アイドルの隣人は完璧で究極の魔女(♂) 作:えっとぅー
朝起きてゴミ捨てに行こうとしたら、隣人の女性が黒ずくめの不審者に腹を刺されてたんですけど…。
驚天動地な展開に僕こと
言ってる話を聞いた感じだと、不審者くんは女性と以前から少なからず関わりがあったようですね。
なんでも自分の思いを裏切ったとか。
裏では自分のことをバカにしてたとか。
───話を整理すると、こんな感じでしょうか?
ナイトクラブ的なので働いていたであろう刺されてる女性のことを好きになった。
それでいっぱいお金とかを貢いで、振り向いてもらおうとした。
でもそうなることはなく、女性は男を作って幸せになってしまった。
たぶんこういう流れでしょう。
んー…アホがただ、自分勝手な解釈で勘違いしただけじゃないですか。
そもそも、キャバ嬢とかホストが客に恋すると思います?
いや、あり得ないでしょう。
恋するフリはあるかもしれませんけど、本気の恋をすることはそうそう起こらない。
ごく普通、至極当然の結論じゃないですかね?
まぁその当たり前が分からなかったから、こんなことになってるんでしょうけど。
かと思えば、なにかが自身の想定と違ったらしく、不審者くんは悲痛な叫び声を上げてその場から逃げ出そうとしました。
「貴方には悪いですが、さすがに殺人未遂を犯したような人を街に放つわけにはいかないですね。まぁもう未遂じゃなくなりそうですけど。」
こちらへ走ってきた不審者くんに足を引っ掻けて、その場に転ばす。
「なっ、なんだよお前!?いきなり何すんだよ!!」
「貴方が奪おうとした命が、この世から消える瞬間をしっかりと見させてあげようと思いまして。ほら、ここから逃がしたら見せられないでしょう?それに…自分のやったことが望んだ結末じゃないから見届けようとしないだなんて、なんとも────無責任ではないですか。」
それでも逃げようとするんだったら、それでも別に構いませんが。
その場合は、貴方の家が
不審者くんはだんだんと過呼吸状態になっていき……普通に気絶しちゃいました。
少し威圧が強すぎましたかね?
まぁ起こすのもめんどくさいですし、もう構う必要はないでしょう。
「で、そっちは大丈夫……じゃなさそうですね。」
腹からおびただしい量の血を流し、今にも息絶えてしまいそうな女性。
そんな彼女を救おうと、なんとか応急手当をしようとする金髪碧眼の少年。
まぁ死を阻止するのは、無理そうですけど。
ふと、女性の瞳が僕を射貫いた。
紫紺の双眸は死の間際にいるのにも関わらず、天上の星のような明るい輝きを僕に魅せる。
「素晴らしい魂の輝きです。こんなところでなくなってしまうのが、どうしようもなく惜しいと感じてしまうほどに。」
ほんの少し、気が変わりました。
助けるつもりはなかったのですが……助けたほうが面白そうだ。
「少年、安心しなさい。この女性は僕が助けてあげますから。」
「助けて、くれるのか……?」
「神秘を
少年の質問に答えることなく、僕は魔を詠む。
「天が
僕の周囲で光吹雪が舞い散る光景を見て、少年と女性が目を見開いた。
まぁこれを見れば、当然の反応ですね。
なにせ今の僕は……魔法を使っているのですから。
「さぁ、癒やしなさい。」
そして────時間が逆再生するかのように、女性に刻まれた傷が治っていく。
さて…改めて、ちゃんとした自己紹介をしておきましょう。
戸籍上での僕の名前は兎月雪姫。
一応ですが、齢800を越える最強の魔女(♂)をやらせていただいております。