もしかしたら俺はロボアニメの主人公かもしれない 作:健康パワフル麦茶
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”崩星歴十四年”
”隕石由来と思われる強大な爆発と”
”人工知能の暴走により、崩壊した世界”
”そんな中で生体電流を売り払い”
”旧文明の遺跡を発掘する
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「チッ、今日も始まったよ」
俺ン頭の中に荘厳な男性の声が流れ始める。
理由はわからない。
班長に聞いたら、え~~~っと。
……改造に中古のパーツを使ったゆえのノイズだと言われた。
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”梓ミコト”
”短めの黒髪と、着崩した作業着が特徴的な少年である”
”彼は今このときこのように”
”頭の中にナレーションが流れる特異体質に悩まされている”
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報告ありがとう。おまえのせいだけどな。
しかしまぁ、活動に支障はない。
物心ついたときからこうだし、何より慣れた。
「さて、今日も仕事しますか」
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”瓦礫が散らばった荒れ地”
”そこに昨日置いておいた、ほぼ骨格だけのブロック兵に乗り込むミコト”
”例えるなら4WDの吹き抜け自動車に手足がくっついてるような──”
”そんな機体がブロック兵である”
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皆ダサいダサいと言うが、俺はかっこいいと思ってるぜ。
こいつのコックピットと、俺の背中にあるチューブをつなげると……。
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”ブロック兵が動き出す”
”これが電池化手術を受けた
”強化された生体電流を流し込み、精神ジャックによって機械を操作する”
”この崩壊した世界にとって、ほとんど必須の能力だった”
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ナレーターの言う通り、ブロック兵が動き出した。
グオン、グオン、と右腕に装備されたドリルを吹かしてみせる。
よし、今日も快調だな。
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”装備されたドリルによって瓦礫を掘り進め、遺跡を探索する”
”これがミコトの仕事だ”
”さっそく、ミコトは近くにあった瓦礫を掘り進め、斜め下へと降りていく”
”瓦礫を取り払っても取り払っても、また瓦礫が流れ込んでくる”
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基本はこの繰り返しで、一日が終わるんだよなぁ。
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”あ~~もうちょい右”
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急にタメ口になるな。
なんなんだよ、このナレーターは。
ただの機械的なノイズだと思ってても気になってしまう。
とはいえ、ブロック兵に搭載されたセンサーはいささか頼りない。
たまには言われた通り、動かしてみるか。
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”瓦礫を掘り進め、ドンドン地下へと向かっていくミコト”
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おっと……なにやらデカい空間に出た。
研究室か、なにかか……?
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”見つけたのは旧文明の遺産と思わしき研究室”
”そしてその奥には──奇妙な機甲兵があった”
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「え?」
言われた通り、奥を見てみる。
たしかに機体があった。
今乗っているブロック兵の二倍は大きいな。
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”機甲兵”
”旧文明において、もっぱら主戦力となっていたアーマノイド”
”
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「うるさいなぁ、知ってるよ」
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”機械的なモノアイ、覆いかぶさるフードのような外装”
”まだ塗装してないで機体は白く”
”主を待っているようにポツンと立っている”
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ふ~~む、なんていうのかな。
フードの付いたコートを羽織っている人間に近い。
それがモノアイ付きのガスマスクを着ている──というか。
まぁ、もちろんいたるところが機械なんだけど。
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”ミコトは思った”
”養育院で見たロボットアニメ”
”その雑魚敵みたいなフォルムだと────”
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解説ありがとう。
誰に解説してんのか知らんけど。
俺のことを俺に解説してる?
ともあれ、これは良いな。
班長に報告したらボーナスをくれるはずだ。
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”ミコトはそう思った”
”しかし運命は彼をこのロボに搭乗させる……”
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するかどうかは班長の決めることだよ!!
さて、一旦戻るか。
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”ミコトがブロック兵を翻して、来た道を戻っていく”
”荒れ地に出ると、ブロック兵から降りて、皆が待っている集会所へと向かった”
”数分歩くと、テントが張られている荒れ地に出る”
”やはり瓦礫が散らばっているのだが、人間が活動できる程度には片付いている”
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いわば戦場の休息地、みたいな感じだよな。
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”そこにはミコトと同じように迷彩柄の作業着を着た人達──”
”
”その中心にいるのが班長。大物のように大股広げて座っている”
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ああ、いたいた班長。
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”岸辺レイナ”
”やや癖のある赤毛をポニーテールにまとめた成人女性である”
”気風の良い態度で荒くれ者である
”ともあれミコトは、彼女によくしてもらっていた”
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まぁ、そのとおりだけどね。
脳内の声だけれどもやや気恥ずかしい。
休憩しているだけみたいだし、声をかけるか。
「班長! 機甲兵を見つけました!!」
「なんだってぇ!?」
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”班長が立ち上がり、ミコトの肩を掴んできた”
”そのまま揺さぶられる”
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やめてほしいぜ。目が回る。
「そりゃあ本当かい!? どこに!?」
「ええ、今から案内します。ついてきてください」
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”ミコトがそう言うと、班長が虚空に向かって祈り始めた”
”しかし無理もない”
”機甲兵はこういう小さな班なら一年ちょっとは遊べて暮らせる”
”そのような掘り出し物だったのだ。
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へぇ、そうなの?
けっこうな掘り出し物を手に入れちゃったな……。
「ああ! 運が巡ってきたねぇ!!
機甲兵──売っぱらってもいいし、機甲試合に出したって良い。
夢が広がりまくリングだねぇ!!」
「古いっすよ、班長……」
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”隣で煙草を吸っていた青年がぼやく”
”頭にタオルを巻いた、この班の実質No.2”。
”彼はソルリオと言った”
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俺、こいつ嫌いなんだよな……。
俺に対して結構意地悪するし。
「そもそも俺らの生体電流で動かせるんスカ?」
「フン、動かせなきゃ大型の輸送車でも借りてくりゃいいのさ」
「機甲兵を載せられる輸送車ねぇ……高く着きますよ」
「機甲兵で稼げるだろ」
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”なにやら揉めている”
”ソルリオが、ミコトの功績が気に入らず”
”ケチをつけているのだ”
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そうなんだ……。
このナレーター、俺の知らないことまで話すんだよなぁ。
周りの心情も読み取ってたりするのか?
「それより、早く機甲兵を見てくださいよ」
……と一応言っておくか。
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”ミコトがそう言うと、レイナは笑顔になってこちらを振り向いた”
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「そうだねぇ、さっさと確認しちまおう」
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”やはり儲け話。ソルリオがいくらケチをつけようがそれは揺るがない”
”しかしその時──”
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しかしその時って何!?
……と思ったら、たしかにちょっと遠くから起動音が聞こえるな。
ブロック兵の音じゃない。もっと大きい。
これは──。
「いったいなんだい!?」
「高台から確認しましょう!!」
二人が近くの建物へと走っていく。
俺もついていこう。
勝手口に階段があるから、そこから見れそうだな。
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”ミコトの予想通り、勝手口にある非常階段から遠方が見えた”
”瓦礫の山々──その少し遠方からやってくるの機甲兵”
”どうみてもこちらへと向かってきている”
”平べったい頭部をした、ドラム缶に手足がついたような機体”
”それが三体ほどである”
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「ありゃあ連合のドラムスだねぇ……」
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”レイナが双眼鏡を構えて、それらを見る”
”ソルリオ、ミコトと渡され”
”ミコトも無事、近づいている機甲兵を視ることが出来た”
”もっとも大きさ的に双眼鏡を使わなくても視認できる距離だが”
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つーかおまえが解説してるから、見なくてもだいたいわかるんだよな。
どれどれ……なるほど。
平べったい頭部の下にモノアイがいくつかあるな。
ちょっと不格好だな……俺が見つけたやつよりダサいかも。
「この辺りを接収しにきたんすかね?」
「今から機甲兵を引きずりだしゃあ、確実に戦いになるね」
「そもそも逃がしてくれるっすかね……」
「戦うしか、ないかもね」
そう言ってレイナさんが俺を見た。
じーっと見つめてくる……俺に戦えってことか?
「まさか俺が戦うんですか!?」
「アンタが一番ブロック兵の扱いが上手いだろう。
機甲兵の扱いだって、そう変わらないさ」
「生体電流も一番多い。おまえじゃないと動かないかも」
「う~~~ん……」
まさか捨て駒にされようとしてないか? これ。
機甲兵なんて見つけるべきじゃなかったかもな……。
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”しかしそうは言っても、機甲兵達は近づいてくる”
”彼らの速度では
”誰かが、殿になるしかなかった”
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チッ……わかってるよ。
「わかりました、俺、乗ります!!」
そう言って、階段を駆け下りた。
「頼んだよ、ミコト!!」
「応援してっぞ!!」
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”しかし彼らはその実ミコトが敵わないだろうと考えていた”
”走っていくミコトを見送りながら、どう逃げるか”
”それしか考えてなかったのである”
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そこ、うるさいよ!!
捨て駒だろうと、誰かがやらなきゃな!!
道を戻り、再びブロック兵のところまで走るぜ!!
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”ミコトはブロック兵に乗って、そのまま研究室まで奔っていく”
”ブロック兵の足に装着されたキャタピラが回る”
”研究室に着く頃には機甲兵達が走り回る地響きが通じていた”
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わかってるよ!!
クソっ、瓦礫が落ちてくるし……。
え~~っと? どこがコックピットだ?
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”胸部部分だよ。足にちょっとしたハシゴがあるはず”
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急にタメ口にならないでくれますか?
おっ、あったあった。ハシゴ。
ここから胸部まで上がって……と。
あ、開閉ボタンがあるな。ポチッとな。
おお、縦に開いた。ガチャポンみたいだな。
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”ミコトが機甲兵に搭乗する”
”しかし電源はつかない。電気が送られていないからだ”
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ああ、チューブを刺さないとな。
どこだ……? この穴か。よいしょっと。
うぉッ、かなりのエネルギーが吸われていく感じがあるな。
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”電源が点き、コックピットの画面が光る”
”そこにはガンヴァルデアと大きく文字が映っていた”
”これがこの機体の名前らしい”
”次いで、操縦桿がせり上がってきた”
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ああ、コレね。コレを握れば良いんだな。
操縦自体は精神ジャックで出来るから、大した意味はなかろうが。
「よし……いくぞ!! ガンヴァルデア!!」
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”コックピットの扉が閉じつつ、ガンヴァルデアに瓦礫が降り注ぐ”
”しかしその程度で潰れる機体ではない”
”そのまま、足のブースターが吹き上がる”
”ミコトの掘り進んできた道を、滑走路代わりに走り出した”
”地上へ撃ち出される機体”
”そのままスライディングするように、地面を滑走する”
”目の前にはドラムスと呼ばれた機体がちょうど三体”
”仲間の
”エネルギーガンを撃ち出していた”
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「こいつら……!!」
この機体に武器は残ってなさそうだ。なんとなくわかる。
とりあえず殴りかかって、奪うしかない。
しかしなんというか、あれだな。
こういう展開、養育院のロボアニメで見たような気がする。
うむ……ナレーションも聞こえるし……。
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”機甲兵ガンヴァルデア”
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もしかしたら俺はロボアニメの主人公かもしれない。
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”ガンヴァルデア、大地に立つ”
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■登場人物■
梓ミコト 黒髪。この物語の主人公。
まだ高校生にも満たない年齢。
岸辺レイナ 赤髪ポニテ。ミコトの班を纏めている班長。
ソルリオ タオル巻いてる。班のNo.2
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■用 語■
崩星歴 旧文明が崩壊してからの年数。まだ十四年ほど。
精神ジャック ↑が使うことが出来る。機械を操作できる。
ブロック兵 機甲兵の半分ぐらいの大きさ。作業用
機甲兵 人型兵器。ちょっと独特の形が多い
→ドラムス ドラム缶に手足を付けたような形状。
→ガンヴァルデア レインコートを覆ったガスマスク男みたいな形状。
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シュウッ!!(CMに入る音)