「お菓子は甘いものが一番」
暁月「今日も疲れたな〜」
そんな事を口ずさみながら帰路につく。今日も家では一人だ
暁月「買い物してから帰ろ。」
スーパーによって惣菜や野菜を買って自分しかいない家の鍵を開ける。
暁月「ただいまー。っていないんだった」
今日もいつものように生活をしていつものように寝た。
暁月「明日は明日の自分がなんとかしてくれる。おやすみ」
そんな事を思いながら魔法で風を送りながら涼しくして寝たのであった。
暁月「ん…んぅ…?」
起きたらいつもの部屋じゃなかった。
暁月「……あ、あれ?何処ここ?」
そこは中世の西洋風の石造りの部屋だ。しかも周りを見渡すと牢獄のようだ。
暁月「夢だな。寝よ…」
暁月『……寝れないな…』
すると、すぐ他の場所から少女達の悲鳴が聞こえてきた
???「何を考えていますの!?
わたくしをこんなところに閉じ込めるなんて!」
???「少女監禁とか、犯罪だよこれ!
誰だか知らないけど、人生終わるよ!?」
???「ざっけんなぶっ殺すぞおらぁ!出せ!!」
暁月『ふむ…やけに鮮明な夢だな、うるさいし…』
にわかに騒がしくなった場で、冷静に物事を考えていた直後
???「静かにしてくれないか?」
これまた遠くから聞こえてくる少女の声
???「騒がしいのは正しくない」
暁月『今のところ男の声が聞こえない…やっぱり夢か?
いや…それにしても生々しいな…』
少女達の声を無視してそんな事を考えている。
ただ、一つの声に覚えがあった。
暁月『あの声…二階堂ヒロか?』
父と作ったナイフを渡し、その後転校した少女の顔が頭をよぎる
暁月は周りを見渡すがベッドが一つとモニターくらいしかない
いきなりモニターの方から、音が聞こえた。
暁月は一応、モニターの方を向いた
暁月『あれは…なんだ?怪物か?』
???「あ…もしもし…映像って見えてます…?
何せ古くて故障が多いので…やれやれ。」
???「私、ゴクチョーと申します」
ゴクチョーと名乗るその怪物は
なんとなくフクロウを彷彿とさせる見た目をしている
ゴクチョー「詳しい説明がしたいので、
ラウンジに集合してください」
ゴクチョー「監房の鍵を開けますので、
看守の後についてきてください」
ゴクチョー「抵抗とかは自由なんですが…
命とかなくなっちゃうので…はい…」
モニターは再び真っ暗になった。
そして、監房の鍵が開く音がした
暁月『ハイテクだな…全自動だし…とりあえず出るか…』
外に出ると2、3メートルはある巨体でボロボロの黒衣をまとった大きな何かが立っていた。
仮面をつけていて顔が分からないが
人ではないことは確かだ
暁月『ほう…ほんとうに怪物がいるようだね…』
???「ぎゃああぁ!触んな化け物ぉ!キモいから!
分かった!わかりました、行くから!!」
暁月「別に連行しなくていいよ。自分で行く」
看守はこちらを向いたが、
その言葉を理解したのかそのまま行ってしまった
通路を見渡すと、苔むしてパイプなどが錆びついていて手入れが意気届いていないことが見てわかった。
???「ま、待ってよヒロちゃん!」
二階堂の後をついて行くように
白髪の毛先がピンクの少女が出てきた
暁月『全員少女か…皆変な服着てるな…趣味か?』
そんな的外れな事を考えると同時に自分の服装を見てみる。
それはいつものラフな服装ではなく、
袴に模造刀が腰にかけられた侍よような服装になっていた
暁月『意味がわからん』
暁月の目には全員同世代のように見える。
そして通路の先には先ほどの異形が歩いている
暁月『おそらくあれが看守だろうな』
他の少女達は戸惑いながらも看守の後をついて歩き始めている。
暁月『二階堂は…存外速いな。まぁ…別にいいだろ』
目の前で白髪の少女が二階堂に早足で近づき、
何かを言っているがヒロは無視を決め込んでいた
???「ボ、ボク諦めないから!」
なんとも健気か、まぁ暁月には関係のない話ではある
いきなり二階堂が白髪の少女の方を向くと思い切り突き飛ばした
暁月『おいおい…俺が見ていたのは
もう少し優しかったような気がするが…』
ヒロは踵を返してそのまま言ってしまう。
通路を抜けるととても広い空間についた。
ここは玄関ホールのようだ
階段や長く伸びる通路が見て取れた
あちこちが老朽化しているようで
不気味な雰囲気を醸し出している
近くの部屋に看守が入っていったので暁月も入った
ここがラウンジのようだ
古びた絨毯にソファや暖炉があり、天井にはシャンデリアがつけられている。
ラウンジにはボウガンが飾られていた。おそらく本物だ
広いラウンジ内には暁月を含めた14人もいた
コミュ症を拗らせていそうな少女や、
勝手に室内の位置を変える自由気ままな少女もいた。
???「っざけんじゃねえぞ!ぶっ殺してやる!」
先ほどからキレ散らかしている
マスクのヤンキー少女もいる。
暁月『とても…個性的なメンバーだな…』
???「ここくさくね?」
鼻をつまんでいる猫耳少女もいるようだ。
周りが個性的過ぎて
流石に頭が痛くなってしまっている暁月である
???「いや〜すごいですね!」
静かな空気を裂くように大きな声を上げた。
???「突然牢屋で目覚め!化け物に見張られていて!
なんかすごいことが起こっているのを感じます!
高まっちゃいますよね〜!」
暁月『わけがわからないな…』
???「なあにが、高まっちゃいますよね〜、ですわ!
やべーことになってるんですわ!
もっと危機感を持った方が良いんじゃないかしら!?」
誰かが不自然な口調にクスッと笑い声がした
???「今笑ったのは誰でやがりますの!?」
やはり口調がおかしい
???「いや、すまない。少し変わった喋り方だなと思ってね」
中性的な見た目の少女が一歩前に出た
何故だかここにいる全員が彼女から目が離せなくなっていた
???「みんな初対面だと思うから、
良かったら自己紹介をしていかないか?
レイア「先に名乗らせてもらうよ。
私の名前は蓮見レイア。」
ハンナ「…ふんっ、遠野ハンナですわ。
お見知りおきあそばっ…
お見知りおきあそばせせ?」
ハンナ「ちょっとお先によろしいかしら?
あなた、レイアさんと言ったわね。
いきなり人のことを笑うのは失礼じゃなくて?」
レイア「す、すまない。
そんなに気にしているなんて思わなかったんだ。
お手柔らかに頼むよ」
ハンナ「きっ、気にしてないし…」
暁月『何やってんだこいつら…』
ひりついた空気の仲、空気の読めない少女が元気に手を上げた
シェリー「はいはーい!私は橘シェリーっていいます!
事件があるところに私あり!
この名探偵にお任せください!」
暁月はめんどくさそうに部屋の隅で正座していた。
やはり元からの癖は抜けないようだ。
レイア「ところで、そこの君。
君はまだ名乗っていないだろう?
自己紹介をお願いするよ」
暁月「あ?あー…朧暁月。よろしく」
暁月は簡素な自己紹介で雰囲気をシャットアウトした。
レイア「あ…ありがとう。
はは…何だか頭が痛くなってきたな…
次に行こう。キミの名前を教えてくれないか?」
白髪の少女に視線が向いた。少しの逡巡の末に口を開いた
エマ「ボ、ボクは、桜羽エマ!」
名乗ったと同時に一人の少女が駆け寄ってきた。
メルル「わわわ、私の名前は、ひっ、ひっ、ひっ…
氷上、メルル、です…
そ、それで、エマさん、あ、あの、あのあの…
けっ、けっ…怪我、しちゃってます…」
エマ「大したことないよ、大丈夫!」
メルル「大したこと、あります…」
メルルは膝立ちになり、エマの膝に手を当てる
するとエマにとって驚くべきことが起きた。
メルルの手先が光り、
エマの傷口がみるみる塞がっていく。
そんなメルルの不思議な力に注目が集まる
メルル「痛くないですか?大丈夫ですか?」
エマ「あ、ありがとう」
レイアが場を仕切るように咳払いをした。
レイア「その不思議な力について
詳しく聞きたいところだけど
お互いの自己紹介を優先しよう。」
その後も自己紹介は進んで行ったその時だった
天井付近にある通気口から化け物フクロウが飛んできた
暁月『モニターのあれか…』
ゴクチョー「あ…人がいっぱい…えっと、改めまして…
この屋敷で管理を任されている
かわいいフクロウ
ゴクチョーと申します」
ゴクチョー「定時とかもあるので…
さっさと説明をしますね
すごく申し上げにくいんですが…
皆さんには魔女になる因子を持っています」
暁月『俺は男だが…魔女になるのだろうか?』
ゴクチョー「魔女はこの国にとって、
災厄をもたらす悪らしいんです
皆さんはその因子が大きく検出された存在
この国にとってあまりに危険であると判断され
この牢屋敷への収容が決まったんですね」
ゴクチョー「いずれ魔女になる可能性があるとなると、
野放しにはできませんので」
ゴクチョー「皆さんにはこの春から
囚人として生活してもらいます」
そんな説明が目の前で言い放たれた。
危険分子を消すために国が関わっているようだ
暁月『おそらくだが、あの異形も魔女とやらなんだろうな
逆らったら…どうなるか分からないな』
この牢屋敷の生活が今、幕を開けたのだった
NewData 無し
今回は少し空白を開けて見やすくしてみました。
暁月の独り言のコーナーについては
暁月の好きな物を発信していきます
単行本の小ネタって感じです。