仮面ライダー×仮面ライダー SAO大戦 作:BRAKER001
恐ろしいほど全てが順調だった。
それぞれの隊の連携も上手く回っていて、メンバーも誰一人欠けることはおろか、赤の危険域になった者すらいない。
特に驚いたのはキリトと女性プレイヤーの二人の力だ。
キリトは元ベータテスターだと言うことを差し引いても、常人離れしたテクニックを持っている。特に反応速度に関しては群を抜いている。
女性プレイヤーの方も、全体的に見れば拙いが、攻撃の速度と正確さはキリトと互角以上に見えた。
「あいつらとパーティーを組んで正解だったな!」
晴人も二人を気にしていたのか、声をかけてくる。
「ああ、このメンバーでボスと戦いたかったよ」
「なんだ、お前もなんだかんだも吹っ切れてねえじゃん」
晴人が悪戯っぽい笑みを浮かべる。
「まだ先は長いさ。幾らでも機会はある。もっとも、あの二人にその気があればだけどな」
「あとで相談してみようぜ! この層はクリア出来そうだし」
晴人に言われボスの方を見ると、すでにHPゲージはラスト一本になる直前だった。
確かこの後、タルワールとかいう武器に持ち変えるんだよな……
思ったそばから、ボスモンスターは今までの武器を投げ、腰の武器に手をかけた。
そして出てきた武器は俺の思い描いていたものとどこか違っていた……つまり、キリトにもらった情報と。
慌ててキリトの方を見ると、目を見開き、呆然としていた。
つまり、この違和感は間違っていないのだ。そしてそれは、
この場にいる者たちの知識と違うということを意味している……
「はあああ!」
しかし、武器が違うことに気づいていないのか、ディアベルはボスに向かい突っ込んでいった。
「だめだ……全力で後ろに飛べぇっ!」
キリトが叫ぶと同時に、俺の身体もディアベルへ向かって走り出していた。だが、取り巻きの相手をしていた俺にとって……
ボスはあまりに遠かった。
グオオオオオオオオッ!
「ぐわあああ!」
ボスの猛々しい方向と共に繰り出されたソードスキルがボスと戦っていたC班を薙ぎはらう。
そして、ボスに飛びかかっていたディアベルは、攻撃をまともにくらい弾き飛ばされた。
「ディアベルっ!」
元々ディアベルへ向かっていた俺が真っ先にディアベルの元へとたどり着く。
「さあ、早く!」
俺が差し出したポーションをディアベルは受け取らなかった。
「これで、良いんだ……」
「これで良いって……このままじゃ!」
「ブレイド君」
ディアベルの真剣な声に、一瞬黙り込む。
「君は絶対に生きて……このゲームをクリアするんだ。誰かを庇ったりして…。死んでは絶対に駄目だ」
ビクリとする。それは俺がボス戦前に考えたことであり、まさに今行おうとしていたことだからだ。
「お前……何言って……」
「ディアベル!」
見ると晴人やキリトや、女性プレイヤーまでこちらに来ていた。
「ディアベル……どうして……」
「君も……ベータテスターなら分かるだろう?」
「まさか、ラストアタック狙いで……」
ディアベルは小さく笑うと、真剣な眼差しで俺達を見た。
「君達なら出来るはずだ。頼む、ボスを倒してくれ……後は任せたよ……」
そして、小さな声で何か呟き……
アインクラッド初めてのボス攻略レイド指揮官はポリゴン片へと姿を変え、四散した。