仮面ライダー×仮面ライダー SAO大戦   作:BRAKER001

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それぞれの想い

「なーにが『ライトニングソニック?』……だ。どうかしてるのか俺?」

 

 思わず技名を呟いてしまい、ポカーンとしてた3人に、

 

『じゃ、じゃあ俺、先に二層見て回ってるから!』

 

 と、老人から剣をもぎ取って(ついでに小汚い手ぬぐいで顔を拭いて)、足早に立ち去ったのが30分ほど前のこと。

 記憶を手繰りながら、俺はなんとか二層の主街区《ウルバス》まで戻ってきた。

 

 時間が経ったこともあり、街は活気にあふれている。

 

「数日前までは信じられなかった光景だな……」

 

 仲間と飲食店に向かうもの、店の商品を眺めるもの、果ては自分で店を広げようとしているものまでいる。

 

「あいつも、少しくらい胸を張ったっていいはずなんだけどな……」

 

「全くよね」

 

 ふと振り向くとそこにはアスナが立っていた。

 

「お、ようアスナ」

 

「こんにちは、ブレイドくん。あれ?ウィザードくんは一緒じゃないの?」

 

「なんだ?あいつのことが気になるのか?」

 

「そ、そんなんじゃないわよ! あなたたちが一緒じゃないなんて珍しいと思っただけ。」

 

 言われて気づく。そういえば、街中でならまだしもここまでの別行動は初めてな気がする。

 

「ああ、まぁなんだ。あいつなら、今キリトと一緒に山に篭って修行してるよ……」

 

「ふふ、何それ? まあでもあの二人らしいかもね……で、あなたはいいの?」

 

「5分で終わった」

 

 目の前のアスナの目が点になった。

 

「……前々から思ってたけど、あなたたちってなんかこう、普通じゃないところがあるわよね……」

 

「な、何のことだ?」

 

「それってなにかのクエストでしょ? それもキリトくんやウィザードくんが簡単に出来ないような……

と思えばキリト君はあっさりボス倒しちゃうし、ウィザードくんはボスの攻撃食らってもけろっとしてたし」

 

「まあ確かに……あいつらには才能があると思う」

 

「……どの口が言うのよ」

 

 アスナが何か言った気がするが、聞かなかったことにする。

 

「でもそれだけじゃない、あいつらは本気でみんなを助けたいと思ってる。

これ以上の死人を出さず、現実に戻ろうと頑張ってる。

だから俺もあいつらを信じて戦えるんだ」

 

「……」

 

「その想いが強さになってるのかもな」

 

「想い、ね……」

 

 アスナは少し考え込んでいるようだった。

 

「私、最初は怖かった。嫌な思いをして、自暴自棄になって無茶な戦いばっかして。

でもキリトくんや、ウィザード君を見て、なんて馬鹿なことしてたんだろう、って思ったの。

 

だって二人とも、本気でこの世界を出られると信じてた。

この世界からみんなを出してあげようとしてた」

 

 俺はアスナの話を黙って聞いていた。

 

「そして、それはあなたも同じ」

 

「え?」

 

「あなただって、全力でこの世界に立ち向かってるじゃない」

 

「……まあこのままでいいとは思ってないからな」

 

「だから、私もあなたたちに安心して背中を預けられる。

私……あの攻略会議であなたたちと出会えて本当に良かったと思ってる」

 

「それはみんなも同じはずだ、アスナだって充分強い」

 

「それでも、まだまだあなたたちには敵わないわよ。だから、もっと強くならなきゃ行けない」

 

「それはいいけど、無茶するのはやめろよ?」

 

「わ、分かってるわよ!

……というわけで、少し手伝ってくれない?」

 

「おう……え?」

 

「あら、無茶するなとか言っといて一人で頑張れなんて言わないわよね?」

 

「はあ……まあいいぜ、予定があるわけでも無いし。で、何するんだ?」

 

「ありがとう、実は武器の強化素材が足りなくて……」

 

 というわけで幸か不幸か俺はアスナの手伝いにより、フィールドを見るという意味では当初の予定通りとなった。

 

 

 

 

 

 

 コンコン

 

 目の前の岩を叩いてみるがやはり硬い。

 これは破壊不能オブジェクト一歩手前位の硬さのはずである。

 

 にも関わらず、ブレイドはこれを実質蹴り一発で壊してしまった。

 本来そんなこと起こり得るはずがない、いくら芯を打とうが、このオブジェクトがスキル無しに一撃で壊れるはずがないのだ。

 とすると先程の一撃、あれは……いや、そんなはずは無い、あれは岩と接触したことによるエフェクトのはずだ。

 

 ガンッガンッ

 

 乱暴な音の方を向くとウィザードが文句を言いながら岩に回し蹴りを続けていた。

 

「くそっ、なんであいつに出来て俺には出来ないんだ! ああ〜指輪があればこんな岩一発だってのに……」

 

 どうやらブレイドが岩をいとも簡単に壊したことに焦っているらしい。

 まあ俺はそうじゃないかと聞かれたら、少しは悔しいわけだが……

 それはさておき、

 

「指輪? 装備品かなんかか?」

 

 俺は先程の発言で気になったことを聞いた。

 

「ん? ああ、気にしないでくれ、こっちの話だ」

 

「いや、気になるだろ? もし俺の知らない装備品とかがあるなら……」

 

「いや、そうじゃないんだ」

 

「?」

 

 俺の発言はウィザードに遮られた。

 

「その、向こうでの話だ」

 

「向こう…? あっ……」

 

 一瞬分からなかったが、冷静に考えればここでいう向こうなど一つしかない。

 現実世界のことだろう。

 

 しかし現実では指輪があるとウィザードの力が変わるのだろうか。誰かに貰ったものだとか……

 いや待て、人に貰う指輪と言ったら一つしかあるまい。まさかウィザードに……

 

 いや、止めよう。何にせよ現実の話と言われたら追求しないのがマナーというものだ。

 

「そうか、悪い、変に聞いちゃって……」

 

「いや、先に変なこと言ったのは俺の方だから。気にしないでくれ」

 

 そう言うと晴人は岩を蹴るのを止めて、少し考え込んでしまった。

 その指輪のことでも思い出しているのだろうか……

 と、一瞬考えてしまったが、すぐに気持ちを集中させた。

 現実のことは触れないと考えたばかりだ。今はこの岩を割ることに専念しよう。

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