レベルカンストした俺は2周目に突入する ~永続ボーナスや特典能力を貰ってレベル1からやり直していたら噂が広まりすぎて、周りが放っておいてくれないんだが~ 作:鏑木カヅキ
「ぐわあああああああああああッ!
狩り狂い……幾百、幾千……余を屠るとは……ッ!
幾星霜の時を超え、世界が終焉を迎えようと……決して、貴様のことは忘れぬ……。
次の……カンスト……でまた……相まみえようぞ……ッ!!」
「はあはあ、お、終わった……」
いつものゴルゴルの悲鳴と捨て台詞を聞きながら俺は肩で息をしていた。
ゴルゴルの粒子が俺の体に吸い込まれる。
俺はその場に座り込んだ。
「さ、さすがに疲れた……。
レベル上げが楽しすぎて、ずっと狩ってたからな……」
狩り中毒の俺でさえ、さすがに疲労を隠せない。
なんせ『カンスト5週目』だからだ。
しかも、今回の戦いで。
ギュワギギギィン。
お聞きの通り、カンストだ。
俺は嬉しさと疲労を噛みしめながら、その場に寝転がった。
「だはぁ!
も、もう限界だぁ!
一年くらい、ずっと狩り通しだったんじゃないか?」
懐中時計を見ると丁度一年経過している。
我ながらイカれてる。
ほぼ街に寄らず、黙々と狩り続けていたのだ。
「さて、お待ちかねのステータス確認っと!」
俺はワクワクしながらステータス画面を開く。
レベル:100
EXP:4201240/4201240
ステータス:HP 999
MP 321
STR 99
VIT 78
AGI 99+40
INT 48
MND 55
LUC 81
スキルポイント: 143
・全取得スキル
スキル :パリィ、瀕死回避、リゲイン、二刀流、道具使い・下級、錬金術・中級、インベントリ・小、投擲・中級
魔術 :火球・下級
聖術 :癒し・中級
カンスト限定スキル:経験値効率アップ・大中小、移動速度アップ・大中小、最大スタミナアップ・小中大、スキル効果アップ・小中
永続ボーナス:10(50)
カンストポイント:1030(1500)
「やっぱり、カンストポイントは周期ごとに100追加で加算されてるな。
今回は500ポイントか」
前回の4週目は400ポイント追加されたので全部残しておいた。
3週目は【最大スタミナアップ・小中大】【スキル効果アップ・小中】を取得し、残った130ポイントはそのままにしてある。
狩りや移動にスタミナは重要だし、スキル効果を上げればカンスト限定スキルにも影響があるかと思ったのだ。
実際、それは思った通りだった。
経験値効率アップや移動速度アップ、それに通常スキルのパリィも効果が上がった。
パリィは猶予時間が増えたし、成功後の相手の防御力が以前よりも下がったのだ。
おかげで狩り効率は滅茶苦茶上がった。
そうじゃなけりゃ、一年でカンスト3週もできない。
そして当然、永続ボーナスは全部AGI振りだ。
もうね、すごいから、俺の俊敏性。
残像出るからな。
ここまでは今までの振り返り。
本題はここからだ。
「来たぞ、ついに……ッ!
ファストトラベルが!」
念願のスキル!
オープンワールドゲームでは定番のシステム。
だが実際に使えればチート級のスキルとなる。
遠距離の移動が一瞬でできるスキルだ。
「と、取るぞ……!」
俺は震える手でファストトラベルを取得。
そして。
カンスト限定スキル:ファストトラベル、経験値効率アップ・大中小、移動速度アップ・大中小、最大スタミナアップ・小中大、スキル効果アップ・小中
「うおおおおおおおお!
ついに手に入ったぞ、ファストトラベルが!
た、試してみるか!」
ステータス画面を開き、『ファストトラベル』の文字をタップ。
するとランドマークの一覧が出てきた。
俺の村、白金都市プラチナム、エルフの隠れ里、腐海、竜丘陵、フラウの店、魔都ルーンデル、青毒沼の洞窟などなど。
今まで行ったことのあるダンジョンや村、街などが網羅されている。
信じられない。
いつもは徒歩や馬車で移動していたのに。
これからは一瞬で移動できるのか?
「い、いや待て、落ち着け!
じ、実際にやってみないと……!」
俺は震える手で白金都市プラチナムの文字をタップ。
と。
一瞬にして景色が変わり。
眼前には白く輝く都市が広がっていた。
ここは。
プラチナムの冒険者ギルドにある、やや閑散とした広場。
昼中は人が少ないため、人目がない場所。
そこに俺は一人で立っていた。
「い、移動した……ファストトラベルは……確かに機能した……。
やった……ついに俺は手に入れたんだ!
これからは移動に時間を取られることもないんだ!」
俺は思わず涙を流す。
感動していた。
ここまで何度も死にかけた。
狩りに慣れていても、俺は人間。
ミスをすることもある。
致命傷を何とか回避し、狩りを続け、そして今に至る。
大変だったんだ。
でも、俺はやり遂げた。
カンスト5週。
最高のスキルファストトラベルをゲット。
満足だ。
大満足と言っていい。
俺は深呼吸し、心臓の高鳴りを十分に噛みしめる。
この高揚は忘れない。
嬉しすぎて涙が止まらなかった。
エンディングを迎えたくらいの気分だ。
普通のプレイヤーなら燃え尽きて、隠遁生活でもするかと思うだろう。
だが。
「さて、感慨に耽るのはこれくらいにして、と。
次の狩りに出かけるか」
俺は意識を切り替えた。
狩りをして、レベルを上げなければ落ち着かないからな。
またいつもの日々に戻るのだ。
さあて。
次にカンストしたら何をしようかな。
今までは地に足着いたビルドだった。
だが、ここからは少し冒険してもいいかもしれない。
【飛翔】とか【幻影の刃】とか実は気になってる。
一つくらい取得してもいいかもな。
なんてことを考えながら。
俺はスキップして、広場を後にした。