仮面ライダー×仮面ライダー SAO大戦   作:BRAKER001

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動き出す歯車

「えーと、明日のことの前にまずは言っておきたいことがあって……」

 

 後から来た二人も含め、ブレイド達を部屋に招き入れた俺は早速本題を切り出した。

 

「……実は、俺はベータテスターなんだ。」

 

 しばしの静寂。

 そしてまず口を開いたのは……

 

「マジで!?」

 

 ウィザードだった。

 

「隠すつもりはなかった、って言うと嘘にな……」

 

「よっしゃ! 俺超ラッキーじゃん!」

 

……はい?

 今彼は何と言った? 聞き間違いじゃないなら……

 

「ラッキー……?」

 

「だってさ、ベータテスターってことは俺達が知らないことも知ってるんだろ?」

 

「まあ、序盤に限って言うなら……」

 

「そんな奴と知り合えるなんて最高じゃん! 色々教えてくれよ!

いやでも、タダって訳にもいないよな……」

 

「え、えーと……」

 

 完全にウィザードのペースだった。

 見るとブレイドは苦笑いしている。

 

「あの!」

 

 すると今度は女性プレイヤーが声を発した。

 ウィザードに気を取られて全く気にして無かった。彼女の方は今の発言をどう思って……

 

「お風呂貸してください!」

 

 ……はいぃ??

 俺は今何の話をしてたんだっけ? 少なくともお風呂の話はしてなかったはずだが。

 しかし、俺は彼女の鋭い視線に逆らえず……

 

「ど、どうぞ」

 

 よく分からぬまま許可を出した。

 すると彼女は小さくお辞儀をして一目散に【Bathroom】と書かれたプレートの下がった部屋へ向かって行った。

 

 そしてまた静寂が訪れた。

 

 コン、コココン

 

 今度はウィザードではなく、廊下のドアのノック音が静寂を破った。

 

「……お、おい。誰か来たみたいだぞ?」

 

「あ、ああ」

 

 一足先に我に返ったブレイドに言われ、俺はドアの方へ向かった。

 もっとも、ノック音から誰が来たのかは分かっていたが。

 

 ガチャ

 

「よう、アルゴ。どうしたんだ? わざわざ部屋まで来るなんて……」

 

「少し言っておきたいことが出来てナ。あ、情報料は取らないから安心してくれ」

 

「キリト、彼女は?」

 

「ああ、知らなかったか。彼女は情報屋で通称鼠のアルゴ。

で、アルゴ、こっちは明日のレイドでパーティを組むことになったブレイドとウィザードだ」

 

「ブレイドだ、よろしく」

 

「ウィザードだ、よろしくな!」

 

「よろしくナ。

情報が欲しかったら言ってクレ、ただし相応の報酬はもらうガナ」

 

「それで話って?」

 

「ああ、そのことなんだが……」

 

 急にアルゴがブレイド達を見ながら黙り込む。

 なるほど、そっち絡みか。

 

「この2人なら俺がベータテスターだってこと知ってるぞ」

 

「ンナ!? キー坊、正気カ? ツイさっきその話デ一悶着あったばかりだロ!?」

 

「安心しろ、俺達はベータテスターだからって責めたりするつもりはない」

 

「むしろ嬉しい位だぜ? 俺達が知らないことを知ってる人間ってのはありがたい」

 

 アルゴは目を点にして驚いていた。

 

「なんつーカ……変わった奴らダナ」

 

「まあ悪い奴らじゃないさ。

で、本題に入ろうぜ。ベータ絡みの話なんだろ?」

 

「まあナ」

 

 一呼吸置いてアルゴは話だした。

 

「『空を駆る泥棒』がクリアされた」

 

「なっ!?」

 

「何だ? その空を駆る泥棒って」

 

 ブレイドとウィザードが不思議そうにしている。

 

「本来なら情報料をもらっても言わないんだガ……オレっちもベータテスターでナ」

 

 ブレイドもウィザードもあまり驚く様子もないので、アルゴが続ける。

 

「で、『空を駆る泥棒』ってのは第一層のクエストデ、要は鳥に取られた宝石を取り戻すものなんダ。

だガ、ベータ時代にはクリア不可能と言われていタ」

 

「何でだ?」

 

「そのクエストの終着点は森のフィールドにある巨大な木の上の巣から宝石を奪い返すことだ。

だが……少なくとも序盤ではそれは無理なんだ。」

 

「その木はあまりとっかかりがなくてナ。

何人もが木登りに挑戦したが構造上一番上までは登れないようなんダ。

だからベータ時代は誰も挑戦しなくなッタ」

 

「だがある時、そのクエストはクリアされた。

誰も気にしていなかったから誰がクリアしたのかもクリアした方法もクリア報酬も分からない」

 

「だから今回は木を見張ってる奴らがいたりしたんだがナ。

攻略会議の最中にクリアされたみたいで、誰も見ていなかったそうダ」

 

「なるほどな……」

 

 納得したブレイドとは対象的に、ウィザードはよく分からない顔をしていた。

 

「前回は何層か進んだ時だったからまだわからなくもない。

だが今回はまだ一層も進んでないのに……」

 

「あまりにもおかしい……ってことでキー坊に話に来たんダ。

もしかしたらなんか知ってるんじゃないかと思ったんだガ」

 

「いや……正直それどころじゃ無かったからな」

 

「そうカ。まあなんか気づいたら教えてクレ。場合によっては情報料払ってもイイ」

 

「ああ、分かった」

 

「俺達も協力する。何か攻略の糸口になる話なら、関係ないことじゃないからな」

 

「ありがとナ。

まあ話はそれだけダ。

あ、キー坊、夜用の装備に変えたいから隣の部屋借してクレ」

 

「ああ、いいぞ」

 

 この時俺達はこの件で頭が一杯だったのだろう。三人とも黙って考え込んでいた。

 そして三回目の静寂を破ったのは…

 

「きゃあああああああ!」

「んナッ!?」

 

彼女達だった。

 

 

 

 

同時刻、森のフィールドに二人の人間がたたずんでいた。

 

「単刀直入に行こう。あのクエストをクリアしたのは君だよね?」

 

「あ〜、周りには気をつけてたつもりだったんだけど」

 

「安心してくれ、別に言いふらすつもりはない。

その代わりと言ってはなんだけど……頼みがある。」

 

「頼み?」

 

「クエストのクリア報酬の一つをもらいたい」

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