仮面ライダー×仮面ライダー SAO大戦 作:BRAKER001
第一層の巨木
「全く、二人ともあんなに笑うことないだろ!」
「いや、だって……メシの恩とか……ははっ! だめだ、また面白くなってきた!」
「言っとくけど、ブレイドのセリフだって結構格好つけてた感じだったからな!
全く、よく恥ずかしげもなくあんなことが言えるよな……」
「え、そうか? あれ、じゃあアスナが笑ったのってそういう?」
「さあ、どうだろうな」
第一層 森のフィールド
迷宮区からトールバーナの間にあるフィールドを、俺達は散策している。
俺達がこんなところにいるのは、俺が剣崎やアスナに笑われた直後に至る。
「はぁ……まあいいわ、伝えておく」
「そんなに爆笑された後で言うのも癪だが、まあ頼むよ」
「いや、今のは確実にウィザードが悪いな」
「なあブレイド……後でデュエルでもしないか?」
などとやりとりをしあう俺達を見て、少女がふと口を開いた。
「そういえば、まだちゃんと自己紹介してなかったわね」
唐突なセリフに俺も剣崎も彼女の方に向き直った。
「名前、まだちゃんと言ってなかったから。私はアスナ、改めてよろしく」
いきなり言われ、二人して一瞬どうしたらいいか分からず固まったが、すぐに剣崎が口を開いた。
「そういえば俺たちもきちんと名乗ってなかったな。ブレイドだ、よろしく」
「なんか今更だけどな。俺はウィザード、よろしく」
「よろしく、私のことはアスナって呼んでくれて構わないから」
「じゃあ俺達のことも呼び捨てで大丈夫だぞ」
「それは私が嫌。ブレイドさんとウィザードさんでいい?」
「今更さん付けって言うのも変な感じがするな……」
「それもそうね。じゃあブレイドくんとウィザードくん。これでいい?」
少し考えて、二人で頷く。
「了解、じゃあ私はそろそろ行くから、また二層で」
「おう、またな!」
「アスナももう俺にとっては仲間の一人だ、またいつでも力になるからな」
アスナは頷いて去っていった。
すれ違いざまに
「さっきはありがとう……助けてくれて」
と小さいながらも聞こえたのは、システム上気のせいじゃないのだろう。
たとえ魔法が使えなくとも人を救える。なら俺は最後までこの剣を振おう、絶望を希望に変えるために。
「さて、じゃあ俺たちも行くか!」
剣崎の言葉に我に帰る。
「ああ、次の階層へ……」
「あ、その前に行きたいところがあるんだ」
「何だよ!今いい感じだったろ?」
ブレイドに出鼻をくじかれ思わず突っ込んでしまう。
「まあまあ。それに今アスナが行ったばっかなのに、そこに行くのもバツが悪いだろ?」
「それは、そうだけど……」
「どうせ1日2日じゃ階層は突破されないさ、寄り道してこうぜ!」
と、いうわけで剣崎に連れてこられたのがここだったというわけだ。
「で、こんなところに何の用があるんだよ?」
「おいおい、忘れたわけじゃないだろ?アルゴが言ってたクエストだよ」
「アルゴって……ああ、昨日の夜言ってた奴か!」
『空を駆る泥棒』……確か現状クリア不可能なはずなのにクリアされたらしいというクエストだ。
「木の上にある宝石を奪い返さなきゃいけないけど、その木は登りようが無いって話だったか」
「ああ、ただキリトやアルゴと違って俺達は実物を見てないだろ?
これから先に進むにあたってそうそう一層に来れなくなるかもしれないからな……」
「なるほどね。まあ俺も気になってはいたし見るだけ見てみるか」
なんて話してるうちに、視界にひときわ大きな木が入ってきた。
「あれみたいだな」
「ああ」
俺達は歩く速度を上げた。
「なるほど、確かに簡単には登れなさそうだな……」
俺達の目の前には巨大な木があった。高さは30m程だろうか。
「さて、見るだけじゃ仕方ないからな。早速登ってみるか」
いうや否や剣崎は、木にしがみついて登り始めた。
しかし、最初の枝を掴んだところで枝が折れ、盛大な音とともに剣崎は地面に落下した。
「いてて……確かに簡単には登れそうにないな」
見ると剣崎によって折られた枝はすぐに復活していた。
「条件でもあるのかねぇ……ほら、あそこ」
「ん? ああ、枝が元に戻ってるな……ってことはやり直しはきくのか、よし!」
剣崎は急にメニューを操作し始めた。途端に剣崎の防具が端から消え、やがて洋服だけになった。
「一応安全地帯じゃないからな、モンスターが来たらちゃちゃっと倒しといてくれ」
「いや、それはいいけど……なんで急に防具を外したんだ?」
「いや、重さの問題かなぁと」
いうや否やまた木に登り出す剣崎。そして先ほど折れた枝を掴む。しかし、枝が折れるような気配はなかった。
「お、当たりみたいだな……よっと!」
しかし彼が次に掴んだ枝はバキッという音を立てて折れ、またしても彼は盛大に地面に落下した。
「まじか……こうなると運でも絡んできてるんじゃねぇか?」
「どうなんだろうな……あっ、装備着とけよ?」
そして今度は俺が木の前に立つ。
「よしっ、行くぞ!」
木を掴み登り出す。すると意外なことに先ほど剣崎が折った二箇所の枝を簡単に過ぎてしまった。
しかし3メートルほど登ったところで同じように落下した。
「うーん、これ一番上まで行けんじゃね? とか期待したんだけど……」
「馬鹿言うな。とはいえなんで晴人がそこまで登れたのか分からないな……」
それから色々試してみたが、とりあえず運だけじゃないだろうということくらいしかわからなかった。
「はあ、俺達だけじゃデータ不足だな。また今度キリトなりアルゴなり誘ってくるか……」
「だな……さて、じゃあそろそろ第二層に向かいますか!」
そして俺達は元来た道を戻り、森のフィールドを後にした。