暑さで作者の頭はたぶん手遅れです。
つまり通常営業ってことだな。ヨシ。
宇宙世紀ダブルオーなんちゃら年。
連邦フーズ(株)の度重なる値上げに不満を募らせたスペースノイドたちがサイド3で独立を宣言、新たにジオン食品を名乗り地球圏におけるシェアの獲得のため動き出した。
後に【1年興行】と呼ばれる
「我が社の命運はこの商戦に掛かっている。各員、お客様の声に耳を傾けることを忘れぬよう心して挑め」
両社の資本比は3対1。
誰もが連邦フーズの圧勝で終わるものと予測していたが────。
「連邦め……えらく動きが良い。イベントの企画立案はレビルか。モビルスーツ隊を発進させろッ!!」
「だ、ダメですッ! 次々と得意先が落とされていますッ!!」
「なんという営業の速度だ……まるで、赤い……彗星……ッ!!」
「ほぅ? 赤い彗星か。悪くない響きだ。ありがたく頂戴するとしよう」
ジオン食品は人型営業兵器【モビルスーツ】を用いた新しい営業戦術によりこの不利を覆し、ついにはオーストラリアと商業ラインで結ばれた複数のコロニーにおける商品棚を制圧。シドニーを中心に同地域にて連邦フーズのシェアに致命的な穴を穿つことに成功した。
そんな浮き足立つ連邦フーズにさらなる凶報が届く。
「むぅ……ッ!? まさか、このような場所で足止めを食うことになるとは……ッ!!」
ルウム宙域にて連邦フーズの営業旗艦アナンケの信号ロスト。
「おい、アレを見ろよ」
「連邦の……識別、レビルの艦か!」
「デブリと石ころ如きに苦戦してるとはな。どうする?」
「フンッ、そんなもの決まっている。宇宙での事故は些細なことでも死者が出る。相手が同業他社の商売敵だろうと、それを知っていて見捨てるなど人間のすることかよッ!! オルテガッ! マッシュッ! ヤツをジェットストリームアタックで助けるぞッ!!」
「「おうッ!」」
戦争と呼ばれるほど激しいシェア争いはしていてもそれはあくまで例え話なので、レビルは捕虜などではなく普通に要救助対象として普通に保護され普通に客人として饗された。
その後、キシリア・ザビ副社長の指示により事務局から連邦フーズへレビル会長を含むアナンケ乗組員の無事が報せられる。
但し、機密保持の観点からジオン食品側でアナンケを修理するのはあまり褒められた行為ではないとして、牽引用にコロンブス級等の充分な推力のある社用艦を用意することを要求した。
これを受けて連邦フーズは感謝を述べ、特にスパイなどによる潜入工作など物騒なことを用意するハズもなく普通に迎えを出すことを決定。
なお、レビル会長救出に尽力してくれた黒い三連星に対して「いくら謝礼とはいえ自社製品を贈るのは喧嘩を売っているようなものでは?」という意見からリゾートアイランドコロニーへの招待状が用意されることになる。
(モビルスーツの営業力に圧倒されていたが……ジオン食品の資本力も決して余裕があるワケではなさそうだ……しかし……)
ジオン食品に物資無し。
この事実を公表すれば連邦フーズの勝利は確実となる。
だが、レビル会長がそれを実行することはなかった。なによりも命の恩人に対する態度として明らかに卑劣であることが気に入らなかったことが第一だが、自分の感情を抜きに考えても信用できない人間が関わる食品会社の商品を消費者が喜んで購入するとは思えなかった。
漢、ヨハン・イブラヒム・レビル。正々堂々とシェアを奪い返すことを誓い、ギレン・ザビ社長の実弟であるドズル・ザビ商品開発室長に見送られ、ジオン食品の不利益は沈黙を貫くことを誓い帰還する。
あと、それとは特に関係ないところで災害発生地における食料品の支援についての約束をまとめた南極条約が結ばれていた。利益を求めるものでなければ互いに牽制し合うような内容ではない、人道支援に関することなので全く揉めることもなくアッサリと会議は終了したらしい。
そんなこんなでしばらく。
ジオン食品は欧州全域へ向けて本格的な営業を仕掛けるための足掛かりとしてオデッサの攻略を決定。
連邦フーズの油断と慢心が修整されるよりも疾く、ジオン食品による第一次降下作戦は間近に迫っていた────。
正気に戻るまでは書きます。
我に返ったらそれまでだ。