数日後、店主は店の中で1人の時間を過ごしていた
「…今日も客は無し、か…」
店主が店を閉める準備をしている時…
ガラガラッ!
「おじさん!来たよー!」
「おい!…今日もきました」
「…おう、来たか」
あの日から子供たちは、閉店時間ごろに毎日来るようになった。
その度に店主は飯を作り、子供達に振る舞い、残りをタッパーに入れて持たせ、見送った。
「…んで、どうだった」
「「美味しかった(です)!」」
「…そういうことじゃないんだが…はぁ、まぁいい。手ぇ洗って待ってろ、今作る」
「「はーい!!」」
そう言って子供たちは洗面台に向かった。最初は洗面台の使い方を知らなかった子供たちは、店主に教えてもらって今は清潔な手でご飯を食べるようになった
俺は厨房に入り、エプロンを着た
「…さて、今日は…」
ガラガラッ
「…ん?」
再び店の中に鳴り響いた後に疑問に思い、店主は厨房から出た。すると…
「…いた!」
店の中に一人の少女が入ってきた
少女は手を拭いている子供たちを見て2人に抱きついた
「…おねーちゃん?」
「全く、し、心配させて…!さ、帰るよ!ここに住んでる人に気づかれる前に…」
「…なんだ、そいつらの姉か?」
「…っ!?」
少女が店主を見た。少女は店主を見るととても怯えた表情をしながらも、背後にいる子供達を庇うように前に出た
「っ…ご、ごめんなさい!わ、私のことは好きにしていいから…どうか、どうかこの子達は!」
少女は店主に向かって頭を下げた
「…はぁ。前にも見たぞこの展開…」
そう言って店主は子供達を見ると、子供たちは困惑しているようだった。
「…」
店主が少女を観察すると、とても痩せこけていると感じた。最近ここに食べにきている子供達の方がようやく少し健康的な体になってきたのに対し、体はボロボロで手足なんて今にも折れそうだと感じるほどだった
「…はぁ。おいお前ら、とりあえずそいつを洗面台に連れてって手を洗わせろ。その間に俺は飯作っちまうから、手を洗ったら大人しく座ってろよ」
店主はそう言って厨房に入った。厨房の外では、困惑しながらも子供達に洗面台に連れて行かれる少女の声が聞こえた
「…さて、何を作るか。…まぁ、夕飯だがあれ作るか。材料は確か…」
〜〜〜
「…」
「お腹減ったね〜」
「うん!」
(…どうして、こうなったんだろう…?)
遠野ハンナは困惑していた。妹たちの後をつけて、妹たちが躊躇なくこのお店に入ったことについてはかなり肝を冷やした。だからすぐに何かする前に連れ戻そうとしたのだが…
(…どうして、ご飯をいただくことに…?)
ハンナは食事を、『生きるために必要最低限の行為』としか認識していなかった。家では主な食事は妹たちに分けてあげて、そろそろ限界と感じた時に口にするようにしていたのだ
(…何が出てくるかわからない、本当におかしいやつだったらすぐに逃げなきゃ!)
私がそう考えていつでも逃げ出せるようにしていると、店の奥からここの店主であろう男がトレイを持って出てきた
「…できたぞ」
その店主は、トレイに乗せたものを私たちの前に置いた
「…こ、これは?」
私は差し出されたものを見て目を白黒させた。蒸気だ、差し出されたものから蒸気が出ている。しかも出されたのは白い粒々がやけにくっついている何かだ。なんだこれは?
「…ほれ」
いつのまにか、また男がトレイを持ってやってきた。それからも蒸気が出ていて、茶色い飲み物ということがわかる。そして茶色という飲み物は、水が腐敗して変色してしまっているのではないかと思ったが、何かわからないがとても深みのある香りが鼻腔をくすぐる
「おじさん!これって何?」
「…白飯と味噌汁だ。味噌汁の具材は、なめこと豆腐を入れている。熱いから火傷するなよ」
「はーい!」
「「いただきまーす!」」
「ちょっ、ちょっと!?」
妹たちは味噌汁という飲み物に口をつけた。私は背筋が凍り、すぐに吐き出させようとするが…
「…おいしー!何これ!?」
「中に入ってる食べ物も美味しい…!」
「…え?」
私は目の前の光景を見て呆然した。妹たちが幸せそうに差し出されたものを食べていたからだ
「…ど、どういう…?」
「ほれ、お前も食べちまえ」
そう言って私の隣に、店主の男が白米と味噌汁を持って座ってきた
「…そ、その…」
「いただきます…ズズズ」
店主も味噌汁を飲み、白米を食べ始めた
「…まぁ、こんなもんか。ん?どうしたそんなにこっち見て」
「い、いや…その、これって…なんですか?」
「ああ、白米と味噌汁だ。食ってみ、美味いぞ」
そう言って店主はそのまま食べ進めた
「…じゃ、じゃあ…」
私は味噌汁から飲もうとした
「あー!おねーちゃんだめだよ!食べる前にはいただきますって言わないと!」
「え、ええ?」
「ほら、そうこーやって手を合わせて…いただきます!」
「い、いただきます」
私は俺妹たちの通りに手を合わして言い、今度こそ味噌汁を飲もうとした
「…あちゅっ!」
「さっきも言ったと思うが、熱いから下手すると火傷するぞ」
(聞いてたから…!)
私は店主の言葉を耳に挟んで、改めて味噌汁を口に含んだ
「…!!」
私は目を見開いた。口の中に広がる深みのある味、これまでに感じたことのない味だ。辛いとか苦いとかそんな味ではない。何かわからないが、とにかく飲み続けたいと思った
「…ゴクゴクゴク…あっ」
私は気がつくと、お椀に入っていた味噌汁がなくなっていた
「…もう、終わり…?」
「ん、なくなったか。お椀よこせ」
「は、はい」
私は店主にお椀を渡すと、店主は店の奥に言ってすぐに戻ってきた
「…ほれ」
「あ、ありがとう…」
私は店主からお椀を受け取った。中には味噌汁がまた入っていた
「おじさーん!僕もちょうだい!」
「わたしもー!」
「ちょっ、あなた達…!?」
「はいはい。お前らもお椀よこせ」
「「はーい!」」
妹たちは店主にお椀を渡して、店主は再度店の奥に向かい、すぐに戻ってきて、お椀を妹たちに渡した
(・・・なんなの、これは・・・)
私はため息をついて、味噌汁を口につけた
「ズズズ…はぁ」
「あー、おねーちゃん。すごい美味しそうに食べてるー!」
「ほんとだー!」
「う、うるさーい!早く食べちゃいなさい!」
「おかわりもあるからな」
「あなたはっ…あーもう!」
〜〜〜
日も落ちかけてそろそろ夜になろうとする時間、少女たちは店の入り口に出ていた
「…きょ、今日は…その、ありがとう…」
「「ごちそうさまでした!!」」
「おう、お粗末さまでした」
「「おじさん!また明日ね!」」
「ちょっ!?」
「おう、また食いに来い」
「「はーい!!」」
そう言って兄妹はそのまま
「ちょっ、あなたたちねぇ…!」
少女も兄妹のあとを追おうとした
「…あ、そういえば…」
「「??」」
店主の言葉に、3人は振り向いた
「…な、なに?」
「いや、お前達の名前を聞いてなかったなと思ってな…」
「…その、よく身元不明の人にやさしくできたわね…」
「ま、困ったときはっていうからな」
店主は少女に目線を合わせた
「…!」
「お前さん、名前は?」
「…ハンナ」
「そうか、苗字は?」
「…」
「とおのだよ!」
「ちょっとあなたたち!?」
「遠いに野原の野って書くんだー!」
「ちょっとぉ!?」
「なるほど、遠野か…」
「っ、そ、そうよ!それがなんだって…」
「俺は『
「…はぁ?」
店主の言葉に、少女…ハンナが素っ頓狂な声を上げた
「…どうした?」
「い、いやいやいや…」
「ねぇおねーちゃんそろそろかえろー?」
「もう暗くなるよー?」
「あ、あーっもう!かえるよ!」
「「はーい!!」」
「気をつけろよ」
「言われるまでもないわ!」
そう言って遠野一家は帰っていった
「…なんだか、愉快な奴だったな…」
そうつぶやいて店主は店の中に戻っていった
時系列
原作前(ハンナ原罪後)→原作→原作後
↑
今ここ
というわけでどうも、しがなくないです。
最近小説書くモチベが…モチベが…
モチベドコ…ドコ…?
ハンナの原罪で妹が無くなったとしても、まだ下の子がいると思うんですよ。
というわけで本作では弟と妹の2人を生やしました。言ったもん勝ちだよこの世は…
本話書きながら思ったのは、ハンナのお嬢様口調はいつごろから始まったんですかね?牢屋敷に入る前に少しかじってそうなんですよね…
さて、いつ牢屋敷にぶち込むかな…思案中です
というわけで、それでは