レベルカンストした俺は2周目に突入する ~永続ボーナスや特典能力を貰ってレベル1からやり直していたら噂が広まりすぎて、周りが放っておいてくれないんだが~   作:鏑木カヅキ

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第11話 ボス部屋

 その先も、ロイドたちが考えなしに突っ込み攻撃。

 カスパーがその尻拭いをして、戦闘組がそのサポートをする。

 戦闘が終わるとロイドたちが戦闘組や低レベル組を馬鹿にする。

 そして進む、ということを繰り返している。

 ロイドたち以外は精神的に疲弊している中。

 

「ボス部屋だ!」

 

 ダンジョンの最奥、ボス部屋へとたどり着く。

 ダンジョンには必ずボスがいる。

 ボスを倒せば多くの経験値と貴重なアイテムが手に入ることがある。

 ボスは倒した後、しばらくすればリポップする。

 つまり取り合いだ。

 だがこの新ダンジョン『水晶窟』はギルドが管理しているため、俺たち以外は入れないようになっている。

 つまり時限的独占だ。

 だが、新ダンジョンということは新ボスである可能性は高い。

 そして大抵の場合、魔物同様にダンジョンの構造や属性などによって、出てくるボスの種類は決まっている。

 パーティかアライアンスならば、ボス攻略のために事前に作戦を考えるべきだろう。

 

「よし入るぞ! 俺に続け!」

 

 だが、馬鹿は一人で進む。

 おいおい、作戦を考えるという選択肢さえないのか?

 やっぱり、こいつ何も考えていない?

 

「ま、待って! ロイド!

 作戦を……ああ、もう!」

 

 カスパーが止める前にロイドは部屋へと入ってしまう。

 魔術師の女、大柄の重戦士も続く。

 

「戦闘組は全員ついてきて!

 低レベル組はここで待機!」

 

 カスパーが早口で言い放つと全員が嘆息し、そして言葉に従う。

 戦闘組たちがボス部屋へと入っていく。

 ボス部屋はオーラのようなもので覆われていて、中は見えない。

 俺を含めた低レベル組だけが残される。

 

「だ、大丈夫かな。

 魔物が出たら俺たち……」

「い、言うなよ」

 

 ぼそぼそと不安そうに話している初心者らしき少年たち。

 まあ、ボス部屋付近は魔物が少ないから大丈夫だろうとは思う。

 だが絶対ではない。

 今の内にこっそり抜け出そうかとも思ったが、さすがにこの状態の初心者たちを置いてはいけないか。

 攻略が終わった後に離脱するしかないか。

 しかし、ボス攻略はどうなっているのやら。

 あいつらが全滅したらどうするんだろうな。

 俺たちは全員置いてけぼりか。

 本当にずっと場当たり的な行動ばかりなアライアンスだな。

 先を考えないし、準備もしない。

 水晶生物に有効な道具や武器も用意していないようだし。

 ロイドたちは論外だが、カスパーたちも対策できているようには見えなかった。

 パーティってのはこんな感じなのか?

 俺がソロだから万全の状態にしているだけか?

 

(待てよ。もしかしてあえてそうしてるのか?

 俺も、他人の前だと自制することがある。

 能力や戦略がバレると真似されるしな)

 

 前世でもよくあった。

 ゲームプレイを見られ、真似され、戦略や戦術を奪われることが。

 現代社会では情報の拡散が一瞬で終わる。

 だから隠してもしょうがないと思う面はある。

 だがこの世界では戦略や戦術、自分だけが知っている情報を簡単に他者に渡すのは自殺行為だ。

 例えば狩場の情報、魔物の特性や弱点、ダンジョン攻略、クエスト発生場所など。

 これらは非常に貴重な情報だ。

 この世界には情報屋という存在がいるとも聞く。

 つまりそれだけ重要だということ。

 そうか、そういうことか!

 

(他者の目がある分、手札を隠しているのか。

 なるほど、だとしたらすべて納得いくな!)

 

 そうでなければおかしいくらいの練度だった。

 レベル20くらいであの程度の強さや心構え、対応力なわけがない。

 ソロだったらとっくに死んでるぞ。

 だがさすがに強敵前にそんなことはできないだろう。

 ボスとの戦闘ではきっと、実力を発揮しているはず。

 と思った時。

 

「む、無理だ! 無理だろ、あんなの!」

 

 ボス部屋からロイドが真っ先に出てきた。

 と。

 俺が声をかける前に、そのまま走り去ってしまう。

 ……は?

 

「なんなのよ、あれぇ!

 ズルでしょぉ!」

「撤退! 勝てるわけがない!」

 

 続いて女魔術師と大柄の重戦士まで出てきた。

 そしてそのまま逃げていく。

 …………は?

 

「み、みんな逃げて!」

 

 次に出てきたのはカスパーと他の戦闘組。

 カスパーは俺たち低レベル組の腕を引く。

 他の戦闘組は一目散に逃げていく。

 低レベル組の中にはまだ事態を飲み込めず、茫然としている奴も数人いた。

 そして。

 

「「「「ギギギギギギギ」」」」

 

 現れた。

 ボス部屋から。

 無数の赤い水晶人たちが。

 

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