ようこそ双子のいる教室へ   作:シュンちゃん

9 / 9
兄と妹と月末

早いものでもう4月も終わりに差し掛かっていた。Dクラスは相変わらず学級崩壊と言っていい有様だった。このクラスにいる殆どが、来月も10万ポイント貰えると思ってると笑えてくる。結局俺たち兄妹は、貰えるポイントは変動する、最悪貰えない可能性もあるという結論に落ち着いた。しかも個人単位では無く、クラス単位で査定されると予想される。全校生徒が480人いるとしたら、個人より纏めて測った方が手間はかからないと思ったからだ。

先生方はそんな惨状に何も言わず、無表情を貫いていた。

 

「静かにしろ。今日はちょっとだけ真面目に授業を受けて貰うぞ」

「どういう意味っすか、佐枝ちゃんセンセー」

 

昭和の時代だったら間違いなく殴られるくらいに舐めてるとしか考えられないあだ名で呼ばれるようになってしまった。

 

「月末に近いからな、今から小テストを行う。後ろに配ってくれ」

 

 極めて事務的に、茶柱先生は一番前の生徒たちにプリントを配っていく。前の生徒から受け取り確認すると、主要五科目の問題が載った、如何にもな小テストだった。

 

「えぇ〜聞いてないよ〜。ずる〜い!」

 

「今回の小テストはあくまでも今後の参考用だ。成績表には一切反映されることはない。だから安心して取り組め。ああでも...カンニングだけはするなよ? その場合は問答無用で退学処分とするからな。まあ、そんなバカな行為をする生徒が居るとは思ってないが」

 

たとえ参考用であっても成績には多少は反映されるはず。定期テストだけで成績を付けるのだろうか?あと罰則重すぎないか。

 

テストの内容は中学で学んだ範囲が中心に作られている。マトモに授業を受けていた人間なら苦戦はしないだろう。しかし問題は最後の3問。恐らく今の時期の高校1年では殆ど解く事が出来ない程先の単元を扱っているようだ。何の為にこんなテストを作ったのか。どこが参考になるというのだ。だがやる前から諦めたくないのでやるだけやってやる。

 

 

「今日お兄ちゃんのクラスで小テストやった?」

「最後の3問が意味わからんくらいムズいのはやったな」

「あ〜じゃDクラスも同じやつなんだ」

 

どうやらAクラスも同じ小テストをやったようだ。この分だと1年の全クラスが同じ小テストをやった可能性があるな。

 

「今後の参考とは言っていたが何の参考になるんだろうな」

「直近で学力が必要になるのは...中間テスト?」

「それだけじゃまだわからんな」

 

結局今日の小テストと中間テストにどんな繋がりがあるかも掴めない。回答率の低い問題を優先的に出題するとか。じゃあ最後の3問は絶対出るじゃん。

 

「そういえば明日から5月だねぇ」

「そうか、もう1ヶ月か。なんかあっという間だったな」

「ポイントいくら入るかな?」

「ポイント、入るのか...?」

「...大丈夫、私のポイントはお兄ちゃんのポイントでもあるから」

「逆に俺のポイントは愛衣のでもあるんだが...」

 

せめて1万ポイント位は残っていて欲しいものだ。

 

 

 

夜が明けて5月1日、起きてすぐにポイントを確認する。

 

「...」

 

言葉が出ないとはまさにこのことか。昨日から1ポイントも変動していない。減ってもないが増えてもいない。つまり、Dクラスは0ポイント貰ったって事になる。

 

「ふあぁ、おはようお兄ちゃん」

「...おはよう」

「どうしたのテンション低いよ。まさかポイント入ってないの?」

「そのまさかだよ...ホントに0ポイントとはなぁ...」

「私はどうかな...92000ポイントだって」

「殆どマイナス無しか...」

 

92000ポイントが俺のポイントに追加される。20万を超えたが、この内の殆どが愛衣のポイントでもある。兄として情けなく思えてくる。

 

「とりあえず学校に行くか。説明があるだろ」

 

 

「──お前らは本当に愚かだな」

 

1年Ⅾクラスの教室は普段の喧しさはなりを潜め、代わりに異質な静寂が教室を支配していた。そして担任である茶柱先生の教師と思えない冷たい蔑みの声が、無音の教室に響き渡った。




他の方の作品を見ると大体Aクラスは940ポイントですが、ここでは920となります。ナニがあったんでしょう?
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
※参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。


  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

読者層が似ている作品 総合 二次 オリ

ようこそ凡人がいく実力至上主義の教室へ(作者:神威 )(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

変人(天才)達に育てられた凡才の少年が実力至上主義の教室で学校生活を送る話 。


総合評価:2570/評価:7.69/連載:41話/更新日時:2026年08月07日(金) 23:02 小説情報

魅力至上主義の教室(作者:Mr.♟️)(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

地雷だと思った方はブラウザバックしてください。▼神様転生なので、地雷の人は本当にブラウザバック推奨。▼オリ主ハーレム?モノです。▼タグは随時更新します。▼挿絵は全てAI絵になります。▼オリ主:神代 凪(かみしろ なぎ)


総合評価:3726/評価:8.07/連載:26話/更新日時:2026年07月26日(日) 00:00 小説情報

ようこそ原作主人公抜きで頑張る教室へ(作者:灰色の)(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

▼よう実の世界に転生した青年、しかし物語の鍵となる原作主人公がいなかった。▼自分の能力も分からない中、彼は必死に足掻いて行く。


総合評価:3606/評価:7.95/連載:43話/更新日時:2026年08月14日(金) 21:23 小説情報

誓って食い逃げはしません(作者:タカリ)(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

スーパープレイボーイの主人公がよう実のDクラスに入学して女の子たちをナンパする話。▼・転生者ではない。▼・原作知識もない。▼・WR生でもない。▼・ただし逸般人。▼・アニメを見ながらの更新なので一年編で一旦終わりの予定。▼・二年生編が全部アニメ化したら多分二年生編もやる。


総合評価:2823/評価:7.37/連載:34話/更新日時:2026年08月01日(土) 19:42 小説情報

櫛田の中学に転校した(作者:スクラップドラゴン)(原作:ようこそ実力至上主義の教室へ)

▼よう実の世界に転生したオリ主が櫛田の中学に転校する話


総合評価:3569/評価:7.31/連載:20話/更新日時:2026年06月14日(日) 15:33 小説情報


小説検索で他の候補を表示>>