかな、て思ってね」

 

一瞬きょとんとした秋雲だったが、すぐに顔をほころばせる。

 

秋雲「嬉しいこと言ってくれるじゃないの!」

 

差し出された皿を覗き込む。

 

秋雲「目玉焼きと塩むすびか。提督、お箸取ってー」

提督「はい、どうぞ」

秋雲「それじゃあ、いただきまーす」

 

まずは目玉焼き。

箸で白身を切り、黄身と一緒に口へ運ぶ。

 

秋雲「……お、ちょうどいい塩加減。目玉焼きには醤油が好きだけど、塩も悪くないねえ」

提督「良い塩を使ってるからね」

秋雲「じゃあ塩むすびも」

 

一つ手に取って、ぱくり。

秋雲はもぐもぐと噛みながら、満足そうに頷いた。

 

秋雲「……これも美味しい! やっぱり提督が作るご飯好きだわぁ」

提督「嬉しいこと言うじゃないの 」

 

さっき自分が言った言葉をそのまま返され、秋雲が笑う。

 

秋雲「それで、提督は朝食何にするの?」

提督「炊飯器のご飯を消費したいから、醤油玉子丼を作るつもりだよ。ちょっと凝りたいから先に秋雲ちゃんのを用意したんだ」

秋雲「あー、なるほど。そういう事情があったんだねえ」

 

秋雲は納得して、もう一口。

そして何気なく時計を見る。

 

秋雲「……って、もうすぐ5時じゃん!」

提督「ん?」

秋雲「提督、ありがとね。早く自分の分作っちゃいな。朝一の海防艦組が起きて来ちゃうよ」

 

提督も時計を見る。

 

提督「お、もうそんな時間か」

 

鎮守府が静かなのも、あとわずか。

五時になれば、早起きの海防艦たちが動き始める。

 

提督「じゃあ、またね」

秋雲「はーい。ごちそうさまー」

 

提督が食堂へ戻っていく。

秋雲はその背中を見送ってから、もう一度塩むすびを頬張った。

そして原稿へ視線を戻す。

朝の鎮守府が動き出すまで、もう少し。

夜番の秋雲にとっても、静かな時間の終わりが近づいていた。

 

 

 




5時の任務更新前って、起きていたら単艦放置だけど提督が画面を見る時間ですよね。
じゃあ鎮守府学校の提督ならどういった形になるかな、と思いながら描きました。
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