仮面ライダー×仮面ライダー SAO大戦 作:BRAKER001
最後までお付き合い頂けると嬉しいです。
「本当にあったよ……」
目の前にはゲームショップ。たてられた看板には先着50個の文字。
見たところ20人程度しか人はいないため、間に合ったのだろう。
「よし、並ぶか」
俺は最後尾についた。
少し時を遡り……
俺は調べものにうってつけの場所を見つけた。インターネット喫茶だ。なんと、お金を払えばパソコンが使えるという。
旅の最中も色んなことをして、金はそこそこにあったので、俺はとりあえず入ってみることにした。
正直、驚きの連続だった。
インターネット喫茶だというのに、漫画は置いてあるし、飲み物は飲み放題だし、ダーツなんかも置いてある。つくづく時代の進歩を体感させられた。
特に、パソコンには。
昔パソコンを使ったことはあったが、あれからかなり進化したものだ。使いこなすのにそこそこ時間がかかった。
使えるようになってからは色んなことを調べた。
中には都市伝説みたいなものもあった。街のど真ん中に大きな魔法陣が現れたとか、空に丸いメダルのようなものに囲まれた巨大な石が現れたとか、なかなか読んでいて面白いものだった。
そんななか、俺はあるサイトに興味を持った。
「ソード・アート・オンライン、いよいよ明日発売」
ソード・アート・オンライン……略称はSAOと言うらしいが、名前自体は最近のことを調べている時に何回か見たし、なんなら街中でもちらほら見かけていた。最初はただゲームが発売されるだけだと思っていた。だが、だんだん何故ここまで騒がれているのか気になった俺は、そのサイトを開いてみた。
時代は進歩したものだ。
なんとこのゲームは自らが入り込んで、まるでその世界に入り込んでいるかのように遊べるらしい。
記事を読んで行くうちに俺は段々そのゲームに惹かれていった。戦いにあけくれ自身を強くすることもできれば、ゲーム内で家を持ち普通に生活することもできる。
記事を読み終わる頃には、俺はSAOの虜になっていた。
いい気晴らしになるかもしれない……そう思った俺はすぐにSAOを売ってる場所を調べた。
だが、あまりに遅すぎた。
これほどのゲーム、マニアが放っておくはずもなく、一週間並ぶのは当たり前…既にほとんどの店が売り切れだそうだ。
だが、諦める気になれなかった俺は調べに調べ、近くに一軒だけまだ在庫が残っているであろう店を見つけた。何でもそこは知る人ぞ知る隠れた名店らしい。その店は50個入荷し、今朝の段階で18人しか並んでいないらしい。でもなぜそんなに人が少ないのか。
ここまで来てやっとわかった。並の人には辿りつくには厳しすぎるのだ。
まず距離が遠すぎる。この店はある街の中なのだが、その街自体が森に囲まれているのだ。俺でも約3時間程かかったから、おそらく普通の人だと4、5時間かかるだろう。おまけに途中道とは思えない道が多くあり、危険だ。
なるほど、わざわざゲームを買いにここまで来る人はなかなかいないだろう。もっとも、目の前にその険しい道を通ってきた人達がいるのだが。
と、いうかこの街はどうやって物資を得ているんだろう……
「あの、君ソード・アート・オンライン買うために並んでる?」
色んなことを考えていると後ろから声をかけられた。
振り向くと若い青年が立っていた。
「ああ、そうだけど」
「ふぃ〜、じゃあここでいいのか……いやぁー遠かった。」
驚いた。彼もまたあの道のりを通ってきたのだ。
「へぇ、すごいな。あんたもあそこ通ってきたのか……」
「ん?まあ他の人とは鍛え方が違うからね〜」
目の前の青年がニヤニヤしながら答える。
「そういうあんただってあの道を来たんだろ?」
「それもそうか……まあ鍛え方が違うからね」
俺も笑いながら返す。
「ははっ、違いないな。あ、俺は操真晴人。よろしく」
一瞬本名を言おうか躊躇したが、彼に隠す必要もなかった。
「よろしく。俺は剣崎、剣崎一真だ」
俺は発売までの間、晴人と話し合った。
なんでも彼は友人から買ってくるのを頼まれたらしい。
最初は乗り気ではなかったが、だんだん興味が湧いてきてしぶしぶここまで来たそうだ。
ちなみにその友人は、一週間前から並ぶつもりだったのだが、急に物を作る才能に目覚めたとかで、気づけば何日も経っていたのだと言う。
「『晴人さんしか頼れる人がいないんです!』って頼まれちゃってさ」
呆れるように晴人がつぶやいた。きっとその友人の知り合いの中であの道をこれるのが晴人だけだったのだろう。
「なんか羨ましいな、そういう関係……」
「そうか? うざったい時もあるけど」
「でもそれだけ仲がいいってことだろ?」
「まあそうなのかな……。一真はそういう友達いないの?」
そう言われた時、ふいにあいつらの顔が浮かんできた。10年経ってもう顔つきも変わっているかもしれないが。
「もう長いこと顔合わせてないな……俺今まで世界を旅してまわってたからさ」
「まじで?俺もやりたいことがあってこないだまで旅してたんだよ」
「へぇ〜奇遇だな。どこ行ったの?」
「えーっと……」
それからしばらく旅の話で盛り上がった。
「まもなく販売でーす!」
気づくと辺りは暗くなり、晴人の後ろにも10人程並んでいた。
時計は23時55分を指している。
「お、やっと発売か」
晴人が店の方をのぞく。
俺もつられて覗いて見るとなにやら忙しそうに準備をしている。
「いやぁ、おかげで時間がたつのが早かったよ」
「俺も久しぶりに楽しい会話ができたよ。ありがとな、晴人」
「お互い様だろ?一真は開始当日すぐにやるの?」
晴人に言われて思い出した。
SAOのサービス開始まではまだ時間がある。
「そうだな……まあ早くやってみたいからな」
「じゃあさ、折角だし一緒に冒険しないか?」
「いいのか? お前友達のために買うんだろ?」
「大丈夫、先にやらせてもらう約束だからさ。」
「抜け目無いなぁ……でもどうすんだ?向こうじゃ名前も姿も違うんだぞ?」
「あー、そっか。じゃあ待ち合わせ場所決めて……」
「発売まで後1分でーす!」
「買ってから決めるか!」
晴人が準備を始める。
「そうだな!」
俺も荷物をまとめる。
周りの人も慌てている。時計を見るとあと10秒位で0時だ。
3、2、1……
「お待たせ致しました!」
店のシャッターが開く。そして、列が動き出した。
数分後、俺たちはSAOを手に、その店を後にした。
あれから5日が経った。
俺は新しく出来た観光地をまわったり、ネット喫茶に通ったりして時間を潰していた。
そして今日が待ちに待ったSAOサービス開始の日だ。
俺はパソコン付きのホテルで準備をしていた。
SAOをやるのにパソコンが必要なのは調べた時にわかっていた。
だが、SAOを買っていうのもなんだがパソコンまで買う気にならず、ましてや家を持つ気にもなれなかったため、ホテルにいるわけだ。
時刻は12時半。もうすぐだ。
俺は最後にもう一度説明書に目を通す。
接続もちゃんとしてある。始まりの町のマップもある程度覚えた。晴人と決めた待ち合わせ場所への道も。
よし。
俺はベッドに横になりナーヴギアを被った。時間は12時55分。
もうすぐだ、もうすぐあの世界に行ける。あの世界なら、俺は普通の人間として過ごせる。
深呼吸して心を落ち着かせる。
そして時計が13:00になる。
「リンクスタート!」
俺は遂にSAOの世界に足を踏み入れた。
そして、それが全ての始まりだった……