終末世界でSEEDは割れるのか?   作:猫ロボF

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私が作った2作と比べて今作はオマージュ多めで行きます。

関係ない話:私は戦闘描写を書いている時、SEEDのサントラを聞いています。


PHASE-01 掴み取る平和

轟音がホロウ内に響き渡る。

 

ソードストライクガンダムの巨大な対艦刀――シュベルトゲベールが振り抜かれ、一体のエーテリアスを横薙ぎに斬り裂いた。

 

「グォォォォッ!!」

 

黒い異形の身体が大きく吹き飛ぶ。

 

瓦礫の山へ叩き付けられ、その巨体が崩れ落ちる。

 

「……すごい。」

 

アキラは思わず呟いた。

 

目の前で起きていることが、まだ信じられない。

 

さっきまで生身の人間だった青年が、今は巨大な鋼の戦士となり、エーテリアスを圧倒している。

 

「おいおい……。」

 

ビリーも目を丸くしていた。

 

「マジかよ……あのデカい剣、一発で……?」

 

通信越しに見ているリンも言葉を失っていた。

 

「ムサシ……あなた、一体……。」

 

しかし、当の本人――ムサシは余裕の笑みを浮かべていた。

 

「驚くのは後だ。」

 

ソードストライクガンダムが、残ったもう一体のエーテリアスへ向き直る。

 

「今はこいつらを片付ける!」

 

エーテリアスが咆哮する。

 

腕を振り上げ、ソードストライクへ叩き付けようとする。

 

だが――。

 

「遅い!」

 

ムサシは一歩踏み込む。

 

巨大な機体とは思えないほど軽やかな動き。

 

攻撃を紙一重で回避し、そのまま懐へ入り込む。

 

「そこだ!」

 

シュベルトゲベールが下から振り上げられる。

 

一閃。

 

エーテリアスの身体に深い傷が走る。

 

しかし。

 

「……硬いな。」

 

エーテリアスは倒れない。

 

傷口から黒い液体が漏れ出すものの、まだ動いている。

 

「普通なら効いてるはずなのに……。」

 

アンビーが冷静に分析する。

 

「エーテリアスの個体差。」

 

「だが、問題ない。」

 

その言葉と同時に、ソードストライクは再び剣を構える。

 

「ムサシ!」

 

ビリーが叫ぶ。

 

「後ろ!」

 

もう一体のエーテリアスが、背後から迫っていた。

 

巨大な爪が振り下ろされる。

 

しかし――。

 

ガキィィン!!

 

鋭い音が響く。

 

攻撃はソードストライクの装甲によって止められていた。

 

「なっ!?」

 

ビリーが驚く。

 

「今の攻撃を受け止めた!?」

 

ソードストライクの装甲表面が淡く輝く。

 

**フェイズシフト装甲。**

 

物理攻撃によるダメージを大幅に軽減する、ストライクの特殊装甲。

 

「なるほどな。」

 

ムサシは笑う。

 

「これなら多少無茶しても大丈夫ってことか。」

 

そのまま腕を振り払い、エーテリアスを弾き飛ばす。

 

「だったら――!」

 

ソードストライクは大きく跳躍した。

 

背部のスラスターが展開。

 

巨大な推進力が機体を押し出す。

 

「終わりだ!」

 

落下の勢いを乗せたシュベルトゲベールが振り下ろされる。

 

**対艦刀、直撃。**

 

エーテリアスの身体が真っ二つに裂ける。

 

黒い粒子となって消滅していく。

 

「……撃破。」

 

アンビーが呟く。

 

「二体のエーテリアスを単独で。」

 

「すごい。」

 

ムサシは剣を肩に担ぐ。

 

「まあ、なんとかなったな。」

 

その瞬間。

 

ホロウ内に、不気味な振動が走った。

 

ゴゴゴゴゴ……。

 

「……?」

 

全員が動きを止める。

 

瓦礫の向こう。

 

新たな反応。

 

「嘘だろ……。」

 

ビリーが青ざめる。

 

「まだ来るのかよ……!」

 

闇の中から、複数の影が現れる。

 

一体。

 

二体。

 

三体。

 

それ以上。

 

新たなエーテリアスの群れ。

 

そして、その中心に一体の異形が立っていた。

 

右腕は存在しない。

 

代わりに左腕全体が巨大な刃へ変化している。

 

「……あれは。」

 

アンビーが警戒する。

 

「ティルヴィング。」

 

片腕を垂らしたような独特な姿勢。

 

まるで力を抜いているように見える。

 

しかし。

 

次の瞬間。

 

大地が爆ぜた。

 

「来る!」

 

ティルヴィングが一瞬で距離を詰める。

 

垂らしていた左腕の刃が、鋭い斬撃へ変わる。

 

「速い!」

 

ムサシは咄嗟にシュベルトゲベールで受け止める。

 

ギィィィィン!!

 

火花が散る。

 

「ぐっ……!」

 

ソードストライクが後方へ押し込まれる。

 

「さっきの奴らとは違う……!」

 

ティルヴィングは再び構える。

 

左腕の刃を低く構え、片腕を垂らした姿勢。

 

一見すると隙だらけ。

 

しかし――。

 

「……力を溜めている。」

 

アンビーが呟く。

 

「その構えが最も効率よく力を込められる。」

 

ティルヴィングが地面を蹴った。

 

爆発的な加速。

 

刃が迫る。

 

「なら!」

 

ムサシは笑う。

 

「真正面から受け止めてやる!」

 

ソードストライクはシュベルトゲベールを構える。

 

巨大な剣と刃が激突する。

 

**ドォォォン!!**

 

衝撃波がホロウ全体を揺らす。

 

「ムサシ!」

 

リンが叫ぶ。

 

煙が晴れる。

 

そこに立っていたのは――。

 

傷一つない白き剣士。

 

「……危なかった。」

 

ムサシは笑う。

 

「でも、負ける気はしないな。」

 

ソードストライクが一歩踏み出す。

 

「お前がどれだけ強くても。」

 

「仲間を狙うなら――。」

 

シュベルトゲベールを構える。

 

「俺が止める!」

 

剣と異形の刃。

 

二つの力が、再び激突する。

 

激突した二つの刃。

 

シュベルトゲベールとティルヴィングの左腕の刃がぶつかり合い、周囲へ衝撃波が広がる。

 

「くっ……!」

 

ソードストライクの足元の瓦礫が砕ける。

 

想像以上の重さだった。

 

先ほどまで戦っていたエーテリアスとは明らかに違う。

 

一撃一撃に力がある。

 

「ムサシ!」

 

ビリーが叫ぶ。

 

「大丈夫か!?」

 

「問題ない!」

 

ムサシは答える。

 

だが、内心では理解していた。

 

(こいつ……ただ突っ込んでくるだけじゃない。)

 

ティルヴィングは力任せに見えて、その動きは単純ではなかった。

 

片腕を失ったような姿勢。

 

左腕の刃を低く構えた独特なフォーム。

 

一見すれば隙だらけ。

 

しかし、その構えから放たれる攻撃は重い。

 

「なるほどな……。」

 

ムサシは小さく笑う。

 

「その構え、意味があるってことか。」

 

ティルヴィングが再び動く。

 

左腕の刃を振り抜く。

 

ソードストライクはシュベルトゲベールで受け止める。

 

だが。

 

「……っ!」

 

押される。

 

機体が後退する。

 

「ムサシ!」

 

リンの声が通信から響く。

 

「無理しないで!」

 

「大丈夫だ!」

 

ムサシは答える。

 

「こいつの攻撃は強い。」

 

「でも――。」

 

ティルヴィングの刃が再び迫る。

 

「動きは読める!」

 

直撃する寸前。

 

ソードストライクが横へ滑る。

 

刃が空を切った。

 

「!?」

 

ティルヴィングが体勢を崩す。

 

ムサシはその一瞬を逃さない。

 

「そこだ!」

 

シュベルトゲベールを振り抜く。

 

しかし。

 

ガキィン!!

 

ティルヴィングは残った左腕の刃で受け止めた。

 

「まだ防ぐか!」

 

「ムサシ。」

 

アンビーが話す。

 

「注意。」

 

「周囲の個体が接近している。」

 

ティルヴィングだけではない。

 

周囲のエーテリアスたちが、ゆっくりと包囲を始めていた。

 

ビリーが叫ぶ。

 

「マジかよ!」

 

「ボス一体でも面倒なのに、雑魚まで増えやがった!」

 

ムサシは周囲を見る。

 

確かに一体一体なら大したことはない。

 

だが。

 

数が揃えば厄介だ。

 

「なるほどな。」

 

ムサシは理解する。

 

「こいつの本当の強みは……。」

 

「一体の強さじゃない。」

 

「数で相手を追い詰めることか。」

 

ティルヴィングが咆哮する。

 

その瞬間。

 

「だったら――。」

 

ムサシはシュベルトゲベールを構え直した。

 

「まとめて相手するだけだ!」

 

ソードストライクが踏み込む。

 

巨大な剣が横薙ぎに振るわれる。

 

一体。

 

二体。

 

三体。

 

接近していたエーテリアスがまとめて吹き飛ぶ。

 

「すげぇ……!」

 

ビリーが叫ぶ。

 

「どんだけパワーあるんだよ!」

 

しかし、その隙を狙ってティルヴィングが背後へ回る。

 

「ムサシ!」

 

アンビーが叫ぶ。

 

振り向いた時には遅かった。

 

刃が迫る。

 

その瞬間。

 

「させるか!」

 

ビリーの銃撃がティルヴィングの動きをわずかに逸らす。

 

アンビーも追撃する。

 

「今。」

 

ムサシは頷いた。

 

「助かった!」

 

仲間の援護。

 

その一瞬が勝負を決める。

 

ソードストライクは大きく跳躍する。

 

空中でシュベルトゲベールを両手で構える。

 

「これで終わりだ!」

 

ティルヴィングが迎撃態勢に入る。

 

左腕の刃を最大まで引き絞る。

 

その姿は、まるで力を溜めた一撃必殺。

 

だが。

 

「その構え。」

 

ムサシは言う。

 

「威力は凄い。」

 

「でも――。」

 

ソードストライクが急降下する。

 

「動きが読める!」

 

ティルヴィングの刃が振り抜かれる。

 

その瞬間。

 

ムサシは機体を僅かに傾けた。

 

刃が装甲を掠める。

 

火花が散る。

 

しかし。

 

フェイズシフト装甲は耐えた。

 

「今だ!」

 

シュベルトゲベールが閃く。

 

巨大な刃がティルヴィングを斜めに切り裂く。

 

一瞬の静寂。

 

そして。

 

ティルヴィングの身体から黒い粒子が溢れ出す。

 

ゆっくりと崩壊していく。

 

「……撃破。」

 

アンビーが確認する。

 

周囲のエーテリアスも、ソードストライクの一撃によって消滅していた。

 

ホロウに静寂が戻る。

 

「終わった……?」

 

ビリーが呟く。

 

ソードストライクはゆっくりと剣を下ろした。

 

「みたいだな。」

 

ムサシの声が響く。

 

その姿を見て、ビリーは笑う。

 

「いやいやいや……。」

 

「ツッコミどころ多すぎるだろ!」

 

「お前、普通の人間じゃなかったのかよ!?」

 

ムサシは苦笑する。

 

「まあ……俺自身も、まだ全部は分かってない。」

 

「この力が何なのか。」

 

「どうして俺がこんな力を持っているのか。」

 

一瞬だけ、ムサシの表情が真剣になる。

 

だが。

 

すぐにいつもの笑顔へ戻った。

 

「でも。」

 

「今は分かってることが一つある。」

 

ソードストライクが仲間たちを見る。

 

「この力は――。」

 

「守るために使う。」

 

その言葉に、アンビーは静かに目を細める。

 

「ムサシは、敵ではない。」

 

ビリーは笑った。

 

「へへっ。」

 

「変な奴が増えたもんだぜ。」

 

通信越しにリンのため息が聞こえる。

 

「……本当に。」

 

「でも……。」

 

少し間を置いて。

 

「ありがとう。」

 

一瞬。

 

優しい言葉に聞こえた。

 

しかし――。

 

「でもね。」

 

リンの声が少し低くなる。

 

「勝手に店を抜け出して。」

 

「危険なホロウに入って。」

 

「何の相談もなしに、あんな無茶をするのは……。」

 

少しの沈黙。

 

そして。

 

「帰ったら――。」

 

「お話しようね?」

 

その言葉は優しい。

 

笑顔すら浮かべているような声だった。

 

だが。

 

その場にいた全員が感じ取った。

 

それはお願いではない。

 

決定事項だ。

 

ビリーが小声で呟く。

 

「……うわ。」

 

「怒ってる時のニコより怖ぇ……。」

 

アンビーも静かに頷く。

 

「同意。」

 

ムサシは冷や汗を流しながら、苦笑した。

 

「……はい。」

 

「帰ったら、ちゃんと話します。」

 

リンは満足したように息を吐く。

 

「よろしい。」

 

「じゃあ、早く帰ってきてね。」

 

その言葉に、ムサシは思わず笑った。

 

やっぱり。

 

自分が帰る場所は、ここなのだと。

 




アキラ「僕の出番は?」

ないです。

あとこの世界では対艦刀のビームはエーテリアスと鍔迫り合います。
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