「《ヴェドローク・ドラゴン》は私の裏のバインド4枚につき、自身のパワー+10000できる永続効果を持ちます。私の裏のバインドは8枚あるので、合計でパワー30000。そのヴェドロークをブースト、グリヴァルディでヴァンガードに攻撃」
(パワー65000/★)
(……仕方ない。ここは、止むを得ない!)
「《水界の精霊王 イドスファロ》でガード!」
(手札10→9)(ドロップ7→8)
「ターンエンド。その際、グリヴァルディは自身の効果で場に出た時、盤面には残らず山札の下に戻ります」
……ここで、
デッキの中に1枚しか入れられないそのカードは、ドライブチェックやダメージチェックで捲れると規格外の出力で攻撃先に牙を剥いたり、相手の攻撃を紙一重で凌ぐ事が可能だが、手札から普通にガード値として出せば他よりシールド数値が大幅に高いだけでしか無い。
恐らくさっきのドロートリガーで引いた線が濃厚だろうが、これではみすみす相手に自分は無防備だと弱点を晒しているに過ぎない。
「……強いね、莉々。本当に始めて一年目なんだっけ」
「はい。兄様からお話は伺っていたのですが、私自身のデッキを持っておらず……それならばと兄様からお譲り頂いたのがこのデッキなんです」
「なるほどね。にしてはさっきの火力、俺と始めた時期が然程変わらないと聞いたつもりだったんだけど?」
勇から莉々へ問い掛けられた内容に、愛音とそよは無言で首を縦に振って同意の旨を示していた。……まあ、あんな動きを始めて間も無い人がやればビックリはするだろうけど、そこまで驚く物なのかな。
「じゃあ、俺もそれなりのお返しをしなきゃね。このままやられっぱなしってのは性に合わないし」
「……っ、はい!」
「行くよ、俺のターン」
(手札9→10→9)(エネルギー0→3)
(ソウル1→2)
「これが、勇さんの……」
「決意の翼と断罪の翼。その双つが重なり合い、奇跡の加護を受けて顕現した特異なる存在。無の申し子を相手に、どう立ち向かう」
「このユニットはアモルタかオディウムを含むグレード3からのみライドができ、それらからノーマルライドしてもペルソナライドとして扱う事が可能になる。ペルソナライドボーナスに因り、前列全てのパワー+10000、1枚ドロー。そしてリィエル﹦アニムスの登場時の効果が発動。ソウルかドロップのアモルタかオディウムを含むグレード3を1枚選び、このファイト中、このユニットはその選ばれたカードと同じ名前と効果を得る事ができる」
(手札9→10)
……今の時点でソウルかドロップにあるのは、先程までヴァンガードとして存在していた《時の運命者 リィエル﹦アモルタ》。となると当然。
「俺はソウルにあるリィエル﹦アモルタを選択し、そのカードの名前と効果を得る。その後山札の上から5枚を見て、その中から1枚を選んで、バインドゾーンに置くか
【山札の上から5枚】
《パラディウムジール・ドラゴン》
《しゔぁるみゃー》
《シーケンス・ウィザード》
《悠音の運び手 アラウヌス》
《決意と罪を抱く者 リィエル﹦アニムス》
「《シーケンス・ウィザード》を公開して、残りを山札に戻してシャッフル。その後公開したカードをバインドゾーンに置き、バインドゾーンから1枚をドロップに置く。俺が置くのは《星海より手繰る星霧騎士の道》」
(ドロップ8→9)(バインド4→5→4(RB2))
……上出来だ、このデッキの性質をよく活かしてる。
「続けてドロップより《星海より手繰る星霧騎士の道》を使用。ドロップのこのカードをバインドして、山札の上から7枚を確認。その中にあるヴァンガードのグレード以下のユニットを1枚選び、リアガードとしてコールする。……チェック」
(ドロップ9→8)(バインド4→5(RB2))
【山札の上から7枚】
《決意と罪を抱く者 リィエル﹦アニムス》
《ぐらがおん》
《刻天想命 ウルト&ルエル》
《シーケンス・ウィザード》
《明刃の騎士 レリジアル》
《ブレードフェザー・ドラゴン》
《悠音の運び手 アラウヌス》
「《シーケンス・ウィザード》を公開して、残りを山札に戻してシャッフル。その後公開したシーケンスをリアガードとしてコール。そのままスキルを使用。CB1をコストに支払う事で、山札の上から5枚を見て、グレード3以下のユニットカードを1枚選び、リアガードとしてコールする。……チェック」
【山札の上から5枚】
《ぐらがおん》
《悠弓の騎士 アルモーヴ》
《刻天想命 ウルト&ルエル》
《加護の魔法 プロロビ》
《悠音の運び手 アラウヌス》
「《ぐらがおん》を公開して、残りを山札に戻してシャッフル。その後公開したカードをリアガードとしてコール。もう1体の《ぐらがおん》をコール。バトルに行くよ、レリジアルでヴァンガードに攻撃」
(手札10→9)
「アドゥーロでガード。……バトル終了後、アドゥーロは自身の効果でソウルに入ります」
(手札13→12)(ソウル3→4)
「アルモーヴのブースト、リィエル﹦アニムスでヴァンガードに攻撃。ここでスキルを使用。CB1をコストに支払う事で、レリジアルをバインドし、山札から同名カードをリアガードとしてコール。その後レリジアルのスキルを使用。SB1をコストに支払う事で、山札の上から7枚を見て、ヴァンガードがリィエルを含むグレード3以上か《聖竜 ガブエリウス》を1枚選んで手札に加える。……チェック」
(ドロップ8→9)(ソウル2→1)
(バインド5→6(RB2))
【山札の上から7枚】
《刻天想命 ウルト&ルエル》
《パラディウムジール・ドラゴン》
《刻天想命 ウルト&ルエル》
《決意と罪を抱く者 リィエル﹦アニムス》
《星海より手繰る星霧騎士の道》
《悠音の運び手 アラウヌス》
《加護の魔法 プロロビ》
「……リィエル﹦アニムスを公開して、残りを山札に戻してシャッフル。その後公開したリィエル﹦アニムスを手札に加える。続けてシーケンスのスキルを使用。自身のパワー+5000し、更にSC1」
(手札9→10)(ソウル1→2)
【ソウルチャージされたカード】
《時の運命者 リィエル﹦アモルタ》
「効果処理は終了、メインの攻撃」
「先ずは小手調べです。手札を1枚破棄して《リキューザルヘイト・ドラゴン》で完全ガード」
(手札12→10)(ドロップ3→5)
「ツインドライブ《刻天想命 ウルト&ルエル》《ブレードフェザー・ドラゴン》。ゲット・クリティカルトリガー。レリジアルのパワー+10000、クリティカル+1。バトル終了時、先ずはアルモーヴのスキルを使用。自身をソウルに置いて、俺の前列のリアガード全てのパワー+5000。……そして」
(手札10→12)
「グレード3以上の相手のユニットに攻撃したバトル終了時、ドロップにある自身と同名のユニットカードにスタンド状態でライドする」
「【Divine Skill】の効果で、ドロップからリィエル﹦アモルタにライド。その際、そのターン中はドライブ-1」
(ソウル2→3/ドロップ9→8)
「……兄様から話には聞いていましたが、実際に体験してみるとかなりキツイですね……」
「なるほどね、颯樹からある程度聞いてたんだ。じゃ、この動きも想定の範囲内?」
「もちろん、私も自分で調べてはいました。でも論より証拠、と言う言葉もある様に……自分の眼で確かめてこそ、その感覚は確かな物になると思ったんです」
「それなら、押し込む! レリジアルでヴァンガードに攻撃!」
(パワー40000/★★)
「マルニガル、ステムディヴィエイトでガード!」
(手札10→8)(ドロップ5→7)
「リィエル﹦アモルタでブラグドマイヤーに攻撃! その攻撃時にスキルが発動。CB1をコストに支払う事で、レリジアルをバインド。その後バインドしたカードと同名カードを山札からコールする。そのままレリジアルのスキルを使用。SB1をコストに支払い、山札の上から7枚を見て、ヴァンガードがリィエルを含むグレード3以上か《聖竜 ガブエリウス》を1枚手札に加える。……チェック」
(ソウル3→2/ドロップ8→9)
(バインド6→7(RB2))
【山札の上から7枚】
《しゔぁるみゃー》
《ブレードフェザー・ドラゴン》
《ブレードフェザー・ドラゴン》
《星海より手繰る星霧騎士の道》
《パラディウムジール・ドラゴン》
《刻天想命 ウルト&ルエル》
《決意と罪を抱く者 リィエル﹦アニムス》
「……リィエル﹦アニムスを公開して、残りを山札に戻してシャッフル。その後公開したリィエル﹦アニムスを手札に加える。続けてシーケンスのスキルを使用。自身のパワー+5000し、更にSC1する事ができるけど……今回は破棄。これで効果処理は終了、メインの攻撃」
(手札12→13)
「ノーガードです」
……なるほど、これ以上の
「このドライブチェックで、クリティカルトリガーを引く事!」
「なんでシレッと思考を読んでるの、愛音ちゃん」
「りりーのダメージは2、だったらこの後の攻撃で勝ち筋を見出すならそれしか無いよ!」
「……そうだね。山札にトリガーは残ってるし、可能性が無い訳じゃないのは確か。だが、何事も裏目ってのは存在する。それを忘れない事だね」
「行くよ、ドライブチェック」
「……はい!」
その言葉と共に公開されたドライブチェックのカードは……。
「《パラディウムジール・ドラゴン》」
(手札13→14)
「ダメージチェック《エラボレート・ウィザード》。クリティカルが増えていないのであれば好都合、ここからの攻撃は全てノーガードです」
(ダメージ2→3)
「……ぐらがおんのブースト、シーケンスで攻撃」
「ダメージチェック《零から歩む者 ブラグドマイヤー・ネクサス》」
(ダメージ3→4)
「バトル終了後、ぐらがおんは自身の効果で退却して
(ドロップ9→10)
「ダメージチェック《スチームスカラー マルニガル》。ゲット・ヒールトリガー。ブラグドマイヤーのパワー+10000、ダメージ1回復」
(ダメージ4→5→4)(ドロップ7→8)
「バトル終了後、ぐらがおんは自身の効果で退却してCC1。これでターンエンド」
(ドロップ10→11)
「……本当にお見事です。まさか、ここまでやるとは」
(手札8→9)(エネルギー6→9)
「あ、あはは……。今の、俺の今出せる最大出力で攻めたつもりだったんだけどな」
「そのおかげで、私の手札はあまり潤沢と言えなくなって来ました。ここで幕引きまで持って行かないと、次のターンで返り討ちにされそうです」
「……それはこっちも同じ事。莉々の全力、全身全霊で防ぎきってみせるよ」
「わかりました。では……いざ!」
「ブラグドマイヤー、ネクサス……」
「す、すごい……こんな進化があるなんて……」
「このユニットは《零の運命者 ブラグドマイヤー》としても扱う事が可能となります。それにより、ペルソナライドボーナスが発動します。前列全てのパワー+10000、1枚ドロー。そしてこれだけではありません。このユニットはソウルにこのユニットと同名のカードがあるなら、それらが持つ【Divine Skill】を全て獲得し、前列のリアガード全てのパワー+5000します」
(手札9→8→9)(ソウル4→5)
……ここまで来ると、その豊富な手札でもここからの攻撃を防ぎ切るのは至難の業。さて、この難しい局面をどう乗り切る?
「続けてメインフェイズに入ります。メインフェイズ開始時、ソウルにある《零の幻真獣 グリヴァルディ》のスキルが発動。自身をソウルからコールします。ヴァラックを押し出して《スチームレイダー ザムーグ》をコール。その登場時に効果を使用。私のヴァンガードがブラグドマイヤーを含むグレード3以上なら、CB1をコストに支払う事で、山札の上から3枚を公開し、その中から1枚以上を選んでソウルに入れる事が出来ます。……チェック」
(手札9→8)
(ソウル5→4/ドロップ8→9)
【山札の上から3枚】
《ヴェドローク・ドラゴン》
《スチームアーティスト アルウィム》
《零の幻真獣 グリヴァルディ》
「「……えっ……?」」
「ち、ちょっと待て……その捲り方は反則……」
「公開したカード全てをソウルに置き、その後山札をシャッフル。そしてこの効果で1枚以上置いた為、1枚ドロー。《スチームアーティスト アルウィム》をコール。その時にスキルを発動。本来はSC1を行いますが、私のヴァンガードがブラグドマイヤーを含むグレード3以上なら、次の効果に変更となります。山札の上から2枚を見て、望む枚数をソウルに置きます。……チェック」
(手札8→9→8)(ソウル4→7)
【山札の上から2枚】
《零の幻真獣 グリヴァルディ》
《怨恨の冥竜神 ゴルマギエルド》
「1枚をソウルに置き、1枚を山札の下に置きます。この効果で1枚だけソウルに置いた場合、山札をシャッフル。そしてブラグドマイヤー・ネクサスのスキルを使用。ソウルから4枚を裏でバインド」
(ソウル7→8→4)(RB8→12)
【ソウルから裏でバインドしたカード】
《破滅の怪音 アドゥーロ》
《破滅の怪音 アドゥーロ》
《ヴェドローク・ドラゴン》
《スチームアーティスト アルウィム》
「その後、相手は自分のリアガードを2体選んで裏でバインド」
「……シーケンスとレリジアル」
(バインド7→9(RB2→4))
「その後、私のバインドゾーンにある裏のカード2枚につき、自身のパワー+5000。裏のバインドは12枚あるので、パワー+30000。その後裏のバインドゾーンから1枚選び、公開し、公開したカードをリアガードとしてコールする事が可能となります。もし、この時に公開しなかったら1枚ドローに変更されます。……私は公開せず、1枚ドローします」
(手札8→9)
「……ねえ、そよりん。これ、すっごいやばくない……?」
「いや、これもうヤバいどころじゃないでしょ。普通に相手したくないんだけど!?」
「バトルフェイズに入ります。バトルフェイズ開始時、グリヴァルディのスキルが発動します。ヴェドロークを選択し、そのユニットに『ブースト』を付与して、自身のパワー+5000。ヴェドロークのブースト、グリヴァルディでヴァンガードに攻撃。私の裏のバインドは12枚なので、ヴェドロークは合計で40000になっていますよ」
(パワー70000/★)
……くっ、パワー70000か。
これは勇にとっては痛い出費になりそうだ。この後の攻撃を加味するのなら、ここをどう凌ぐかが勝負の分かれ目。ここは成るべく最小限の被害で留めたいところだけど……。
「《パラディウムジール・ドラゴン》で完全ガード!」
(手札14→12)(ドロップ11→13)
「では、本命の攻撃です。アルウィムのブースト、ブラグドマイヤー・ネクサスでリィエル﹦アモルタに攻撃。……そして相手のガードステップ開始時」
……来る!
「ブラグドマイヤーの【Divine Skill】は、このユニットが攻撃したバトルのガードステップ開始時に、私の裏のバインドゾーンが8枚以上で、尚且つこのユニットのクリティカルを+1しているなら発動します。そのターン中、相手は手札から守護者をコールやプレイできず、相手のヴァンガード……リィエル﹦アモルタを選択し、次の相手のターン終了時まで」
「な、なにそれ!?」
「ヴァンガードの、能力を無効化!? それじゃあ勇さんは……」
「そうです。ただ為す術も無く、零に還るだけ」
(パワー61000/★★)
「《時の運命者 リィエル﹦アモルタ》でガード! その時にスキルが発動。手札を1枚破棄して、バインドから2枚を山札の下に置く事で、運命者を含むユニットを1枚選び、そのバトル中、ヒットされない!」
(手札12→10)(バインド9→7(RB4→2))
(ドロップ13→15)
ここでリィエル﹦アモルタのスキルを使って来たか。
……しかし、この後の攻撃を防ぎきれるかはまた別問題。それは莉々のトリガーチェック次第と言っても良いけど……。
「ツインドライブ《破滅の怪音 アドゥーロ》。ゲット・フロントトリガー。前列全てのパワー+10000。《ステムディヴィエイト・ドラゴン》。ゲット・クリティカルトリガー。グリヴァルディのパワー+10000、クリティカル+1」
(手札9→11)
「お、おに……」
「これが……ブラグドマイヤーの、力……」
「バトル終了時、グリヴァルディのスキルが発動。私のヴァンガードが攻撃したバトルの終了時、このファイト中に私のヴァンガードがブラグドマイヤーを含むグレード3以上の【Divine Skill】を使っていて、このバトルフェイズ中に私のリアガードがスタンドしていないなら、EB3をコストに支払う事で、自身と同じ縦列のリアガード全てをスタンドします」
(エネルギー9→6)
……あー、これは……詰み、かな。
「ブッチャーのブースト、ザムーグでヴァンガードに攻撃。ここで《ネザァワールド・ブッチャー》のスキルを発動。私のヴァンガードがブラグドマイヤーを含むグレード3以上なら、ドロップから1枚選んでソウルに置きます。今回置くのは《ステムディヴィエイト・ドラゴン》。続けてザムーグのスキルも発動します。このユニットが攻撃した時、私のヴァンガードがブラグドマイヤーを含むグレード3以上で、このユニットのクリティカルが1以下なら、EB3をコストに支払う事で、パワー+5000、クリティカル+1」
(エネルギー6→3)(パワー48000/★★)
(ソウル4→5/ドロップ9→8)
(……うわ、最悪だ。こんな時にリィエル﹦アモルタを引き込めなかった事が響いて来たよ……。今のこの手札じゃ、ザムーグの攻撃は何とか凌ぎきれるけど、その後のグリヴァルディが絶対無理。パワー90000のクリティカル2とかどう凌げって言うのさ……)
「さあ、この攻撃はどうしますか?」
「……アラウヌス、プロロビ、ブレードフェザーでガード!」
(手札10→7)(ドロップ15→18)
「では、トドメです。ヴェドロークのブースト」
「……ノーガード、ダメージチェック。1点目《しゔぁるみゃー》。ゲット・クリティカルトリガー。リィエルのパワー+10000、クリティカル+1。2点目」
(ダメージ4→5)
イメージの中では色彩が消えて真っ白な空間になった場所で……リィエルの敷いた防御態勢を、大鎌を口に銜えたグリヴァルディが自身の中に宿る力を最大限放出させて打ち砕いた。そしてそのまま彼女に近づき、その胴を一瞬の躊躇いも無く斬り裂いた。
……そして、そんな光景が消えるのと、今行われているファイトの終わりを告げる瞬間は……ほぼ同時だった。
「《時の運命者 リィエル﹦アモルタ》。……ノートリガー」
(ダメージ5→6)