仮面ライダー×仮面ライダー SAO大戦 作:BRAKER001
「ディアベルはあああん!」
キバオウの叫びが響く。
「そんな、ディアベルさんが……」
「あんなの情報には無かったじゃないか!」
「もう駄目だ……勝てるわけがないよ!」
リーダーであるディアベルを失ったことと、ガイドブックの……ベータの情報と違うボスの行動により、レイドの誰もが動揺していた。
本来なら、こんな異常事態の中ボス攻略を続けるようとはしない。
だが、ここで引き下がればもうこんなレイドパーティーは組めないだろう。
そうすればこの層のボス戦、延いてはこのゲーム事態のクリアはいよいよ絶望的なものとなるだろう。
そして何より……
「ディアベルはボスを倒せと言った!」
ウィザードの声に一瞬の静寂が生まれる。
そう、このレイドの指揮官は『撤退しろ』ではなく『ボスを倒せ』と言ったのだ。
「俺たちは、最後までリーダーの意志に報いるべきじゃないのか?」
続くブレイドの言葉に、一同がしばし黙り込む。だが……
「せやけどあいつがどんな行動するか分からないんやぞ!
第一誰が指揮を執るいうんや!」
キバオウの言葉により、また周りがざわつき始める。
まずい。確かに誰かがまとめなければボスは倒せない。だが、彼の代わりが務まるプレイヤーなどここには……
グオオオオオオオオッ!
再びボスが雄叫びをあげ、手に持っている刀を振り回す。
「うわあっ!」
間一髪、刀が振り下ろされた場所にいたプレイヤー達が攻撃を避ける。
だが、次は当たるかもしれない。
早く……何とかしないとっ!
おそらくこの中であの武器の挙動を知っているのは、ベータテストの時上層で見たことのある俺だけだ。
だが、それを伝えれば俺がベータテスターだと分かり、ボス戦どころじゃなくなるかもしれない。
「くっ、どうすれば……」
「ねえ」
悩んでいる最中に女性プレイヤーから声をかけられる。
「あなたは、あのモンスターの攻撃パターンを知っての?」
「……ああ。この層では無いが、見たことはある」
「そう、なら……」
すると女性プレイヤーは突如フードを脱いだ。
栗色の綺麗な髪が露わになる。
彼女はとても美しかった……誰もが一瞬目を見張る程に。
「彼はこうも言ったわ」
その一瞬の隙をついて彼女は話し出した。
「次の指揮官は……彼だと」
そう言って彼女が細剣を向けた先にいたのは……俺だった。
「……え?」
思わぬ事態に頭がついて行かなかった。無論ディアベルはそんなことは言っていない。じゃあ何故そんなことを……
ああ、そういうことか。簡単な話だったんじゃないか。
その意味が理解できた時、俺は少し笑ってしまった。見るとブレイドやウィザードも笑いを堪えているようだった。
「う……うそや! ディアベルはん、がんなこと言うはずあらへん!」
「ならどうするんだ? あんたが指揮をとるのか?」
「っ!」
キバオウが食ってかかったが、ブレイドの言葉ですぐに引き下がった。
「さて……指示をどうぞ?」
女性プレイヤーがこちらを向く。
キリト「ははっ、とんだお嬢さんだな…」
小さく呟いたつもりだったが、聞こえてしまったらしく、女性プレイヤーこちらをムッとした表情でこちらを睨んできたので慌てて目をそらす。
「さてと……」
俺は大きく息を吸って
「全員ボスから離れろ! 取り囲まなければ範囲攻撃は来ない!」
指示を出し始めた。
「HPがイエロー切ってるやつはすぐにPOTしろ!
グリーンはそいつらの援護、手が空いてるやつは取り巻きを頼む!」
みんな最初は戸惑っていたものの、すぐに指示通り動き始めた。
「よし」
そして俺はボスに向き直る。
あいつのHPは残り後一本……一人で削りきるのも不可能ではないが、かなりの無茶だ。
「それでも……」
俺がやらなきゃいけない。これはずっと逃げてきたことへの戒めなんだ。
そう俺が決意した時、
「私も行く」
横から声がかかった。
「置いてくなんて水臭いことしないよなぁ?」
「俺たちはパーティーだろ?」
……正直なところ、みんなを巻き込みたくは無かった。
これから俺がやろうとするのは命懸けな行動だ。相手の行動が分かりきっているであろう俺でも危険が伴う……変更前の行動パターンしか知らないブレイド達なら尚更だ。
だが。
(お前が悪いやつじゃ無いって分かるさ)
(色々教えてくれよ!)
(さて……指示をどうぞ?)
3人とは出会って間もないが、既に俺の中で大きな存在となっていた。
そして、俺は今強く思っている。
このパーティーでボスを倒したい!
「作戦を立てる……やってくれるか?」
俺の言葉に3人は強く頷いた。