現実を超えるエージェント   作:SEEDに出会えてよかった

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瞬光、マジでメインヒロインの素質しかない。
あとあのクソ剣は壊して良いよね?(カタちゃん片手に)

https://img.syosetu.org/img/user/v2/9769/471/256702.png
今回主人公が変身するオリジナルフォームの画像です。

そして、アンケートのご協力ありがとうございました。
投票の結果、70対16で、1の『主人公とキャラ達の出会いor過去をアッサリさせる代わりに、絡みを増やして投稿頻度を上げる」を採用する事となりました。
改めて、投票してくださった皆様、ありがとうございました。






あの日、少女は夢を見た。

 

 

 

ゼッツとして戦う青年、漠は今、知り合いに会いに雲嶽山を訪れていた。

 

「すいませーん。」

 

漠は自分が訪れた事を知らせる様に声を響かせる。

すると中から、1人の少女が現れる。

 

「あ!漠さん!」

 

大きくふわふわの尻尾に、栗色の長い髪を赤い飾り紐で結んでいる少女、雲嶽山の弟子にして、虚狩る戎具『青溟剣』の使い手、(よう) 瞬光(しゅんこう)である。

 

「漠さーん!」

 

瞬光は漠を見つけるや否や、飛んで抱きつく。

 

「ぎゅーっ…♪」

 

「ハハ、瞬光ちゃんは相変わらず元気だね。」

 

「だって、漠さんと会えたんだもん♪あったかい…」

 

瞬光は漠の胸元に顔を埋めて、暖かさと心地よさに目を細める。

するとそこに、メガネをかけた1人の男性が現れる。

 

「漠さん、どうも。」

 

「どうも、釈淵さん。ご無沙汰してます。」

 

現れたのは瞬光の兄、(よう) 釈淵(しゃくえん)だ、

 

「妹がすみません。」

 

「いえいえ。元気な姿を見れて嬉しいですよ。」

 

「もう!お兄ちゃん!今は私と漠さんが話してるんだから!」

 

「ああ、すまない、瞬光は本当に漠さんが好きだな。」

 

「ふぇっ…!?///す、すすす好きだなんて!そ、そそそんな!///」

 

「瞬光、大丈夫か?」

 

「あぅぅ…!///ば、漠さん…か、顔近いです…///」

 

「そ、そうか。悪い。」

 

「漠さん、少し瞬光から離れてあげてください。瞬光の心臓が保ちませんから…」

 

「は、はい。」

 

「きゅうぅぅ〜…//.」

 

瞬光は顔を真っ赤にして蹲る。

そこへ

 

「あっ!漠さん!」

 

「おお!福福さん!」

 

現れたのは、小柄で可愛らしい茶トラネk ゲフンゲフン!!

トラのシリオン、(ちー) 福福(ふーふー)

 

「お久しぶりです!漠さん!」

 

「福福さんも、お元気そうで何よりです。」

 

「私はいつでも元気ですよー!」

 

福福は自身が元気だとアピールする様に、シュッシュッとジャブをする。

 

「鍛錬は怠ってみたい無いですね。何よりです。そういえば潘さんは?」

 

「ちょうど食材の買い出しに行ってまして、今は留守にしています。」

 

「そうですか、挨拶したかったんですけど。」

 

釈然がそう答えると、漠は少し残念そうにしていた。

すると、そこはもう1人の人物が現れる。

 

「何やら騒がしいと思ったら、漠か。お前さんは突然現れるな。」

 

「あ、儀玄さん!」

 

現れたのは、白く長い頭髪を生やし、黄色いジャケットの様なものを羽織る様にして着ている中々に露出の多い格好の女性。

雲嶽山の宗主の妹、儀玄(いーしぇん)だ。

儀玄は徐に漠に歩み寄り、右腕に抱きつくようにして密着する。

 

「今日はどうしたんだ?」

 

「少し用事があって。」

 

「師匠!密着し過ぎです!」

 

「お前さんも人のことを言えないだろう、瞬光。」

 

瞬光の言葉に儀玄は言い返し、2人の間では火花がバチバチと散っている。

 

「あの…喧嘩するなら、俺から離れてやってくれません?」

 

「そうよ、2人とも。」

 

「くっ…姉様…」

 

そこに助け舟を出すように現れたのは、儀玄の姉で雲嶽山の宗主、儀降(いーしゃん)だ。

 

「漠が困ってるじゃない。早く離してあげなさい。」

 

「むぅ〜…」

 

「姉様に言われては…仕方ない。」

 

2人は不満そうにしながら渋々離れる。

 

「ごめんね、漠。この2人、本当にあなたに懐いているのよ。」

 

「いえ、別に気にしてませんから。」

 

「フフフ、あなたは本当に優しいわね。」

 

今ここで見せてこそ居ないが、儀降も儀玄同様に漠に惚れている。

その理由は、かつて彼女が青溟剣を使用した際に起こった一件にある。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

青溟剣は、その強力な力と引き換えに五感を、記憶を失ってしまう危険なものでもある。

儀降はかつてその代償により、妹である儀玄のことさえも忘れ去ってしまいそうになった。

そんな時だった。

 

「明日もいい夢、見れるようにしてあげるよ。」

 

ゼッツが現れたのは。

 

『アブソリュート!ライダー!』

『ゼッツ!ゼッツ!ゼッツ!ゼェーッツ!エクスドリーム!』

 

ゼッツは、もはや絶望していた2人の前に、明るく、温かい光を放ちながら現れた。

 

「誰だ…?」

 

儀玄は初めて見るゼッツに不安げに言う。

 

「俺はゼッツ。夢を叶える男だよ。だから、君の夢を叶えに来た。」

 

「私の夢…?」

 

「お姉さんを助けたいんでしょ?」

 

「そんな…できるわけが…」

 

「できる。」

 

ゼッツはそう言って、目が虚になり、感情さえ見て取れない儀降の頭にそっと手を置く。

 

「人を助ける為に戦う優しい人が傷つくなんて、そんな理不尽、俺がぶち壊してやる。」

 

すると儀降が光に包まれ、光が消えるとゼッツの姿は無く、儀降は前までと同じように目に光が宿り、儀玄のことも全て思い出した。

 

「儀…玄…?」

 

当の儀降さえも信じられないと言う表情で儀玄を見つめる。

 

「姉様…?私が、見えるのか…?」

 

「見える…見えるよ…儀玄…!」

 

「姉様ぁ…!姉様ぁぁ…!」

 

2人は嬉しさのあまり、涙を流して抱きしめ合う。

 

「けど儀玄…どうやって…」

 

「私じゃないんだ、今、誰かが…」

 

2人は辺りを見回すが、ゼッツはもはや影も形もなかった。

外に出て探しても、どこにも居なかった。

ゼッツは、2人を遠くから眺めていた。

 

「これからも、いい夢見られますように。」

 

2人が幸せを享受出来ることを祈りながら、ゼッツは夜闇に消えた。

 

その後、儀降と儀玄は弟子や街の人々から情報を集め、ゼッツの正体が漠であると言うことを突き止め、今では姉妹揃って漠に惚れている。

姉妹であるにも関わらず、2人は漠の事になると毎回バチバチになる。

 

 

 

 

 

「それで、用事っていうのは?」

 

「ああ、瞬光ちゃんに用事があって。」

 

「あっ!そうだった、私が呼んだんでしたね。」

 

「そう。なんか話があるんだって?」

 

「はい!ちょっと話したいことが。私の部屋に来てくれますか?」

 

「うん、わかった。じゃあ儀玄さん、儀降さん、また後で。」

 

漠は瞬光に手を引かれながら、瞬光の部屋へ向かう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「じゃあ漠さん、ここに座ってください!」

 

瞬光は自身のベッドをポンポンと叩く。

 

「はいよ。」

 

漠は言われた通り、瞬光のベッドに座る。

そして漠の隣に瞬光が座る。

 

「それで、話って?」

 

「その…漠さんについてというか…」

 

「俺について?」

 

「はい。言いたいことがあって…」

 

「何かな?」

 

「…昔、私を助けてくれましたよね。」

 

「っ!……よく覚えてるね。」

 

「当たり前ですよ。だって……」

 

「だって…?」

 

「だって…………や、やっぱりなんでもありません!!」

 

「そ、そっか。」

 

言えなかった。

瞬光は、どれだけ勇気を振り絞っても言えなかった。

 

『好きな人に助けてもらった記憶だから』と。

 

それは、瞬光がまだ青溟剣の使い手になり、その代償によって五感が少しずつ失われ始めた頃だった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「今度は、目が見えなくなってきたかな…」

 

その日の夜、瞬光は鏡の前で自身の顔を見ていた。

しかし、瞬光は自身の顔をよく見ることができなかった。

視界はボヤけ、メガネが曇った様な光景が見えていた。

 

「…耳も、聞こえない…」

 

自分以外の誰かの存在を感じることさえ困難になり、次第に瞬光は、今の自分を孤独と感じる様になった。

 

「寂しいよ…誰か…誰か、一緒にいて…」

 

誰でも良い。

彼女は、人の温もりを感じていたかった。

 

そして瞬光は、孤独と恐怖で溢れ出そうな涙を堪えながら、ベッドに横たわり、眠りについた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

瞬光は、夢を見た。

眩い人の形をした光の塊が自身の前に現れ、その光が自身の頭を手を置く。

すると、全身が暖かくなる感覚に襲われ、視界はハッキリとし、耳も聞こえ、五感が研ぎ澄まされる様な感覚を感じたのだ。

 

「あなたは…?」

 

瞬光が光の塊を見上げると、そこに居たのは、1人の人物。

ゼッツだった。

 

「俺は、君を助けに来た。そして、君の夢を叶えた。」

 

「私の夢…?」

 

「そう。君は優しい子だ。誰かを助ける為に、日々ずっと頑張っている。だけど、君を大切に思っている人たちは、君が傷ついてまで助けて欲しいなんて思っていないよ。」

 

「でも…私が頑張らないと…みんなが…」

 

ゼッツは、何も言わずに瞬光を抱きしめた。

 

「今だけは…君と俺しか居ない。だから、全部吐き出して良いんだ。」

 

「私…わた、し…」

 

「辛かったよね…疲れたよね…もう、終わりにしよう。」

 

「私…ぅぅ…私…ずっと…ずっと…寂しかったぁ…!怖かったぁぁ…!」

 

何も気にせずただひたすら泣きじゃくる瞬光を、ゼッツは優しく抱きしめる。

 

「ずっと…!誰にも言えなくて…弱音を吐いたらダメだって思ってたぁ…!苦しかったぁ…!辛かったぁぁ…!」

 

「大丈夫。俺がそばにいるから。」

 

瞬光は、涙が枯れるまで泣き続けた。

 

そして翌日。

 

「ん…んん…?」

 

瞬光は目を覚ました。

昨日のことは夢だった、そう思った。

ただ泣けただけでも良い。そう自分に言い聞かせ、鏡を見た。

その時、瞬光は自身の目を疑った。

 

鏡に映った自分の顔が、ハッキリ、鮮明に見えたのだ。

 

「見える…目が…」

 

次に、自身の手を叩いて音を鳴らした。

 

『パンッ!』

 

部屋中に響く音が、ハッキリ聞こえた。

 

夢じゃなかった。

あれは、本当だったんだと、疑念が確信に変わった。

ゼッツと出会ったあの夢は、ただの夢じゃ無かったのだと。

 

この一件以来、瞬光はゼッツに想いを寄せるようになった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「それで、ひとつ…漠さんにお返しがしたくて。」

 

「お返し?」

 

「はい。あの…目を、閉じてて貰えますか?」

 

「ああ、いいけど。」

 

漠は言われた通りに目を閉じる。

それを確認した瞬光は、何かを決心したように立ち上がり、漠の顔に自身の顔を近づける。

 

想い人の綺麗な顔を目の前にして、瞬光の心臓はドキッと跳ねる。

ゆっくりと、少しずつ顔を近づけ、2人の唇が重なろうとしたその時。

 

バンッ!と扉が開く。

 

入って来たのは福福だった。

 

「大変です2人とも!」

 

「ふ、福姐さん!?」

 

「何かあったんですか?」

 

「近くの家の子供たちが3人、ホロウに入ってしまったと連絡がありました!」

 

「今すぐ行きましょう。」

 

それを聞いた漠は、迷う事なく立ち上がる。

瞬光は不満そうにするも、そんな場合では無いとすぐに用意をする。

 

漠はゼッツのインパクトフォームに変身し、バイクに跨る。

 

「瞬光ちゃん、乗って。今すぐ迎えるのは俺たちだ。儀玄さん達が来る前に片付けよう。」

 

「はい!」

 

瞬光が後ろに乗ったのを確認すると、ゼッツはバイクを猛スピードで走らせる。

 

ホロウに突入すると、すぐに子供達の声が聞こえて来た。

 

「近いな。瞬光ちゃん、いつでも戦えるようにしておいてね。」

 

「は、はい!」

 

そして10数秒ほど走っていると、エーテリアスに襲われている子供達を発見した。

 

「居た!」

 

ゼッツはブレイカムゼッツァーを取り出し、バイクでエーテリアスの目の前を走り抜けると同時にエーテリアスを斬りつける。

 

「瞬光ちゃん、子供達を。俺はこいつらの相手をする。」

 

「でも、流石にこの数は…!」

 

エーテリアスは、もはや両手の指ですら数え切れないほど集まって来ていた。

 

「大丈夫。俺は絶対負けない。」

 

ゼッツがそう言った瞬間、一体のエーテリアスが襲いかかる。

 

「遅いッ!」

 

しかし、脳天から股にかけてゼッツは両断する。

それを機に、続々とエーテリアスが襲い来る。

 

「フッ!ハァッ!オラァッ!」

 

ゼッツは恐ろしいほどの速さでエーテリアスを斬り伏せていく。

 

(これが…ゼッツ…漠さんの実力…)

 

現在、虚狩りとして認められている瞬光。

その彼女でさえ、ゼッツの実力には遠く及ばない。

それほどこのゼッツという男は、常軌を逸した存在だったのだ。

 

エーテリアスを8分の1程度まで減らした時、突然新たなエーテリアスが現れる。

 

右腕が長細く変化しており、左腕は縦のようになっている。

エーテリアスの中でも厄介な部類に入る個体、デュラハンだ。

 

「めんどくさそうなのが来たな…瞬光ちゃん、これ使って。」

 

ゼッツはバリアカプセムを瞬光に投げ渡す。

 

「それでバリア張ってて。そっちまで気を配れるか分からないからさ。」

 

「はい!」

 

瞬光は言われた通り、カプセムでバリアを張り、子供達を守る。

 

デュラハンはゼッツを見るや否や大声を上げる。

 

『グァアアアアアアア!!』

 

「うるさっ…」

 

そしてすぐさま右腕でゼッツに斬りかかる。

 

「おっと!」

 

ゼッツはその一撃をブレイカムゼッツァーで受け止める。

 

「もやしみたいな腕の割に力は強いな。けど!」

 

ガラ空きになったデュラハンの腹部を、ゼッツは力を込めた足で蹴り飛ばす。

 

「剣と盾で攻防は完璧…だけど隙をつかれるのには弱いと。なるほどね。だったら、こいつで行くか。」

 

ゼッツは銀色のカプセムを取り出し、ドライバーにセットしてレバーを押す。

 

『イレイス』

 

『オ・オ・オンユアマーク オ・オ・オンユアマーク』

 

そしてゼッツはカプセムを回転させる。

 

『インヴォーク ライダーシステム イレイス』

 

インパクトとは違い、黒に加えてオレンジと銀色の姿へと変化する。

 

「さあ来い、もやし野郎。」

 

デュラハンは再び斬りかかり、ゼッツの居た場所に剣が突き刺さる。

しかし、ゼッツは姿を消していた。

 

「消えた…!?どこに行ったの…?」

 

デュラハンどころか、瞬光さえ見失っていた。

すると

 

『グガァッ!?』

 

突然デュラハンが殴られた様によろける。

デュラハンは訳もわからず右腕を振るうが、そこには誰も居ない。

 

デュラハンが戸惑いを隠さずに辺りを見回していると、今度は下顎をアッパーで殴り上げられた様に後ろに倒れる。

 

『ガルァッ!?』

 

デュラハンは驚きながらも起きあがろうとする。

しかし起き上がれず、それどころか何かに馬乗りになって殴られている様な反応をする。

 

「な、何が起きてるの…!?」

 

瞬光も何が起きているのか分からず、困惑する。

その時、デュラハンの腹部に姿を表した者がいた。

ゼッツだ。

 

「やっほーバカエーテリアス。」

 

イレイスカプセムの力で姿を透明にし、その隙に攻撃をしていたのだ。

おちょくられて激昂したデュラハンは力任せにゼッツを振り払う。

ゼッツはヒョイッと飛んで回避する。

 

「お前を怒らせるのには成功したみたいだな。じゃあ…そろそろケリをつけよう。」

 

ゼッツはカプセムを入れ替え、赤いカプセムをセットする。

 

『トランスフォーム』

 

そして素早くカプセムを回す。

 

『グッドモーニング!ライダー!ゼ・ゼ・ゼェーッツ!トランスフォーム!』

 

デュラハンは畳み掛ける様に右腕を振るって襲いかかる。

 

「よっ!ほっ!」

 

ゼッツは身軽に避ける。

 

「そこっ!」

 

デュラハンの右腕を蹴り飛ばし、側にあった金属の壁に突き刺した。

それによって、デュラハンは身動きを取れなくなる。

 

「オリャアァッ!」

 

動かせなくなった右腕を、ゼッツは踵落としをして折る。

その痛みで、デュラハンは吠える。

 

『グギャアァァァァァァァ!?』

 

狼狽える隙を見逃さず、ゼッツは両腕をグニャリとゴムの様に歪め、デュラハンに巻きつけて拘束する。

 

「スクラップにしてやる!!」

 

足に力を入れて高く飛び上がると、縦に回転してデュラハンを振り回す。

 

「オォォォォォォォォラァァッ!!」

 

目一杯の力を込めてデュラハンを地面に叩きつける。

全身を叩きつけられ、デュラハンはその場で事切れ、消滅する。

 

「ふぅ…瞬光ちゃん、出て来て良いよ。」

 

ゼッツにそう言われ、瞬光はバリアを消して出てくる。

すると、3人の子供たちが真っ先にゼッツに走っていく。

 

「すごーい!ゼッツだー!」

 

「かっこいいー!」

 

「もう一回透明になってー!」

 

「ちょ、ちょっと貴方たち、ゼッツさんを困らせたら…!」

 

「いいよ、別に。ほいっ。」

 

ゼッツはイレイスカプセムを回して姿を消す。

 

「わー!また消えたー!」

 

「すごいすごーい!」

 

そして姿を表すと、子供たちに目線を合わせる。

 

「怪我はない?」

 

「うん!」

 

「良かった。じゃあ、今から君たちを家に送るから、これに乗って。」

 

ゼッツはデュアルメアカプセムを取り出して展開すると、カプセムが巨大化し、人が乗れるほどの大きさになる。

バイクはワンダーカプセムで小さくし、懐にしまう。

 

「じゃあ行くよ。落ちないでね。」

 

ゼッツがそう言うと、カプセムは飛び、子供達の家へと向かった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

子供たちを送り届けた後、瞬光とゼッツは適当観へと戻って来ており、ゼッツは変身を解いていた。

 

「漠さん…今日は、すいません…何も出来なくて…」

 

「別に謝る事ないよ。俺が子供達を任せたんだから。」

 

「けど…私が何か出来ていたら、もっと早く済ませられたんじゃ…」

 

「はいはい、ネガティブな発言禁止だよ。」

 

「す、すいません…」

 

「ほら。これ食べて元気出しな。」

 

漠が取り出したのは、瞬光の好物である金木犀のケーキだった。

 

「あ、金木犀のケーキ!」

 

「久しぶりに一緒に食べよう。」

 

「はい!」

 

瞬光は好物を目にし、元気を取り戻した。

 

「じゃあ、あそこで食べましょう!」

 

「はいはい、いつものあそこね。」

 

漠は瞬光を抱き抱えると、飛び上がって適当観の建物の屋根に登った。

時刻は夕暮れで、とても綺麗に夕日が見えた。

 

「はい、瞬光ちゃんの分だよ。」

 

「ありがとうございます!」

 

「あむっ…うん、相変わらず美味いし良い香りだ。」

 

「はむっ…う〜ん…♪」

 

ケーキを口にして、瞬光はうっとりする。

 

「やっぱり、瞬光ちゃんには笑顔が似合うね。」

 

「漠さんが優しいから、自然と笑顔になるんですよ。」

 

「そうなの?」

 

「はい、そうですよ。」

 

「そっか…なら、良かった。」

 

「……その、漠さん。」

 

「ん?」

 

「漠さんは…好きな人とか、居るんですか?」

 

「うーん…俺は戦うのが常みたいな感じだから、今のところは居ないかな。瞬光ちゃんは?」

 

漠にそう聞かれると、瞬光は顔を赤くする。

 

「ふぇっ!?///わ、私は…私は、その…」

 

瞬光は口をパクパクと動かして何かを言おうとする。

すると、瞬光の髪が白くなる。

この姿は、いわゆる瞬光の別人格の白瞬光である。

 

「まーたお前か…白いの。」

 

「あら、私じゃ不満?」

 

「別に。」

 

「あ、好きな相手だったかしら?」

 

「ああ。瞬光ちゃんに聞いてたんだ。」

 

「なら、私が代わりに答えるわよ。」

 

「それ勝手に言っていいのか?」

 

「いいのよ。私も同じ相手が好きだから。」

 

「へぇ、誰なんだ?」

 

「貴方よ。」

 

「へぇ〜、俺が……………は?」

 

「だから、貴方が好きなの。私もこの子も。」

 

「じ、冗談だろ?」

 

「いいえ、本当よ。」

 

「マジか…」

 

「貴方が鈍感すぎるから、この子が中々伝えられなかったのよ。」

 

「そ、そうなのか…」

 

「じゃあ私、そろそろ戻るわね。」

 

「え!?お、おい!それ言うためだけに出て来たのかよ!?」

 

「そうよ。この子が余りに焦ったいから。それじゃあ、またね。私の愛しい王子様。」

 

すると瞬光の頭髪の色は、元の栗色に戻る。

 

「あれ?私…」

 

「お、おお瞬光。大丈夫か?」

 

「は、はい。私、今何を…」

 

「また白いのが出て来たんだ。」

 

「ま、また彼女が…もしかして、私の好きな相手を言ったりしてませんよね…?」

 

「あ……い、いや…その…」

 

一番聞かれたくないことを聞かれてしまい、漠は狼狽える。

 

「っ〜!?///」

 

それを察したのか、瞬光は自分のケーキを持って部屋に急いで戻った。

 

「行っちゃった…にしても…」

 

漠は、瞬光が自身に惚れているという事実を未だに信じられなかった。

 

「……年の差あり過ぎるだろ。」

 

などとアホを抜かしながら、漠は夕日を眺めていた。

 

 

 

 





今回はちょっと自信ないです。
出来る限り色んなカプセムを活躍させたいと思って、少し戦闘グダったかもです。
オボルス小隊はそろそろ描く予定なので、楽しみに待っててください。
そして、レミエールとのデート回も書く予定なので、そっちも楽しみにしててください。
感想お待ちしてます。
読んでくださってありがとうございました!

どの陣営との絡みが見たい?(推し陣営贔屓あり)

  • ヴィクトリア家政
  • オボルス小隊
  • 対ホロウ六課
  • 治安局
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