仮面ライダー×仮面ライダー SAO大戦   作:BRAKER001

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染み付いた技

「……つまりお前が連れてきたんだな? アルゴ」

 

「いやあ、ごめんヨ? キー坊。オレっちも悪気があったわけじゃないんだガ……」

 

「嘘つけ! 絶対わざとだろ!」

 

「だから悪かったってバ……」

 

 こちらに背を向けて巨大な岩の前に座っているキリトとそれを宥めるアルゴ。

 なぜキリトがこちらに背を向けてるかというと、横で必死に笑いを堪えている馬鹿がまた大爆笑を始めてしまうからである。

 

 晴人も人のこと笑いすぎとか言えないじゃんか……

 まあ、かくいう俺も流石に見たときは吹き出してしまったが。

 

「で、その岩を割るのが体術を身につけるクエストってことでいいんだよな? どこで受けるんだ?」

 

「ああ、それはだナ……」

 

「お主らも体術を習得しに来たのかの?」

 

 ふと声がした方を向くと、いつの間にか老人が経っていた。

 頭に”?”が出ていることから、NPC……それもクエストが発生していることを意味する。

 つまり、慎重に行動しなければいけないのだが……

 

「ああ、その通りだ!」

 

 晴人は迷わず返事をした。

 何を考えてるのか、あるいは何も考えて無いのか。

 

「お主もか?」

 

 老人がこっちを向く。

 

「……ああ、そうだ。」

 

 とはいえ、ここまでついてきて体術とやらを諦めるつもりも毛頭無い。

 俺も返事をすると、老人の頭の”?”が”!”に変わる。

 クエスト開始の合図だ。

 

「ならばその岩を割ってもらおう、但し……」

 

「剣は使うなって言うんだろ?」

 

「ほら、預けるよ」

 

 岩を割るには自分の体しか使えないとアルゴに聞いていた俺たちは、自分の剣をオブジェクト化し、老人に渡した。

 

「ほほう、どうやら物分かりのいい若者たちのようじゃ……だがそれだけではないぞ?」

 

「「は?」」

 

 アルゴから聞いていた情報はそれだけだった。

 他に何かあるのかと思いアルゴの方を見ると……

 

 こちらを見ながら何やらキリトとほくそ笑んでいた。

 

「お主らにはこの授業が終わるまで、山を降りない誓いをたててもらう」

 

 そう言った老人の手には筆が握られていた。

 

「「はめやがったなあああああ!」」

 

 そういえば笑いをこらえるのに必死でキリトの顔の理由を聞いていなかった……

 いや、もしかするとアルゴのヒゲの理由もこれに準じているのかもしれない。

 

「オレっちは聞かれた情報は教えたゾ?

命に関わることならまだしモ、そこまでサービスすると思うなヨ」

 

「俺だけ笑われるってのも不公平だよなあ? さあ、覚悟を決めるんだな」

 

 珍しく黒い性格の二人にニヤニヤされながら、俺たちは仲良く墨を顔に塗られた。

 

 

 

 

 

「なんだヨ、スペードマークって! アハハハハハ!」

 

「ウィザードはその……パンダっていうか眼鏡っていうか……ククッ」

 

 目の前で笑ってる二人を目の前に俺たちは鏡を見ていた。

 ウィザードの顔には目の周りに四角というかコの字というかよくわからない模様が書かれた。

 

 それはいい。

 

 俺は目の前の手鏡を見る。そこにはもちろん俺の顔が写っていた。

 ただし、顔面にはでかでかとスペードマークが書かれている。

 

 いくらなんでも出来すぎじゃないか?

 

 そう思うのは、考えすぎなのだろう。

 スペードマークなんてトランプを知ってる人なら誰だって知っているし、それならキリトはどうだと言うのか。

 まさか現実ではドラ◯もんだとでも? 馬鹿馬鹿しい。

 

 俺は気持ちをなんとかするため、岩の目の前まで行き対峙した。

 

「ん? もうやるのかブレイド?」

 

「そんな簡単に割れるもんじゃないぞ?」

 

「ああ、オイラ達が保証するヨ」

 

 様々な声が飛び交ってくるが、一度頭を空っぽにして心を落ち着かせる。

 

 ドドドドドドドドッ!

 

 そして数発、岩を連続で叩いた。

 こういう時、痛みを感じないのは素晴らしいと思う。最も現実で感じるかといったら怪しいが。

 

「だかラ、そんなにやっても無理だっテ……」

 

 また後ろの方で聞こえてくるが、俺は笑みを浮かべていた。

 今ので芯の場所は捉えた。

 後は強力な一撃を放つだけである。

 

「要は武器を使わなければいいんだろ?」

 

 剣を使わず体だけで放つ必殺技……1つしか思い浮かばなかった。

 

 岩から距離を取る。

 

……ck

th……der

ma……

 

 頭の中で曖昧ながらも電子音が再生される。

 

 ダッ

 

 助走をつけ思い切りジャンプ。そしてそのまま……

 

「ウェェェェェェェェェエイ!!」

 

 岩の中心に蹴りをいれた。

 

 瞬間、その光景を見ていた誰もが沈黙した。

そしてその沈黙の直後……

 

 ピキッ、ピキピキピキッ……パァアン!

 

 音を立てて岩が砕け散った。

 

「「……は?」」

 

「お前……何したんだ?」

 

 晴人に言われ返答に困る。悩んだ末、俺は答えた。

 

「ライトニングソニック?」

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