終末世界でSEEDは割れるのか?   作:猫ロボF

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最近暑すぎる、でも電気代が.....

???「エアコンは持ってりゃ嬉しいただのコレクションじゃあない、強力な空気調節装置なんですよ?」
???「機械は使わなきゃ...高い金払って買ったのは使うためでしょ?」

何奴?!?!??


PHASE-02 その名はガンダム

ホロウ内部。

 

先ほどまで響いていたエーテリアスの咆哮は、いつの間にか消えていた。

 

静寂。

 

それを確認したアンビーは、周囲を見回す。

 

「……あの上級エーテリアスの声は、もう聞こえない。」

 

その言葉に、ビリーは大きく息を吐いた。

 

「よ、よかった……!」

 

「走りすぎて足の油圧ロッドが折れるかと思ったぜ!」

 

「あなたの場合、精神的な疲労の方が大きいと思う。」

 

アンビーは淡々と告げる。

 

「適度な休憩を取ることを提案する。」

 

そしてイアスへ視線を向ける。

 

「いい? プロキシ先生。」

 

アキラが同期したイアスはすでに近くの瓦礫へ腰を下ろしていた。

 

「もう横にならせてもらっているよ。」

 

「ちょうど、イアスを調整しなくちゃならないんだ。」

 

アンビーは頷く。

 

「了解。」

 

「プロキシ先生とビリー、それからムサシは休んでいて。」

 

「私が周囲を警戒する。」

 

「じゃあ、遠慮なく休ませてもらうぜ。」

 

ムサシがそう言った瞬間だった。

 

ソードストライクガンダムの装甲が、徐々に色を失っていく。

 

赤。

 

青。

 

白。

 

黄色。

 

鮮やかな色彩が消え、灰色の装甲へ変化する。

 

そして。

 

全身が光に包まれた。

 

次の瞬間。

 

そこに立っていたのは――。

 

巨大な鋼の戦士ではなく、一人の青年。

 

ムサシだった。

 

「うぉぉ……。」

 

ビリーが目を丸くする。

 

「戻った……。」

 

「ムサシって、もしかして知能構造体だったのか?」

 

ムサシは首を横に振る。

 

「いや。」

 

「俺はれっきとした普通の人間さ。」

 

「ただ……あの形態に変身できるってだけだ。」

 

その答えに、ビリーの目が輝く。

 

「かっけぇぇぇ!!」

 

「まるでスターライトナイトみたいだぜ!」

 

ムサシは苦笑する。

 

「そこまで大層なものじゃないさ。」

 

「あの姿の名前は――ストライクガンダム。」

 

「最強の兵器だ。」

 

その言葉に、ビリーはさらに興味を示す。

 

「ストライクガンダム……。」

 

「ああ。」

 

「だがあの形態は長時間維持できない。」

 

「体力をかなり消耗するし、フェイズシフト装甲を起動している間はバッテリーも消費する。」

 

「バッテリー?」

 

ビリーが首を傾げる。

 

「どういう仕組みなんだ?」

 

ムサシは自分の腕を見る。

 

「フェイズシフト装甲っていうのはな。」

 

「一定の電圧を流すことで、金属そのものに相転移――フェイズシフトを起こして、装甲を著しく硬化させる技術だ。」

 

「ミサイルや実体剣みたいな物理攻撃に対して、ほぼ無敵と言える防御力を発揮する。」

 

「そしてアクティブ状態になると、装甲があのカラフルな色に変化する。」

 

「なるほど……。」

 

ビリーは頷く。

 

「じゃあ、バッテリーが切れると?」

 

「その能力が使えなくなる。」

 

ムサシは説明を続ける。

 

「電力がなくなれば、装甲はメタリックグレーになる。」

 

「つまり、あのカッコいいカラーリングじゃなくなって、防御力も落ちる。」

 

ビリーが言う。

 

「ちゃんと弱点もあるんだな。」

 

ムサシがそれに答える。

 

「もちろん。」

 

ムサシは苦笑する。

 

「攻撃を受けるたびに電力を消費するし。」

 

「ガンダム自体はバッテリー駆動の機体だからな。」

 

「活動時間には限界がある。」

 

ビリーが納得したように言う。

 

「だから節約しながら戦ってるってことか。」

 

「そういうこと。」

 

ムサシは頷く。

 

「それに……。」

 

「フェイズシフト装甲はビーム兵器には弱い。」

 

「熱エネルギーによる攻撃を防ぐことはできない。」

 

ビリーは感心したように言う。

 

「そこまで詳しいとは……。」

 

「どうしてそんなこと知ってるんだ?」

 

ムサシは少し考える。

 

「俺自身の能力っていうのもある。」

 

「それに……。」

 

「なんというか。」

 

「頭の中に最初から情報が入っているんだ。」

 

「ガンダムのことも。」

 

「機能も。」

 

「戦い方も。」

 

ビリーは少し驚いた顔をする。

 

「なんかすげぇな……。」

 

「他にもガンダムの機能は色々ある。」

 

「でも、それはまた今度だ。」

 

ムサシは笑った。

 

「了解。」

 

ビリーは頷く。

 

「にしても、さっきは本当に危なかったぜ。」

 

「あの赤牙組のおっさんが、まさかあんな風に異化するなんてな。」

 

「店長が俺たちを連れ出してくれて。」

 

「さらにムサシがガンダムになって戦ってくれた。」

 

「おかげで助かったぜ。」

 

アキラは首を振る。

 

「いやいや。」

 

「プロキシとして当然のことをしただけだよ。」

 

ムサシも笑う。

 

「俺は恩を返しただけさ。」

 

アンビーが静かに口を開く。

 

「ニコのことだから。」

 

「節約のために自力で対処しろと言ってくると思っていた。」

 

「それがまさか……。」

 

「有名な『パエトーン』を探してくるとは。」

 

アンビーはアキラとムサシを見る。

 

「二人が来てくれなかったら。」

 

「私たちはエーテリアスの領地から脱出できなかった。」

 

「ありがとう。」

 

ビリーも笑う。

 

そしてしばらくビリーとアキラが話していたが。

 

その時だった。

 

アンビーの表情が変わる。

 

「……エーテリアスの声。」

 

「え?」

 

ビリーが固まる。

 

「はやくね!?」

 

「まだ横になろうとしてたところだってのに!」

 

アンビーは立ち上がる。

 

「すぐに撤退する。」

 

そして。

 

「でも。」

 

「ビリーが望むなら、ここで永遠に眠るのもいいかも。」

 

「来年のスターライトナイト新作ベルトを、あなたの墓前に供えてあげる。」

 

ビリーは震える。

 

「そういうこと真顔で言うなよ!」

 

「本気か冗談か分からなくなるだろ!」

 

ムサシは立ち上がる。

 

「移動しよう。」

 

アキラも頷く。

 

「三人とも、しっかりついてきて。」

 

アンビーは銃を構える。

 

「道中の戦闘は任せて。」

 

ビリーは笑う。

 

「もちろん!」

 

「でも、戦いが長引いたら――。」

 

ムサシは拳を握る。

 

「もちろん手を貸すさ。」

 

「頼もしいぜ!」

 

再び光がムサシを包み込む。

 

そして。

 

そこに現れたのは――。

 

ガンダム。

 

しかし。

 

ビリーはすぐに違和感に気付いた。

 

「あれ?」

 

「さっきと違わないか?」

 

ムサシは頷く。

 

「言い忘れてた。」

 

「ストライカーパックは、一度使うとしばらく再使用できない。」

 

「えぇ!?」

 

ビリーが叫ぶ。

 

「じゃあどうやって戦うんだよ!」

 

ムサシは腰へ手を伸ばす。

 

「これがある。」

 

取り出されたのは、小型のナイフ。

 

「え?」

 

ビリーが呆ける。

 

「ナイフ?」

 

ムサシは笑う。

 

「電源内蔵型、高周波振動ナイフ。」

 

「アーマーシュナイダー。」

 

「ストライカーパックが使えない時や、エネルギー残量が少ない時の緊急用装備だ。」

 

ムサシはナイフを構える。

 

「まあ……。」

 

「ないよりマシだろ。」

 

「HAHA。」

 

ビリーは苦笑した。

 

こうして。

 

剣は再び歩き出す。

 

その手に握られていたのは。

 

巨大な剣ではなく。

 

一本の小さなナイフだった。

 

---

 

ホロウ内部。

 

三人と一匹は、出口を目指して走り続けていた。

 

「右!」

 

アンビーが叫ぶ。

 

次の瞬間、瓦礫の影からエーテリアスが飛び出した。

 

「来る!」

 

ビリーが銃を構える。

 

しかし、その前にムサシが一歩前へ出た。

 

「任せろ!」

 

ガンダムの姿となったムサシ。

 

しかし、今の彼の手にあるのは巨大な対艦刀ではない。

 

一本の小さなナイフ。

 

アーマーシュナイダー。

 

「そんな小さい武器で大丈夫なのか!?」

 

ビリーが叫ぶ。

 

ムサシは笑った。

 

「武器っていうのはな。」

 

「大きさだけで決まるものじゃない。」

 

迫るエーテリアス。

 

その攻撃をムサシは紙一重でかわす。

 

そして懐へ入り込む。

 

「そこだ!」

 

高速振動する刃が、エーテリアスの装甲を切り裂く。

 

巨大な身体が揺らぐ。

 

その隙を。

 

ビリーは逃さない。

 

銃撃。

 

正確な射撃が弱点を貫く。

 

エーテリアスは黒い粒子となって消滅した。

 

「ナイス連携!」

 

ビリーが叫ぶ。

 

「ガンダムにナイフってのも意外と絵になるな!」

 

ムサシは苦笑する。

 

「褒めてるのか、それ?」

 

「もちろん褒めてるぜ!」

 

「スターライトナイトにも秘密兵器回とかあるからな!」

 

「……そういうものなのか。」

 

ムサシは少し納得したように頷いた。

 

しかし。

 

次から次へとエーテリアスが現れる。

 

一体。

 

二体。

 

三体。

 

「数が多い。」

 

アンビーが冷静に分析する。

 

「でも。」

 

「進むしかない。」

 

「だな。」

 

ムサシはアーマーシュナイダーを握り直す。

 

「行こう。」

 

「みんなで帰るぞ。」

 

三人と一匹は、ホロウの奥へ進んでいく。

 

---

 

しばらくして。

 

「店長!」

 

ビリーが叫ぶ。

 

「次はどの方向に行けばいいんだ?」

 

イアスを通じてアキラへ問いかける。

 

すると。

 

「全速力で直進だ!」

 

返ってきた答えは、あまりにも単純だった。

 

「了解!」

 

ビリーは頷く。

 

「全速力で直進!」

 

しかし。

 

その言葉を聞いたムサシが呟く。

 

「……待てよ。」

 

「直進だと!?」

 

「ん?」

 

ビリーが振り返る。

 

「どうした?」

 

ムサシは前方を見る。

 

そこには――。

 

巨大な壁。

 

「けどよ。」

 

「この先、壁だぜ?」

 

「破れってことか?」

 

「今の火力じゃ、流石にキツイと思うが……。」

 

すると。

 

通信越しにリンの声が響いた。

 

「心配しないで。」

 

「お兄ちゃんの言う通りにすれば大丈夫だから。」

 

ビリーが驚く。

 

「もう一人の『パエトーン』!」

 

「その言葉、信じるぜ!」

 

リンは続ける。

 

「知っての通り。」

 

「ホロウの中は秩序のない混沌。」

 

「つまり――。」

 

アンビーが続ける。

 

「生への道が死に見えたり。」

 

「死への道が地獄へ繋がっていたりする。」

 

ビリーは苦笑した。

 

「アンビー。」

 

「貴重な常識をシェアしてくれてありがとな……。」

 

リンはさらに説明する。

 

「それに、ホロウを出た後の脱出経路も手配してある。」

 

「だから。」

 

「私たちを信じて。」

 

そして。

 

「お兄ちゃん。」

 

「もう感覚同期を解除してもいいよ。」

 

「了解。」

 

アキラの声が返る。

 

「それじゃ、切るよ。」

 

「またね。」

 

その瞬間。

 

イアスの動きが止まる。

 

「……?」

 

ムサシが首を傾げる。

 

「え?」

 

アンビーが呟く。

 

「静かになった。」

 

ビリーも確認する。

 

「普通のボンプに戻ってる。」

 

ムサシは思わずツッコむ。

 

「いや。」

 

「なんで肝心な時に『憑依』を解くんだ……。」

 

アンビーは前を見る。

 

「直進する。」

 

「衝撃に備えた体勢を。」

 

ビリーが青ざめる。

 

「え?」

 

「ちょっと待て。」

 

「ぶつかるぶつかるぶつかるぅぅぅ!!」

 

次の瞬間。

 

三人と一匹の身体が――。

 

壁をすり抜けた。

 

奇妙な浮遊感。

 

そして。

 

一気に広がる外の空気。

 

「……。」

 

アンビーが呟く。

 

「エーテルの圧迫感が消えた。」

 

ビリーは周囲を見る。

 

「やっと……。」

 

「出てこれたんだな。」

 

---

 

ホロウの外。

 

そこにはニコが待っていた。

 

「時間も場所も。」

 

「全部『パエトーン』の予想通りね……。」

 

ニコは笑う。

 

「さすが私が見込んだ――」

 

そこで。

 

ニコの視線が止まる。

 

「……。」

 

目の前にいる巨大な鋼の戦士。

 

ストライクガンダム。

 

「……。」

 

数秒の沈黙。

 

そして。

 

「ほら、二人とも――。」

 

「……って。」

 

「アンタ誰よ!?」

 

ムサシは苦笑する。

 

「ああ、ごめん。」

 

「すぐ戻るよ。」

 

すると。

 

ストライクガンダムが光に包まれる。

 

装甲が消え。

 

光が収束する。

 

そこに立っていたのは。

 

いつもの青年。

 

「ムサシ?!」

 

ニコは目を見開く。

 

「どういうこと?」

 

「まあ……詳しい話は後よ。」

 

「今は――。」

 

ニコは車を指差す。

 

「乗って!」

 

「ビリー!」

 

ビリーは嬉しそうに叫ぶ。

 

「ニコの親分!」

 

こうして。

 

ムサシ、アンビー、ビリー、そしてイアスは車へ乗り込む。

 

だが。

 

「急ぐわよ!」

 

ニコがアクセルを踏み込む。

 

「え?」

 

次の瞬間。

 

車は猛スピードで走り出した。

 

「ちょ、ニコ!」

 

「信号!」

 

「赤だぞ!?」

 

「知ってるわよ!」

 

「でも今は一秒でも早く帰る方が大事でしょ!」

 

「いや駄目だろ!!」

 

ビリーの叫びが街中へ響く。

 

ムサシは車内で呆然とする。

 

「……。」

 

「これが邪兎屋の日常なのか?」

 

アンビーは淡々と答えた。

 

「慣れる必要がある。」

 

「そうなのか……。」

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