仮面ライダー×仮面ライダー SAO大戦 作:BRAKER001
「で、ウィザードくんが、飯の恩は忘れない……だって」
「ふっ、なんだそれ? まあでもあいつらしいのかな」
迷宮区の階段を上がってすぐの場所。
少し開けたところで俺は件の女性プレイヤーに呼び止められた。
下から四人分の伝言を預かって来た彼女は、ご丁寧にそれぞれの口調を真似ながら俺にそれらを伝えた。
その記憶力が羨ましい……
「それで、わざわざ伝言を伝えるためだけに?」
「あ、それもあるんだけど、一つ聞きたいことがあって」
「聞きたいこと……?」
「うん、あなたさっき私の名前呼んだでしょ? なんで知ってたの?」
「はい?」
一瞬なんでそんなことを聞かれたのか分からなかった。そういえばパーティを解散するときに呼んだような気はする。
あの時は確かパーティーメンバーを読み上げたような……
ん? もしかして。
「パーティーを組むのって今回が初めて?」
「一度だけ組んだことはあるけれど……お互い名前は知っていたから」
なるほど。
「えっと……今は解散しちゃったからわからないけど、パーティーを組むと自分のHPの下にメンバーの名前とHPが出るんだ」
と、説明をすると彼女は目を丸くした後、少しして笑い出した。
「なんだ、そんな簡単なことだったの。教えてくれてありがとう、覚えておくわ」
そして小さく息を吐いた後、彼女はまた話し始めた。
「本当はね、あなたにお礼を言いに来たの」
「お礼? 俺に? ウィザードじゃなくて?」
命をかけて……いや、本人はケロッとしていたが。
アスナを守ったウィザードならまだしも、俺がお礼を言われる覚えなどなかった。
「な、あの人はっ!……まあ助けてはくれたけど。あなたにも色々と助けてもらったから」
はて、そんなことをしただろうか?
多数の人の恨みを買うようなことはすれど、感謝されることなんて……
と、悩んでいるのを見透かしてかは分からないが彼女がため息をついて話し出した。
「誰が何と言おうが、私はあなたのお陰であのボスが倒せたと思ってる。
あなたが私に希望を見せてくれたのよ?」
「希望?」
「そう……だから、少しは胸を張りなさい」
そう言われて、不思議と少し気持ちが楽になった。こんな自分でも目の前の彼女の力になれたということだろうか……
「言いたかったのはそれだけ……っと、もう一つあったわね。
もちろん第二層のボス攻略も参加するんでしょ?」
「え? いや、そりゃあ参加はしたいけど……」
果たして向こうが参加させてくれるのだろうか。
今の俺は嫌われ者なはずだ。俺が入ってもギスギスするだけな気がする。
と、その様子を見た彼女が呆れた様子でまたもため息をついた。
「はぁ……まあいいわ、もう一つっていうのは第二層でもまた4人で一緒に戦いたい。それだけ」
そう言って彼女は振り返り一層へ戻ろうとしながら、
「ありがとう」
と一言つぶやいた。
アルゴと別れてから一時間ほどだろうか。少し眠ってしまったらしい。
まあ、迷宮区攻略からここまでぶっ通しだったわけで、疲れもたまっていたのだろう。
「また4人で、か……」
俺個人としてもそうは思う。アクシデントもありはしたが、あそこまでのコンビネーションが出来たのはベータの頃でも無かった気がする。
しかし、今の俺と関わるということは非難の矛先を向けられるかもしれないということだ。これは俺が勝手にしたことであり、あいつらを巻き込むつもりも勿論無い。
ウィザードにこそ連絡は取れるし、おそらくブレイドも一緒だろうが、こちらから連絡をとるのは控えるつもりだ。
「まぁ、攻略会議には来るだろ……その時考えればいい」
もっとも俺自身が参加出来るか怪しいわけだが。
「さて、そうと決まればこんなところでモタモタしてられないな」
立ち上がり再び岩に向き合った時だった。
「おっ、やってるなぁ」
聞き覚えのある声の方を向くと……
「よっ!」
なぜかそこにいたブレイドと目が合った。
合わせてしまった。
今更になりますが、この話は読者の方がプログレッシブも含めsaoを知ってる前提で書いております。
プログレッシブを読んで無い方はすみませんが少し調べるか読んでいただけると話が繋がるかと……面白いよ! プログレッシブ!