ゼンレスゾーンゼロ 流派東方不敗、再臨す   作:猫ロボF

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第二話 唸れ!横槍!

ホロウ内部。

 

崩壊した街並み。

 

その中心に、一人の鋼の戦士が立っていた。

 

白き装甲。

 

青き胴体。

 

赤き脚部。

 

黄金のV字アンテナ。

 

それは紛れもなく――。

 

シャイニングガンダム。

 

「……。」

 

ドモンは自分の両手を見つめる。

 

力を込める。

 

軽く拳を握る。

 

「まさか……。」

 

思わず呟く。

 

(この世界では、こういう形で現れるのか。)

 

前世では存在しなかった力。

 

しかし。

 

確かに感じる。

 

この身体は。

 

この力は。

 

間違いなくシャイニングガンダムだった。

 

「悪くない。」

 

ドモンは拳を構える。

 

その時。

 

「グオオオオオッ!!」

 

咆哮。

 

デュラハンが大剣を振り上げ、突進してくる。

 

「来るか。」

 

次の瞬間。

 

巨大な刃が振り下ろされた。

 

しかし――。

 

空を切る。

 

「……。」

 

デュラハンが動きを止める。

 

目の前から、シャイニングガンダムの姿が消えていた。

 

「速い……。」

 

エレンが呟く。

 

次の瞬間。

 

ドンッ!!

 

デュラハンの横腹へ拳が叩き込まれる。

 

巨体が大きく吹き飛ぶ。

 

「嘘……。」

 

カリンが呆然とする。

 

デュラハンはすぐに立ち上がる。

 

しかし。

 

その動きは先ほどとは違った。

 

シャイニングガンダムの前では、全てが遅い。

 

大剣。

 

突進。

 

薙ぎ払い。

 

どれも届かない。

 

まるで相手の動きを全て読んでいるかのように、ドモンは攻撃をかわしていく。

 

「これが……。」

 

ライカンは目を細める。

 

「彼の力ですか。」

 

シャイニングガンダムは拳を握る。

 

「まだだ。」

 

「こんなものではない。」

 

ドモンの中に、かつての感覚が蘇る。

 

戦うためではない。

 

守るための拳。

 

その時。

 

デュラハンが膝をついた。

 

身体には大きな損傷。

 

もう限界だった。

 

「終わりだ。」

 

ドモンは右手を構える。

 

「これで……!」

 

ガンダムのフェイスパーツが展開し、手に力が集まる。

 

「必殺ー!!」

 

しかし。

 

その瞬間。

 

ザシュッ!!

 

鋭い斬撃が走った。

 

デュラハンの身体が崩れ落ちる。

 

「……え?」

 

ドモンが振り返る。

 

そこには、大型のハサミを構えたエレンがいた。

 

「ごめん。」

 

エレンは淡々と言う。

 

「隙があったから。」

 

「……。」

 

ドモンは黙る。

 

「何?」

 

「いや……なんでもない。」

 

エレンは首を傾げる。

 

「変なの。」

 

 

その後。

 

残っていたエーテリアスを全て撃破したヴィクトリア家政とドモンは、安全を確保するため一度ホロウを離脱した。

 

外へ出た瞬間。

 

ドモンの身体を再び黄金の光が包む。

 

そして。

 

光が消えた時。

 

そこにいたのは、いつもの制服姿の少年だった。

 

「……。」

 

「さて。」

 

エレンが口を開く。

 

嫌な予感がした。

 

「説明して。」

 

「……。」

 

ドモンは目を逸らす。

 

「何を?」

 

「全部。」

 

エレンの赤い瞳がじっと見つめる。

 

「なんで普通の学生がホロウにいるの。」

 

「なんで素手でエーテリアス倒せるの。」

 

「なんで突然、人型の何かになるの。」

 

「説明、お願い。」

 

「……。」

 

ドモンは困った。

 

前世のこと。

 

転生したこと。

 

神のこと。

 

全て話すわけにはいかない。

 

そんな時。

 

「エレン。」

 

ライカンが静かに声をかけた。

 

エレンが振り向く。

 

ライカンはドモンへ向き直る。

 

「まず、自己紹介を。」

 

「我々はヴィクトリア家政。」

 

「家事代行を表の顔とする組織です。」

 

一礼する。

 

「そして今回。」

 

「従業員であるカリンがホロウ災害に巻き込まれたため、救出のため全員で向かいました。」

 

カリンが慌てて頭を下げる。

 

「す、すみません……。」

 

「カリン。」

 

ライカンは優しく言う。

 

「あなたの責任ではありません。」

 

そして。

 

視線をドモンへ向ける。

 

「その中で、あなたが現れた。」

 

「我々を助けてくださったことについては、心より感謝しています。」

 

「しかし……。」

 

ライカンの表情が少しだけ変わる。

 

「一般人であるあなたが、我々の裏の仕事を知ってしまった。」

 

「そして。」

 

「目の前で、あのような力を見せられた。」

 

静かな沈黙。

 

「残念ながら。」

 

「何も聞かず、何もなかったことにして帰っていただくわけにはいきません。」

 

ドモンは黙ってライカンを見る。

 

敵意はない。

 

しかし。

 

プロフェッショナルとしての責任がある。

 

「……なるほど。」

 

ドモンは小さく笑う。

 

「つまり。」

 

拳を握る。

 

「俺のことを知りたいというわけか。」

 

ライカンは頷く。

 

「ええ。」

 

「あなたが何者なのか。」

 

「そして――。」

 

「あの力が何なのか。」

 

ヴィクトリア家政とドモン。

 

奇妙な出会いは。

 

ここから始まるのだった。

 

 

 

ヴィクトリア家政に連れられてとある一室に案内される。

 

ドモンは椅子に座り、目の前の四人を見ていた。

 

エレン。

 

ライカン。

 

リナ。

 

カリン。

 

ヴィクトリア家政。

 

「……。」

 

沈黙。

 

最初に口を開いたのはライカンだった。

 

「改めて確認させていただきます。」

 

「あなたの名前は?」

 

「ドモン・カッシュ。」

 

即答。

 

「年齢は?」

 

「17歳。」

 

「職業は?」

 

「学生だ。」

 

ライカンは静かに頷く。

 

「では、なぜホロウ内部へ?」

 

「……。」

 

ドモンは少し黙る。

 

正直に言えば簡単だった。

 

エレンを追いかけた。

 

ただ、それだけ。

 

「エレンが入っていくのを見た。」

 

「だから追った。」

 

エレンが少し目を細める。

 

「……あたしを?」

 

「ああ。」

 

「なんで?」

 

ドモンは少し考える。

 

そして。

 

「友達だからだ。」

 

その一言。

 

エレンは一瞬だけ黙った。

 

「……。」

 

「……そ。」

 

そっけなく返す。

 

しかし。

 

その尻尾はわずかに揺れていた。

 

それを見逃さなかったリナが微笑む。

 

「ふふ。」

 

「エレンさん、嬉しそうですね。」

 

「違う。」

 

即答。

 

「全然違う。」

 

「そうですか。」

 

リナは優しく笑う。

 

エレンは顔を逸らした。

 

「では。」

 

ライカンが続ける。

 

「次の質問です。」

 

「あなたの力について。」

 

空気が変わる。

 

「シャイニングガンダム。」

 

その名前を聞いた瞬間。

 

ドモンの表情が僅かに変わる。

 

「……知っているのか。」

 

「いいえ。」

 

ライカンは首を振る。

 

「ですが、あなた自身がそう呼んでいました。」

 

「あれは一体何なのですか?」

 

「機械なのか。」

 

「能力なのか。」

 

「それとも……。」

 

一拍置く。

 

「あなた自身なのか。」

 

ドモンは拳を見る。

 

そして。

 

ゆっくり答えた。

 

「俺自身だ。」

 

「……。」

 

「シャイニングガンダムは、俺の力だ。」

 

嘘ではない。

 

全てを話してはいない。

 

だが、嘘でもない。

 

「俺は昔から拳を鍛えてきた。」

 

「守るための力を得るために。」

 

ライカンは黙って聞いている。

 

「ホロウが危険なら戦う。」

 

「目の前で誰かが傷つくなら助ける。」

 

「それだけだ。」

 

しばらくの沈黙。

 

やがて。

 

「……なるほど。」

 

ライカンが口を開く。

 

「少なくとも。」

 

「あなたが我々の敵ではないことは理解しました。」

 

カリンがほっと息を吐く。

 

「よ、よかったです……。」

 

「でも。」

 

エレンが口を挟む。

 

「まだ謎だらけ。」

 

「普通の学生じゃない。」

 

「絶対。」

 

「……。」

 

ドモンは目を逸らす。

 

図星だった。

 

「それに。」

 

エレンは続ける。

 

「あたしのクラスで。」

 

「いつも無表情で。」

 

「授業中も寝てて。」

 

「昼飯買う時だけ異常に速い奴が。」

 

「ホロウで化け物倒すとか。」

 

「意味わかんない。」

 

「……。」

 

ドモンは返す言葉がなかった。

 

 

「その後。」

 

ライカンは静かに告げた。

 

「ヴィクトリア家政として、あなたに提案があります。」

 

「提案?」

 

ドモンは眉を上げる。

 

「はい。」

 

ライカンは一礼する。

 

「あなたは我々の秘密を知ってしまいました。」

 

「しかし。」

 

「あなたを拘束する理由もありません。」

 

「……。」

 

ドモンは黙って聞く。

 

「それに。」

 

ライカンは続ける。

 

「あの力。」

 

「シャイニングガンダムと呼ばれるもの。」

 

「それは、この街にとって大きな意味を持つ可能性があります。」

 

エレンが口を挟む。

 

「つまり?」

 

「監視するより。」

 

ライカンはドモンを見る。

 

「協力関係を結ぶ方が合理的だということです。」

 

ドモンは少し考える。

 

「俺に協力してほしいということか。」

 

「ええ。」

 

「ただし。」

 

ライカンの目が鋭くなる。

 

「条件があります。」

 

「条件?」

 

「単独で危険区域へ向かわないこと。」

 

「そして。」

 

一拍置く。

 

「無理をしないことです。」

 

ドモンは少し苦笑する。

 

「最後が一番難しそうだな。」

 

エレンが小さく呟く。

 

「分かってるじゃん。」

 

「……。」

 

「絶対、無茶するタイプ。」

 

否定できなかった。

 

「だが。」

 

ドモンは拳を握る。

 

「一つだけ約束できない。」

 

「……。」

 

ライカンが見る。

 

「もし目の前で誰かが危険になったら。」

 

「俺は助ける。」

 

「それだけは変えられない。」

 

静かな声。

 

しかし。

 

そこには迷いがなかった。

 

ライカンはしばらくドモンを見る。

 

そして。

 

「……分かりました。」

 

「あなたらしい答えです。」

 

リナが微笑む。

 

「優しい方なのですね。」

 

「そんなことはない。」

 

ドモンは首を振る。

 

「ただ。」

 

「後悔したくないだけだ。」

 

その言葉に。

 

ライカンはわずかに目を細めた。

 

まるで。

 

過去に同じ覚悟を持った人物を見たかのように。

 

「では。」

 

ライカンは手を差し出す。

 

「改めまして。」

 

「ヴィクトリア家政と、協力関係を。」

 

ドモンはその手を見る。

 

そして。

 

握り返した。

 

「よろしく頼む。」

 

 

数日後。

 

新エリー都。

 

学校。

 

「……。」

 

教室。

 

ドモンはいつも通り、自分の席に座っていた。

 

周囲から見れば。

 

ただの学生。

 

無口で。

 

少し近寄りがたくて。

 

いつも難しい顔をしている少年。

 

しかし。

 

隣の席には。

 

彼の秘密を知る少女がいる。

 

「ねぇ。」

 

エレンが机に頬杖をつく。

 

「ドモン。」

 

「なんだ。」

 

「本当に普通の学生?」

 

「そうだ。」

 

即答。

 

あまりにも迷いのない返事。

 

エレンは数秒黙る。

 

「……。」

 

「普通の学生は。」

 

「ホロウでロボットになる?」

 

「……。」

 

ドモンは視線を逸らした。

 

「事情がある。」

 

「便利な言葉。」

 

エレンはため息をつく。

 

だが。

 

以前とは少し違っていた。

 

そこにあるのは警戒ではない。

 

興味。

 

そして。

 

少しだけの信頼。

 

「まあ。」

 

エレンはいつものように棒付きキャンディーを口に咥える。

 

「……あの時は。」

 

「助けてくれて、ありがと。」

 

小さな声。

 

いつもの気だるげな態度とは違う。

 

素直な感謝。

 

ドモンはそれを聞き逃さなかった。

 

「礼ならいらない。」

 

「俺は当然のことをしただけだ。」

 

「……。」

 

エレンは少しだけ目を細める。

 

「そういうところ。」

 

「ほんと変。」

 

「?」

 

ドモンは首を傾げる。

 

その反応に。

 

エレンは小さく笑った。

 

少しの沈黙。

 

そして。

 

ドモンはエレンを見る。

 

「……だが。」

 

「ん?」

 

エレンが顔を向ける。

 

ドモンは真剣な表情のまま言った。

 

「普通の学生は。」

 

「メイド服を着て、ホロウの中で戦わないと思うが。」

 

「……。」

 

エレンの動きが止まる。

 

数秒。

 

沈黙。

 

「……。」

 

「それ、今言う?」

 

「事実だろう。」

 

「いや。」

 

「まあ……事実だけど。」

 

エレンは視線を逸らす。

 

「……。」

 

そして小さく呟いた。

 

「ドモンにだけは言われたくない。」

 

「なぜだ。」

 

「自覚ないんだ。」

 

「何のだ。」

 

エレンは呆れたように息を吐く。

 

「互いに普通ではない、ということか。」

 

「そういうこと。」

 

エレンは肩をすくめる。

 

そして。

 

小さく笑った。

 

その表情は。

 

ホロウで戦っていた時の冷たいエージェントの顔ではなく。

 

ただの同級生の少女のものだった。

 




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みなさんお待ちかね!
ゲームセンターの格ゲーで連勝していたドモン!
ドモンに戦いを挑むため、大勢の挑戦者が集まります!
しかし!そこで出会ったお調子者の翼のシリオンによって、ドモンはとんでもないピンチに巻き込まれてしまうのです!
次回、ゼンレスゾーンゼロ 流派東方不敗、再臨す「倒せ!GOD FINGER」に、レディィィ、ゴォォォ!!
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