でもウツボ系統やらカエルアンコウやらフグ系統が少ない……というか前二つに関しては出てすらいないし!!
ということで書きました。ちなみに漫画は全巻あるぜ!
時系列的には二話と三話の中間あたりからスタート!
私の町は人魚の受け入れが盛んだ。
たくさんの人魚が人間に混じって暮らしている。
一口に人魚と言っても、種類は様々。
魚にも数え切れないほどの種がいるように人魚もまた、そうなのである。
普段の姿は人間とそう変わらないけど。
そんな人魚達が好きな私、若狭乙見は歩いているだけでも何か楽しいのである。
今日も学校に通うべくいつもの通りを歩いていた時。
「うりゃ〜〜!あははっ!可愛いなぁお前〜!」
そんな声が曲がり角から聞こえてきた。
近所でも学校でもあまり聞き馴染みのない声だったので、こっそりとその角を覗いてみる。すると……
「お〜?君も撫でて欲しいのかにゃ〜?よ〜しよしよしよしよし!」
沢山の猫たちに囲まれている同年代くらいの女の子がいた。
でも耳の辺りに手?の様な鰭らしきものが見えたのでこの子は人魚で確定だろう!
でも不思議だ、普通は人魚達にとって猫は苦手な部類なのか良く(某深海魚も含めて)壁に追い詰められているのをよく見るのだが……
なんか積極的に撫でてるし!
全然怖がってない!でもなんか新鮮でいいな……!
「……およっ?そこにいるのは誰だい?」
どうやら集中し過ぎて覗き見ているのがバレてしまったようだ。
仕方なく私は姿を表した。
「いや〜…猫が怖くないのかな〜って思っちゃってつい…」
「あははっ!確かに僕は他の人魚達とは少し変わってるからかも…ねっと!」
立ち上がり膝を少し手で払いながら目の前の彼女は笑顔を浮かべた。
「最近この辺りに引っ越してきてね、宜しく頼む」
「うん!こちらこそ!」
「……ところで、君は学校は大丈夫かい?今はもういい時間だぞ?」
慌ててスマホを確認すると、あとちょっとで遅刻確定の時間帯だったことに気づく。
あっこれ普通にやばい!!
「仕方ないなぁ……ほれ、こっち来るがいい」
焦りつつも手招きする彼女に近づいてみる。
すると…
「そぉら!」
いきなり私をお姫様抱っこし始めた!
「えっ!?ふえぇっ!?」
「長話しちゃったからその分取り返さなきゃだろう?大丈夫!さっき手はウエットティッシュで拭いたから汚くは無い!多分」
「そ、そういう問題じゃなくて「そんじゃあ道案内頼むぞ〜!」えぇ〜っ!?」
私は人魚に抱えられているという事実に内心興奮しながら、あるがままになって学校まで運ばれていった。
ちなみにちゃんと遅刻にはならずに済んでほっとしたのは内緒だ。
───翌日
賑やかな教室で昨日の事を思い出していると、
「よーしおまえら席に着けー」
担任が席に着くように言ってきた。
「今日は転校生を紹介するぞ。【
そう言うと教室の前の扉が勢いよく開かれた。
「やぁ諸君!僕はイザリウオもといカエルアンコウの人魚である【
そう、自信満々に自己紹介を終えた。
(……若狭が昨日言ってた人ってあの人?)
(うん、そうだよー!)
隣の席の友達、アンコがそう尋ねてきたので私はなんか不思議と嬉しくなった。
「だ、そうだ、仲良くしてやってくれ。……そういえばあともう一人いるはずなんだが……」
「む?そのもう1人の転校生とやらは僕は見かけてないぞ?強いて言うならボコボコにされた不良の山くらいし「……遅れました」」
その声と共に現れたのは、濃い黄色交じりの黒髪を耳まで覆うウルフカットにして、今にも誰かを食いちぎらんとする鋭いツリ目をした、マスクをした身長の高い女子生徒だった。
あとそれよりなにより
((((なんか制服血だらけじゃね!?!?))))
白いワイシャツにかなりの量の血が付いていた。
「あーー……【
(((((いや問題しかねぇよ!?!?)))))
(なんか…すごい人が入ってきたね)
(……うん)
「ねぇねぇ躄ちゃん!ヒレだけで四足歩行できるって本当!?」
「うむ!ちなみに懸垂も出来るし腕立て伏せも逆立ちもできるぞ!だが代わりに泳ぐのが苦手でな…悲しいかな、ただ沈むことしか出来んのだよ」
「えっ!?意外!人魚なのに?」
「そう!人魚なのにだ!ちなみにカエルアンコウというのは、昔は陸上で犬のように散歩できると思われていたらしいぞ?」
「へぇ〜面白いー!」
クラスのみんなが集まり、次々と質問を投げかけていく。
躄はそれにユーモアを含みながら返す、を繰り返していた。
一方、スプラッターな登場をした靭はというと……
「…靭さん、めっちゃ寝てるね」
「あまり近寄らない方がいいな、触らぬ神に祟りなしだ」
「でも寝顔綺麗だなぁ……読モやっててもおかしくないよこの顔は」
机に突っ伏し、スヤスヤと寝息を立てていた。
そんな対極とも呼べるそんな状況の中
「へぇ、面白いわね貴方!」
どこか高圧的な声が教室内に響いた。
「私達のクラスにようこそ!転校生さん!私は
「案の定、鈴木が絡みに行ったな…」「なんつー高圧的な態度だ…!これもベタの習性なのか!?」
「ふむ、別に君と僕はおそらく歳も同じだろう?……もしかして、その真っ赤なヒレと髪と同じく頭も真っ赤なのかい?今すぐ頭をキンキンに冷やしてくることを勧めるよ」
「なっなんですって…!?」
その言葉に闘魚はワナワナと震えた。
闘魚は激怒した、必ずこの転校生に痛い目を見せてやると決心した。
彼女は自分が舐められているということについては人一倍に敏感である。
そして彼女は真っ赤なその胸鰭を全開に広げ始めた。
「!!み、見ろ!鈴木のフレアリング*1だ!意地でも上下関係をはっきりさせるつもりだ!!」
躄はそれを見て若干怯むが、なにか秘策があるのかのように静かに笑い始めた。
「見せてあげよう、躄魚の名の由来を!!」
すると折りたたんでいた1本の前髪がピョコンと立ち上った。その髪の先端にはなにやらヒラヒラとした物体が付いている。
「これが躄魚のアイデンティティ!
そう言い放つと、躄はそれをユラユラと、クルクルとまるで誘うかのように闘魚の目の前で動かし続ける。
すると、だんだんと表情はとろんと魅了されたようになり、先程まで広げていた胸鰭がどんどん萎んでゆく。
そして───
「おっ…と、うん。まぁ、こんなもんかな」
先程とは打って変わって、胸鰭をパタパタと懐いた犬のように動かし、躄へと闘魚はギュッ…っと抱き着いた。
「す、すげぇ……あの鈴木を…!」
「完全に釣り上げやがった!」
……その様子を見ていたある2人はというと、
「凄かったね!もしかしてあんな風にアンコも出来るの!?」
「い、いや…あんなに上手には…って何言わせんの!」
興奮する若狭と、なんかチョウチンアンコウの人魚として、少し負けた気がする【堤 鮟子】がいた。
(……というかあの疑似餌のしまい方いいなぁ…後で聞きに行こう)
そう思いながら、鮟子は恨めしく目の前に揺れている黄色に光った自身の
そして昼休み。
ひとりで、ある手帳を眺めていた躄に声がかけられた。
「躄さん躄さん!」
「おや、君は昨日の…」
「若狭乙見だよ!私達と一緒にお昼食べない?」
「あっ、堤鮟子です。……ちょっとアドバイスが欲しくて」
すると堤を見た瞬間、躄の表情がハッとなった。
「その誘引突起……君、もしかしてチョウチンアンコウの人魚だね?」
「うん、もちろんそうだけど」
「なるほど、君の欲しいアドバイスが何となくわかった気がするよ」
躄は左手に顎を乗せ、右人差し指で堤を指さした。
「ズバリ、『この誘引突起、目の前にあると不便で仕方ない!良いしまい方を教えてくれ!』だろう?」
「えっ!?そう思ってたのアンコ!?」
「……実は、うん」
その反応に躄は面白そうに笑った。
「まぁ僕もこいつには苦労したからねぇ……何度、ある元同級生に齧られかけたことか」
「け、結構大変なんだね」
「ちなみに私は髪の中に入れ込んで外から見えないようにしているぞ。ほれ、こんな風にな」
そう言いながら髪を少し掻き分けると、そこには先程のエスカがきっちりと収納されていた。
「そういえばさっき見てた手帳って何だったの?」
「おっ、見てみるかい?ほれ」
そう言って渡された一冊の手帳を開いてみると……
「【疑似餌でのより良い誘い方】……?」
「うむ、僕にとって
「……凄い(
鮟子はちょっとだけ、自分が恥ずかしくなった。
「まぁこれから宜しく頼むよ、若狭君に堤君。堤君とは同じアンコウ属として、若狭君とは……僕の初めてのお姫様抱っこ相手として」
「……えっ?」
「えっ!?」
「「「「えーーーっ!?!?」」」」
「ちょ、ちょっと何言ってんの!?」
「おや、若狭君にとっては初めてじゃなかったかい?「いや初めてだったけど…!そうじゃなくて!」」
「おい若狭ぁ!その話を詳しく説明しろ!」
「羨ましいぞ若狭ぁ!」
そうしてクラスは再び賑やかになっていくのだった。
カエルアンコウの人魚、【躄カワズ】はボクっ娘です。
髪の毛は少し長めで1つ結びにしています。
ダウナー系っぽいですが結構おもしろ系でもあります。
噂によると環境によって髪の毛も胸鰭も尾鰭も変化するらしい…
靭に関してはまた次回!