仮面ライダー×仮面ライダー SAO大戦   作:BRAKER001

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新しい出会い

 ディアベルと別れた後、少し迷宮区で戦い、余裕でモンスターを倒せることを確認した俺達は、トールバーナに戻った。

 

「さて、じゃあ俺は食べ物買ってくるから、今日の宿見つけといてくれるか?」

 

「ああ、分かった。

じゃあ見つかったらメッセ送るわ」

 

 その場で晴人と別れた俺は買い物に向かった。

 

 この世界には色んな食べ物があり、ちゃんと味も感じることができる。

 空腹感や満腹感まで再現されている辺り、さすがフルダイブ形式のゲームだ。

 

だが、

 

「今まであれ以上にうまい物食べたこと無いんだよなぁ……」

 

 俺達が最近食べているのは、黒パンという物だ。

 

 はじまりの街から、ここトールバーナまで俺達は様々な物を食べた。

 だが、さすがにゲームの世界だけあり、現実ではあり得ないような食べ物が多かった。

 

 そして、それらは食べられる味ではなかった。

 一度だけ、パスタの様な食べ物を見たが、それもあまり美味しい物ではなかった。というか辛かった。

 どこかで食べたことがある様な味な気もするが、多分気のせいだろう。

 

 

「お、あったあった」

 

 店についた俺はNPCに話しかけた。

 

「「すいません!」」

 

 同時に別の人の声が聞こえた。

 被った声の方を見ると、少年が同じ様にこちらを見ていた。

 

「はい、いらっしゃい」

 

 そしてNPCが反応したのは少年の方だった。

 

「あ……なんかごめん」

 

「いいよいいよ、先どうぞ」

 

 少年は俺に小さくお辞儀をして、NPCから黒パンを購入した。

 続けて俺も黒パンを購入する

 

「お、あんたも黒パンか……」

 

「こっちでこれ以上まともなもん食ったこと無いからな」

 

 苦笑いしながら答える。

 

「確かに。上の階層が解放されれば、もう少し上手いものもあると思うけど……まだ第一層だからな」

 

「せめて一層に一つは上手い食べ物用意して欲しかったな。こんな味気ないパンばっか食べてるとさすがに飽きてくるぜ……」

 

「あ、それなら……えーと」

 

 少年がインベントリから何か取り出す。

 

「ほら、これ使ってみろよ」

 

「おっと、なんだこれ」

 

 少年が投げて来たのは、とても小さな壺のような物だった。

 

「開けてみ?」

 

 言われた通り開けて見ると……

 

「クリーム?」

 

中から出てきたのは、カスタードのようなクリームだった。

 

「パンにつけると結構いけるぜ? 一個やるよ」

 

「まじか!? サンキュー、えっと……」

 

「あ、俺はキリトだ。よろしく」

 

「俺はブレイド。よろしくな、キリト!」

 

「よろしく、ブレイド」

 

 ピピッ

 

 目の前にウィンドウが表示される。晴人からだ。

 

「お、いい宿があったか……じゃあ俺行くわ。またな、キリト!」

 

「ああ。またな!」

 

 キリトと別れた俺は晴人のところへ向かった。

 

 

 

 

 

その少し前。

 

「さてと、どこにするか……」

 

 一真と別れた後、晴人は街を彷徨っていた。

 明日が攻略会議とあって、街は賑わっている。おそらく、宿屋も混み合っているだろう。

 

「よし、視点を変えてみるか」

 

 晴人は思いついたように路地裏に入って行った。

 

「案外こういうところに良い宿屋があったりしそうだよな〜、ゲームだし……ん?」

 

 奥の方に数人が集まっているのが見えた。

 

「お、もしかして大正解だった?」

 

 歩くスピードを早める。

 だが、近づくにつれて様子が変なのが分かった。

 

「はぁ、外れか……

でも、放っておく訳にはいかないよな!」

 

 

 

「なぁ嬢ちゃん、一緒に遊ぼうぜ」

 

「そんなフード取って素顔見せてくれよ!」

 

「通してって言ってるでしょ。早くそこをどいて……」

 

「通りたいなら突き飛ばしてでも通れば良いだろ?

ハラスメント警告で牢獄に送られても知らないがな!」

 

「くっ、卑怯者……」

 

 

 近づいて行くとだんだん声が聞こえてきた。

 どうやら複数人で女の子を取り囲んでいるらしい。見たところ5人程度か。

 

「どこの世界でもああいうやつはいるんだな」

 

 その様子を見つめながら、近くに落ちていた手頃な石を拾う。

 

「おらっ」

 

 そして思いっきり投げた。

 

 

「さあどうする?牢獄に行くか俺達と……ガッ」

 

 一番手前にいた男の後頭部に直撃する。圏内なのでダメージは無いはずだが、律儀な反応だ。

 

「なんだてめぇ……何しやがんだよ!」

 

 周りの男もこちらに注意を向ける。

 

「あ、わりぃ。

俺、最低な人間見ると先に体が動いちゃうタイプでさ」

 

 笑みを浮かべながら男達に言い放つ。

 

「なんだとぉ!」

 

「てめぇ……調子に乗りやがって!」

 

男達が武器を構える。

 

「おいおい、ここは街中だろ?

お前らがどれだけ攻撃しようが俺には何も意味がないぜ」

 

「くっ、うるせぇ!」

 

 男達がソードスキルを発動しながら突っ込んでくる。

 

「やれやれ……まあ、黙って食らうのも良いもんじゃないな!」

 

 腰から短剣を抜き、ソードスキルを発動する。

 

「おらあ!」

 

「ふっ!」

 

パアアアアン

 

小規模な爆発、そして……

 

「うわあああ」

「ぎゃあああ」

 

 男達は吹っ飛んだ。

 

「へぇ、ダメージは食らわなくても衝撃はおきるみたいだな……

どうする? もういっちょぶっ飛んどくか?」

 

「ちくしょう、覚えてやがれ!」

 

 さっき石が当たった奴が捨て台詞を吐いて逃げて行く。

 他の男もそれを追うように慌てて走って行った。

 

「ふぃ〜。ソードスキルって便利だなあ……

あ、大丈夫か?」

 

 一部始終を見ていたフードの女の子に声をかける。

 

「大丈夫、ありがとう」

 

 女の子は小さくお辞儀をしてすぐに歩きだした。

 

「待てよ、さっきの奴らがまだ居たら……」

 

「ソードスキルにあんな使い方があるなんて知らなかったの。

次からは使うから心配しないで」

 

 そう言うと、彼女は再び歩いていってしまった。その雰囲気に、どこか既視感を感じる。

 

「大丈夫かなあ……ま、いっか。

あ、宿屋探さねえと!」

 

 急いで走りだした晴人が、路地裏の突き当たりに怪しい宿を見つけたのはそれから三分後のことだった。

 

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