仮面ライダー×仮面ライダー SAO大戦   作:BRAKER001

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ここで多くは語りません。また少しずつ執筆して行けたらと思います。
会話者の名前など、前から変化していますが、少しずつこちらの形式に過去のものも揃えていきますね。


壊れたものは

「こんにちは」

 

「はい、いらっしゃいま……ああ、この前の」

 

ウルバスの主街区、中央広場。そこでいつも通り鍛冶屋をやっていたネズハにアスナが話しかけた。

 

「今日はどういったご用件で? 武器の購入……それとも売却ですか?」

 

「いいえ。やっとお願いできるだけの素材が集まったから、武器を強化してもらいたくて」

 

瞬間、ネズハの眼が僅かに細まった……ように見えた。その真意は俺には分からない。

 

「本当にいいんですか? この前もお話しした通り、人同士よりNPC相手の方が問題なんかも……」

 

何故か食い下がるネズハ。しかし、アスナはそれを笑って制す。

 

「もう、あなたが言ったのよ? 『自分の方が確率をあげられる』って。それに……」

 

一呼吸置き、アスナは真剣な眼差しでネズハを見つめた。

 

「言ったでしょ? 『私はそうは思わない』。あなたを、この世界で生きようとしてる人達を、私は信じてるから」

 

その言葉に何を感じたのかは分からない。だが、俺にはネズハが息を飲む音が聞こえた気がした。

 

「……分かりました、強化したい武器を見せてください」

 

「ええ」

 

アスナが武器を取り出す。

 

「なっ……!」

 

今度こそ、ネズハが息を飲む。それも当然のはず、アスナが取り出したのは俺が取ってきたレアドロ武器だ。

 

「この武器、一体どこで?」

 

「迷宮区の敵が落としたの。かなり強い武器だったから、使ってみようと思って」

 

「そう、ですか」

 

仮にネズハがなんらかの方法で武器をすり替えていた場合、誰でも手に入れられる剣なら強化が1段下の武器にすり替えられる可能性がある。

その場合、確信を持ってすり替えを指摘するのは難しい。ただ強化が失敗した可能性を拭いきれないからだ。

 

だが、レア武器なら話は変わる。仮にネズハがその武器を所持していなければ、強化段階の違う武器にすり替えるのは不可能。必然、エンド品とすり替えるしかなくなるはずだ。

 

そしてネズハの反応から察するに、どうやら現時点では俺の目論見は外れていないらしい。

 

「強化素材はこれね」

 

アスナが強化用の素材も渡し、ネズハが後に引けなくなる。

 

「……分かりました、少々お待ち下さい」

 

ネズハが準備を始める。程なくしてハンマーを取り出し、目の前に剣を据えた。

アスナの渡した素材を炉にくべる。瞬間、眩い光が生まれるが、俺はネズハから目を逸らさない。

 

ネズハがハンマーを取り、武器を叩き始める。6回、7回……奥の炉から時折眩い光が生まれるため、終始見れているわけではないが、響いてくる音から回数は分かる。

 

9回……ここでネズハがハンマーを振り上げ、少し止まる。

何を考えているかは本人にしか分からない。アスナも黙ってネズハの前の武器に目を向けている。

 

そして、再び炉が光を放った瞬間。

 

(!?)

 

一瞬だが、ネズハの前にある武器が別物になった……ように見えた。自信がないのは本当に一瞬だったからだ。

 

次の瞬間、俺の目の前に写っていたのは砕け散った武器のエフェクトだった。

 

「っ! すみません!」

 

顔を歪めたネズハが謝りを入れる。

 

「何を謝る必要があるの?」

 

「え……?」

 

「今壊れたのは私の武器じゃないでしょ?」

 

「なっ……」

 

凍りつくネズハ。流石にアスナも気付いていたみたいだ。

 

「やっぱり、仕掛けがあったのね。最後に取り出したのはエンド品かしら? 私にはどうやったかは分からないけれど……」

 

頃合いだな。

 

「貴方なら、分かるんじゃない?」

 

物陰から姿を出す。こちらを見て、ネズハがさらに驚いていたが、やがて諦めるように笑った。

 

「Mod、クイックチェンジ。違うかな?」

 

「ええ、その通りです」

 

武器種の熟練度を上げることで取得できるMod、その中の1種がクイックチェンジだ。

ベータテストでは武器を盗む敵が出て来た時、即座に予備の武器を取り出せるように使われていたModだが……おそらくネズハはこれを使っていたのだろうと思った。

証拠まで用意はできないが、ここはネズハが認めてくれたのでホッと胸を撫で下ろす。

 

「ねぇ、ネズハさん。あなた、最初に私に強化を行わないように勧めなかった?

もしかして、こんなことやりたくでやってるわけじゃないんじゃないかしら?」

 

「……まさか。これは僕が1人望んでやったことです。お金が欲しくて、だからもう皆さんにお返しすることも……」

 

「それは違うな」

 

ふと聞こえた別の声に、ネズハだけでなく俺たちも身を強張らせる。

アスナがこちらに目を向けてくるが、首を振る。この話は俺たち以外には……いや待て。

 

「よっ、キリト」

 

「驚かせて悪いが、話が聞き逃せない方に進みそうだったからな」

 

暗闇から姿を表したのは、俺たちがよく知るブレイドとウィザードの2人だった。

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