もしかしたら俺はロボアニメの主人公かもしれない 作:健康パワフル麦茶
Aパート
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”研究所の一室”
”白い、白い、その部屋で”
”二人の男がコイントスをしている”
”チィン、とコインが弾かれる”
”それを見る前に男が答える”
「表」
”繰り返す”
”繰り返している”
”また、彼が手を開く”
”コインの向きはまた同じ”
「表」
”繰り返す”
”繰り返している”
”また、彼が手を開く”
”コインの向きはまた同じ”
「表」
”繰り返す”
”繰り返している”
”また、彼が手を開く”
”コインの向きはまた同じ”
「なぁ、いつまで続けるんだ?」
”男が呆れたように腕を伸ばした”
”それほどの時間”
”この作業に費やしていた”
”もう一人の男が呟く”
”白衣姿の、冴えない男だった”
「……たしかにもう十分でしょう」
「信じてくれるか?」
「ええ、貴方は……」
”繰り返す”
”繰り返している”
「少し先の未来が見えている」
”コインの向きはまた同じ”
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目が覚めた。
見知った天井だな。
ここはたしか俺が住んでいる部屋。
ノイズシティ。
その中の一宿舎……の天井だ。
つまり……あれから俺は気絶し──。
仲間たちによってここまで運ばれてきたようだ。
しかし……変な夢を見てたな。
病室みたいなところで
延々と男がコイントスして。
もう一人がそれを当てるだけの夢。
あの男の夢、たまに見るんだよな。
黒髪の白髪混じりな中年男性。
少しダンディで細身。
西洋風の役者さんみたいな男……。
声もナレーターさんに
激似なんだよな。
もしかしてあれ、
ナレーターさんなのか?
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”さてね”
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普通に返事しないでください。
ともあれ腹減ったな……。
いつまでも寝転がってないで、
まずは飯でも食べに行くか。
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”ミコトはそう考え、立ち上がる”
”誰かが着替えさせたのか”
”服はTシャツ一枚にパンツ”
”
”少しばかりはみ出ているが”
”それを気にするものは誰もいなかった”
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ま、このまま外に出るのはあれだけどな。
一応着替えておくか。
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”そう考え、ミコトは”
”衣装棚から作業服を取り出す”
”灰色の迷彩をしたツナギ”
”それを着れば否応にも”
”社会の一人として認められた”
”すこしばかり髪の毛を整え”
”顔と頭を洗って、歯を磨き──”
”そのままミコトは外に出る”
”向かう先は食堂”
”それは宿舎のエントランスにあった”
”そのまま食券販売機へと向かう”
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さて、食券の内容が──
変わっているわけもなし。
俺はいつも通り親子丼を購入する。
そのままそれを
食堂のおばちゃんへと持っていく。
すると、おばちゃんが
突然手招きしてきた。
恰幅の良い、パンチパーマと
エプロン姿のおばちゃんだ。
「なんだい、おばちゃん」
「アンタ、そこに女の子がいるでしょ?」
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”ミコトが視線を映すと”
”たしかに少女が座っていた”
”銀細工のような細い髪をした”
”薄い印象を与える少女”
”オーバージャケットを”
”ワンピースのように羽織って”
”ずっと虚空を眺めている”
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「あの娘がどうかしたのか?」
正直見覚えはない……はず。
いや最近、どこかで見たような気がするな。
でも知り合いじゃないのは確かだ。
「ああしてもう二時間が経過してるんだよ」
「へぇ……それで?」
俺がそう言うと、
食堂のおばちゃんは溜息をついた。
とてもなにか言いたげだ。
「わかんない子だねぇ。
心配だから声掛けてきな」
「なんで俺が……」
「歳も近いだろうさ。行っといで。
飯は持っていってやるから」
……と送り出されてしまったので、
渋々行くしかなかった。
「へぃ、お嬢さん元気?」
俺が声をかけると、
反応してじっとこちらを見つめてきた。
しばらく何を話そうか
悩んでいるように
ん~~と唸ると……。
「待ってるの」
「へぇ?」
「人間味がないから置いていかれたの」
……などと妙なことを言う。
もしかしてこの宿舎の新人だろうか。
別に女性がいないわけではないけれど、
あまり推奨するもんじゃないぞ。
中には乱暴なやつもいるからな……。
「迎えには来るのか?」
「だから待ってるの」
……とりあえず向かいに座り、
じっと観察する。
やはりしばらくボーッとしてたが、
俺の視線に気づいたらしい。
少し恥ずかしそうに小首をかしげてきた。
「…………なに?」
「一応心配してやってるんだよ」
「なんで?」
「食堂のおばちゃんに言われたから」
──と言っていると、
おばちゃんが親子丼を運んできてくれた。
しかも二人分。俺と女の子の前に置く。
おっ、嬉しいことに漬物もサービスされている。
味噌汁もだ。
「それ食ったら二人で遊びに行きな」
「でもなんか待ってるらしいぞ?」
「あたしが伝言しといてやるよ」
そう言って、おばちゃんは去っていた。
俺は喜び勇んで親子丼を食べる。
うんうん、
塩っ気が効いていてほのかに甘い。
やっぱりこの味だよな。
女の子は親子丼を見て、
少しばかり悩んでいたが……。
くぅ~~~、
と腹の虫がなったのが聞こえた。
その白髪を掻き分け、
橋でちまちまと親子丼を食べ始める。
「コレ美味しいね」
「ああ、この食堂の定番メニューさ」
「全部食べきれないかもだけど……」
「食えよ」
「普段はあまり固形の食事はしないの」
妙なことを言う。
結局半分も食べきらずに、
俺の前へと突き出してきた。
食え、ということだろうか。
関節キスとか俺は気にしない。
せっかくだから食わせてもらおう。
ムシャムシャと、
勢いよく親子丼をかっこむ。
数分もせずに
二杯目の親子丼を食べ終わった。
「男の子だね」
「関係ねぇよ性別なんざ」
「そうかな……」
ちまちまと飲んでいた
味噌汁も結局半分ほど残しやがった。
やはり俺の前に
突き出してきたので、一気に飲む。
それを見て、女の子はくすりと笑った。
「ふふ、わたし
「ん? ああ、よろしく」
「そっちは?」
「あ?」
「名乗られたら、
名乗り返さなきゃいけないの」
「なんで?」
「これ、常識」
じっ、と人差し指を
向けてたしなめてくる。
なんかちょっと年上っぽい感じだ。
「………………梓ミコトだ」
「ふぅん」
興味が出たのか、
オレをジロジロと見始めるユキノとやら。
さっきまで人形のようだったのは、
空腹だったからか。
「元気が出たようで何よりだ」
「ねね、どっか行かない?」
「なんか待ってるんじゃねぇの?」
「おばちゃんが伝言してくれるって言うし」
俺は念のため財布の中身を確認する。
ひとまず、
飯を奢ってやる程度の金はあった。
普段の労働の賜物だな。
「…………まぁいいけどよ」
「ん」
……なんか両手を伸ばしてきた。
さながら抱かれるのを
待っているかのような。
「なんだよ」
「エスコートして」
「…………」
仕方なく、手を掴んで引き上げる。
席から離れたので、離そうとするが──。
ガッツリ握られてしまった。
「ふふ、デートなんて初めて」
「馴れ馴れしいな……」
「いや、かな?」
嫌というよりは気恥ずかしい。
まぁこいつは割と可愛いから、
悪い気はしないが。
初対面の相手にちょっと馴れ馴れしすぎる。
世の中には
ハニートラップとやらがあるらしいが。
そういうたぐいでもやってるのか?
……いや天然なだけかな。
「仕方ねぇな。
おすすめスポット、案内してやるよ」
「ふふ、ありがと」
つーわけで俺とユキノは街へと駆り出した。
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”そろそろCM入るよ”
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なんなんだよ、ナレーターさん。
てか今までなんで黙ってたの?
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”機甲兵ガンヴァルデア”
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おい!! 完全無視かよ!?
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”黒き閃光”
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シュウッ!!(CMに入る音)