仮面ライダー×仮面ライダー SAO大戦 作:BRAKER001
「……居ないな」
「……居ないな」
街を出てからそこそこな距離を歩いたが、目的の人物はおろか、人影すらなかった。
晴人にキリトの《追跡》も試してもらったが、足跡は無かった。
「はぁ、もう遠くに行ったっていうのが妥当かねえ……」
「街に戻ってくるかと思ったけどなあ……もしかして、そのエクストラスキルとやらのとこだったりして!」
「ありえない話じゃないな。あいつなら興味持ちそうだし……
しかし、さっきの奴らに頑なに教えなかった情報をころっと教えるものなのか?」
「あの二人はベータテスター仲間だろ? もしかして、付き合ってたりしてな!」
「おいウィザード、冗談でもそんなことあいつらに聞かれたら……」
その時ふと違和感を感じた。なんだろうかと思って周りを見渡す。
「いや、あり得るかもしれないだろ? この世界じゃ結婚も出来るんだぜ?」
そして違和感の正体を知った。木々の間の一部が、ほんの一瞬だけ揺らいだのだ。
「にしし……しっかしあの時のキー坊の顔と言ったラ……」
キリえもん(勝手に名付けた)の顔を思い出しながら、アルゴは来た道を戻っていた。
「ン?」
不意に人の気配を感じる……まぁ気配も何も、《索敵》スキルによるものなので本当に人がいるということなのだが。
「ヨッと」
すぐさま近くの木の裏に隠れ《隠蔽》スキルを発動して様子を伺う。
無論隠れるのはやましい事をした等ではなく(ある意味しているわけだが)、情報屋としての本能のようなものだ。
(あれは……確かキー坊の知り合いの、ブレイドとウィザードだったナ)
そのまま耳をそばだて話を聞く。
「街に戻ってくるかと思ったけどなあ……もしかしてそのエクストラスキルとやらのとこだったりして!」
(何の話ダ? エクストラスキル……まさカ!)
エクストラスキル……ただ武器の熟練度やパラメーターを上げただけでは出現しないスキルのことである。
ベータテストの時代にはいくつかそのようなスキルが見つかり、この名称がついた。
しかし、この正式版の……それも第二層において習得可能なエクストラスキルは情報屋の知識を総動員しても一つしか思い浮かばなかった。
しかし、ベータテスターでない彼らが何故そのことを知っているのかが分からない。
(落ち着ケ、考えロ……キー坊はさっきの様子じゃ元々知ってたわけじゃないよナ。
ってことはキー坊から聞いたのはありえなイ。
他のベータテスターも自分から教えるはずがないシ……)
情報屋を自称している以上、大したことでは動じないように心がけているつもりではあった。だがそれ以前に、彼女も一人の少女である。
「あの二人はベータテスター仲間だろ?…もしかして、付き合ってたりしてな!」
ビクッ!
(ハッ! 思わず驚いちまっタ。いきなり何を言い出すんだあいつハ……)
ふと目をやると少しハイドレートが下がっていた。自分でも何故こんなに驚いたのか分からない。先程柄にも無いことをしてしまったからだろうか。
しかし落ち着きだした彼女にさらなる追い打ちがかかる。
「いや、あり得るかもしれないだろ? この世界じゃ結婚も出来るんだぜ?」
ビクゥッ!
(ケケケケッコン!? オレっちとキー坊ガ?
本当に何を言い出すんダ……)
改めて心を落ち着かせ……そして彼女は気付いた。
ハイドレートが減少を止めないことを。
「そこにいるのは誰だ?」