「……ッ、なんだ、あの力は……!」
学園都市第七学区、凄惨な破壊の跡が残る市街地。
限界を超えて倒れ伏していた瀬川空の瞳に映ったのは、この世のいかなる法則にも当てはまらない、純粋な絶望の具現だった。
第一位・一方通行の背中から爆発的に噴出した、漆黒の、底なしの闇を凝縮したような『黒い翼』。
その翼が羽ばたいた瞬間、空間そのものが物理的な悲鳴を上げて軋んだ。
「魔術……いや、違う、なんだアレは!?」
空の空洞化された演算領域——他者のあらゆる能力や術理を読み取り、コピーする『疑似発現』が、無意識にその黒い翼の法則を解析しようと触覚を伸ばした。
その直後。
(——触れるなッ!!!)
空の魂そのものが、かつてないほどの最大級の警鐘を鳴らし、強制的に解析プロセスをシャットダウンさせた。
科学のベクトル操作ではない。先ほど垣根帝督が操っていた、この世に存在しない素粒子とも違う。オカルトの魔術の術理でさえない。
もしあの法則を少しでも自分の空洞にロードしようとすれば、その瞬間に『瀬川空』という存在の自我が、肉体ごと原子レベルで消滅する。それほどまでに異質で、冒涜的なエネルギーだった。
黒い翼から放たれる力のベクトルが、無差別に周囲の空間を削り取り、破壊の波となって市街地へと広がろうとした。
「させ……る、かよォォォッ!!」
空は、すでに限界のさらに向こう側まで酷使し、ピクリとも動かなくなっていた己の肉体を、気力という名の狂気だけで無理やりコンクリートから引き剥がした。
最後の一滴の血を絞り出し、焼き切れた脳細胞の残りカスを燃料にして、先ほど解除してしまった『
(俺が結界を解くのが、一瞬早かったから……!)
空の胸中には、激しい自責の念が渦巻いていた。
自分が裏方として完全に蓋をしきれていれば。黄泉川愛穂という、生徒を身を挺して守ろうとする真っ直ぐな大人が、あんな風に下腹部を貫かれることはなかったはずなのだ。
彼女が巻き込まれ、血の海に沈んだ。この事実だけで、空の空っぽな自我は自責と絶望で完全に崩壊しそうになっていた。
しかし、ここで茫然自失として這いつくばっている余裕など、今の空には一秒たりとも与えられていない。
このまま一方通行の暴走を許せば、黒い翼の余波は第七学区全体を飲み込み、重傷を負って倒れている黄泉川や、避難が遅れた街の人々、そして何より、空が帰るべき廃研究所で待つ『五人の家族』の日常までをも完全に破壊し尽くしてしまう。
「『多重展開』——最大出力ッ!!」
空の両目から、再び真っ赤な血の涙が間欠泉のように噴き出した。鼻腔と両耳の鼓膜からどす黒い血が飛び散り、ボロボロのコートをさらに汚していく。
空は、一方通行と垣根帝督を中心とした戦場を、再びドーム状の不可視の結界で強引に覆い隠した。
内側から叩きつけられる黒い翼の未知のエネルギーが、念動力と空間固定の結界をミシミシと削り取っていく。空の全身の骨が悲鳴を上げ、内臓が破裂しそうになるのを、バックグラウンドの『肉体再生』を常軌を逸した速度で回してギリギリで耐え凌ぐ。
結界の内側は、まさに地獄そのものだった。
正気を失い、黒い翼を顕現させた一方通行は、下腹部を貫かれ血の海に沈む黄泉川の姿を見て、完全に破壊衝動の化身と化していた。
「ァァァァァァァァァァァッ!!」
咆哮と共に、一方通行は地に這いつくばる垣根帝督に歩み寄る。
垣根が放つ未元物質の刃など、もはや今の第一位には紙切れほどの意味も成さない。一方通行はベクトル操作によってアスファルトを隆起させ、垣根の身体を大地の万力で拘束した。
そして、その顔面に向かって、細い腕から信じられないほどの暴力を伴った拳を振り下ろした。
ドゴォッ! ドシャァッ!! ガキィィィンッ!!!
ひたすらに、ただひたすらに、第二位の顔面を、肉体を、アスファルトごと殴り砕く。
垣根の純白の翼がへし折られ、プライドが粉砕され、生きているのかも定かではないほどにピクリとも動かなくなる。
それはもはや戦闘ではなく、一方的で凄惨なリンチ、あるいは処刑の光景だった。
「う、動くなァッ!!」
「手を挙げろ! それ以上抵抗するなら撃つぞッ!!」
その地獄の中心へ、サイレンの音と共に多数の警備員たちが駆けつけてきた。
同僚である黄泉川が血だまりに倒れ、学園都市第一位の怪物が、凄惨な暴力で一人の人間をミンチに変えようとしている光景。
恐怖と混乱に支配された警備員たちは、防弾盾を構え、アサルトライフルの銃口を震える手で一方通行へと一斉に向け、包囲網を形成していく。
(やめろ……! 撃つな! 今のあいつに手を出せば、お前ら全員、一瞬でネギトロにされるぞッ!)
空は結界の外壁から、声にならない叫びを上げた。
警備員たちを結界の外に締め出し、戦場に立ち入らせないようにしたかったが、黒い翼の破壊の余波を抑え込むだけで空の演算領域は100%完全に使い切られており、物理的な干渉を行う余力は一ミリも残されていなかった。
一方通行の黒い瞳が、ギロリと警備員たちへと向けられた。
その背中で渦巻く黒い翼が、次なる破壊の対象——自分に銃口を向ける大人たちを皆殺しにするべく、不気味な膨張を始めた。
誰もが死を覚悟した、その絶望の臨界点の瞬間だった。
「——だめ」
戦場の喧騒と、暴走するエネルギーの轟音の中。
あまりにも場違いで、小さく、けれど奇妙なほどはっきりと響く、幼い少女の声がした。
「……ッ!?」
結界を維持していた空は、目を見開いた。
完全武装の警備員たちが形成する分厚い包囲網。そして、空自身が展開している、あらゆる物理的干渉を遮断するはずの絶対防衛結界。
その分厚い壁の隙間を、まるで幻でも通り抜けるかのように、一人の小柄な少女が歩いてきたのだ。
打ち止め。
空の足元で眠る五人の妹達と同じ顔をした、ミサカネットワークの管理者たる上位個体。
彼女には、誰も傷つけようとする殺意も、結界を破壊しようとする明確なベクトルの意志もなかった。だからこそ、彼女の足取りは、誰の制止も、いかなる防壁すらもすり抜け、まっすぐに、ただまっすぐに戦場の中央へと進んでいった。
一方通行が、己の脳を撃たれ、命を賭けてまで守り抜いた、何者にも代えられない少女。
「迷子、見つけたよって、ミサカはミサカはしっかり話しかけてみる」
血の海と、瓦礫と、破壊の嵐が吹き荒れる中。
小さな体に大きめのシャツを羽織っただけの打ち止めは、裸足のまま、一歩、また一歩と、恐れることなく一方通行へと向かって歩みを進める。
「……ァ……、ァァァァ……ッ!」
一方通行の口から、苦悶の獣のような呻き声が漏れた。
彼の中で、暴走する殺意と、彼女を傷つけたくないという絶対的な保護欲求が激しく衝突している。
だが、暴走状態にある彼の背中から伸びる黒い翼は、意思とは無関係に、近づいてくる打ち止めという『異物』を排除しようと、鋭い刃となって彼女の方へと高速で伸びていった。
「危ないッ!!」
空は思わず絶叫し、結界の維持を捨ててでも飛び出そうとした。
しかし、その必要はなかった。
迫り来る漆黒の絶望の刃は、打ち止めの小さな鼻先、ほんの数ミリのところで——ピタリと、まるで見えない透明な壁に阻まれたかのように、完全に動きを止めたのだ。
「大丈夫だよって、ミサカはミサカは手を伸ばしてみる」
打ち止めは、自分の目を貫こうとしている黒い翼の刃に少しも怯えることなく、両手を真っ直ぐに伸ばす。
その温もりに触れた瞬間、一方通行の身体が大きくビクンと跳ね、黒い翼の輪郭が揺らいだ。
だが、極限の緊張状態にあった現場の空気は、その奇跡的な沈黙を許さなかった。
「化け物が……撃てェェェェッ!!」
打ち止めに気を取られ、動きの止まった一方通行を『最大の隙』と判断した警備員の一人が、恐怖に耐えきれずにアサルトライフルの引き金を引いてしまった。
それを合図に、周囲を取り囲んでいた数十人の警備員たちによる一斉掃射が始まった。
ダダダダダダダダダダッ!!!
無数の銃弾が、一方通行と、彼に近づく打ち止めへと殺到する。
その理不尽な暴力に対し、一方通行の背中の黒い翼が、防衛本能のままに爆発的に膨れ上がった。黄泉川も含めて、包囲している全警備員を、銃弾ごと消し飛ばして皆殺しにするための、反撃の波濤となって襲いかかる。
「ストップ」
銃声と爆音を掻き消すような、打ち止めの信頼に裏付けられた優しい声が響いた。
その瞬間。
警備員たちの肉体をミンチにするべく殺到していた黒い翼が、彼らに達するほんの数センチ手前で、まるで時間が停止したかのようにピタリと止まった。
「もうこんなことをしなくても、大丈夫だよって、ミサカはミサカは正しいことを伝えてみたり」
打ち止めの小さな、温かい声が、一方通行の耳に入る。
一方通行は動転し、自分の中の暴走する黒い力が、手を伸ばしてくれている彼女を傷つけてしまうのではないかと恐れるように、もがき苦しんだ。
黒い翼が乱舞し、全方位に向かって無差別に攻撃を続けるが、その破壊のベクトルは、どういうわけか打ち止めには一切触れることなく、彼女を避けるようにして空中で霧散していく。
「……すげえ」
結界の外側で膝をついていた空は、血に塗れた顔で、その信じられない光景に呆然と見惚れていた。
どんな強大な結界でも防げなかった絶対的な破壊が、たった一人の幼い少女の温もりと祈りによって、完全に無力化されている。
理屈じゃない。これは、魂と魂の共鳴が起こした奇跡だ。
「……! 黄泉川先生!」
我に返った空は、結界を解除し、まだ安全が確保されたわけではない戦場の中央へと、ふらつく足で駆け出した。
向かった先は、下腹部に重傷を負い、血の海に倒れ伏している黄泉川愛穂の元だった。
空は自らの『痛覚遮断』を切り、バックグラウンドの演算リソースの全てを『肉体再生』に集中させながら、黄泉川の身体に触れた。彼女の傷口を空洞化させた念動力のベクトルで強引に塞ぎ、出血を止める応急処置を施す。
「瀬川……?!」
朦朧とする意識の中で、黄泉川は目の前に現れた少年の顔を見て目を見開いた。
「なんで、お前がこんな所に……って、お前、その体……大丈夫じゃんかよ?」
普段は生徒の一員として補習を受けているただの生徒が、なぜこんな血みどろの暗部の戦場にいるのか。そして何より、黄泉川の目から見ても、空の身体はボロボロで、全身が自らの血で赤黒く染まっており、今にも死にそうに見えたのだ。
「先生こそ、全然大丈夫じゃないんだから……! 早く治療を受けないと死にますよ。俺の肩に掴まってください。行きますよ」
空は、暗部の掃除屋としての顔を隠し、「たまたま騒ぎに巻き込まれて助けに来た生徒」という強引な嘘の仮面を被りながら、黄泉川の腕を自分の首に回し、その重い身体を背負い上げた。
骨が軋み、千切れた筋肉が悲鳴を上げるが、気力だけで立ち上がる。
「あ、ああ……。ありがとう、じゃんよ……」
黄泉川は、空の肩に体重を預けながら、痛みに顔を歪めつつも、生徒に助けられたことへの感謝を口にした。
空は、周囲で警戒を解けずにいる警備員の医療スタッフの元へと、足を引きずりながら黄泉川を運んでいった。
「怪我人です! 早く、止血と輸血の準備を!」
空が黄泉川を引き渡すと、医療スタッフたちが慌ただしく彼女をストレッチャーに乗せ、救急車へと運んでいく。
その様子を見届けた空は、再び振り返り、戦場の中央——一方通行たちのいる場所へと向き直った。
そこには、もはや暴走する悪魔の姿はなかった。
黒い翼は完全に消失し、全ての力を使い果たした一方通行が、糸の切れた操り人形のように、ゆっくりと膝から崩れ落ちていくところだった。
その細く傷だらけの身体を、打ち止めが小さな両腕で、しっかりと正面から抱き止める。
「よかったぁって、ミサカはミサカは心から言ってみる」
優しく笑う打ち止めの顔を見て、一方通行は、まるで初めて光を見た赤子のように、ゆっくりとその瞳を閉じた。
戦場は、嘘のような静寂に包まれていた。
第二位・垣根帝督は、全身を粉砕され、半死半生の状態でアスファルトに沈んでいる。
第一位・一方通行も、少女の温もりの中で深い眠りに落ちた。
「……最後の脱落者は、『スクール』か……」
空は、血で汚れた唇をわずかに動かし、かすれ声で呟いた。
アイテム、メンバー、ブロック、スクール。
学園都市の勢力図を塗り替えるはずだった、あの恐ろしい暗部組織のバトルロワイヤルは、ここに極めて凄惨な幕引きを迎えたのだ。
(終わった……全部、終わったんだ……)
その事実を脳が認識した瞬間。
空の肉体と精神を限界の向こう側で繋ぎ止めていた、細く張り詰めた緊張の糸が、プツリと音を立てて切れた。
「あ……」
空の身体が前方に傾き、そのままアスファルトの地面へと崩れ落ちる。
「! おい、瀬川! 大丈夫じゃんか!? 誰か、早く! こっちにも救急車を呼ぶじゃんよ!!」
薄れゆく意識の泥の中で、ストレッチャーの上で応急処置を受けていた黄泉川が、血相を変えて叫ぶ声が聞こえた。
(……先生だって、自分も腹に穴が開いてる重傷なのに。……本当に、どこまで行っても『教師』なんだから)
空は、薄く開いた目でぼんやりと黄泉川の焦る姿を見つめながら、心底安心したような、そしてどこか皮肉な思いを抱きながら、小さく笑みを浮かべた。
自分が血反吐を吐いてでも守りたかった「本物の大人」が、そこにいた。
その温かい安堵感に包まれながら、瀬川空の意識は、完全な暗闇の中へと深く、深く沈んでいった。
♢
全てが終わった夕方。
学園都市の第七学区、暗部組織『グループ』が拠点として使用している、防音・防犯設備が完備された薄暗いアジトの一室。
そこには、正規メンバーである四人の姿が揃っていた。
「垣根と交戦した瀬川だが、どうやら無事だったようだ。ただ、流石のバケモノも無茶が祟ったのか、能力の過負荷による全身の細胞損傷で、丸一日絶対安静の入院だとさ」
いつものアロハシャツ姿の土御門元春が、手元の端末の画面をスワイプしながら、ソファに座る面々に向けて報告する。
これまたいつものサラシ姿の結標淡希が、壁に寄りかかりながら、呆れたような、けれどどこか畏敬の念を込めたため息をつく。
彼女も何かを守るために戦った身だ。並々ならぬ考えを抱いているらしい。
「……さて、本題だ」
土御門がサングラスを指で押し上げ、室内の空気を一段と冷たく引き締めた。
「『スクール』の連中は、『とあるナノデバイス』を回収するために、ピンセットという解析装置を必要とした。そのデバイスの正体が判明した」
土御門は冷徹さを孕んだ声で話し続ける。
「アレイスターが、学園都市のあらゆる大気に紛れ込ませて密かに散布していた、およそ五千万個の極小ナノデバイス。……『
その名称を聞き、結標とエツァリの表情が硬くなる。
「滞空回線は、学園都市におけるアレイスター直通の情報監視網を形成する、絶対的な中核だ。……ま、ピンセットで引きずり出せた各個体が持っている情報レベルは、推して知るべしといったところだがな」
土御門がピンセットを装着して画面を見つめると、そこに暗部組織に関連する機密コード群がずらりと表示された。
「お、出た出た。暗部の機密コード類だな。……『グループ』、『スクール』、『アイテム』、『メンバー』、『ブロック』……」
土御門が淡々と読み上げていく。
だが、そのリストの最後に表示された『名称』を見た瞬間。
「……ッ!……最後に出てきたのは、『ドラゴン』だ」
新たに出てきた名称。学園都市の最も深い闇を支配するアレイスターの直通情報網の中に、彼らと同じ並びで、あるいはそれ以上の機密として隠匿されていた未知の存在。
その『ドラゴン』という単語が登場したことで、アジトの空気が、まるで氷水を張ったようにピリピリと張り詰めた。
第一位、第二位といった超能力者たちの枠組みすら超える、得体の知れない巨大な黒い影が、自分たちのすぐ背後に立っているかのような感覚。
しばらくの間、誰も言葉を発することができず、重苦しい沈黙が続いた。
その静寂を破ったのは、エツァリだった。
「……そうだ。明日、瀬川さんのお見舞いに行きませんか?」
唐突な提案だった。暗部の重苦しい空気とはまるで無縁な、学生の日常会話のような言葉。
「今日は色々と世話になりましたから。これくらいの義理は果たすべきでしょう」
エツァリは、穏やかな、しかし真剣な表情でそう言った。
「……そうね」
結標が、肩をすくめてため息をつく。
「どうせ特に何もないだろうし、行こうかしら」
「そうだな。瀬川にも、今回の戦いの顛末と、この『ドラゴン』という新しい情報を知る権利はあるだろうしな」
土御門もニヤリと笑って同意する。
「ハッ、くだらねェ」
部屋の隅で、ずっと無言で腕を組んでいた一方通行が、忌々しげに舌打ちをした。
「俺は、アイツに世話になった覚えはねェよ。勝手に出てきて、勝手に結界張って自滅しただけだろうが。見舞いに行く義理なんざ、これっぽっちもねェよ。行きてェなら、テメェらだけで行きやがれ」
いつもの通り、悪態をついて完全に拒絶する一方通行。
だが、その態度に誰も腹を立てることはなく、結標は「ハイハイ、素直じゃないわね」と呆れたように笑った。
「そうか。それじゃあ明日は、俺たち三人で見舞いに行くか。……じゃあ、今度こそ今日の『仕事』は終わりだ。解散!」
土御門の号令と共に、四人は各々の席を立つ。
昨日まで殺し合いの渦中にいた彼らが、誰かを見舞うというささやかな人間性を取り戻している。血みどろの暗部という地獄の中で、瀬川空という存在が、彼らの間に奇妙な絆のようなものを結びつけていた。
四人は重いアジトの扉を開け、それぞれの帰るべき場所——あるいは、一時の光の差す表の日常の中へ戻っていく。
学園都市を揺るがした暗部大戦は終結した。だが、彼らの前に立ち塞がる新たな謎『ドラゴン』の影が、静かに、確実に、次の波乱の幕開けを告げていたのだった。