入学式は滞りなく終わり、今日はその時点で解散となった。10万という大金と暫くの自由を手にした15歳の少年少女達は、おのが欲望のままに散財していくことだろう。あれを買おうこれが欲しいなどといった声はクラスのそこらじゅうから聞こえてくる。俺の場合は、とにかく愛衣と合流しないと話が始まらない。という事でAクラスへ。
「あ、お兄ちゃん」
ちょうど教室から出てくる所だったようで、入り口に手を掛けようとしたら愛衣が出てきた。
「ぎゅー」
「はいはい、買い物行くぞ。日用品要るだろ」
「うん、じゃあ坂柳さん、バイバイ」
「...っ、はい、また明日」
坂柳さんとやらに挨拶してショッピングモールであるケヤキモールへ向かう。この学校の敷地はどれだけ広いんだ。ケヤキモールに着くまでにコンビニやスーパーまである。コンビニは夜遅くまでやっているから緊急時に役に立つが、ケヤキモール内にもスーパーくらいあるだろう。経営母体が違うのか?
「良かったのか?クラスメイトと遊ばなくて」
「お兄ちゃんとクラスメイト、私がどっちをとるか言わなくても分かるでしょ?」
「しかしなぁ、せっかく高校生になったんだから...」
「いくつになっても変わらない。私はお兄ちゃんと一緒にいる。それにおまいうだと思うよ」
解散した直後にAクラスに行ったのだから、確かにおまいう案件だ。
「ぐうの音も出ないとはこの事か...」
「あ、そうだお兄ちゃん、ポイント」
「ん、ああ、どうする?俺が管理するか?」
「うん、お願い。必要なら使ってもいいよ。共有財産だからね」
「本当に必要になったらな。愛衣も必要になったら言えよ」
ポイントの送付はやってみたら簡単だった。慣れればもっとスムーズに出来るだろう。俺のスマホに20万、愛衣のスマホには0と表示されている。
「あはは、すっからかーん」
「来月はいくら入るんだろうな」
「さぁーねぇ」
ケヤキモール内はかなり広くゲームセンターやスポーツジム、ファミレスに本屋と外の大型商業施設と遜色ない店構えだった。これなら3年であれば退屈はしなさそうではある。ちなみにやっぱりスーパーはあった。何店舗かは専門店ぽい所もあった。
「お兄ちゃん、これ」
「無料商品、3個まで、ねぇ」
「そういう事、だよね」
「貰えるポイントは増減する。内訳は不明だが」
「とりあえず貰ってこ、二人で6個いけるよ」
「そうだな」
無料商品のカゴから必要なものを6個取る。歯ブラシや石鹸など使い捨てのものが多い。同じ物はダメと書いてないので歯ブラシを4つ、石鹸を2つカゴから取る。
「こんなもんかな。愛衣、そろそろレジ行くか?」
「待ってお兄ちゃん、あれが無いよ?」
「あれってなんだよ。必要なもんは揃ってるハズだ」
「ゴム」
「ここ一応高校の敷地だからな?あるわけないだろ...」
「じゃあ帰りにコンビニ行ってみよ?あるかも」
「帰る、お前は置いてな」
「ポイント無いから買えないじゃん」
そもそも高校の敷地内で売ってる訳ないだろ...いや、従業員の大人がいるからもしかしたらあるか?
「とにかく帰るぞ。歯ブラシ3個はお前が会計しろよ」
「はーい...」
結局コンビニには寄った。売ってた。でもポイントは俺が持っているから買えずに終わった。愛衣も諦めて寮に移動した。ここの生徒は全員この寮で生活する事になる。男子は1、2、3、女子は4、5、6に学年毎に分けられている。つまりめちゃくちゃデカイ。ホテルかよ。ルールもちゃんと決められており、男子は20時以降女子フロアには入れないとか。まあ俺達は関係ないルールだ。だって、
「ごめんねお兄ちゃん、荷物全部持たせちゃって」
「そんなに重くないから、気にするな」
愛衣も同じ部屋で過ごすんだ、行く理由がない。この個室本来は1人用だが、1人だと広く感じてしまう。だが2人居たら逆に狭く感じてしまう。これは考えものだな。
「部屋って広く出来ないかな...」
「流石に無理だろ、引越しとかしない限りは。明日聞いてみるか」
夕飯を終え、愛衣が先に風呂に入っており、その間にこの学校について考える。愛衣が言うには、Aクラスにはわかりやすい不良と思われる人間はおらず、自己紹介は模範的な感じだったらしい。Dクラスとは大違いだ。途中で消える奴はいるわ、キレる奴はいるわで、本当に同じ高校の生徒か疑いたくなる。入学するにあたり、なにか条件があったのだろうか?
「お兄ちゃん、お風呂空いたよー」
「ん、ああ...ってシャツくらい着なさい」
風呂上がりでほぼ全裸の愛衣がこっちに来る。身につけているのはパンツのみで、その格好に恥じらいは無い。
「お兄ちゃんしか居ないんだからいーじゃん」
「風邪引くぞ」
「へーきへーき...くちっ」
「言ったそばから...ほら」
「ありがと」
シャツを渡すと素直に着てくれる。それを見届けて俺も風呂に入る。
お兄ちゃんがお風呂に入ったのを確認すると、スーパーの買い物袋からあるものを取り出す。あの時は無いって言ったけど、実はちゃんと売っていた。他の商品に紛れ込ませ、バレないようにカゴに入れておいた。袋詰めも私がやったし、気づいた様子はなかった。あの時は最後まで出来なかったけど、今度は最後までシてくれるよね、お兄ちゃん。今はとにかく、見つからないように隠しておかなきゃ。
「もう寝るか?」
「うん、流石に疲れちゃった」
風呂から上がると愛衣はベッドで横になっていた。俺が上がって来るのを待っていたのだろう。
「はい、お兄ちゃん」
掛け布団を捲り上げ、俺をベッドに誘う。俺も抵抗することなく布団に入り、愛衣を抱きしめながら添い寝する。
「ふふっ、お兄ちゃん暖かい」
「風呂から出てそんなに経ってないからな」
「じゃああったかいうちに寝ちゃお?」
「そうだな、明日も早いし、おやすみ、愛衣」
「うん、おやすみ、お兄ちゃん」
チュッ
おやすみのキスをして眠りについた。
兄妹の秘密2
黎が事件に巻き込まれ姿を消してしまい、愛衣は1度狂いかけていた。この時の愛衣を見て、両親は愛衣が黎に依存している事に気づいた。この事は子供たちに知らされず今日に至る。黎が戻ってきた際に愛衣に襲われており、この時に純潔を捧げている。卒業するまでに結構シた。避妊も。
『愛してる人同士』でする事という認識はあり、『兄妹』として愛しあっているので問題ない、と認識している。